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2007/08/10

原爆の日に思う

250pxnagasakibomb 私は子供の頃、長崎に住んでいた。昨日、長崎は62回目の原爆の日を迎えた。実は拙ブログ開設の目的は、先の戦争責任追及だ。まだ言いたい事は言ってないが、それは言うだけの度胸が無いからだ。少しでも核心に触れようとすると、身の回りに不快な事が起こるからだ。エラソウな事を言って、根性の無い自分が情けない。

■戦争責任のタブー

戦争責任に関して言い出すと幾つものタブーに触れざるをえない。そしてそれらのタブーは、同じ方向を向いてなくて正反対なので、タブーに触れると、右翼も左翼も全て敵に回してしまう。

■右のタブー

タブーとは何か。右よりのタブーから言えば、戦争責任、靖国問題、極東軍事裁判、少し冷静になれる従軍慰安婦問題や虐殺問題だろうか。前3つは口にしただけで、ネット右翼が歯をむき出して怒り出す。

戦争責任に関しては家族の安全を考えると、まだ言えない。妻も子も、私を見限ってくれれば良いとも思う。

■真ん中と左のタブー

次に、真ん中よりになると、731部隊だ。そして左寄りになると原爆問題となる。ここから派生して、原子力アレルギーだ。日本では原子力=原爆の構図で語られるから、いずれも、意見を言おうものなら、袋叩きにあう。

だから右も左も敵に回してしまう。

■原爆投下の責任?

それを承知で、あえて言いたい。TVのドキュメンタリー番組では、原爆の日を前に、アメリカ国民に対して原爆投下の是非を問うていた。私がアメリカ人なら?だ。戦争犠牲者を気の毒に思う気持ちと、戦争の遂行をごちゃ混ぜにして聞かれても困る。

まして、それが国際法で禁止されていないのだから。アナタの国は戦争で多くの日本人を殺したが何か感じないかと言うような事を、特定兵器の犠牲者だけを取り上げて聞くからだ。どうしろと言うのだろうか。

■原爆に先立つ沖縄戦と東京大空襲

日本は、3月に沖縄を占領され、東京大空襲があった。沖縄戦は、1945年3月26日から6月23日まで続き、日本側の死者・行方不明者は18万8千人で、沖縄県出身者12万人のうち9万4千人が民間人とされている。

東京大空襲は同年3月10日と5月25日に行われ、8万人以上、一説には10万人以上が犠牲になったとも言われている。この時、日本の戦闘機は既に迎撃能力を失っていた。首都東京の制空権を失っていたし、制海権も失っていた。

■戦うことより国民を殺す事が目的の戦争?

Yokosuka_d4y3 戦う武器も弾薬も無く、残された僅かの弾薬を効率的に使うために、海も空も神風攻撃だ。一体同胞の命を何だと思っていたのだろうか。満足に戦う武器も食料も無く、一億総玉砕?

お国のために爆弾抱えて死ね?多少なりとも生きる望みあっての戦いだろう。しかも全く勝ち目が無いと分かっていて死ねとはなんともムゴイ。

勝てる見込みの無い戦争で死を命じる、コンナ、軍隊、コンナ戦争をした国家が、はたして歴史上存在しただろうか。アラブゲリラの自縛テロはジハードだ、事実上強制された神風とは、根本的に違う。日本がした戦争は、勝利が目的ではなく国民を死に追いやる事が目的の戦争ではないか。

■沖縄・東京の犠牲と被爆の犠牲は同じ、一体どれだけ国民が犠牲になればよかったのか

沖縄に米軍が上陸し、戦艦大和始め連合艦隊は既に壊滅していた。同じ時期に首都東京への大空襲、この時点で戦う武器も無く20万人の国民が犠牲になっているのだ。フツー戦争止めないか?この後の広島、長崎の原爆犠牲者もほぼ20万人と言われている。一体何人の国民が犠牲になれば戦争を諦めるのか。異常な国家だ。

■古今東西、民を守るため大将は命を差し出すものでは?

洋の東西問わず、いかに暴君と言えども、国民がこれほど犠牲になって、武器も弾薬も無くなってまで戦争を続けた国家があっただろうか。武士が巾を利かせ多くの民が犠牲になった戦国時代でさえ、臣下臣民が、ここまで犠牲になったなら、民百姓を守るため大将は一族皆殺しを覚悟で降参した。

■竹やりの民を殺戮せよ?

何故、ここまでやられて降伏しなかったのか。それでいて、神風特攻だ、一億総玉砕だと騒いでいた。敵にしてみれば、そんなところに上陸して、竹やりで襲ってくる生身の人間を次々銃で撃ち殺せと言うのか、沖縄戦を本土でも繰り返せと言うのか。狂気の世界だ、日本を焦土にする以外に手は無いではないか。

■仕向けたのは誰か

2発の原爆を落としたのはアメリカだが、分かっていて、全く意味も無くそのように仕向けたのはいったい誰なのか。

沖縄・東京の市民20万人の犠牲で降伏しておれば、広島・長崎の20万人は犠牲にならなかったのだ。

この間何か、戦局が好転する要素が、僅かでも有ったのならともかく、何も無い絶望的状態ではないか。思考停止に陥った戦争責任者が、責任を放棄したとしか思えない。当時意思決定できる立場にあった人間ならば、A級戦犯であろうと、なかろうと己の罪は分かるはず。

良くぞ、のうのうと生きておれたと不思議でならない。フツーの神経なら持たず、発狂して、自殺しただろう。

■棒に怒りをぶつけるな

原爆は、サルを叩く棒である、誰が叩いていたのか叩かせていたのか、そこを考えるべきだ。棒に怒りをぶつけるのは間違っている。

■原爆を研究し、細菌兵器の人体実験をやった国が原爆投下を非難?

更には、原爆は非人道的な兵器であるが、禁止されていなかったし、日本もその研究をしていた。それどころか、日本は国際法(ジュネーブ議定書)で使用が禁止されている細菌兵器を、中国人にたいして人体実験を行っていたのだ。そんな国が、原爆を落とした国に対して謝罪を求める?少なくとも、形式上、戦争を仕掛けたのはニッポンなのだ。

■すべきは原水禁運動

兵器としての原爆の非人道性は許しがたく、これは何としても国際法で禁止すべきだし、其の事を最も世界にアピールできるのは日本人だ。だから原水禁運動は良いことだし、日本と日本人の責務でもあると思う。

■原爆投下の責任を問うなら、日本自身

けれど、その事と原爆投下の責任をアメリカに問うのは全く別、国際法で禁止もされておらず、日本も研究していたのだから、原爆投下の責任を問うなら、日本自身なのだ。

■敵は棒にあらず

だから被爆国日本が、世界にアピールするべきことは、核兵器廃絶運動である。最近のTV報道を見るに付け、分かり切っている事と思っていたこの事が、ボケてしまっているように思った。

敵は、棒ではない。棒を使ったり使わせているヤツなのだ。

■「しかたなかった」発言の是非

久間元防衛大臣の「しかたなかった」発言は、確かに日本防衛大臣の発言としては軽率に聞こえる。犠牲者を出しておいて仕方なかったは無いだろう。だが、この「仕方なかった」の対象は何だろうか。被爆者のことだろうか?アメリカのことだろうか?それによって意味合いが違ってくるのだが、単語に反応してはいまいか。

久間発言を全部通すと、今ひとつ不明確だ。大前提として、犠牲者に対する追悼の意を最大限に置いて、その上で考えると、彼が言うようにロシアが攻めて来る状況において、戦争を早く終結させるためには仕方なかったのではないか。

ただし、仕方なかったと考えるのは米軍であって、日本ではない。その意味では、日本の閣僚としての久間発言はペケとなる。

■他に選択肢があったか

ここまで読んで、発狂した方のために、念には念を入れて申し上げるが、本論は原爆を容認してはいない、犠牲を正当化するものでもない、しつこく繰り返すが追悼の意を最大限に置いた上で、アメリカが日本を降伏させるためには仕方なかったつまり、選択肢は無かったのではないかということだ。

それとも、焼夷弾をばら撒き、日本中を焦土にすればよかったのか、東京大空襲のように生身の人間を焼き殺せばよかったのか、或いは上陸して竹やりで向かってくる人々を次々撃ち殺せばよかったのか、一体どうすれば日本は降伏したというのか。

■単語に反応するな

単語にばかり反応しないで、文全体をご理解いただきたい。「仕方なかった」と言う単語に反応しそこで思考停止してしまう方のために、次のように言い換えよう。

広島・長崎の原爆被害者の方々の冥福をお祈りする。犠牲者の方々は、戦争終結を早めた意味において、その死がムダにはされなかったと思う。今の日本の繁栄は、彼らの犠牲の上に成り立っているのであり、追悼の誠と感謝の念をもち、このような悲惨な事が二度と起こらないよう核廃絶にニッポンは全力を尽くすべきである、と。

<まだまだいい足りないが、本日は、これにて>

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コメント

皆様、コメント有難うございます。

●散策様、
貴ブログにより、「日本は降参させられなかった」と主張するサイトをご紹介いただき感謝しております。そしていろいろな解釈があるものと感心しました。こちらこそ、今後とも宜しくお願いいたします。

●相変わらずあまいね様、
トラバいただいた上記散策様のブログのリンクをたどると、「アメリカは原爆投下のため終戦を遅らせた」と主張する、<講演記録「原爆神話」からの解放ー「正義の戦争」とは何かー 木村 朗(鹿児島大学法文学部)>に当たりました。
http://www.ops.dti.ne.jp/~heiwa/kimura/doc/gennbaku.html
貴兄の言う「ネットを見れば分りそうなモン」の一例でしょう、他にもあるのでしょうが、これを例にお話します。

この方、その主張の中で、ハッキリと、「三月一〇日には東京大空襲が行われて死者は約一〇万人にも達しました。こうした敗色濃厚な状況下において早期終戦を進言した「近衛上奏文」も、「国体護持(天皇制の維持)」などの条件を連合国側に受け入れさせるためには再度の戦果を挙げる必要があるとの天皇の判断で先送りとなりました。」と書いています。

それでいて、アメリカは原爆投下のため終戦を遅らせた?
で、無条件降伏した? 
いったい、どういう論理構成なんでしょうか?

大量殺戮兵器を使った敵国アメリカを憎む気持ちは充分に伝わりますが、これではただアメリカ大ッキライと放言しているに過ぎません。

格闘技の試合で自分が掛けようとした技を、相手に掛けられ、負けたあとに、ギブアップしようとしたのにさせてくれなかったと、言うようなもの。大量殺戮兵器使用の悲惨さを、アメリカはじめ國際社会に訴えるのは、非常に良い事ですが、こういう論理は自らを貶めるだけだと思います。

同胞として、お気持ちは分かりますが・・・・。

投稿: イザヨ・ベンダソン | 2007/08/12 11:58

日本は降参させられなかったの。
アメリカが原爆の人体実験をしたかったから。あなたのいうとおり、沖縄と東京でもう戦意は喪失状態。でもせっかく作った原爆の実戦実験のため、降参させられなかったの。

このぐらいネットを見てるだけでもわかりそうなモンだけどね。

あとね、「人類最大の殺戮兵器を使うと、使われた国は使った国の最大の同盟国、いやポチになる」という、この「風が吹けば桶屋が儲かる」以上に摩訶不思議なことが実践されている現代、今原爆を持っている国は、日本を見てみんなそうなると信じてるんだよ。

投稿: 相変わらずあまいね | 2007/08/11 23:28

はじめまして。コメントありがとうございます。古いエントリをトラックバックさせていただいたのは、8/5の追記の部分のご紹介のためでした。趣旨が不明確で申しわけありません。以前から拝見しております。以前匿名で、RSS表示のお願いをさせていただきました。ご対応ありがとうございます。

投稿: 散策 | 2007/08/10 17:22

ありがとう!!

投稿: E M | 2007/08/10 13:58

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昨日のデイスカバリーへの不安は、機体の一部が落ちて、機体に当たる確率が、1.5%との報道を聞いたためです。 [続きを読む]

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