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2008/06/12

しぶとい談合に辟易

談合は「悪」である。必要悪とかなんとか、したり顔で言う人がいるが、水は高いところから低いところに流れる、こういう当たり前の話を、いやいやそうとも限らんでしょうと、言う様なもの。違法行為であり、多額の金が不正に使われるから「悪」なんだが、違うかね?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080612-00000094-san-soci

<引用開始>

公用車業務 談合疑い 国交省地方整備局 同一天下り2社落札

 国土交通省が道路特定財源から支出している公用車の運転業務委託費問題で、6地方整備局の約70事務所が、平成19年度までの5年間に発注した業務委託の大半を天下り会社2社が連続して受注していたことが分かった。衆院国土交通委員会で国交省が明らかにした。5年間で約350件が主に指名入札されているが、15年度から落札会社が変わったのは1件だけ。落札率は98%台が多く、追及した川内博史衆院議員(民主)は「談合だ」と指摘。冬柴鉄三国交相は談合の有無について調査する方針を改めて示した。

 国交省の資料などによると、全国8地方整備局のうち東北、関東地方整備局をのぞく6地方整備局で過去5年間に入札を行った運転業務委託は69事務所分(計345件)。うち、国交省OB25人が天下りしている「日本道路興運」(東京都新宿区)が50事務所分を落札し、最多。次いで、天下りが16人いる「日本総合サービス」(東京都品川区)が15事務所分だった。

 近畿地方整備局滋賀国道事務所が18年度に発注した1件をのぞき、すべての入札で15年度から同じ業者が落札し続けている。

 公表されている落札率は両社とも98、99%台がほとんどと不自然に高いが、滋賀事務所の18年度発注は89・6%と極端に低かった。

 一方、全国8地方整備局の18年度の発注総額は約82億円で、日本道路興運はこの半分にあたる41億円を受注。5年間で200億円以上を受注した計算になる。日本総合サービスは18年度に12億円を受注、5年間の総額は60億円以上にのぼるとみられる。

 日本総合サービスは産経新聞の取材に対し「(談合の)事実がないのでコメントできない」と回答。日本道路興運は書面での取材に回答がなかった。

<引用終わり>

と、まあ、相変わらずの談合だ、でも、これを決定的証拠が上がるまで白を切るつもりだろう。法を造る中枢がこれだ、法治国家ならぬ放置国家という訳、何とも情けない。

いかなる理由・動機からか良く分からないが、日本にはこう言う訳の分からん話や常識(?)が少なからずある。「訳の分からん」とは、自ら決めたルールを堂々半ば公然と否定するルールを創り上げ同居させて、不思議と思わない事だ。

法を無視して、談合の有益性を一生懸命説明する人がいる。その部分だけをとれば一理あるけれど、何度も言う様に、談合は違法なのだ。そもそも談合の是非は社会が決めたルールなので、違うルールを議論する事自体ナンセンスなこと。

ルールとして、談合を法で禁止しているのだから、これを良しとするなら法を改正すればよいだけのこと。それをしないで、違法行為を正当化しようとするのは、言う事自体とても恥ずかしい事だ。

なのに、一向に談合はなくならない。いや正確に言うと、かなり無くなったが、まだしぶとく残っているのだ。建設業界では、よく談合がなくなると、価格破壊がおこり中小業者は太刀打ちできないといわれるが、これは間違い。

理由は簡単、中小業者は大企業の下請けである場合が多い。これが答えだ、大企業は大企業の下請けは出来ない、つまり経費率が違うからだ。大企業と下請け中小業者が価格勝負したら、大企業が負けるのは自明の理なのだ。

にも関わらず、談合が無くなり価格勝負になると、大企業が勝ってしまうのは、大企業がそこで採算を度外視してダンピングするからだ。そしてその損を、他の談合入札で取り返すことができるからである。

中小業者は地域が限定されているから、その地域だけ談合がなくなると、ダンピングが合戦となり、とても採算が取れず、仕事を取っても倒産してしまう。そういう極限状態に追い込まれるから、彼らにしてみれば談合は死活問題なのだ。悪とわかっていても、死活問題となればやらざるを得ないのだろう。

だから、市町村レベルでは、なかなか談合が無くならない。この構図は恐怖政治と同じだ、弾圧され苦しんでいても、権力者に媚を売り密告したり抜け駆けすると褒美が貰えたり、出世するから、目先の自分の生活のことばかり考え、恐怖政治を結局受け入れてしまう。

談合は、官僚たち発注者が、天下りしたり自分たちの権力を強めるためのものだけれど、その褒美に、加担した業者は高く受注するというわけだ。だが、実際に魂を売って談合した結果、その業者は潤うかといえば、天下りの人件費に消えて、さして儲かるわけでもない。

例えば、天下りの人件費が1500万円とすると、純利益からこれが消えるわけだから、純利益率を1割とすれば、最低1億5千万円の受注増があってプラマイゼロだ。利益率5%なら3億円だ。だから実際のところ企業にはさしてプラスにはならない。

プラスにならないけれど、天下りを受け入れなければ、指名にすら入れてもらえないから、その損失が大きい。業者が団結して、談合をなくしてしまえば、天下りを受け入れる必要も無くなり楽になるのは分かっていても、いっせいに談合が無くならない限り、最初に談合を拒否した業者は仕事が無くなり倒産してしまう。

世の中や業界全体のことより、先ずは自分の利益と考えるからだが、これが恐怖政治と同じ構図を生み、一向に談合が無くならないという訳だ。フセインや金某が、どんなに民衆を弾圧し、殺しても、権力者側に入れればオイシイ思いが出来る。

これと同じで、談合でオイシイ思いをしている人々は、その既得権益を捨てようとはしない。だから誰も決してフセインや金某を倒さない。結局、外圧によって妥当された。日本も同じなんだろうか。

かつて90年代初頭に、外圧(=アメリカ)によって非関税障壁が撤廃され、内需拡大策として430兆円/10年間の公共投資基本計画(今はさらに2007年まで延長し総額630兆円!)が定められた。

ならば、フセイン打倒よろしく、アメリカの外圧で談合を完全に撤廃してもらうしかなさそうだ。てゆーか、たぶん既に談合がこれだけ無くなってきているのは、そういった外圧のせいであって、自浄作用ではないだろう。

逆に見れば、それでも完全に無くならないのは、アメリカからどんなに圧力を受けても、なかなか崩れない官僚機構のしぶとさといえるだろう。アト一歩の所まで来ているけれど、相変わらず官僚たちは、談合を維持するために、手を変え品を変え、必死というわけだ。

アメリカも手を焼いているこの談合による非関税障壁だが、実は先に述べた経費率や労働力供給の関係で、必ずしも海外に市場がオープンにされるとは考えにくいので、それほどアメリカは本気にならないだろう。また、マスコミも談合体質の中にあるから関心はうすい。

だから、結論を言うと、これは国民の関心しかない。違法行為を違法行為として認識し、それが国民を守るもの、泥棒に追い銭のごとく、これ以上役人をのさばらせるのはゴメンだと、いい加減気付かない限り難しいだろう。

拙ブログで、何回か取り上げたように、日本人は何故か「悪」には寛容で、「善」には過酷だ。これは自分もチャンスがあれば「悪」の側について旨い汁を吸いたいのか、自分が「善」ゆえ、厳しく見るのか、判然としないが、結果として、なあなあ体質を生んで国民自身の首を絞めていると思う。

本日これにて。

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