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2007/06/11

コムスンは第二のヒューザーか

200706090016a1 コムスン事件は、やっぱり釈然としない。事実関係よりも、怒りの報道が先行しているからだ。この構図は、ヒューザー事件の報道とダブってしまう。怒りを煽られ、ワーワー騒ぐのは面白そうだが、それで利用者が救われるわけではない。問題とし、解決すべき課題或いは解明すべき事実の優先順位は何か、その辺りを考えてみよう。

昨日のサンプロにグッドウィル折口会長が出演していた。彼の説明はこうだ。

     指定取り消しは8箇所。(注:コムスンは全国に2081事業所=産経新聞報道)

     指定取り消し事由は申請時書類との不整合に対する、開設時つまり過去の事務手続き上の不備に対する指摘なので、改善のしようが無い。

     事業所開設時からフル稼働はしないので、当初のスタッフ不足が実際のサービスには影響しない。

     グループ内譲渡は、サービス提供の維持を最優先した選択、処分回避のためではない。

とまあ、コンナところだったろうか。で、誰もがエッ?と思ったのが、②の処分事由が、事務手続き上の不備というもの。

少し解説すると、「事業所開設を申請した時のメンバーが、実際に稼動始める2ヵ月後に揃わなかったことがあったが、当初からフル稼働はせず、顧客は徐々に増えていくので、顧客に見合った人員配置を確保していたのでサービスには問題なかった。処分の対象は、サービス内容ではなく、申請時の人員がいなかったという過去の事務書類上の不備ことなので改善のしようが無い。」との説明だった。

エッ?じゃあ、実態は問題無いの?と当然に疑問が沸く。そこで田原総一郎が、「じゃあ、開設後のサービス体制は、ちゃんとしていたのか、そこのところを聞きたい!」と叫んだ。いつもの田原節に期待が膨らんだが、この日はちょっと様子が変。自分で聞きたいと言っておきながら、折口会長が喋りかけると、全て、「ケシカラン」、「そんなこと聞いてるんじゃないよ!」「ちゃんと答えてよ!」の連発で、遮ってしまうのだ。聞いといて、それはないだろう。

ヒューザー小嶋社長を呼んでおいて、発言を封じ込めてしまった「みのもんた」を思い出してしまった。いつもの田原総一郎らしくない。田原総一郎ファンとしては、タブン田原氏は何か、折口氏が隠している事を知っていて、それに腹を立てているのだろうと思ったものだが、それにしてもこの威圧の仕方は、らしくないものだった。

さて、例によって前置きが長くなってしまったが、ここでこの事件の、問題とし解決すべき課題或いは解明すべき事実の優先順位は何か、を整理しておこう。

     優先順位は介護サービス確保のはず、何故サービス内容が論点にならないのか

     経営が替われば事業継続できる不思議

     何故2000分の8の申請書類不備で、全体を閉鎖しなければならないのか

     不正はもっとあるのに、折口会長は隠しているのではないか

だろう。

■優先順位は介護サービス確保のはず、何故サービス内容が論点にならないのか

まず、ココが不思議でならない。折口会長の話では、問題の8件は開設申請時の書類通りの同一人物が揃わなかったことで、取り消し処分を受けていると言う。本当に問題があったのが8件だけならば、2000分の8だ。開設申請書類に名を書いた職員が、開設までの間に退職したりして一致しない事はあるだろう。

当初の書類と同一人物かどうかではなく、問題はサービスを行うに適切な人員配置がなされていたのか、サービス内容が適切であったかが論点のはず。田原総一郎もそこを問題にして聞いておきながら、いざ折口会長が言及し始めると、わーわー騒いで発言を制してしまっていたのが、何とも違和感あった。

■経営が替われば事業継続できる不思議

産経新聞によれば、「コムスン同業他社へ売却検討 全従業員も対象 折口会長「5、6社から打診」だとか。何度も言うようだが、体制・人員ごとそっくり売却して事業が継続出来るなら、事業内容に不備は無いということだ。何とも不思議な話だと思うが、皆さん疑問に思わないのだろうか。

経営者が問題になっているならともかく、経営体制が問題のはずだから、経営者が替わろうが体制が改善されない限り問題は解決しないはずだ。それが経営者が替われば存続できると言うなら、単にコムスンやグッドウィル潰しと言う事になる。

フジヤの経営者が替わっても、腐ったミルクを使うなら経営は再開できない。同じように、現コムスンのサービス体制に問題あるなら、そこを改善しない限り継続は有り得ない。なのに、2000の事業所と約2万4000人の従業員全員もそのまま移す事が可能なら、今現在も問題無いと言う事ではないか。じゃ、一体何が問題で廃業にまで追い込まれるのだろうか。

■何故2000分の8の申請書類不備で、全体を閉鎖しなければならないのか

もし、折口会長が言うように、事業所開設時の事務処理場の問題であるとするならば、2000分の8の事務手続きミスで、2000箇所全部の事業所が更新できず、廃業しなければならない事の方が問題だ。そんな事で何万もの要介護者が、サービスを受けられなくなるなんて、そんなバカな、だ。

■不正はもっとあるのに、折口会長は隠しているのではないか

田原総一郎やコメンテーターの言い方は、まるで不正がもっとあるのに、折口会長があたかも隠しているような言い方だった。だったら,社会的にも大きな影響があるのだから、具体的に指摘して欲しかった。

折口会長も、言われっぱなしではなく、キチンと主張して欲しい。ヒューザーの例を見ていると、一端悪者にされた風潮の中では、ウッカリ正当性を主張すると袋叩きにあうので、ひたすら低姿勢にならざるを得ないのかも知れないが、もし自分が正しいと思うなら主張すべきだ。

サンプロで、ただ、やられっぱなしでは、申し訳ないが、田原総一郎やコメンテーター達は何か知っていて、折口会長を吊るし上げているように見えてしまった。

■報道の怪

折口会長が言うように、今回問題となっている8件が、単なる事務手続きのミスならば、コムスンに対する最大の疑問は、不正請求疑惑だ。だが、この不正請求疑惑は、当初の報道では指摘されておらず、昨日辺りから報道されはじめたように思う。

単に私が知らないだけなのかも知れないが、これもヒューザー事件が、当初の耐震偽装への関与疑惑から、詐欺に変わっていった動きとダブる。もし本当に不正請求があったならば、これは許しがたい税金の搾取なので、8件の開設手続き不正どころではない重大犯罪だ。先ずは報道するなら、そっちの事実関係だろう。

だから、報道各社にお願いしたいのは、「コムスンはケシカラン」は充分わかったから、8件の具体的問題点と実際のサービス内容の何が問題なのかと、不正請求の客観的事実関係を報道して欲しいものだ。「コムスンはケシカラン」だけなら、厚労省の発表を受けて拙ブログでも書けるから、取材なんて要らないではないか。

よく、TVの報道番組では折口会長に、書類を紛失したなんて証拠隠しだろうと噛み付いているが。失くしたというのもオソマツだが、8件の開設申請書類にしても不正請求にしても、役所に記録が残っているはずだから、そこを取材すれば済む話。

我々一般市民にはそんな力は無いが、報道各社ならお手のものだろう。とにもかくにも、この件に関する報道は、我々素人グロガーの域を出ていない。

■妙にダブル耐震偽装事件

この事件、こんな調子で相変わらずケシカランが先行し、一体何がケシカランのかが一向に報道されない点で、耐震偽装事件とダブる。マスコミも国民も一斉にケシカランとヒステリーを起こして、ヒューザー事件のようにグッドウィルを吊るし上げるが、肝心の何がいけないのかやユーザーのことがスッポ抜けているからだ。

先に述べたように、コムスンの具体的サービスの何処が問題なのか。もし折口会長が言うように事務手続き上の不備だとすると、わずか2000分の8のミスで全事業を閉鎖させてしまう制度の方が問題ではないか。利用者のことを全く考慮せず、役所の論理だけが先行する点で耐震偽装事件と良く似ている。

相変わらず役所側の発表に基づきコムスンは悪い事をしたケシカランという印象報道ばかりで、肝心の具体的事実関係が何一つ報道されないので、コムスンの事業所開設に不備があったらしいことは分るが、それが何で、具体的に何がいけないかがサッパリ分からない。

私はコムスンがどういう会社で、親会社のグッドウィルが何であるかも知らない。知らないから予断もない。ひょっとしたら、物凄く評判の悪い会社かも知れないし、その逆かも知れない。悪い風評を聞いていたなら、コンナ疑問持たずに、全くトンデモナイ事やる会社だと思っただろう。

あのジュリアナをやった会社が介護事業か、ふ~ん。と、まあ大多数の方がこの程度の印象ではないだろうか。これから徐々に実態が明らかになっていくのだろうが、ほとんど何も分らない状態で、何故大衆はおろか、当代一流の論客までもが、怒りを顕にするのか、そこが不思議でならない。

<本日はこれにて>

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コメント

アムロ様、コメント有難うございます。
先にスパイラルドラゴンさんからレスが有りましたね、亀レスご容赦ください。

何れにしても、肝心の問題点に関する報道が一切成されず、印象操作の類の報道ばかりなので、市井の民である私には、客観的状況から推測する事しか出来ません。本来の不正疑惑はドコへやらそのうち女性問題や私生活に及ぶでしょう。こういう報道の構図が、あまりにも耐震偽装と似ているので、国策かと思う次第。

よってあくまで推測ですが、以下の点を挙げます。
①業界との軋轢
コムスンは24時間介護を行っています。これは利用者からは喜ばれますが、収益性を圧迫します。当然に、そういうサービスをやられると同業他社には圧力となり、経営を圧迫します。実際買収に名乗りを上げている各社は、平然と24時間はやらない、儲かる部分しかやら無いと公言しています。勿論言い方は変えていますがそういうことです。
②医療との軋轢
親会社のグッドウィルは派遣業です。ここが医療分野に進出するとどうなるでしょうか。何も報道されないので単なる推測ですが、可能性としては医師会等の医療業界の危機感は相当なものが有るのでは無いでしょうか。以上天下りを大量に受け入れている①と②の意向を受け入れての国策かと勘ぐります。
③官僚に逆らった
天下り受け入れや、介護保険制度に対して、受け入れ拒否や国に文句を言ったりしたからでは、との推測。
④年金問題から目を逸らすためのスケープゴート
⑤その他いろいろ

結局のところ、事業所開設に不正があったと糾弾しておきながら、具体的不正の内容や、実際のサービス内容には一切触れることなく、印象報道ばかりです。故にこういった「推測」をしたくなってしまうのです。コムスンはケシカラン、折口は悪党だと言うなら、その具体的事実を示してくれれば、一発なのです。容疑事実を内容を明確にする事、客観的事実を報道する事はそんなに困難な事でしょうか?

投稿: ベンダソン | 2007/06/13 13:30

アムロさんへ。
>とすると、官僚(政府?)の狙いはどこにあるのでしょうか?

介護保険料の負担を、全年齢に拡大させる事が目的だと思います。

投稿: スパイラルドラゴン | 2007/06/13 10:06

ちょっと質問ですが、
>今回の「コムスン事件」の絵を描いたのは、介護保険制度を作った官僚だと思いますが、・・・

とすると、官僚(政府?)の狙いはどこにあるのでしょうか?
たとえば、介護事業の審査機関のような物を作り、そこへ
天下るためとか?
どのようにお考えでしょうか?

投稿: アムロ | 2007/06/12 16:46

スパイラルドラゴン様、コメント有難うございます。

>今回の「コムスン事件」の絵を描いたのは、介護保険制度を作った官僚だと思いますが、・・・

ですね、そんな気がしてなりません。

マスゴミの動きも、耐震偽装事件と同じ様相を呈してきています。
最初は、事業所開設の不正疑惑だったはずが、不正請求になり、昨日からは育児志望事件やグッドウィルの派遣待遇問題へと変わってきています。

この分だと、折口会長の私生活が取りざたされることでしょう。私はコムスンもグッドウィルも折口会長についても何の予備知識も無いので、嫌悪もしませんが擁護もしません。

ただ、相変わらずのマスゴミの指甑罵櫂には辟易します。ブログにも書きましたが、何故本題であるはずのサービス内容や体制について報道しないのでしょうか。

投稿: ベンダソン | 2007/06/12 12:17

今回の「コムスン事件」の絵を描いたのは、介護保険制度を作った官僚だと思いますが、折口氏にはあまりにも敵が多すぎるので、今の時点では「本星」が誰なのかまで特定できません(一番可能性が高いのは、クリスタルの元社主です)。
これから小嶋進氏と同じ道を歩むことになる折口氏には、本来ならば同情すべきなのですが、本業の人材派遣業での悪行には目に余る物がありますので、一切擁護しようとは思いません。
それにしても、コムスン引き受けに名乗りを上げたワタミとニチイに対して、ヒーローのように扱っているマスコミの無知無能ぶりには、改めて驚かされました。

投稿: スパイラルドラゴン | 2007/06/12 09:19

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受信: 2007/06/13 22:59

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