« 飛騨牛表示偽装でも、買いたいな? | トップページ | 頭に障害を持っている人 »

2008/06/26

スタアのやうな叔母さん

ふと、ある有名ブログを読んでたら、ストレートにモノを言う人の話が書いてあり、そこで小生の叔母を思い出した。

私が小さい頃の叔母は、まるで映画スタアみたいに、むっちゃんこ美人でカッコよくて、銀座なんか歩いてると、男達がみんな振り返っていた。ところが子供心に不思議だったのは、出かけるときは何時も私を連れ歩いていて、要するにボーイフレンドがいる雰囲気が無い。

それこそ子供の頃から何時も一緒で、ほとんど家族みたいなもんだから、その叔母の物言いとかには何の違和感も持ってなかったのだけれど、中学生頃になると、さすがにチョイと飛んでるなあと思い始めた。

何しろ、ものの言い方が兎に角ストレートなのだ。相手がどう思うとか、周りがどう思うとか、そんなの全く関係ない。真夏のある時、オバサンと一緒にかき氷を食ってたら、なんだかそのシロップが変な味がした。

でも、叔母さんがせっかく奢ってくれてるんだから、文句言うのも気が引けて、我慢して食ってると、やがてオバサンの前にも氷が出てきた。その氷を一口食うなり、「まずい!腐ってる」とキッパリ、そしてはっきりと通る声でのたもうた。

すると、店のオバハンが、「ええー、そうですかあ~」と。うわっ、始まったよと思うまもなく叔母は「まずいから食べてみな!」と、スプーンに取った氷を店のオバハンの口に突っ込んだ。店のオバハンはチト青筋立てながら、「別に普通ですけど~」と反撃。

すると、叔母曰く、「じゃ、アンタそれ全部食べなさい。」で、傍らでヒヤヒヤしていた私に向かって「ベンちゃん、腐ってるから食べるな」と。今も思うのは、確かにあの時のシロップはヤバかった。

恐らく、客は誰もそのことを指摘しなかったのだろう。叔母は、私が言ってやったからアノ店は助かったのだと言いながら、隣の八百屋に入り、口直しにワラメロンを食べようと言った。ワお、メロン?やったーと思ったのはチト早かった。

ワラメロン⇒ウオーターメロン⇒スイカだった。そう、叔母はその頃、アメリカの音楽関係では有名な会社のコンピューター技師と結婚していたのだ。マックをマクドナルドといっていた時代に、叔母はマクダノウと発音していた。やたら会話に、オウ、エニウェイを連発してたのが印象に残ってるが、相手がアメリカ人だろうが何だろうが、直球それも剛速球勝負は変わりない。

子供の目から見ても、ダンナはかわいそうなくらい虐げられていて、でもスティーブマックイーンに良く似た精悍な感じで、これまたカッコ良かった。へえ、さすがレディファーストの国だなあ、よくアレで離婚されないもんだ、なんて妙に感心したりした。

この叔母のダンナは、民間人ながら米軍艦船のコンピューターを管理しているとかで、担当する軍艦とともに世界中を移動するので、そのうちハワイに引っ越していった。で、時々思い出したように日本に来てたけれど、私が結婚した頃にはサンディエゴに越していた。

ある時、LAに出張する事になった時、ついでにサンディエゴの叔母を訪ねたら、オウ丁度いい所に来た、塀を直せと言う。10数年ぶりに日本から訪ねてきたのに、塀を直せ?イヤハヤ相変わらずだなあと思いながら、そんなのダンナにやってもらえばいいじゃん、と言うと。

ダンナは、居ないという。「ある日アタシが買い物から帰って来ると、ガラージがカラでよう、ダンナが逃げてしまったのヨ、だから丁度いい所に来たと言うわけサ」と。ま、私からすれば、よくもったもんだとも思う、やっぱり逃げ出したか。

その時叔母の足は日産のサニーだったけど、カリフォルニアの強い日差しに塗装やプラスチックが変色して波打っていた。オバチャン、すげーボロ車だね、と言うと、車のことワカランから、これまた丁度良い、明日買いに行くから付き合えと言う。

ダイコンも車も、叔母にとっては同じ単なる買い物に過ぎないらしい。直球勝負は相変わらずだった。そんな叔母もアメリカは物騒だ、特に車を運転する時はどんな人間が乗っているか分らないから気を付けろと言う。

そう話してる先から、横から飛び出した車に向かって、クラクションをバンバンに鳴らし、ファ○ク○×△!と怒鳴ってる。オバチャン、言ってる事とやってる事が違うんじゃない?と言うと、い~やちゃんと主張はしとかんと奴ら癖になる、と。オイオイ命が幾つあっても足りんよ。

兎に角叔母の物言いは、日本だろうがアメリカだろうが、相手が誰だろうが一切関係無い、常にストレートで、間違っても、持って回った言い方はしなかった。ケッコウな美人だったから言い寄る男も多かったはずだが、傷つけられた男も多かったはず。

日本人ではとても持たないだろうと思ってたので、アメリカ人と結婚した時は、まあ当然だろうなと思った。不思議なのは、我愚妻と何故か気が合うらしく、初対面から気に入った様子。愚妻はどちらかと言うと、かなり回りに気を使うタイプ、不思議なモンです。

数年前に日本に来た時、もう歳だから、日本に来るのもこれが最後と言っていたが、歳とともに毒は少し抜けていた。少しは丸くなったのだろうか。この叔母の生き方を見ていると、未だにカッコいいと思うし、私はなんて回りに気を使ってばかりなんだろうとも思う。

でも、最近イッチョ前に議論するようになった愚息曰く、「回りに気を使ってばかり?ぷっ、トーチャンの言ってる事は確かに筋が通ってるけど、その物言いは何とかした方が良いよ、人によっては人格が破壊されたと受け取るよ」と。

不思議なモンで、愚息は呆れるほど回りに気を使うタイプ。身長182体重130キロの巨漢だけど、学校では抱きたい男ナンバーワンに選ばれたらしい。つまり抱きつくと癒されるとかで、その先が期待できないらしい。オレは一生チェリーボーイじゃあと嘆いている。

その愚息が言うには、トーチャンみたいなストレートな人間の上を行く叔母さんて、ウルトラスーパー猛女じゃない?と。う~む、確かにそうかもしれない。その猛女も丸くなったのに、私は愚息からパンクだと言われる。いったい人間は幾つ位になったら丸くなるモンだろうか。コレでも結構気を使ってるつもりなんですがねえ・・・・・。

↓ ↓ ↓    

人気blogランキングへ

|

« 飛騨牛表示偽装でも、買いたいな? | トップページ | 頭に障害を持っている人 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/101905/41651949

この記事へのトラックバック一覧です: スタアのやうな叔母さん:

« 飛騨牛表示偽装でも、買いたいな? | トップページ | 頭に障害を持っている人 »