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2006/11/21

世論はプロバガンダか民意か~迫られる国民の選択

Cap 耐震偽装疑惑は藤田告発と関係なく存在する。よってこの問題は既に藤田氏個人の問題ではなく国民経済に関る重大問題だ。だから、昨日の続きの前に、昨日のあっと驚くTVへの藤田東吾氏生出演について一言。

彼は非常に重大なことを言っているが、話が飛びすぎて分かりづらい。昨日も憲法9条の話をしたりして、直ぐ興奮し、余計な事を言わなければいいがとハラハラして見ていたが、結果は完璧だったと思う。

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例えば、個人名を挙げてこき下ろしていたが、その印象の良し悪しは別に、相手は公人であり事実である限りには名誉毀損にならないから、ぎりぎりセーフだ。他にも、しゃべり過ぎだよと思うギリギリのところで、ちゃんとセーフになるフォローをしていたように思う。

直ぐ興奮して話す様子は、おっちょこちょいに見え、この人ダイジョーブかと思わせるものの、かように発言内容には揚げ足を取られる部分は無かった。これは物凄く頭の回転が速いか、バカ正直かのどちらかだろうと以前書いたが、ひょっとしたら、両方兼ね備え、おっちょこちょいは演技じゃないかと思った次第。

さて、お話の続きです。ここまで、前々日来根気強くこの長ったらしい拙文をお読みいただいた方はご理解いただけたことと思うが、単語に反応しセンテンスを理解しないニホンジンは、タイトルや所々の刺激的単語に反応し、コイツはテロを賞賛していると思うかも知れないが、それも本論を証明する実験だ。

■東大マフィア?

最後に隠された結論を言おう(って全然隠されてないな、自爆)。頭の良いニホンジンのグループはいる、彼らが鰯の大群にチョイと刺激を与え、エサを投げ動かしている。それは東大マフィアだ。勿論そんな名前の暴力団がいるわけじゃないし組織として確立されているかも不明だ。優秀な頭脳を持った東大卒官僚とOBのシンジケートがあって、彼らがこのニッポンを動かしているという事なのです。

但し決して悪いことではない、国策を衆愚が動かすより遥かに良いし、正しく日本を導くなら少々私腹を肥したって良いと思う。問題は、本当は利口じゃなかったり、感情に支配された者が混ざったときだ。彼らは決して一枚岩ではない、騙すつもりは無くても自己保身のために結果的に他組織の仲間を騙してしまうことがある。それがこの一連の耐震偽装騒動ではないだろうか。

■検非違使のプライド

検察は、国交省に結果として騙された。この問題、実は検察の領域ではなく政治の問題だったのだ。検察はまさか仲間のエリートがペテンをやってるとは思わないから本気にしてしまい、次々容疑者を逮捕したが、元々ありもしない容疑だから、どうにも雲行きが怪しい、政府も今一信用できない、と気付き始めたかもしれない。

彼ら検察エリートは検非違使としてのプライドがあり、国家の秩序を守る責務は誰よりも理解し、また実行しようとの気概がある。このため、何でもかんでも人をしょっ引く訳ではなく「社会秩序の維持」が当然に念頭にあるだろう。問題は、何を基準にこの判断をするのかなのだ。

■アンタッチャブルの領域

その判断の材料にエリート官僚の意見があるのは想像に難くない。至極当然のことでもある。官僚は決して巷間言われるようなバカでは無い。少なくとも私やアナタより優秀だ。それに悪党でもない、日本国の舵取り自分達の役目と心得、激務に励んでいる。だからコノ国をうごかしいている彼らの意見を検察が参考にすることは妥当な事なのだ。

ところが、天下国家のため身を捧げようと官僚になったものの、組織の中での生き方はまた別問題のメソッドとして身に付けざるを得ない。こうして役人故の保身術は否応無く身に染込み、条件反射的にお互いに暗黙の了解、アンタッチャブルの領域を作るのではないか。

何だかんだ言っても談合がなくならないのは、談合が無くなれば間違いなく2次就職の機会が失われるからだ。エリートが安い給料で国家に奉仕したのだから、民に下ってから元を取り返すというか貯金を引き出す感覚なのだろう。

■窮地に立たされた検察~なんで俺達が?

話が横道にそれたが、東大卒エリート官僚同士の組織を超えた連帯意識は、決して1枚岩ではないが確実にあって、これが東大マフィアとしてコノ国の中枢を動かしているということ。で、今回の耐震偽装では、国交省の話を鵜呑みにしてしまった検察は今窮地に立たされていることは想像に難くない。

何、分かりにくい?じゃストレートに言いましょう。

     耐震偽装は犯人である姉歯の犯行でありコイツが偽装をしてなければこの事件も無かった。フツーは考えられない事件であり、故に誰もが見破れなかった。

     ところが、現実に偽装は起きた。個別特殊な事件であれば犯人が悪いで済むが、実際には普遍的に偽装が起きていた。となれば危機管理を怠り、偽装が出来るシステムを創った国の管理責任が問われなければならない。

     なのに、国交省はこの事件を姉歯関連の個別事件として位置づけ、自分達の責任回避を図った。

     検察は専門家ではないので彼らの話を信じてしまった。構造計算の一連プログラムの仕組みを知らない検察は、欠陥には当然に説明されなければ気が付かないし、犯行を免ずる理由にもならないからだ。彼らの使命は犯人の逮捕訴追であって、背景の改善ではないから当然と言えば当然かもしれない。そして単独の事件として捉えれば、犯行の動機となるメリットは何かとなり、経済設計を強いた者をしょっ引けとなった。

     単独事件として捉えた検察は、別件でしょっ引いても、動機や経緯が解明できると思ったのだろう。国家の秩序を守るためにはエスケープゴートも必要と考えたのだろうが、浅はかだった。なぜなら、個別特殊な事件ではなかったから、決してエスケープゴートにはならない、他にも偽装はあるから、辻褄が合わなくなるのは当然だ。

     辻褄が合わなくなった検察はこれからどう対応するのか、国家秩序を守るために行動したはずの検察だが、結局国交省の怠慢を保護した形になり、貧乏くじを引かされた格好だ。

     しかし、よく考えればコノ問題は偽装という犯罪がきっかけに明るみに出た政策のミスなのだから、もともと検察の領域ではない。だからこれ以上いもしない犯人探しは止めて政府に下駄を預けるべきだろう。まあ、預けられた政府も困るだろうが。

■犯人と国交省の管理責任

耐震偽装に関しては時の政府幹部の責任ともいえるかも知れないが、システムを創ったのは時の政府ではないから、そういう言い方をしていけば主観的になり際限がなくなる。まずは直接の犯行を行った犯人と危機管理を怠った国交省の管理責任、この2点をはっきりさせて、その後の話だろう。

そして辻褄が合わないことに国民が気付き、集団リンチを止めて国家システムの構造的欠陥を追及しだしたなら、東大マフィアが存在しようとしまいと、そんなものは機能しなくなる。だが、相変わらず扇情され集団ヒステリーに陥るなら、東大マフィアは、どうせ国民はバカだからと、さらにのさばりエスカレートするだろう。

■ブロガー連携による報道革命

そして誰も疑問に思うべきことなのに、既存マスコミは見ざる言わざる聞かざるを決め込む中、ブロガーを中心に国民の疑問が広がり、インターネット主導で民衆の自発的な世論が形成されつつある。だから拙ブログ10/20のエントリーで報道革命の日と謳ったのだ。

■国民はバカのままか?

だから耐震偽装問題は、藤田東吾氏の手を離れ、既に我々国民の問題なのだ。故に今後ありとあらゆる個人攻撃がなされるだろうが、事件に関係ない内容に惑わされてはいけない。世論がプロバガンダに支配されるか、民意によるのか、その分岐点なのだ。

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