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2007/07/23

日本の危機管理

アフガニスタンの旧支配勢力タリバンが、医療ボランティア活動に携わるキリスト教徒の韓国人23人を拉致し、殺害を警告した事件で、韓国政府は苦渋の判断を迫られている。これが日本政府であったなら、はたしてどうだろうか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070723-00000012-maip-int

<引用開始>

アフガニスタン 韓国代表団がタリバンと接触 拉致事件で

【イスラマバード栗田慎一】アフガニスタンの旧支配勢力タリバンが、医療ボランティア活動に携わるキリスト教徒の韓国人23人を拉致し、殺害を警告した事件で、韓国の趙重杓(チョジュンピョ)・外交通商省第1次官率いる同国代表団が22日、タリバンの設定した交渉期限の同日午後7時(日本時間同11時半)を前にアフガン入りし、解放実現を目指す外交努力を強化した。アフガン国防省報道官は同日、北大西洋条約機構(NATO)軍主導の国際治安支援部隊(ISAF)が同国治安部隊と合同で救出作戦の準備に着手したと明らかにした。
 聯合ニュースによると、韓国代表団は武装勢力側との接触を始めたという。AFP通信によると、治安部隊はアフガン東部ガズニ州カラバグ地区で韓国人が拘束されている可能性がある地点数カ所を包囲している。韓国代表団の意向を受け具体的な行動に移る模様だが、タリバン側は「軍事行動に移れば人質全員を殺害する」と警告した。
 タリバンは当初、アフガン北部で復興活動などを続ける駐留韓国軍の撤退を求めたが、アフガン政府に「人質と同じ人数のタリバン・メンバーの釈放」要求を突きつけた。タリバンは今年3月にイタリア人記者らを南部で拉致した際にメンバー5人の釈放に「成功」しており、年末までに引き揚げ予定の韓国軍の「撤退」よりもメンバーの「釈放」を重視している。
 18日に拉致したドイツ人男性2人と同行のアフガン人5人についてタリバンは指定した交渉期限(21日午後1時)の数分後に「殺害した」と発表したが、情報は錯(綜さくそう)。AFP通信によると、ドイツ人2人のうちの1人とみられる遺体がワルダック州で発見された。死因は不明。
 服役中のタリバン兵は数千人とも言われ、タリバンによる外国人拉致は今後、多発する可能性が高い。イタリア人記者の解放後、米英などが表明した「同種事件の発生」の懸念が今回、現実のものとなった形だ。韓国はアフガンの重要な復興支援国。アフガン政府は人質解放優先の韓国と、米英の圧力との狭間で、極めて難しい立場にある。
 NATO軍や米軍は山岳地帯でのゲリラ戦を得意とするタリバンとの地上戦を避け、空爆中心の攻撃を進めている。タリバンは車列への自爆攻撃や路上の仕掛け爆弾で応戦するために自爆要員の募集を強化しているとされ、要員確保の必要性がメンバー釈放要求につながっている可能性がある。

<引用おわり>

■迫られる決断

韓国政府は、苦渋の判断を迫られた。テロに屈するか、人質を見殺しにするか。最良の解決策は、タリバンを撃破し人質の奪還することだが、それが出来そうも無いから苦渋の判断となる。

■韓国人と日本人は違う?

韓国人と日本人は、当事者にも区別がつかないほど似ているし、そもそも韓国は儒教の国だから、ものの考え方も似ているのだろうか。だが、身近にいる韓国人に聞くと、ケッコウ合理的にも思える。

■テロに屈するのは麻薬に似る

韓国政府が、国際標準的な考えを持つなら、テロには屈しないだろう。つまり、人質の犠牲をも厭わないということだ。テロに屈すると言う事は麻薬に似る。麻薬を打つと一時には楽になるが、問題は更にエスカレートするからだ。

クアラルンプール事件

さて、これが日本政府だったらどうだろうか。かつて連合赤軍が起こした浅間山荘事件では、主犯格の坂東国男が逮捕されたが、クアラルンプール事件(マレーシア・クアラルンプール所在の米国大使館等を占拠)で日本赤軍の要求に応じ、釈放された。

■超法規的措置?

法律を、政府が自ら超えて措置したことから、超法規的措置と呼ばれているが、要は「特例」と言う事。何の事は無い、一番楽な道を選んでテロに屈したと言う事なんだが、「人命は地球より重い」とか言って、日本人はフムフムと納得していた。(と思う?)

■日本の役人は天才的?

こういう言い回しにかけては、日本の役人は天才的だ。言っている事は正しいが、実は何の関係も無い事を、さも意味があるようにくっつけてしまう。人命に対する一般論と、テロ事件という特殊解を「人命」という単語でくっつけてしまうのだ。

■単語に反応する日本人

単語に反応しやすい日本人はコロッと騙されてしまう。西欧諸国ならば、人命は地球より重い?ウンその通りだが、それが何か?今は、テロ対策の話なんだが、となるだろう。

と、言うわけで、中東辺りで活動している日本人ボランティアを捕まえ、或いは、世界中どこでもとにかく日本人をとっ捕まえて、日本政府に対し、自衛隊派遣をやめろとか要求したらどうなるだろうか。

金銭の要求ならば、テロに屈するなとの意見も出るだろうが、「自衛隊派遣するな」では、だから言わんこっちゃないとばかりに、「派遣反対」の理由に結びつける国内世論が巻き起こる可能性が考えられる。論理的には派遣の是非とテロとは何の関係も無いのだが、日本人のメンタリティとしては十分に考えうることだ。

■日本にダメージ

以上は、あくまで仮定に基く例えだ。他にも色々なケースが考えられる。例えば、原発を止めろというような要求も面白い。人質1人につき原発一基を停止・廃棄処理しろと要求するのだ。

日本にダメージを与えようとするならば、これは下手に身代金を要求するより効果的だ。何より、国内の原発反対論者が飛びつくだろうから、テロの後押しをしてくれる。批判を恐れた政府は、人命は原発より重いなんて事を言って、次々原発を廃棄するかもしれない。

原発を廃棄したからと言って、直接人命への影響は見えないが、経済は大打撃を受け、結果として失われなくても済む多くの人命が失われるだろう。

或いはもっと直接的な方法も考えられる。爆弾満載のセスナで原発に突っ込むのだ、911どころの騒ぎではあるまい。ま、これは極端な仮定だ。

■平和≠安全

幸いにして、戦後この方日本は平和そのもの、平和ボケと言われようが何と言われようがありがたいことだ。だが平和だった事実と、安全である事は無関係とは言わないがイコールではない。

目隠しで地雷原を渡り歩いても、運がよければ無事だ。自分が渡ってきた道が地雷原と知らなければ安全な道と思うだろう。だが地雷原と言う事実、つまり危険性は現に存在する。危険が見えない、或いは見ないから安全と思うのは、トンでもないオバカさんなのだ。

■日本の危うさ

今日の話は、お隣韓国が巻き込まれたテロの話から始まったが、今の所、たまたま日本がテロの標的になっていないだけで、そうならない根拠は無いのだ。そしてそうなった場合の国家の危機管理や、国民の意識が、非常に危うい事を指摘したい。

■日本人のメンタリティの危うさ

国家の危機管理の危うさは、以前から指摘されているので、フムフムと思われようが、国民の意識とは?と訝られるだろう。それは、6個上の文節で書いたように、危機回避どころか、危機を後押しするような日本人のメンタリティの危うさを言うのだ。

■敵の擁護

もし、日本でテロが起こったなら、テロ犯人よりも、それを防げなかった政府を憎み、肝心のテロ対策がボケてしまったり、下手をするとテロを擁護しかねない事を恐れる。拙ブログが、棒に怒ると揶揄しているのはこういう事を言うのだ。

実際、JR福知山線事故や耐震偽装問題では、「犯人」を責めないで周りの管理責任ばかりを問うていた。遠因に考えを広げれば主観的でキリが無く、誰かをとっちめるために血眼になるばかり。

■イカレポンチの擁護

イカレポンチが、怒られるのが怖くてスピードを出し過ぎたり、メンドクサイからと偽装した事に考えを巡らさないのだ。挙句に運転手は最後までレバーを握り締めていただの、姉歯某は犠牲者などと言う、意味不明の言説が飛び出す始末だ。

日本の危機管理の最大のウィークポイントは、こういう国民世論のトンチンカンさにある。組織体制をどんなに強化しても、こういう国民のメンタリティが改善されない限り、獅子身中の虫として機能し、自らを破壊するだろう。だからこの国は非常に危ういのだ。

■赤信号ミンナで渡っても危険は同じ

赤信号ミンナで渡れば怖くないと、地雷原だろうが、落とし穴だろうが平気で渡ってきた。そして、無事であったが、それは誰かに上手く誘導されたから。周りにある危機や危険を、目をかっぽじいてよーく見たら、無事だったことと安全である事の違いが良く分かるはず。

古くは、金大中事件、北の拉致事件、或いはイスラム教祖を批判したら首を切り落とされたり、アメリカの逆鱗に触れない限り、外国がその気になれば、この国の主権などいともカンタンにすっ飛ぶ。だから、もしも、アメリカが日本の利用価値無しと判断したら、安全などと言う奇跡はもう起こらないだろう。

とりあえず、今日のところはここまで。

(ただ、書きなぐりなので、内容に問題あるかもしれない。あとで訂正するかもしれません。その時はヨロシク!)

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コメント

究極の誤謬は至高の先行性に突き抜ける超然的な解を実践しているのです。

投稿: 小日本人 | 2007/07/23 21:24

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