抱腹絶倒の藤田映像!だが笑ってる場合じゃない
昨日お伝えした藤田東吾氏の告発活動を報じる映像、見た方は、役人や疑惑の設計事務所、都市機構の対応に、抱腹絶倒したことだろう。まだ見てない方は是非こちらをご覧頂きたい。
http://www.imairu.com/movie.html
ヤクザ等のような犯罪職業や年中悪徳を働いている人間でない限り、フツーの人間は良心を基準に生きているものだ。ただ時としてその良心が、赤信号みんなで渡れば怖くない式に結構いいかげんだったりするが、それは良心をことさら意識することなく生きているからだろう。だからフツーは、特に悪徳をどうやってうまく進めるかなんて事はもっと考えないものだ。
と言う訳で、赤信号みんなで渡れば怖くないけれど、積極的に法を犯そうとしている訳ではないから、コラーっと怒られればフツーの人は改める、フツーじゃないつまり悪人は、なんだテメーとなる。ここが善良な市民と悪人の差だと思う。
くどいが、善良な市民も法を犯すが、うっかりだったり勢いだったりで、積極的に法を侵しはしないが、悪人は意図的に法を犯すということ。だから、違法性を指摘されたとき、善人は萎縮し悪人は開き直る。これが善人と悪人の見分け方だ。
一連の藤田映像には、これが実に良く現れている。藤田社長の突撃に対応する人々は、皆件の事件に積極的に関与した人々ではなく、たまたまその組織に属していただけ。内心は藤田社長の告発の正当性や、自分達に正義が無いことが分っているので、どうしても藤田社長に引け目を感じる。
そして善良ゆえに日々平穏無事に過ごしており、内心間違っていると思っていることをズバっと切り込まれると、組織人としては否定しなくてはならないが、心は反対なので、どう対応して良いか分からず、パニックに陥ってしまうのだ。
■国土交通省の役人
まず国土交通省。普通なら入り口でシャットアウトだ。私も良くアポなしで国交省には行く、確かにチェックは厳しくないが、必ず訪問先と目的を入り口で書かされる。その段階で、アポなしで国交省を糾弾するぞと騒ぐ人物となれば、訪問先に問い合わせてシャットアウトだろう。
だから、藤田社長のMixi日記を読んだとき、さすがにこれは比喩表現だろうと思った。誰もがまさか、次官室(に通じる入り口?)の扉を叩くなんて想像もしないだろう。だが、考えてみたら耐震偽装自体が誰も想像すらしなかったことだ。まして、それを告発したら逮捕されるなんて想像しないの2乗3乗だろう。その渦中にいる藤田社長ならではの行動と言えよう。
国交省の役人と藤田社長の状況認識や置かれた立場のシビアさの違いは明らかで、地獄の戦場から帰ってきたランボーが、デスクワークしか知らない事務方とケンカするようなもの。藤田社長の人を小ばかにした言動も、明らかに役人の限界を見切った故だろう。
アポも取らず乗り込んで来た藤田社長が、つまみ出されなかったのは、本格的な取材VTRが回っていたからであるのは明らかだが、これは彼ら国交省に正当性が無いことを認識しているからであることも明らかになると思う。
TVカメラが取材していようと、自分が正当(に見える)なら、つまみ出せる。例えば同じ当事者でも小嶋社長だったらそうされただろう。押しかけたのが既にネットでは多くの支持者がいる藤田社長だから手出しできないのだ。TVカメラはその象徴という訳だ。
まして藤田社長の言動が痛い所を突いているから、組織人としては反論しなければならないが、反論しなければならない部署でもないし、責任もない、内心はその通りかもしれないとなれば、ついつい腰が引けてしまうのだろう。
結局、信じられないことに、藤田社長は咎められることも無く勝手気ままに、国交省内をTVカメラと共に歩き回れてしまった。唯一入れなかったところは、山本繁太郎次官室だけだ。そこの入り口の扉を藤田社長は、オイ開けろと叩くのだ。
たとえ100パーセント藤田社長の主張が正しいとしても、ドアを叩いて出て来い!という行為には正当性がない。にも関らず誰一人国交省の役人も、山本繁太郎も止められなかったことは、いかに彼らが負い目を感じているかだろう。
国交省全体がグルになって、意図的に耐震偽装を誤魔化したのではなく、正に赤信号だったのではないだろうか。みんなで渡っているうちは特にその罪を意識することも無かったが、藤田社長が、コラーっと怒って、お前らトッチメテやると乗り込んできたのでビックリ、どうして良いかわからないと言う構図だろう。
■都市機構の職員
都市機構というのは実に分らない組織で、談合が問題となって道路公団民営化が叫ばれたが、何故都市機構が騒がれないのか不思議だ。旧の住都公団や地域公団であれば、談合や癒着が問題になるのだろうが、統合民営化されてからは、もうファミリー企業以外には仕事が出なくなった。
つまり天下り先と談合は発注条件なのだ、マスコミもこれだけ明らかな不正なのに全く取り上げないのが不思議でならない。ただ、そうは言っても、まさかああいう形で本当にタムラ建築設計事務所とUR都市機構が同居しているとは思わなかった。
事実としても、50~100坪単位でのテナントとしての同居だろうと思っていたので、ひょっとしたらこれは、藤田社長の勇み足かと危惧していたらホントだった。これも映像事態は静かだが、正に衝撃の映像だ。
で、抱腹絶倒、笑いが止まらなかったのが、総裁の名前は?と聞く藤田氏に職員の誰もが口をつぐんで答えないシーン。別に秘密でもなければ、ホームページで誰もが分ること。要するに、一種のパニックで、藤田社長に言いようにからかわれているのだ。彼らの名誉のため言っておくが、あそこにいる都市機構職員は、普段はそんなバカではない。
やはり、どこか後ろめたいものを感じているから、とにかく係わり合いになりたくないとの一心で、ああいった対応になるのだろう。それにしても、あそこまでからかわれて、貝のようにと言うのも情けない。
この辺が、国交省もそうだが、組織犯罪を業とするヤクザとの違いだ。ヤクザなら、下っ端からして、何もやましいことはない、仕事の邪魔をするなと一歩も事務所には入れさせないだろう。
■タムラ建築設計事務所
たかだか5坪程度の事務所が、アイランドタワーに持てるなら、私も借りたい。拙ブログにも書いたが、都市機構と同じフロアにあるのが事実とするなら、いくらなんでも独立した事務所ではなく、都市機構内への出向だと思っていた(こっちの場合の方が問題だが)。
だからせいぜい、一角にパーティションで区切った程度を想像していたので、独立した区画に都市機構と関係ないアパの作品群が展示されているとは夢にも思わなかった。小さいけれどホントに独立した事務所じゃないか。家賃がいくらか知らないが、少々坪単価が割り高でも、物凄いステータスになる。
タムラの社長に、どうしたらそんな事が出来るのか聞いてみたい。タブン都市機構の人間にも分らないだろうから。
■ ジャパニーズ・メディアの終焉
それにしても、かくも面白い(?)貴重かつ重要な映像が、日本メディアが一社も取り上げないとは、いくら言論封殺といっても、ボーダーレス化しているのだ。日本メディアを押さえたって意味が無いのに。それに羊達の群れよろしく従う日本メディアは、もはやオマケ、ついでの存在でしかない。
公器としての多少の信念があるなら、本体とは別に外国に拠点を置き、公正な報道をしたらどうだ。それともそういった自浄作用すら持たない?だったら、キミたち日本のマスコミは芸能専門を表明したまえ。
そういえば、ヤラセ問題で阿部首相が減給だとか報じてたな、あんなモン阿部首相がヤラセの責任者ならともかく違うだろ。それをホイホイ喜んで報道するんだから、国政も芸能も同じなんだな。
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コメント
皆様、コメントありがとうございます。
●疑問詞様
>対応させられた職員や警備員に悪感情を懐く人は稀でしょう。
そうですね、善良な市民なんだと思います、ヤクザじゃあないんですね。だから彼らの処遇が気になります。
●aaa様
>ものすごい赤字で莫大な税金が投入されており・・・
そうなんです、赤字国債が累積していく中、こういう組織が組織温存のために存在していること自体異常なんです。ハッキリ言って、夕張の市民と同じ、日本国民は、こういう事に怒らないならバカです。
投稿: イザヨ・ベンダソン | 2006/12/15 00:12
設計事務所とURが同一フロアにあったというのは
藤田社長の発言から知ってはいましたが、
文字だけで想像するしかありませんでした。
しかし実際、映像で見たらものすごい違和感がありましたね。
少なくとも、普通じゃないですよね、あの借り方。
「宿主」と「寄生虫」という言葉が浮かびました。
で、URってのもなかなかやってくれる組織みたいで、
つい先日テレビで報道されてました。
なんでも、ものすごい赤字で莫大な税金が投入されており、
公団住宅はガラガラなのにもかかわらず
職員達の住むための立派で交通の便もよい新築マンションをこしらえて
激安家賃で住みはじめただそうで。
まったく、生きてて恥ずかしくないんですかね。
というか、生きる資格があるんですかね、本当に。
真剣にそう思います。
こういう人たちが税金を無駄にしている一方で
お年寄りや弱者の援助は削られ負担は増しているということが
本当に腹立たしいです。
投稿: aaa | 2006/12/14 23:31
藤田氏の言動をとやかく言う人もいますが、私的には、スケープゴートで御家断絶された氏ならでは可能のパフォーマンスと受け取っています。
あのビデオを見て、対応させられた職員や警備員に悪感情を懐く人は稀でしょう。
出てこなかった責任者やその連なりの暗闇の深さは如何ほどでしょうか。
投稿: 疑問詞 | 2006/12/14 23:09
あんまり面白い映像ではなかったですね正直言って。 まあ出迎えた方たちもおっしゃるとおりで気持ちに罪悪感というかう~ん ちょっと違うな、 カメラが一緒でそういうのに慣れていなかったから、あんな対応になったし おっしゃるとおりもっと頭の良い、よく見える対応ができなかったんでしょう。 けれどもだからといって対応そのものに不手際があったともおもえません。 わたし海外在住ですが電話でも窓口でも自分が望むような対応はどこもしてくれませんよ。 お前の言ってる事はわからんからでなおしてこいと言われるか、電話ならその場で切られてるか、 もっとたらい回しでしょう。まあ今回の職員さんたちはいい迷惑ですね。 結局は今のところもっと偉そうな人たちまで届いていませんから。
投稿: chadのオヤジ | 2006/12/14 16:40