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2007/07/12

「耐震偽装問題の夜明け」

耐震偽装問題は何一つ解明されておらず、ただ藤田告発が真実であった事だけが、時の経過とともに明らかになってきた。話題性の低下に比例して、真実が次々と明らかになってきている。大勢が注目していると、なかなかホントの事や本音は言えないが、人目に付かなくなれば、言い易いということなんだろうか。

■藤田氏の名誉回復を忘れるな!

藤田告発の正しさ・事実性が明らかになっても、彼の名誉やイーホームズが復活しないとするならば、この国はナンだって、長いものに巻かれてやったモン勝ちということだ。本題に入る前に、この事を先ず明言しておきたい。

■精神風土の危うさ

そして、それでいいの?と。拙ブログがしつこく耐震偽装問題を取り上げる原点の一つがこれだ。何度も書いているので、読者諸氏は耳にタコが出来てしまったかもしれないが、一揆首謀者を平気で見殺しにしてしまう、日本人の精神風土の危うさを憂うのだ。

■実態は植民地

だから、耐震偽装問題の解明と同時に、藤田東吾氏始め国策によって潰された人々も救われなければ、これは明日の我が身であり、この国では誰も不正を正さなくなってしまう。こういう国民精神の破壊こそが、民族のアイデンティティや国家体制を破壊してしまい、形だけの独立国家、実態は植民地と化してしまうのだ。

■民族自決?

実際、極東地域において、第二次大戦後クーデターが起こってないのは日本だけではないか。勿論、クーデターの是非を言っているのではない。要するに、敗戦国となってこのかた、日本の国家体制は、はたして民族自決でもたらされてきたものかとの疑問だ。

八紘一宇

今日の本題では無いので、これについては後日とし、説明は省略するが、日本軍が都合良く「八紘一宇」を掲げたように、皮肉にも、その日本が実質的にアメリカの植民地化している事を指摘しておきたい。アメリカの戦略は、「戦わずして勝つ」孫子の兵法の真髄である。

■棒にしか怒らないニホンジン

先ずは民族全体を、「棒にしか怒らない」ように改造した。今、私たちの周りには、「文章」を理解せず「単語」にだけ反応し、「棒」に怒りをぶつける人ばかりになりつつある。誰が殴っているのか、全く理解しようとはしないのだ。

だから、「耐震偽装問題」も、「危険」「儲けている」「有罪」、この3つの単語で、大衆はものの見事に、「殴った相手」ではなく「棒」に怒りをぶつけ溜飲を下げた。そして、その殴った国交省の役人は、のうのうと参議院選挙に出馬する。ガイジンから見れば、ニホンジン・バカ・アルネ。

■公開リンチ

大衆が「棒に怒りをぶつける」仕組みはカンタンだった。先ず「危険」でパニックに陥れ、「儲けている」で憎しみを煽る。憎しみの原因は、本来「危険」なはずなのだが、大衆はそういう論理よりも、やっかみに心を支配されるから、ヒューザーやイーホームズが急成長したことが「大罪」とされる。そこを上手くついた。そして逮捕・有罪となれば、大衆は大喜び。だが、これでは、単なる公開リンチに過ぎないから、問題は何一つ解決も解明もされていない。

■大罪

「大罪」が国交省に有る事は、藤田東吾氏が何度も指摘しており、次々と明るみに出てきた事実が、それを裏付けている。耐震偽装が明らかになった後にも関らず、藤田東吾氏が指摘してきた、一連のアパ物件などその良い例だ。

■国交省に能力無し

2年に渡る、この間の経緯を客観的に見るにつけ、国交省のインチキ・主犯説にはなるほどと思わざるを得ない。と言うか、そもそも①認定ソフトが改ざんできる事、②一連計算でありながら入力の電子データ添付としていない事、この2点だけでペケ、国家の建築行政を取り仕切る能力無しだ。

■役人が逮捕されない不思議

このように改ざんできるシステムを認定した事もスゴイが、この事が原因で、実際に偽装と言う犯罪が行われた時の彼らの対応は、藤田東吾氏の言うとおりならば、何故逮捕されないのかが不思議なものだ。

■さすがに乗らなかった検察

そして、明らかに国策逮捕と思われる藤田東吾氏は、逮捕後ボロッカスに国交省やアパを責めている。これに対して国交省やアパは、逃げてばかりで一向に正面から対峙しない。昨年ネットで流された映像では、あろう事か藤田東吾氏が国交省に乗り込み、次官室のドアを叩くシーンが有り、ぶった曲げた。

アレは、次官室のドアではなく手前のドアだと、掲示板で反論されていたが、玄関か中の部屋のドアかの違いだ。どうでも良い。別件逮捕する気なら格好の材料だろう、その度胸にはたまげた。だが、逮捕されなかった。検察も国交省の言う事を真に受けて、うっかり逮捕したものの、どうやっても本筋では有罪に出来ず、ションベン刑がやっとだったから、もう乗らないぞと言う事だろう。

■自明

アパに至っては、藤田氏を告訴するぞと息巻いていた。藤田東吾氏からは、どうぞ待ってますと挑発・嘲笑されても、一向に告訴する様子がなく、次々自社物件の偽装が明るみに出て、理が無い事を自ら証明している。

■小嶋メールの衝撃

さて、前置きが長くなってしまったが、ここへ来て、その国交省の怪しさを裏付ける情報がもたらされたのだ。既に、「頑張れ藤田東吾」、「きっこのブログ」、「耐震偽装と報道責任」、等のブログで紹介されている小嶋メールだ。以下に引用する。

<引用開始>
平成18420日 17:06 O先生

拝読いたしました。ありがとうございます。0.5を国交省が発表したのは私たちの瑕疵担保責任が切れていた、グランドステージ池上の耐震強度計算書を大田区に届けた直後、1125日前後だったろうと思います。私たちの責任外の案件はどうするのだろうと固唾を飲んで見守っていたところ、すかさず0.5以上は強制退去方針を出さないと国交省HPで通達を出しました。

随分勝手なものだなとあきれました。GS下総中山はERIを守るために0.37を国交省は0.73で発表し、曽我部長の住んでいるGS浮間公園は6通りの計算数値が全て違い、北区は当初の0.4を公表せずやり直して0.7で公表したり、特定行政庁に責任が行かないように0.5を出してきたり、姉歯以外にも被害が出始めると、215日には限界体力計算方法など他の計算方法もいいと再通達を出してきたりで、先生の「お代官様の虫の居所一つ」で敷居値が運用されてきたのがよく理解できました。

何故コンピューターで計算したものをCDを添付させずに、目視点検にさせたか、しかも大臣認定ソフトは中身の点検は省略していいということになっていたのか、「検算禁止命令」となっていたのか、などなど、役人がガラス張りを嫌って既得権益を守ろうとしていたという先生の「色眼鏡」解説で目から鱗が落ちました。(以降省略) 小嶋進
<
引用終了>

■元から崩れる公表値

ところで、元建築士、姉歯秀次が行った構造計算偽装物件の内、国土交通省と国総研が任意に再計算を行い、耐震強度(QU/QUN値)が0.5未満となったもの(取り壊し/強制退去命令が出た物件数)と、各割合の件数一覧表は以下のとおりだ。

 

件数

QU/QUN値0.5未満

合計

内訳

件数

役所

44

マンション

2

8

18.2%

ホテル

6

eHomes

37

マンション

15

16

43.2%

ホテル

1

日本ERI

15

マンション

1

2

13.3%

ホテル

1

他民間

4

マンション

0

1

25.0%

ホテル

1

合計

100

 

27

27

 

これだけ見るといかにも、イーホームズがたくさん見落としていたように見えてしまうが、このデータ自体が偽装されていたわけで、元から崩れてしまう。

■首の1つや2つ

で、ここのところの年金問題など見るにつけ、役人を信じるか、小嶋メールを信じるかと言えば、小嶋メールと言わざるを得ない。事実、小嶋氏は国会承認喚問で「私が本当のことをしゃべれば官僚の首の1つや2つは飛ぶぞ!」って怒鳴っていたが、その意味がようやく分かった思いだ。

■週間誌の追跡

このメールの真偽については、私には分からないが、既に週刊誌各誌が追っていて、裏を取っている最中だ。裏取りが間に合わなかったため、今週の記事にはなっていないが、いずれ直ぐに複数の週刊誌から出るだろう。乞うご期待だ。

建築ジャーナル

更には、これに関する藤田東吾氏の手記を、建築ジャーナルが8/1に巻頭記事として取り上げる。タイトルは、「耐震偽装事件は国交省、日本建築センターの国家犯罪 国民を犠牲にした国交省の不当な数値捜査」となろう。

詳しくは、建築ジャーナルをお読みいただきたいが、このウソの公表に関する記事が出るだろう。ここへ来て、つまり偽装発覚から2年半も経って、当事者であった佐藤のぶあき事務次官もとっくに退職した今、やっと核心に迫る情報が出始めた感じだ。

■年金問題と良く似ている構図

この構図は、年金問題と良く似ている。5000万件の記録を紛失した事が明るみに出たときには、当事者はとっくに退職し、天下りを繰り返しガッポリ退職金を手にしているのだ。佐藤のぶあき元事務次官は、この参議院選挙に出るが、だったら先ず自ら説明責任を果たすべきだろう。

勿論、一方の話だけで、佐藤のぶあき氏を耐震偽装問題の元凶のように決め付けるわけにはいかない。だから尚更説明責任を果たして欲しい。選挙はその後だ。

■閑話休題

話は代って、この選挙、年金問題といい、耐震偽装問題といい、自民・公明には、たっぷりとお灸をすえる必要が有る。私はどちらかと言えば自民党よりなので、民主は頼りないと思っているが、昨今の自公は強行採決といい、どうもトチ狂っているからだ。ヒューザーやイーホームズに対する対応と、アパに対する対応の差はナンなのだ。

アレでは安晋会への疑惑にも信憑性があろうと言うもの。だからこの際、自公を大敗させて解散に追い込み、政権を交代させるべき時が来たと思う。

耐震偽装も年金問題も、関係者が役所を去るにつけ徐々に真実が明るみに出てくるだろうが、自公が政権を握っている限りは、事の核心は明るみに出ないだろう。「耐震偽装問題の夜明け」とは言ったが、相変わらずこの問題を追及しているのは藤田東吾氏ただ一人だ。

■国家に巣くう宦官ども

先に述べたように、耐震偽装も年金問題も、根は官僚機構の犯罪と言う点で同じだ。我々が、今後も藤田東吾氏を支援し、関心を持っていかなければ、官僚の中の国家に巣くう宦官どもに、この国は食い散らかされてしまう。

話が、あっちこっちに飛んで恐縮だが、改憲派の私が、護憲派の天木氏を応援するのは、宦官のような官僚が跋扈する中にあって、数少ないまともな識者ではないかと思うからだ。先ずは伏魔殿の様な政府官僚機構から、腐敗した政治家や官僚を追い出すこと。こっちが先だからだ。

<本日はこれにて>

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コメント

>反藤田派のブログも紹介されており、
基本的に「棒に怒る日本人: 藤田東吾氏の名誉を回復せよ!」の紹介の中だけでのことだと思いますが、
反藤田派は権力側のでっち上げ/フレームアップにはめられ、「盗人猛猛しい」との思い込みにはまったままで、藤田派の言説に耳を傾けることは決して無く、「今ここ主義」*で過去の自分を水に流してしまうということでしょうか。

それ故、選挙向け言論活動では、リーチの届かない(無党派)「小泉B層」を攻撃するのは自己防衛からの反発を呼び起こすだけだから止めにし、自公の地雷発掘に集中せよと主張しています。

*花・髪切と思考の浮游空間 :「今・ここ主義」の政治的意味味」
http://blog.goo.ne.jp/longicorn/e/45209b8d42bb80b26d18f507bb464b8f

投稿: ゴンベイ | 2007/07/14 11:08

ゴンベイ様、コメント有難うございます。
「AbEndフォーラム」へのご紹介、有難うございます。
で、覗いたところ、反藤田派のブログも紹介されており、ココを覗いて、今更ながら考えさせられました。

当然に、人それぞれ様々な考え方があるのは歓迎すべきですが、それぞれの考え・意見を述べる行動原理は何なのか。藤田関連では、当初からその原点が、藤田派・反藤田派で余りにも乖離しすぎているようです。

藤田派が、藤田告発を含め耐震偽装問題を、社会問題として位置づけているのに対して、反藤田派は、藤田氏個人に関心が集中しているように思います。したがって、両者は「藤田東吾」「耐震偽装」などの単語が共通しているだけで、意見・主張の中身は、全くと言ってよいほど接点が無いようです。

投稿: イザヨ・ベンダソン | 2007/07/14 08:38

らんきーブログのぶいっちゃんが開設した「AbEndフォーラム」。そのキモは「藤田東吾社長 トピックス(耐震強度偽造問題)」にあった。
ここの投稿のビューは1スレッドにつきせいぜい日に10~20あればよいのだが、ウォッチしていると、妙に多いスレッドがある。ほぼ更新が止まっている「耐震強度偽造問題 リンク集」に毎日最低でも50ビュー、多い時では100ビュー超すことがあること、APAに関わる投稿の平均ビューが圧倒的に高いこと、それも投稿直後の1日で100ビュー稼ぐことが目を引く。最近では渋谷の温泉爆発に関連して「アパの天然温泉つきマンションの安全は?」と問う投稿にビューが集中した。どうやら、このトピックスは国交省とAPA晋三のウォッチ対象になっていると思わざるをえない。

さて、小嶋メールについては、きっこさんと藤田氏双方を別の投稿としたが、きっこさんの方には「kojitakanの日記」を、藤田氏の方には「Good by! よらしむべし、知らしむべからず」をレスで紹介したが、ERIと特定行政庁のQu/Qun値分布の不自然をついた全文コピーした「Good by! よらしむべし、知らしむべからず」の方にビューが集中し、金曜昼から今までに100ビュー増えている。棒に怒る日本人の「藤田東吾氏の名誉を回復せよ!」に「耐震偽装問題の夜明け」の紹介レスをつけたところ、こちらにもビューが増えた

AbEndブロガーがきっこさん批判である「blog:きっこのお詫びに見る萎縮効果 」に意識が向いて、「きっこのブログ:国による大犯罪の告発!」をテーマにしたエントリーを建てていないが、それこそ国交省とAPA晋三、安晋会の連中はほくそえんでいることだろう。

 ※ メルアドはダミーですから、あしからず。

投稿: ゴンベイ | 2007/07/14 05:49

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