放置国家
昨日の記事、最も肝心な部分を忘れてた。記事をアップした時点で、アサヒコムに有罪判決が報道されていたが、アッサリした書き方なので、別記事を引用した。
http://www.asahi.com/national/update/0822/TKY200708220095.html
肝心の有罪判決が出た事を、皆さんご承知との前提に立って記事を書いたが、どうも明確にしてなかったように思う。改めてこの有罪判決のおかしさを取り上げ、ついでに少し補足したい。
この事件、報道を見る限り、やはり論理矛盾が多すぎて、とても近代法治国家の裁判とは思えない。昨日肝心な事を書き漏らしたが、例えば、訴因変更によって犯行日時が変わったにも関らず、証拠とされた自白調書は当初の9月16日のままなのだ。
だから、この自白調書は9月16日の犯行を前提に辻褄が合っているが、変更された犯行日9日に対しては、昨日書いたようにアズマヤのロープが無かったり、被害者が雨にも拘らず濡れて無かったりと、辻褄が合わない。
何よりオカシイのは、この証拠となっている自白は、9月16日犯行の自白であって9日ではない。しかも9月16日には被害者は年上の男性と過ごしていたのだから、自白を証拠とするなら、被害者とウリ2つの別人に対する犯行の自白と言う事ではないか。
てことは、この自白は、別の事件の証拠だ。にも関らず、被害者の証言は生々しく信憑性があるから有罪? んな、もー、ムチャクチャでっせ。てゆーか、自白調書自体が、16日の犯行としてのデッチ上げであることは、もうミエミエだ。
しかも裁判所は「(捜査機関は)被害者の申告をうのみにし、裏づけ捜査を怠った」と言うのだ。訴因変更といい、証拠の位置づけといい、あまりにもバカバカし過ぎて、こんなストーリーでは、3流ドラマにもならない。
司法の世界は、情に左右されてはならない、最も客観的・論理的な世界だと思っていたが、こうも論理矛盾に無頓着な判決では、思わず考えこんでしまった。報道が事実とすれば、あまりにも非論理的過ぎるので、偏向報道なんでは?何か、肝心な事が報道されてないのではと、思ってしまうのだ。
ところが、ネット社会となった現在、どのような事件でも賛否両論巻き起こり、報道されない事実がネット上に流出するのに、司法側の言い分がさっぱり見えてこないトコを見ると、どうも報道は事実らしい。
だとすると、この国は法治国家ではない、正に放置国家ではないか。オー・マイ・ガー!
恐ろしや!!!
■シミュレーション:超3流ドラマ
ここで、絶対視聴率が取れそうも無い超3流ドラマのプロットを披露しよう。
□テイク1:少女Aの証言を元に、芋づる式に逮捕された少年達の取調べ
刑事「私はは9月16日に少女Aを駅前でナンパし、カラオケ店に寄った後、公園で仲間と強姦しようと乱暴しました、と。公園のアズマヤにはロープが張ってあったので、草むらに押し倒しました、と。ホレ、この通り書いて書名しろ。そしたら直ぐ釈放してやっから。」
被告「オレ、やってねえよ」
刑事「なんだと、一生ぶち込まれたいか、黙って言うとおりに書け!」
(そう脅されて、15歳の被告は言われるままに自白調書にサインしたのだった。)
□テイク2:場面変わって、数年後の裁判
弁護士(少女Aに対し)「アナタは被害を受けたと主張しているその時、実際は年上の男性とデートしてますね」
少女A「あっ、ゴメンナサイ、犯行があったのは9月16日じゃなくて、9日でした。年上の男性と会ってる事が分かると親に叱られるので、ウソ付いてました。」
裁判官「あ、そー。じゃ、9日の犯行ということで裁判やり直しましょう。あ、被告の自白調書は16日だろうが9日だろーが、やったって自白してるから、そのまんまでOKね。とゆーわけで被告は有罪!」
□テイク3:んなバカなと被告は控訴。
弁護士(少女Aに対し)「9日の犯行ということですが、その日は雨で大雨洪水警報が出ていましたが、駅から公園まで歩いて、公園で草むらに押し倒されて濡れなかったのですか」
少女A「はい、濡れませんでした。」
第3者の声(気象予報官)「付近一帯の降雨計どこも2ミリから3ミリの雨なんだ、御殿場駅周辺だけ雨が降らないなんてありえねー。」
裁判官「オホン、奇跡的に御殿場駅周辺だけ、雨が降ってなかったのじゃ。」
弁護士「裁判長、自白の証拠性ですが、この自白は9月16日に犯行を行ったとなっていますから、本件の証拠にはなりませんが」
裁判長「犯行日が何時だろうと、やったと自白してるから、証拠である。」
弁護士「ハア?(いったい、何の裁判やってるんだ?)あの、アリバイありますが。」
裁判長「アリバイ?被告側の話は信用できんなあ。自白は信用するが・・・。アト、少女Aの話は根幹部分が一貫していて、話もナマナマしいから信用できるなあ。と言う訳でやっぱり有罪っと。」
弁護士「訴因変更しといて、根幹部分が一貫しているって言われてもなー」
□試写会:
ディレクター「なんじゃ、この雑なストーリーは。北朝鮮じゃねーぞ、有り得ねーって。リアリティが全然ねーじゃねーか。いったい誰の脚本だ~!作家呼んでこい!、こんなもんボツじゃー」
脚本家「あの、これ実話なんすけど」
ディレクター「ナヌッ?!」
お後がよろしいようで、
ではクリックを。
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コメント
お久
裁判官の精神鑑定知能鑑定求む!
投稿: 疑問詞 | 2007/08/23 18:35
裁判官は自白偏重主義問題の表出を意図的に狙っているのです。
投稿: | 2007/08/23 17:18