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2006/05/18

共謀罪という名の治安維持法復活

共謀罪は治安維持法の復活に繋がる。そう思うのは、つい最近、身近に起こった事件から実感したからだ。

首都圏のある街では、今クリーンな市長と利権派の議会の対立が続いていて、市長選を控えて議会は市長つぶしに、総合振興計画や予算の否決、果ては目的不明な百条委員会等なりふりかまわぬ嫌がらせを続け、ついに市民にまでとばっちりが来るに至った。

アタマに来たある自治会では議会の横暴を糾弾するため、駅前でビラを配ったところ、議長から相談を受けた私服の刑事が来て、中止となった。

この話を聞いた自治会の正副会長は、誰かが警察と議長の名をかたっていると、捜査を頼むつもりで翌日所轄警察署に出向いたら、当の刑事が出てきて事実だと言う。思わず絶句。そこで何がいけないのか聞いたところ、彼が言うにはこうだ。

     匿名の通行人から苦情があったし、議長からも、ビラで困っていると相談があった。

     私服はビックリさせないためだ、罪状は、県警本部の刑事2課と今協議している。

     ビラ配りは、道路使用許可が必要だ。

ぶったまげた彼らが、翌日弁護士に相談したところ、前代未聞だとして次の点を指摘した。

     匿名の通報では通常、警察は動かない。第一苦情自体が怪しい。普通なら近くの制服警官が現認に来るはず。私服ということはよほどやましいからだ。権力者に警察が荷担していると思わざるを得ない。

     ビラの内容は、全て客観的事実で、相手が公人であるから、何の問題もない。

     県警本部に相談と言うのは信じられないから、マスコミと県警本部長に直接手紙を書いて訴えたほうが良い。

というもの。しかしある人物が、所轄の恨みを買うだけだから止めろと言う。そうこうしているうちに、所轄の警察から呼び出しが・・・、恐る恐る所轄に行くと、副所長が出てきて、言外に「ごめんね、この辺でカンベンね」という意図が見え隠れしたので、そのまま無事帰ってきた次第。ふう・・・。結局住民達も、所轄とケンカしてもロクな事あるまいということになって、一見落着なんですが、実際のところ何も落着してはいない。

駅でビラを配ったのは、市民団体でもないごくフツーの市民、同じ町内会のジイサン・バアサン達が、単に議員達に理由を聞いただけでケーサツが出てきたのだ。戦前ならいざ知らず、平成の世でこんなことが?と思うが事実なのです。

これがもし2.3人の市民団体だったら一体どうなっていたのだろう。考えるとゾッとしてしまう。もし共謀罪があれば、簡単にやられてしまうだろう。共謀罪は犯罪組織が対象というが、共謀罪が適用されたらそれは犯罪なのだから何をかいわんやだ。

こんな警察のメンタリティで、共謀罪という強権を与えたなら、ホントにヤバイ暴力団やテロリストより、簡単に逮捕できる一般市民に牙を向くことは想像に難くない。今でさえ、マスコミは公器としての役目を果たしていないので、共謀罪という治安維持法が復活した後では、益々何の役にも立たず、こういうブログを書いただけで逮捕されるかもしれない。

何気なく手を出した食べ物が毒入りだったと気付いても、その時はもう遅い。毒は飲んではならないし、飲んでしまったなら利く前に解毒しなければならないのだ。

【参考】

     政府発表による治安維持法の犠牲者は、送検者75,681人、起訴5,162人。一連の治安法規も含めた逮捕者は数十万人、拷問・虐待による多数の死者。

     1976年『文化評論』臨時増刊記事では、

■明らかな虐殺:65人

■拷問・虐待が原因で獄死:114人

■病気、その他の理由による獄死:1,503人

■逮捕後の送検者数:75,681人

未送検者を含む逮捕者:数十万人

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