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2005/10/15

郵政民営化反対論の論理矛盾

日本人は真理とか論理に非常に無頓着な国民だ。恐らく長らく島国として外敵との接触が無かったからかもしれない。日本人の議論は議論ではなく、常に先に結論があり、議論と称して言葉の応酬はするけれど、実際には真理追求などどうでもよくて、発言内容ではなく発言者の上下関係や地位で議論は決まってしまうからです。

だから、お互いが対等若しくは自分が上だとアピールしたい者同士のTVの討論では大声でがなりたてて、お互い相手のいう事を聞くことはまずない。彼らは生まれてこの方、議論の習慣がないからなのです。このため日本人同士の議論では、持論を自ら否定するような矛盾した論拠を平然と言い張って一向に自己矛盾に気が付かないことが多い。

困るのは、それが公の場でもまかり通ってしまうことです。で、そんな調子で海外で何か主張すると赤っ恥をかいたりします。例えば昔、核廃棄物を南の海に沈めようとしたとき、きちんと処理しているから安全だと日本は主張しましたが、その国から、あっそう、そんなに安全なら自分の海に沈めたら?と言い返されてギャフンとなってしまいました。

核を海外に捨てようとした人たちは、どこか心の奥では、南の国を後進国として低く見ていたのでしょう、だから自分の言い分が通ると、間抜けな理屈を平然と持ち出したのではないでしょうか。国内では上下関係で意見が通っても、世界には通じません。

ホント、日本では、こういう自己矛盾を平然と言い放つ議論が多い。最近では郵政民営化反対論がその良い例でしょう。彼らが何故反対なのかは非常に分かりにくいのですが、中でも「郵政事業は特別会計だから民営化しても意味がない」との主張、コレは噴飯モノです。

南の島の酋長じゃないけれども、だったら民営化しても同じなんだから良いじゃないの、でオワリです。民営化すると過疎地のサービスが無くなるというのも自己矛盾、特別会計で成り立ってるんだから、民営化後も法律で過疎地サービスを義務付ければ済む話だし、仮にそれで経営が破綻し、それが経営者の問題ではなく制度の問題だとするなら、全ての事業を国営したほうが良いことになります。

こんな風に、サービスが低下すると言われると、中身を考えず単語に反応して、一般市民がホイホイ乗せられてしまうのも困ったものです。そもそも、こういう議論は、実際のところ正義感とか論理でなされているのではなく、利権やしがらみから来ていることは、みんな分かっているのに、何故あんなにみんなで議論するのかホントに不思議です。

何より与党側で、民営化に反対していた議員がこの国会で賛成派に転じたこと自体が、反対に論理的根拠や確たる信念が無く、しがらみと欲得であったことの証明ではありませんか。こんな具合に日本では、主張自体にお互いの関係性を重視し反論が無いことを前提にしていて、論理的には簡単に論破でき、さらに自らの言動が不当性を証明してしまう主張が非常に多い。これは日常生活においても頻繁に目にします。

「絶対」とか「保障します」とかがソレ。私の言うとおりにすれば、絶対成功します→じゃ失敗したら○○と書いてなどというと、間違いなく怒り出し信頼関係を壊します。でもそれで壊れるなんて元々ありもしない信頼なんですが、なかなかそこに気が付かないのです。本当のことは薄々気が付いているけれども、表面上は波風立てたくない、このままでは手遅れになるけれど医者に行くと病気と分かるから治療しない。みな本当のことより、かりそめの平穏を選びます。昔一億総白痴化と言われましたが、一億総かりそめ化現象とでも言っておきましょう。

ま、それにしてもニッポンのみなさん、アホなマスコミ報道やミエミエの論議には簡単に乗せられないよう気をつけたら?

日本にはマッチ・ポンプと言う言葉がありますが、どうでも良いことや、分かりきった議論に載せられて、国民全体がマッチ・ポンプに翻弄されないよう祈るばかりです。

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