耐震偽装―敵を見間違うな!
■崩れたもの
偽装発覚から1年経って崩れたのは建物ではない、偽装を告発したヒーローと被害者の名誉と生活基盤だ。耐震偽装については、もう書きたくも無いが、本来は英雄視され、同情され人々から支援されるべき人々が、言われ無き弾圧に苦しんでいる現状を見ると黙ってはいられない。これで良いのかニッポンジン。
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メガネを外して、部屋の汚れが見えないからといって、部屋が綺麗になったわけではない。国は耐震偽装の原因や実態を解明せず、関係者を次々別件逮捕し、耐震偽装事件を隠蔽し、忘れっぽい国民の目を逸らして、一見落着を図ったようだ。
だが、何一つ原因や責任が解明されていないから、事態は全く変わっていない。口封じに逮捕され散々苛められた藤田社長だが、問題はそのままどころか、もっと深刻になっているので、彼は立ち上がった。一連の彼の行動経緯はブログ「頑張れ藤田東吾」に整理されたので、ここでは、今一度藤田告発と耐震偽装事件のおかしな点を客観的に整理してみよう。
耐震偽装事件の問題点・疑問点を明らかにするには、何も特別な知識や情報を必要としない、修飾語を外し事実だけを見つめれば論理だけで明らかになるのだ。結論を言えば、この国では事実が180度ひっくり返り、法を守ると罰せられるから、悪事を見ても見ぬフリをしなければいけない。極端な言い方だが、そういう現象が起きている「事実」を知るべきだ。
(1) 法を守ると罰せられる怪
そんな、バカなと思うなかれ、藤田東吾は最初に偽装を告発した人物だ。そして彼は告発しなければならない立場にいた。ただ自分も検査責任を問われる危険があるから、自己保身を考えれば知らん振りすればよい。だが偽装告発は多くの人・会社の生命財産に関わる社会問題だからプライオリティは比較にならないほど大きいはず、自己保身より社会問題を優先すれば告発すべきであり、彼は実行した。しなかった者は自己保身以上の制裁があるはずだ。そうでなければ法治国家とは言えず、社会秩序が保てない。
ところが、耐震偽装を告発したのは、後にも先にもイーホームズ藤田社長だけだ。他の民間検査機関も、特定行政庁も疑惑を指摘されてはじめて認めた。川崎市に到っては、疑惑を指摘されたにも関わらず客観的検証すら拒んで、隠蔽疑惑を自ら盛り上げている。
本来ならば、藤田社長はヒーローだ。彼の告発で不利益を受けるのは不正を働いた輩のはず、不正を働いてない多くの人々は拍手喝采、被害者からは感謝されてしかるべきなのだ。また、ジャーナリズムは不正の輩の仕返しから彼を守るべき。ところが、現実は全く逆だ。逮捕監禁され不正を暴いた証拠が官憲の手で持ち去られ、業務停止。さらには別件で有罪判決。
恐怖政治そのものではないか。ニッポンジンよ「有罪」という単語にだけ反応しないで、内容をよーく考えて欲しい、キミたちも何時だって有罪になるのだよ。立小便、ハイ有罪。拾った金届けなかったな、ハイ有罪。こういう例えは、身近すぎて極論に聞こえるかもしれないが、資本金見せ金なんて、身に覚えのある人はゴマンといるはず。
確かに罪は罪だが、特別に目を付けられた観は否定できまい。問題は職責に従い悪事を告発したら目を付けられたことだ。その上、全く無関係の罪で業務停止の懲罰を受けた。どう考えても理不尽極まりない!
学級委員が、先生、A君がいくら注意してもタバコを止めませんと言ったら、オマエこないだ遅刻したな、学級委員やめろ、停学処分だ、と言われるようなモン。大人がこんなこと堂々とやっていて、教育基本法がどうーたらこーたらでは、この国の先は知れたものだ。
(2)イジメに夢中で論理矛盾に気が付かない、それとも無視?
国民は関係者バッシングに夢中で、肝心の耐震偽装事件が何か良く分かってないし知ろうともしない。藤田告発と処分その他耐震偽装事件には幾つもの論理矛盾や怪しさがあるのだ。今一度整理しよう。
①やってない罪で罰せられる矛盾
イーホームズは偽装を最初に見抜き公表した。他の検査機関は指摘受けるまで見抜けなかった。だが見抜いた者を見抜けなかった罪で処分し、見抜けなかった者は咎めない?何をどうすればこんな理屈が立つのだろうか?
②国のロジックでは国の資格剥奪が必要となる矛盾
偽装は民間検査機関制度以前からあったとなれば、イーホームズの責任を問うた政府は、自らのロジックで国の責任を問わなければならない。
③安全の為と言いながら危険な建物を温存するする怪
昭和56年新耐震基準以前の建物は現在の耐震基準に合わないが、人が住んでいる。偽装マンションに退去命令を出し取り壊すなら、他の同じ強度の建物も同様にしなければならないはず。これでは安全優先ではなく証拠隠滅優先に見える。
④関係者が勝負を避ける怪
藤田告発に対して、アパは告訴すると言い、川崎市は証拠を出さない、藤光建設は調査中とか、対して藤田社長は自分を訴えろと言う。勝負有り、真実の強みか。
⑤藤田告発を無視するマスコミの怪
藤田告発内容は、個人の問題ではない、耐震偽装は社会経済全体に関わる大問題であると政府与党幹部も言っている、それが今も行われているとの指摘なのに大メディアは無視?メディアは自らの公器としての使命を放棄した物凄い論理矛盾だ。
⑥藤田批判の矛盾
ネット上や身の周りでも、藤田批判は聞くが、主観的な人格攻撃ばかりだ。ガリレオが妥協しようとも、それでも地球が回る様に、藤田告発の真偽と藤田氏は無関係なのだ。
⑦被害者バッシングの怪
ヒューザー、木村建設、総研、住民、イーホームズ、渦中の人々みんな被害者なのにバッシングされたが、客観的事実で何が悪いのか未だ一切無い。国民は何が悪いか分らず批判している、これは物凄い矛盾だ。ウソだと思うなら、何か一つでも良い、批判を挙げて、それが批判を受けるべき客観的事実か自分に問うたら分る。オジャマモン、安いから何かあるに決まっている、儲けている、君臨していた等々、みんなヤッカミで、批判されるべき事実ではない。そんな事で裁判?
等々キリが無いからこの辺で止めるが、この事件、国や国民の反応には余りにも矛盾や論理破綻が多すぎる。かなりの国民に関わる大問題なのに、全く他人事。マスコミに乗せられ被害者イジメをして喜んでいるが、国の無策によって自分の生命財産が脅かされていることに気付くべき。敵を見誤って、味方を攻撃してどうする。
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コメント
コメントありがとうございました。とても理論的でわかりやすい記事でした。
TBさせていただいた「『反戦の家づくり』に反論の住民さまへの提案」という記事で参考記事として紹介させていただきたいと思います。
投稿: 美爾依 | 2006/11/20 08:46