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2007/01/07

「ホワイトカラー・エグゼンプション」で何が悪い!(1)

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「ホワイトカラー・エグゼンプション」という言葉をご存じだろうか。日本語では「自律的労働時間制度」と呼ばれるもので、いわゆるホワイトカラー労働者に対する労働時間規制を適用免除(exempt)すること、またはその制度のこと。要するにタイムカードではなく成果主義ということだ。

この制度、批判が相当に多く、すこぶる評判が悪いようだ。だが、私は大賛成、何故いけないか、何故反対か今一分らないし、反対したからとて現行法の枠組みでも行われることだ。さらに言えば、労使と言う考え方も、教条主義的で単語にだけ反応しているように思える。

反対するのは勝手だが、それを他人に押し付けることも無かろう。「自律的労働時間制度」とは、「自律的労働時間制度」を導入しても良いという事で、義務ではない。中高年は転職が困難なので、過渡的な救済措置が必要だが、その上で、成果主義が嫌なら時間給主義の会社に勤めれば良い事だ。

「自律的労働時間制度」は「成果主義」の充分条件ではあるが、必要条件ではないのだ。

この制度、2005年6月に日本経済団体連合会が提言を行い、2006年6月に厚生労働省(労働政策審議会労働条件分科会)が素案を示した。その要件以下の通り。

     労働時間では成果を適切に評価できない業務に従事する者であること

     業務上の重要な権限及び責任を相当程度伴う地位にある者であること

     業務遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする者であること

     年収が相当程度高い者であること

「年収が相当程度高い者」の具体的基準は今一つはっきりせず、当初1000万円と言われていて、今は400万円という説も浮上してきた。賛成と反対の主な意見は概ね以下のようだ。

【賛成意見】

以下の理由により、

多様な働き方で高い成果が得られる、という事のようだ。

1.必要性

     日本の労働基準法は、工場労働者には適合するが、ホワイトカラー労働者には労働時間の長さと成果が必ずしも比例しないので適合しない。

     労働時間を管理できるホワイトカラー労働者には、「労働時間規制の適用除外」という選択肢も必要ではないか。

2.成果主義

     国際競争力をつけるには、成果がより重要だ。

     競争あっての発展、賃金は結果平等の労働時間ではなく、成果を中心にすべき。

3.利点
労働者の多様なニーズに合わせて、自律的に働ける。

     時間管理を任された個人が、短時間で効率的に働けば、「長時間労働」解消につながる。 


【反対意見】
以下の理由から長時間労働が固定化することを懸念しているようだ。
1.労働実態を無視したまま議論が進んでいる

     総務省の労働力調査(05年)では、30歳代男性の4分の1が週60時間以上働いているとあり、その比率は増加傾向にある。

     35時間未満の労働者割合が増加傾向にある一方、週60時間以上の労働者割合は10%超で推移、30歳代の男性で週60時間以上働く労働者の割合は、20%台で高止まりし、2極化傾向にある。

2.サービス残業を強いて長時間労働が固定化する

     サービス残業を強いることになり、残業代未払い長時間労働の固定化につながる。

     人員削減で長期不況を乗り切ったあとも、1人あたりの労働負荷は増加

     米国で健康問題が深刻化していないのは、適正な労働時間の管理ができているから、それが無い日本で労働時間管理の規制をはずすと、健康管理に問題が生じる。

挙げていけば、他にもあるだろうが、概ねこんなトコだろう。要するに、「残業代をゼロにすれば残業をする人がいなくなる」と考えるのは、働いたことのないお坊ちゃまの発想であって、残業したくてしてる人なんていないぞと、ネット上でもすこぶる評判が悪い。へっ、残業したくてしてる人なんていない?ホンマかいな。

そして、これは仕事をしなくても給料がもらえる公務員の発想だとも。ナルホド、であれば、この制度を法律化し、先ずは事務職公務員に適用してはどうかと思う。税収で成り立つ事業なんだから、税収見合いの歩合制にすべきと思うのだ。ま、これについては後で詳しく述べることとして、ここで少し論点を整理しよう。

■サービス残業について

日経BPによれば、「ホワイトカラー・エグゼンプション」が導入されたら、サービス残業が増え、残業代11.6兆円が消失する?!とか。だがそもそもこのサービス残業、「ホワイトカラー・エグゼンプション」で成り立つものだろうか、実際、今でも管理職には残業代がつかないではないか。

残業代を減らすために、バブル以降かなりの企業では管理職を増やし、残業代をケチったのではあるまいか。どうだろう、皆さんの会社ではバブル以降、課長が増えて、部下が極端に減ってないだろうか。昔は課長と言えば20人30人の部下がいたのに、今は5~6人、酷いところでは、2~3人なんていうのも珍しくない。

サービス残業と「自律的労働時間制度」は無関係

サービス残業を増やしたければ、現行法でもできるのだ。となると、管理職を増やすには限界があると言われそうだ。確かにそうかもしれない、だが、「一定程度の年収以上」という基準は「管理職」と置き換えられる、つまり用語の定義の範疇だ。

例えば課長の年収が1000万円でも400万円でもアリだろう。実際そういう会社は幾らでもある。そもそも厚生労働省報告でも、「労働契約は、労働者及び使用者の合意によって成立し、又は変更されることを明らかにすること。」とし、労働協約に反する場合には、無効とすることを、労働契約法において規定すること。」となっている。

■能力評価と競争原理

だが、こう言ったことは、余りこの問題の本質には関係無い。重要なことは、第一に誰がやっても同じ成果が期待される単純労働ならば、時間イコール賃金でも良いが、個人の能力に負うホワイトカラーの仕事を同列に扱うことにはムリが有ること。第二に競争原理だ。

■能力均等でしか成り立たない労働の時間評価

賃金を時間で支払う場合は、時間と労働が比例関係に無ければならない。という事は前提として労働者の能力が均等という事だ。先に述べたように、単純労働ならいざ知らず、知的労働ではあり得ないことだ。

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というところで、長くなったので、つづきはまた明日。

明日は、誤った労使の概念が労使闘争の幻想の元であったこと、競争原理・成果主義の必要性など、労働組合が発狂しそうなことを申し上げます。

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コメント

●かなぶん様、
フォロー、ありがとうございます。

●カルロス様、
おっしゃることは、もとより理解しております。その上での本論です。
では、私は唯我独尊か? 日本社会においてはそうかもしれませんね。この辺は自信ありません。

現実問題、今の日本の精神風土でホワイトカラーエグゼンプションを入れるとA氏の恐れはリアリティがあります。では、現状の管理職はどうでしょう。B管理職の仕事をA管理職がかぶるでしょうか。イエスともノーとも言えます、つまりそれはその上司さらには会社次第でしょう。

私にはA氏の恐怖はホワイトカラーエグゼンプションによるものではなく、その組織の問題に思えます。有能なA氏が無能なB氏の仕事を押し付けられるのは、成果主義ではない結果平等時間給主義が前提ではないでしょうか。

成果主義、能力給が明確な職場で、はたして他人の仕事を押し付けられて、それでも尚評価が変わらないとしたら成果主義ではないですね。論理矛盾です。ならば、この問題ホワイトカラーエグゼンプションを入れなくても起こる問題ではないでしょうか。と言うより普通に起こっていると思います。

時間給で、組織の効率を求めれば、能率の良い社員に仕事を押し付ける方が効率的ですから。となれば当然に有能なAさんは能率を落として、余分な仕事は回避しますね。

まあ、どちらにしても、成果主義が嫌ならやらなければ良いし、そういう会社を選ばなければ良いことです。導入当初は既存社員は戸惑うでしょうか、定着すれば、働く本人の選択なんですから。但し、結果は見えていることですが。

とり急ぎ、
よろしくお願いいたします。

投稿: イザヨ・ベンダソン | 2007/01/08 23:04

ベンダソンさん、こんばんは

これについて反対が多いのは、要するに以下のことからなのですよ。

日本の職場では、仕事の責任の範囲が曖昧なため、例えばA氏が効率よくやって仕事を7時間で終わらせたとする。
片やB氏は9時間かかったとする。A氏はフレックスタイムを使って4時で帰ろうと思ったところ、管理職のD氏は、「ずいぶん早く帰るじゃないか、何でBの仕事を手伝って皆が5時で帰れるようにしないのか?」と言います。

これではA氏はダラダラやって5時までかけようとします。
これが日本のホワイトカラーの生産性が低くなる原因の1つであり、休暇が取れない原因の1つともなってます。

このような状態で、ホワイトカラーエグゼンプションを入れると、有能なA氏にとってはたまらない状況が生まれます。
要は管理職D氏によって、B氏の分の仕事までやらされた上、残業手当はなくなる。
能力主義だからA氏の給与は上がるじゃないかというのは端的な見方で、たぶん、A氏がB氏の仕事の一部をかぶらないと協調性が無いと言われて成績が下がる可能性がある。
これが日本的労働慣行の端的な例なのですよ。だから反対論が強いと思うのです。

投稿: カルロス | 2007/01/08 20:45

毒法は、せんず作った人からモデルケースとして試行させましょう!笑
苦しかったら撤回してもいいですよ~。

名無しさま、よーく読み返してくださいね!
題名に怒らず、内容を精査してみてください。

マスゴミにだまされちゃいますよ?

投稿: かなぶん | 2007/01/07 21:56

↓名なし様、
拙ブログ、「デスノートに学ぶ論理学」をお読みいただければと思います。

タブン御自身反論されたつもりでしょうが、何一つ論拠無く、感情剥き出しで相手の人格を否定するだけでは、自分自身をおとしめるだけなんですが。

ちなみに、
>世の中の人で、つらくなる人が結構いる、ということですよ。

とはアナタの考えのようですが、そのことを私は否定しません。ただ同じように、ホワイトカラー・エグゼンプションが導入されないことで、つらくなる人が結構いるとは考えられ無いのでしょうか。これがヒントです。

とり急ぎ
よろしくお願いいたします。

投稿: イザヨ・ベンダソン | 2007/01/07 11:35

あなたは、他人の痛みがわからない人ですね。
あなたは、それでいいのです。世の中の人で、つらくなる人が結構いる、ということですよ。

投稿: | 2007/01/07 08:51

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