今更イーホームズに過失なしとは・・・
いつの間にか風化しかけてきた耐震偽装事件のその後に、ある判決が出た。結論を言えば、裁判所は偽装を見抜けなかったイーホームズに過失はないとした。だが、既にイーホームズは廃業して(させられて)いる。今更・・・・と、ため息が出る。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081030-00000504-san-soci
<引用開始>
耐震偽装 ホテル休業に4億7500万円賠償命令
元1級建築士、姉歯秀次受刑者(51)=建築基準法違反などの罪で実刑=による耐震偽装事件で休業に追い込まれたとして、「サンホテル奈良」(奈良市)のオーナー会社が損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、奈良地裁であった。坂倉充信裁判長は開業指導を行った「総合経営研究所」(東京都)と指定確認検査機関「イーホームズ」(同、廃業)への請求は棄却。ホテルを建設した「木村建設」(熊本県八代市、破産)の債務保証をした「日動工務店」(熊本市)のみ賠償責任を認め、請求とほぼ同額の約4億7500万円の支払いを命じた。
訴えていたのは、サンホテル奈良を所有する「増富」(奈良市)。
坂倉裁判長は判決理由で、「ホテルは耐震基準を満たしておらず、構造上主要な部分に欠陥があった」と認定。木村建設には「瑕疵(かし)担保責任」があり、賠償責任は偽装の認識の有無に左右されないとした。
一方で、総研については偽装を指示した事実は認められないと判断。偽装を見抜けなかったイーホームズにも過失はないとした。
木村建設の社長は、姉歯受刑者による構造計算書偽造を知りながらサンホテル奈良側に工事代金を支払わせた詐欺や建設業法違反の罪で有罪が確定している。
<引用オワリ>
ホントに今更という気がする。よってたかってバッシングし、上場間近な会社の社長を逮捕監禁、廃業に追い込んで、その結果がこれだ。誰も藤田社長に謝ってない。知らん顔だ。
ついでに、も一つニュースを(ニュースソースはコチラ)。上記判決に先立ち、出された訴えだ。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/184701/
<引用開始>
耐震偽装で10億円賠償求める 川崎の住民ら57人、国やイーホームズなど訴え
耐震強度偽装事件で、ずさんな建築確認検査で立て替えを余儀なくされたとして、東京都世田谷区の「グランドステージ(GS)千歳烏山」と川崎市の「GS溝の口」の住民38世帯57人が、国や自治体、両マンションの建築確認を担当した「イーホームズ」などを相手取り、計約10億4500万円の損害賠償を求める訴えを6日、東京地裁に起こした。
弁護団によると、一連の事件で、被害住民が国を訴えたのは初めてという。
訴状によると、イーホームズは平成14~15年、両マンションの建築確認を担当。不十分な建築確認だったため、姉歯秀次元1級建築士(51)=実刑確定=の偽装を見抜けず、マンションの構造が建築基準法違反であることを見落としたと指摘している。
また、国は、民間の検査確認機関に対する監督を怠り、偽装が容易な認定プログラムを認定した結果、建築基準法違反のマンション建設を許したと主張している。
住民は平成14年11月~16年3月に購入した。その後、偽装が発覚し、耐震強度が国の基準の34~39%しかないことが判明したため、自治体から使用禁止命令が出され、立て替えを余儀なくされた。
GS溝の口は昨年12月に立て替えが完了。GS千歳烏山も12月に完成する予定という。
<引用オワリ>
既に、イーホームズに責任なしとの判決が出ているので、もっぱら国との争いになるのだろうが、未だに不思議なのは、基準の34~39%しかないことが判明したため、自治体から使用禁止命令が出され、立て替えを余儀なくされた事だ。
この「34~39%の強度」は一体どれくらいの精度と意味があったのか。これも今となっては証拠が無いから分からないが、拙ブログで何度も指摘したように、これはあくまで新耐震基準での事、世の中の大多数は81年以前の耐震基準で立っていて、じゃあそれらは、この取り壊された建物以上の強度があるというのか。
実際、はるかにこれらマンションを下回る強度の合同庁舎などが後から分かってきた。調べれば、世の中ゴマンと強度不足の建物があるはずだが、誰も調べないし、当然取り壊されもしない。では何故、イーホームスが関わったマンションだけが取り壊されたのか、そしてその責任は一体誰が取るというのか、マカ不思議だ。
自分の身に降りかからないから、みんな、時が来れば知らん顔したり、忘れたりするが、とんでもない!高知白バイ事件といい、明日の我が身という危険性を助長しているのだ。その事をお忘れなく。
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コメント
Ken様、コメントありがとうございます。
>マンションの住人、イーホームズ、ヒューザー、この3者が最大の被害者ですね。
ですね。このうちヒューザー小嶋社長については、右から来た詐欺を左に受け流してしまった事で詐欺罪に問われているようですが、まだ判決が確定してませんね。仮に有罪になったとしても、自分が同じ状況に巻き込まれたとき、果たして防ぎきれるものだろうかと言う疑問が残ります。
対して、国交省やマスコミ陣達は、赤信号も何もかも皆で渡ってしまえばヘッチャラ、その結果、誰にどんな被害が及ぼうと、どんな罪びとに仕立て上げようとヘッチャラなようです。天知る我知る君知るなんて言葉は理解できない人々、天知る君知る我知らずなんでしょう。
投稿: bouniokoru@yahoo.co.jp | 2008/11/10 22:14
結局「正直者は馬鹿を見る」を絵に描いたような事件でした。「不正は見て見ぬふり」が一番利口といったことでしょうか?
使用禁止になったマンションの住人、イーホームズ、ヒューザー、この3者が最大の被害者ですね。
投稿: ken | 2008/11/10 21:46
かなぶん様、コメントありがとうございます。
まったく、そのとーりです。大人が迷子になってますね。
意識があれば、迷子にならぬよう心がけるしかありませんね。
取り急ぎ
投稿: bouniokoru@yahoo.co.jp | 2008/11/10 10:14
お久しぶりです。
ただの弱いものいじめだったことが見事に証明されました・・・・。
子供達も学習することでしょう!!
一人に標的を絞って皆でリンチを加えれば「悪」を「善」にすりかえられる!と・・・・・・。笑
世の大人が子供に「弱い者イジメはやめなさい」と諭しても聞く耳持つわけないですね。笑
子は社会の鏡、とはよく言ったものです。
投稿: かなぶん | 2008/11/10 01:52