« 「終わりの始まり」~序章の1 | トップページ | 「終わりの始まり」~序章の3 »

2008/07/18

「終わりの始まり」~序章の2

「ストックホルム会議」が開かれ、環境問題に対して世界的な関心が高まってきたとはいえ、やはり環境問題は「いつか」の事に過ぎず、関心は高まりつつあったけれども具体的行動は何時になっても始まらなかった。

そしてそれは人類滅亡の危機が、環境の変化として現実のものとなっても同じだった。ストックホルム会議から20年後の1992年になって、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロにおいて、首脳レベルでの地球環境に関する国際会議が開催された。

リオのサミット或いは地球サミットと呼ばれるこの会議では、100余ヶ国の元首または首相を含め約180ヶ国が参加、NGOや企業、地方公共団体からも多数が参加し、地球環境の保全と持続可能な開発の実現のための具体的な方策が話し合われた。

そして「持続可能な開発」に向けた地球規模での新たなパートナーシップの構築に向けた「環境と開発に関するリオデジャネイロ宣言(リオ宣言)」やこの宣言の諸原則を実施するための「アジェンダ21」などが合意され、「気候変動枠組み条約」と「生物多様性条約」への署名が開始された。

この「気候変動枠組み条約」に基づき、1997年12月11日に京都国際会館で第3回気候変動枠組条約締約国会議(地球温暖化防止京都会議、COP3)が開かれ、気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書(英 Kyoto Protocol to the United Nations Framework Convention on Climate Change)が議決された。

その内容は、地球温暖化の原因となる、温室効果ガスの一種である二酸化炭素 (CO2)、メタン (CH4)、亜酸化窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン類 (HFCs)、パーフルオロカーボン類 (PFCs)、六フッ化硫黄(SF6) について、先進国における削減率を1990年を基準として各国別に定め、共同で約束期間内に目標値を達成することが定めたものであった。

日本は二酸化炭素排出量の対90年比6%を目標に定めたが、京都議定書が発効した2005年には対90年比+8%増加しており、実際は-14%減が必要だった。コレは国際条約に順ずるものであるから、日本政府はなんとしても守らなければならなかった。

このため、政府は必死で、省庁間の連携を図り様々な方策を立てたが、民間はそれほど深刻には受け止めず、効果は上がらなかった。マスコミは、官僚批判さえすれば大衆に受けるものだから、具体性の無い批判を繰り返し、知識人を気取った大衆もまた、これに乗っかった。

官僚たちが、省庁間を越えた合同プロジェクトとして考えたバイオマスタウン構想や物流効率化新法などを例に取ってみると、先ずはほとんど世間に知られる事も無かったし、自治体レベルではほとんど関心も持たれなかった。

ちなみにバイオマスタウン構想は、未利用バイオマスエネルギーの利活用を推進するもので、平成16年から5年間500市町村を募集している。物流効率化新法は物流効率化による環境負荷の軽減を目指した法律で、物流分野のCO2削減を目的に平成17年に国土交通省が経済産業省、農林水産省と連携して国会に提出したものだった。

分散している物流施設を高速道路のIC、港湾、空港などの近隣地区に、多機能な物流施設として集約し配送の合理化などを図る為の支援措置などである。

そんな訳で、こういった国の施策は、ほとんど世間に知られる事はなかった。環境保護を訴える各種団体も、実際のところは環境問題を本気で憂えるというより、憂えているというアピールの方に熱心だったりした。

だから、活動家を自認する人々の議論は政府役人ほどには全体観が乏しく、総論賛成各論反対が多かった。特に日本ではその傾向が強く、政府批判イコール環境保護と錯覚している人々も少なくなく、このため先に述べたように、様々な政府の環境施策が埋もれてしまったばかりか、未来に向けて必要な施策までもが妨害されるという皮肉な結果を生んだ。

地球温暖化対策を例にとれば、これはマクロ的な解決すべき環境問題の課題であるが、その具体策となると、とたんにミクロ的視点のみの議論となりがちだった。ある人は温暖化そのものを否定し、またある人はその原因とされる温室効果ガスを否定した。

そうなると、マクロ的環境の変化そのものの認識が違うため、議論すべき対象すなわち「環境の変化」の認識が異なってしまい、全く議論ができない状況に陥ってしまった。それでも、20世紀~21世紀を生きてきた人々の大多数は、自分の人生の中で、明らかに温暖化を体感した人が大多数だったので、温暖化に対する危機感は多くの人々の共通認識ではあった。

(つづく)

↓ ↓ ↓

人気blogランキングへ

|

« 「終わりの始まり」~序章の1 | トップページ | 「終わりの始まり」~序章の3 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「終わりの始まり」~序章の2:

« 「終わりの始まり」~序章の1 | トップページ | 「終わりの始まり」~序章の3 »