腎臓移植報道の怪(1)
ちょっと気になる事件について述べたい。例によって肝心なところがボケたマスコミ報道しか知らないので、私自信あくまで推測の域を出ないのだが・・・・、
まずは、この記事をご覧いただきたい。
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20061104/mng_____sya_____001.shtml (中日)
http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2006/11/05/2006110509191433002.html (山陽)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20061103STXKF032003112006.html (日経)
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200611060149.html (中国/社説)
いづれも似たような論調で、執刀した万波誠医師が病人から摘出した腎臓を患者に移植していたことに対し、倫理委員会にかけなかった移植手続きの不透明さを非難しているようだ。だが、どの記事を読んでも、倫理的に何が違反で、その他具体的に何がいけないのか書かれていない。耐震偽装と同じく、一般論で悪い印象的の単語を並べ、特殊な状況を印象付けている。
■患者は望んでいた
一方で「万波医師は、ドナーの病気は腎臓がんや腎動脈りゅうなどで、患者(レシピエント)にはがんが再発する恐れがあることなども説明し、同意した患者にのみ移植したといい、ドナーも摘出を望んでいたと説明した。〔共同〕 (02:06)」とも報道している。
■手続き論
その上で、山陽新聞や中国新聞などは、「移植手続きに不透明さがあるほか、臓器提供者(ドナー)と提供を受けた患者の安全性が懸念され、倫理的、医学的に問題がある。移植医療に対する不信を高めないためにも、経緯を検証し、しっかりと説明することが何よりも大切だ。」と述べ、烈しく非難しているが、いづれにしても手続き論だ。
■根拠不明
記事からは、何故患者の安全性が懸念され、不信なのか、医学的に問題があるのか、根拠が一切ないから全く分らない。単なる記者の感情で書いたように見えてしまう。紙面の都合でそうなったというなら、随分バランスを欠いた記事といわざるを得ないから、同じことだ。
何より、非常に不可解なのは、記事を読む限り、摘出された患者も移植された患者も事情を理解した上で了解している点だ、これで一体何が問題なんだろう。倫理委員会にかけていては執刀のタイミングを失うから、患者を救うために手術したのではないか。そうでなければ患者は同意などしないだろう。
■大事なのは患者の命では?
臓器を売買するようであれば犯罪だ、そういった倫理的問題が発生するから倫理委員会があるのではないか、しかしこのケースのように、捨てる臓器を、それでも構わないから移植を望む患者がいて移植したことが、そもそも倫理に反するのだろうか。一番大事なことは手続きではなく、患者の命ではないのか。
一体誰が病人の捨てる臓器を移植して欲しいと願うだろうか、癌に冒された腎臓を方や摘出したがっており、方やその摘出して捨てる臓器でもよいからと移植を望んでいるのだから、腎臓病の苦しみは常人の想像を絶するのだろう。
癌に冒された腎臓でも患者が移植して欲しい、移植せざるを得ないという事は、倫理委員会が障害となってドナー不足だからではないか?そして患者の苦しみを救えないという事だ。一方、報道される限り、この医師は患者を騙して移植したのでも無ければ、臓器売買をしたわけでもない。患者の苦しみを救うために手術をしたのだ。
・・・腎臓移植報道の怪(2)につづく
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コメント
こんにちは。
臓器移植について調べていてこちらのサイトを拝見致しました。
肝臓移植や腎臓移植など、わからないことが多く不安に思う方々がいると思います。
そんな方々に少しでも情報提供をできればと日々、勉強と努力をしています。
貴サイトにありました情報や意見は大変参考になりました。
ありがとうございました。
投稿: 腎臓移植について | 2011/01/20 13:23