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2006/11/13

それぞれの正義(2)

今日の記事はスッゴク長くて、自分でも読む気が失せるので先に結論を。

視点や立場、いろいろ妄想を膨らませると、一見夫々の主張に正義がありそうだが、それは勝手な思い込みと言い訳だ。どんなに理屈を並べても動かせない事実と矛盾がある。

これを整理すると、以下の通り(他にもあるが思いつくまま)。

     政府自ら15パーセントの偽装率の事実を発表しており、民間検査機関制度以前にも偽装があったとなると、偽装を見抜けなかったイーホームズの責任を問うた政府は、自らのロジックで国の責任を問わなければならない。これは論理矛盾。

     なのに何故イーホームズだけが責任を問われたのか。裁判では、資本金見せ金と偽装事件は無関係と結論が出ているからイーホームズだけが免許取り消しとなる論拠が無い。同じ国家制度における司法の結論を国が無視するのは国家制度の否定であり、これも論理矛盾。

     退去命令を出しておきながらつまり犯人探ししておきながら、時の政府与党の要人が「犯人探しをし過ぎると、日本の景気はおかしくなる」とはいったい、犯人探しをするのかしないのかどっちなのか。正義とはとても言えない欺瞞だ。

     「日本の景気はおかしくなる」とは、観念的であり、具体性が無い。具体性が無いことを根拠に事件解明されないなら、日本国家は事実解明より風評を優先した事になる。これでは法治国家の態をなしてない、放置国家だ。

どう考えても行き着く先は、要するに藤田告発を無視し、風化させてはならないと言うことだ。断っておくが、藤田発言を盲信しろというのではない。

何しろ彼は自分が絶対正しいとは言っていない。「99パーセント正しいと思う、そして多くの国民の生命財産に関る問題だから検証しろ」と言っている。つまり毒入りジュースは危険だ、俺は飲んで確かめたぞ、国よ毒が入ってないというならオマエも飲んでみろと言う訳だ。これほど分かり易い正義は無いだろう。簡単に検証できて、もしウソだったらボロッカスなんだから。

ブログは剣よりも強し

■鰯の大群

耐震偽装事件自体は単純なものだろう、それゆえ拙ブログでは姉歯と言うイカレポンチの単独犯に違いないと主張してきた。これはメリット・デメリットを考えれば直ぐ分かること。ところが、マスゴミは売らんかなで無責任に危機を煽ったり、役人もソレに乗せられた。正に鰯の大群が右往左往するに似る。

■事実は一つ、矛盾が多ければ欺瞞という

右往左往を仕組んだり、きっかけを創った人々は、それぞれに正義を主張するかもしれないが、「それぞれの正義(1)」でも述べたように「事実」は一つだ。それぞれが主張する正義は自分が正義と思っているだけ、角度を変えて検証したとき矛盾が少なければ真実に限りなく近づくが、矛盾が多くなれば、これを欺瞞と言う。

■予想外の藤田告発と逮捕

さて、耐震偽装事件自体は単純なものだろうと思ったものの、藤田社長のアパ告発と逮捕は全く想定外だった。そして時期が時期だけに、ホンマかいなとの思いが強かったが、一連の藤田社長の言動とアパ側のソレを対比した時、藤田社長には真実ゆえの辻褄が合っており、見かたが変わった。同時にこれは前段の耐震偽装とは別に大変なことが起きている(いた)と思わせるものだった。(後で述べるが年号を超えた時系列にご注目)

■アパごときをかばう?

耐震偽装事件自体は単純だが、アパ告発をマスコミが無視したことは考え様によっては、大変な問題を含んでいて、ひょっとしたら土地本位制とも言うべき我が国経済が完全に崩壊してしまうくらいのインパクトがあるかも知れない。本当の問題はアパではなく、100数件のうち15パーセントの建物に耐震偽装があったということを藤田社長が声高に言っていることかもしれない。たかがアパごときを、マスコミがこぞってかばうはずもないからだ。などど考えてしまう。

■武部発言

武部幹事長も「犯人探しをし過ぎると、日本の景気はおかしくなる」というような発言をしていたので、大多数の方はそう思っているのではないだろうか。だが本当にそうだろうか?大変な問題とはそういうことなのだろうか、この論理自体に自己矛盾があるのと思う。

■建設需要

不謹慎な話だが、阪神大震災の時、建設業界はこれで建設需要が起き活性化すると歓喜したものだ。この論理でいけば、耐震偽装により物凄い建設需要が起こり、しかも考えようでは政府保証の資金担保も受けられるのではないか。これは架空のマネーゲームではなく実需を伴うのだから凄まじいスピードで金が動き、GDPを引き上げるだろう。そう考えれば「日本の景気はおかしくなる」事の意味合いが違ってくる。

これが正しいかどうかは分からない、所詮素人のたわごとかも知れないが、そういう検証がされないまま自分が関係すると思った記者諸君初め人々は、資産価値がなくなるとの恐怖感から「日本の景気はおかしくなる」との単語に無条件で反応してしまったのではないだろうか。被害者へのバッシングなどを見ていると、自分のマンションでの偽装発覚はゴメンだと思うからだ。

■国のロジックが主張する国の責任

だが、そもそも偽装マンションからの退去命令を出しておいて、政府与党の要人が犯人探しをし過ぎると、日本の景気はおかしくなる」と発言すること自体むちゃくちゃな話だ。何しろ一方では無作為に抽出した建築に15パーセントの偽装があったと言うのだから。

これを「誰の責任か」と考えると、15パーセントの建築(正確には構造計算が必要な建築)に偽装があったとすれば、藤田社長が言うように、平成元年から17年までの間だけでも200万棟の偽装が考えられ、民間検査機関制度以前を含むこの責任は、国自体が藤田社長の責任を問おうとしたのだから、国自らのロジックで国即ち国交省の責任じゃないか、となる。200万棟とはまた大変な数ではある。

■耐震基準強度の誤謬

ところが、ここでいうのは耐震偽装のことであり、耐震偽装=危険であるとの漠とした思いからか、具体的に「どうなっているか」についてはあまり問題になっていない。実はここが大問題ではないだろうか。

耐震強度0.5、或いは0.8といった数字が一人歩きし、必要強度の半分、8割しかない、さあ大変だとなって一億総ヒステリーなんだが、一体全体どういう基準の0.50.8なのか一向に話題にならない。ひょっとしたら日本人は日本の建物全部に共通の基準強度があると思っているのではないだろうか。

■時を越えた絶対値ではない耐震基準

ところが日本には時系列で一貫した基準強度なんて無いのだ。昔のビルディングにはそんなものは無いから、例えば大正時代のビルなんて、鉄筋の代わりにレールが使われたりして、逆にやたら頑丈なものがあって、記憶では昭和56年ごろの東海沖地震対策本部はこういうビルだったような気がする。(記憶違いならご指摘を)

■ゴマンとある耐震強度1未満

その後、耐震強度が法律で定められたが、確か昭和56年に新耐震基準が出来てそれまでの耐震計算が水平加速度だったものが、層せん断力になり、保有体力と言った緻密で倍の手間が掛かるものになった。単純に考えて、これ以前とは大幅に耐震性が高まったのだ。逆にいうと、昭和56年以前の建物には耐震強度1未満のものがゴマンとあるということだ。

■武部発言の欺瞞

耐震偽装されたマンションに退去命令が出されたが、だったら同じ強度のマンションにも退去命令が出されなければならないはずだ。繰り返すが、これは退去命令を出さなければならないのに、出していないマンションがゴマンとあるということなのだ。オカシクないか。しかもそれらは老朽化しているのだ。武部発言の欺瞞は明らかではないか。

■膨らむ妄想 

さて、こういったことをどう評価するのだろう。藤田告発を何故にマスコミは、こうまで無視するのか考えたとき、裏が取れないだの、話題性が無いだのというのは過去ログで述べたとおり説得力無いから、圧力と考える方が自然だろう。ではその圧力とは、外圧か内圧つまり①権力その他何らかの社外からの圧力か、②内部の自己規制しかない。外圧については散々きっこのブログ等でも取り上げられているし、拙ブログではそれを断じるだけの情報を得ていないので置いといて、はたして内圧は有り得るのだろうか。

あるとすれば耐震強度1未満のものがゴマンとあるということの評価から考えられなくもない。さて、ここからは小生の全くの想像の世界、妄想といっても良いだろうから、あーそうかと言う程度にお付き合いください。

■鰯の大群が察知する危険

確かに腐りきったマスゴミなんだが、何か強大な力が働いたとしても、これだけ全てのマスコミが報道しないとは考えにくく、力は力でも、鰯の大群が何かの危険を敏感に察知するようにお互い内部の力(=自制)かも知れないと思う次第。何かの危険とは上記経済崩壊を指す。

■経済崩壊か自分の資産崩壊か

記者達は、一時は危機を煽り、退去命令まで出るに至ったものの、よーく考えたら何が危険なのか未だ分かっていない。それとなく専門家に聞くと実は偽装云々と関係なくヤバイ建物はゴマンとある、ひょっとしたら伝統あるウチの社屋もやばいかも知れない、と思ったかも知れない。或いは自分のマンションを疑ったかもしれない。でも地震で倒れるまでは住めるじゃないか、そのときは天災だから仕方ないが、今問題なく住んでいるのだから寝てる子を起しても仕方ないなどと思ったかも知れない。何しろ経済崩壊というより、自分の資産崩壊だ、記事にするならマンションを売ってからだ。(だから妄想なんだって、本気にしないでくださいな。)

■所詮一つの見解

ただ、このように想像たくましくして、また経済崩壊が有り得るとしても、それは一つの見解でありそれぞれの勝手な正義だ。先に述べたように、検証もされていないのだから、隠すべき根拠も希薄だ。乱暴な言い方だが15%の建物がガラクタだったとして、当事者と言うミクロ的考えでは悲観的になるが、マクロ的に考えればむしろ建て替えによる経済活性化の効果がはるかに大きいと考えられる。それにそもそもが、偽装された建物がガラクタとは限らないのだ。藤田社長が主張しているように補強工事と言う手もある。また事態が事態だから、国家補償、債務の担保と言う線も考えられる。

■乗せられた被害者

なのに、いきなり解体というのは、こちらの方がよほど乱暴な話だ。事態を本気で収拾しようとの印象は、悪いが受けない。まあ、この辺は当事者の問題であり、外野がとやかく言う問題ではないものの、証拠隠滅に良い様に乗せられているのではないだろうか。

■説明が付かない事実と矛盾

妄想はとどまるところを知らず、どんどん膨らんでしまい、夫々の見方で夫々正義があるようにも見えるが、しかし同じくらい反証できてしまうものばかりだ。だがいろいろ妄想を膨らませていっても、夫々の正義をあっちこっちで主張しても、どうにも説明が付かない事実と矛盾に行き当たってしまう。

これを整理すると、以下のように冒頭述べたことになる。(他にもあるが思いつくまま)

     政府自ら15パーセントの偽装率の事実を発表しており、民間検査機関制度以前にも偽装があったとなると、偽装を見抜けなかったイーホームズの責任を問うた政府は、自らのロジックで国の責任を問わなければならない。これは自己矛盾する。

     なのに何故イーホームズだけが責任を問われたのか。裁判では、資本金見せ金と偽装事件は無関係と結論が出ている。同じ国家制度における司法の結論を国が無視するのは国家制度の否定であり、これも自己矛盾する。

     退去命令を出しておきながらつまり犯人探ししておきながら、時の政府与党の要人が「犯人探しをし過ぎると、日本の景気はおかしくなる」とはいったい、犯人探しをするのかしないのかどっちなのか。正義とはとても言えない欺瞞だ。

     「日本の景気はおかしくなる」とは、観念的であり、具体性が無い。具体性が無いことを根拠に事件解明されないなら、日本国家は事実解明より風評を優先した事になる。

     うわーっだんだん頭に来た。言い出すといくらでもおかしな事が浮かんできた。これじゃ国家の態をなしてないじゃないか!(怒)ジャーナリズムまでグルか!

失礼、ちょっと感情的になってしまった。またもゴチャゴチャ長文になってしまったが、要するに藤田告発を無視し、風化させてはならないと言うことだ。

■分かり易い正義

何しろ彼は自分が絶対正しいとは言っていない。「正しいと思う、そして多くの国民の生命財産に関る問題だから検証しろ」と言っている。これほど分かり易い正義は無いだろう。簡単に検証できて、もしウソだったらボロッカスなんだから。

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コメント

●ぶいっちゃん様、
コメント及びブログ紹介ありがとうございます。
長文が、貴ブログの足を引っ張らなければよいのですが。
共闘感謝です。


●かなぶん様、
理屈屋の私は文才が無いのが悩みです。
あらゆることは理屈で割り切れ、その限界を超えた先に初めて「理屈じゃない世界」があると思っています。ですので

>文才からすると、管理人さまも一歩間違えると事実をねじ曲げる能力の持ち主かと思います!

なんて言われてしまうと、私の理屈を超えてしまい、ウレシサのあまり、登れないはずの木に登ってしまいそうです。(ただのバカかも知れません)


●ロムされている皆様へ、
今の所エントリが続いていますが、仕事優先ゆえ、忙しくなるとどうなるか分りません。そんな訳で、怠けブログですが、ヨロシクお願いいたします。

投稿: イザヨ・ベンダソン | 2006/11/13 22:44

初めまして、藤田氏のリンクからたどり着きました。

非常にわかり易く解説してありますね~。 

事実は変わらない! 言葉を巧みに操り事実をねじ曲げても結局は自分たちに跳ね返ってくることを思い知らせてやりましょう!!

資本主義はルールを守ることで需要と供給のバランスが保たれる。
供給する側(バブル後に瀕死の状態にあったゼネコン)を助けてしまったことで本来伸びてくるはずの次世代の会社が行き場を失い偽装に走ったかもしれません。
もっと遡ると銀行救済が間違っていた気がします、本来淘汰されるべきものを残してしまった事実!

経済が大混乱を起こそうが、ルールに従っていれば必ず立ち直ります。

年寄りからしてみれば、あと数年このまま傷口を隠して乗り越えてくれれば・・・。と思うでしょう!

若い、子供のいる夫婦は、この子達の将来のためにも痛い思いをしても構わない!と思うかもしれません!

人は立場によって主張が変わるもの、だから統一したルールが必要なのです!

メディアは、一般市民の事実を判断する能力さえ奪っています。

文才からすると、管理人さまも一歩間違えると事実をねじ曲げる能力の持ち主かと思います!
どうか事実を見間違わないよう精進していってください!!

頑張ってください!!

投稿: かなぶん | 2006/11/13 20:19

はじめまして、らんきーブログのぶいっちゃんといいます。
ご挨拶が遅れましたが、何日か前から勝手に私のブログでリンク&引用させて頂いております。
非常にわかりやすくてまた奥が深い内容で非常に勉強になります。有難うございます。
これからも度々、リンクさせて頂くこともあるかと思いますが、どうか宜しくお願い致します。

投稿: ぶいっちゃん | 2006/11/13 18:55

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