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2007/05/17

ヒューザー破産の責任は誰が取る?

50_47_thumb 拙ブログでは、今でこそ、藤田東吾氏を応援しているが、最初の頃は批判的であった。しかし、ヒューザー小嶋社長に対しては、一貫して最大の被害者であるとのスタンスを取ってきた。その理由は、別に特別の情報や知識が有っての事では無い。報道されている事実を繋ぎ合わせると、どうしても意図的に耐震偽装を指示したとは思えないからだ。

■悪党面がいけない?

マスコミは彼の悪党然とした風貌や暴言(?)を理由に、槍玉に上げ溜飲を下げていたように思う。当時の彼に関する報道は、どれも事実関係に関するものが異常に少なく、豪邸がどうの、自家用ジェット(ヘリだったかな?)がどうの、といったものばかり。

つまり、最初からヒューザー小嶋社長が悪党である事を前提に、大衆のやっかみを煽る記事ばかりで、そして被害者に対しても安物買いの銭失いとまで断言する始末。そのまま今日に至るまでマスゴミの報道姿勢は変わっていないように思う。

■安くなかったヒューザー物件

後に、決してヒューザー物件は安くは無い事が分かったが、そんな簡単な検証すらしないでマスゴミは印象操作に夢中だったのだ。

そんな中、こんな記事がひっそりと報道された。

http://hochi.yomiuri.co.jp/feature/topics/false_quakeproof_data/news/20070516-OHT1T00005.htm

<引用開始>

小嶋公判に藤田氏証人…耐震強度偽装

 耐震強度偽装事件で詐欺罪に問われたマンション販売会社「ヒューザー」の元社長・小嶋進被告(53)の次回公判に、確認検査機関「イーホームズ」の藤田東吾社長(45)が、弁護側証人として呼ばれることが15日、確定した。

 この日の公判で裁判長が「藤田証人を採用決定し、次回(28日)聞くことにします」と述べた。藤田社長は小嶋被告らとの2005年10月の会合で「グランドステージ藤沢」の物件名は出ていないと一貫して主張。同物件の引き渡しを巡り詐欺罪に問われている小嶋被告側は、藤田社長の証言で容疑事実を否定することが狙いと見られる。

弁護側は藤田社長を証人として認めるよう何度も求めてきた。小嶋被告は05年11月、国会の参考人招致で「何言ってんだよ、バカヤロー!」と罵倒(ばとう)した相手とのコラボとなる。

2007年5月16日06時00分 スポーツ報知)

<引用終わり>

■罵倒(ばとう)した相手とのコラボ?

この記事の最後に、「「何言ってんだよ、バカヤロー!」と罵倒(ばとう)した相手とのコラボとなる。」と有るが、大方の興味はこういった点だろう。その程度の国民の認識だと言うことなんだろうが、オイオイちょっと待て、立ち話やTVのワイドショーではない、れっきとした裁判なのだよ。そこんとこよ~く考えて欲しい。

■真実を好き嫌いの次元で報道するマスコミ

そして、小嶋氏が「何言ってんだよ、バカヤロー!」と罵倒(ばとう)した事と、藤田証言は実はドコも矛盾していない。小嶋氏も藤田氏も、職務を全うしていたとの仮定をすると、全て辻褄が合うからだ。真実を、好き嫌いの次元で報道するマスコミには分かるまい。

■落ち度が無ければ誰だってアタマに来る

つまり、最初の時点では、小嶋氏も藤田氏も自分に落ち度が無いのに事件が起こった。しかも状況が良く分からないのに、姉歯が偽装した事実だけが分かった。となれば、当然に発注した側は、金を払って確認検査依頼したイーホームズに対してアタマに来るだろう。

イーホームズにしてみれば、自分だけが見落としたならともかく、官民問わず誰一人として見破っていないのに、最初に見破った告発者なのだから、非難される言われも無い。おうジョートーだっ、となるだろう。

■今もって変わらぬ状況~全ては藤田告発から

ついでに言えば今もってその状況は変わっていないのだ、イーホームズ藤田社長に指摘されるまで誰一人として耐震偽装を見破っていない。これまで発覚してきた耐震偽装は全て藤田社長の指摘がキッカケなのだ。

■問題は国の制度

要するに、国の制度に欠陥は無いとの前提に立っていたから、こうなったのだが、その後も誰一人として、藤田社長以外偽装を指摘できなかった事を考えれば、見破れないような制度や、偽装改ざんを許す一連計算ソフトに問題がある事は一目瞭然なのだ。

改ざんできないから一連計算なのに、それが改ざんできるなんて、一体誰が思うだろうか。国が認可した風邪薬が毒薬だったなら、それを処方した医者や薬局が槍玉に上がるだろうか、認可した国や毒を薬と偽った犯人が咎められるはず。

■失笑をかう検察

まあ、そんな訳で、正確な状況と原因の把握ができないまま、両者の対立だけが浮き彫りにされ煽られてきたのだが、だんだん状況と原因が分ってくれば、当然に対立は無くなり、事実を正確に把握しようとなるのは当然のことなのだ。

願わくば、検察は有罪率に拘ることなく、真実のみを追究して欲しいものだ。藤田社長の別件逮捕と、その結果の電磁公正証書不実記載なるションベン刑は、検察内部でどう位置づけられているか知らない。だが一部かも知れないが国民の失笑をかっている事実を知ってほしい。

■今も生きる特高?

さて、藤田証言が証拠採用されるならば、これまで報道などで知りえた情報から考えれば、ヒューザー小嶋社長は無罪となるだろう。だが、そうなると、無理やり破産に追い込み身ぐるみ剥いだ罪はどうなる?もしも、その辻褄併せに、別件をゴテゴテくっつけて有罪判決が出されるならば、暗黒政治の誇示にはなるが、正義の行使とは誰も思うまい。

戦前の特高が、今も生きていると言う事なんだろうか。何度も言うようだが、小嶋社長や藤田社長へのリンチを喜んでいては、いつか我が身なのだ。成功者の足を引っ張り、引きづりおろす事は、妬み心を満足させるかもしれないが、何一つ自分即ち国民生活にはプラスになっていないのだ。

ヒューザー破産の責任は、いったい誰が取る?

ヒューザー破産管財人の報告では、30億円もの配当があった。小嶋社長が言い続けていた、公的資金を借り入れ、被害者救済を行うとの主張は現実性が高かったのだ。だが、よって集って身ぐるみ剥いでしまった今となっては、全て後の祭りだ。

ヒューザー破産の責任は、いったい誰が取るのだろうか。そして一体誰が得をしたのだろうか?

<本日は以上>

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コメント

その蜩様、早速のコメント、有難うございます。

全くその通り、自浄能力無きマスコミの責任が大きいですね。
拙ブログも、これをテーマとしておりますが、同じ様に危機感を持っている方が大勢います。よろしければこちらもご覧下さい。
秀逸なブログです。

http://tobeajornalist.blog71.fc2.com/
http://roseline.wordpress.com/
http://gskay.exblog.jp/

投稿: ベンダソン | 2007/05/17 17:22

ヘンダソンさんは特高の話をされてますが、これは日本の歪んだ司法制度と、何をしても許される自浄能力無きマスコミの責任が大きいのではないでしょうか。
勿論、耐震偽装の話とは別であくまでヒューザーの話ですが
本来ならば、せめてNHKとかがもっと中立かつ公正に掘り下げた調査報道を行うべきなのですが、NHKも自浄能力無きマスコミの一つに成り下がってしまってます。
日本のマスコミはいまや頭にあるのはお金だけで、報道の公正さや正しさは二の次三の次、まずは視聴率というのが本来ならばもっと問題視されるべきでしょうね。
不二家の行過ぎた報道の件もそうでしたね。

投稿: その蜩 | 2007/05/17 16:41

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