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2008/12/11

朝三暮四

《中国、宋の狙公(そこう)が、飼っている猿にトチの実を与えるのに、朝に三つ、暮れに四つやると言うと猿が少ないと怒ったため、朝に四つ、暮れに三つやると言うと、たいそう喜んだという「荘子」斉物論などに見える故事から》

目先の違いに気をとられて、実際は同じであるのに気がつかないこと。また、うまい言葉や方法で人をだますこと。〔以上、YAHOO辞書より引用〕

で、次は、読売新聞社説からの引用だ。

<引用開始>

年金記録改ざん 徹底的に社保庁体質を絶て(12月11日付・読売社説)

 日本年金機構の発足まで、あと1年余りとなった。新組織に、社会保険庁の悪しき体質を引き継いではならない。

 社保庁の不祥事は、これまで数えきれないほど発覚した。だが、厚生年金の記録改ざんは、単なる事務の怠慢とは次元が異なる。

 舛添厚生労働相は10日の参院予算委員会で、週内にも有識者を交えた調査委員会を発足させ、責任追及にあたると表明した。

 厚生年金の保険料は企業と従業員が折半して納める。従業員の負担分は給料から天引きされる。ところが、納付記録が天引き額より少ない事例が相当ある。

 多くの場合、経営の苦しい企業が、従業員の給料を低く申告したと見られる。事業主は本来納めるべき保険料が安くなり、従業員から天引きした保険料も流用できるためだ。無論、犯罪である。

 これを社保庁職員が黙認したばかりか、指導までしていた疑いもある。保険料を滞納している企業の負担を記録改ざんで軽くし、納めるようになれば、職員の徴収実績も上がるという構図だ。

 これまで、弁護士が行ったアンケート調査に、社保庁職員約1万5000人のうち153人が「不適正な処理に関与した」と答えている。関与の度合いは様々だが、「証拠をシュレッダーにかけた」と隠ぺい工作まで行っていた職員もいた。

 さらに、虚偽の申告をした事業主から、社保庁職員の関与を示す証言も数多く出ている。

 最も大事なことは被害の回復であるが、同時に、この違法行為をうやむやにはできない。

 新たに設置する調査委は、これまでに得た証言などを裏付け調査して、社保庁関与の実態を割り出す。刑事責任を問うべきは、きちんと問いただす必要があろう。

 社保庁で横行していた、組合活動へのヤミ専従問題も同様だ。

 これまでの調査で、許可のない違法な組合専従を行い、公務員として給与を得た職員が34人確認されている。舛添厚労相は背任行為として、時効にかからない16人と黙認した上司数人を告発する、と表明したが実行されていない。

 年金記録の改ざんも、ヤミ専従も、蔓延する不正を組織的に許容するという“社保庁体質”の最たるものだ。甘い追及で終わらせては、日本年金機構に社保庁の病根が残りかねない。

 新機構が社保庁の延長線にはないことを明確にするには、徹底した調査と処分が必要である。

2008年12月11日02時04分  読売新聞)

<引用終わり>

またかと、もう感覚が麻痺してしまったが、要は社会保険事務所職員が、徴収率を上げるため、標準報酬月額などを改ざんしたと言うことなのだ。なんで、そんなことをするかと言えば、徴収率を上げることで評価を上げ、天下り先を確保しようという訳だ。

で、いつも思うのだが、そもそも何で、厚生年金を会社が半分負担するのだろうか。というか、この「会社が負担」という言い方に、すっげー違和感があって、「会社が半分負担してくれるから・・・云々」なんて話を聞くと、こいつアホかと思ってしまうのだ。

前にも拙ブログに書いたが、「会社が負担する半分」の金は、一体誰が稼いでいるのか、会社という法「人」が、社員とは全く無関係に、どっかから稼いできたのなら、そりゃ「会社」が半分払ってくれて有り難いとなるだろうが、そんなことあり得ない。

会社の金は、社員が働いて稼いだ結果だ。そして給料とは社員が働いて稼いだ金の分配なのだ。だから、会社の厚生年金負担というのは、社員が稼いだ金を単に給料で払わず年金の半分という形で払っているに過ぎない。

だから、会社が負担しているという厚生年金保険料をそっくり給料として払い、社員が100パーセント保険料を払っても同じだ。コンナ事、ことさら言うまでもない。

では、何のために、ワザワザそんなメンドクサイ徴収をするのか、天引きされる見た目の徴収額を下げるため?だとしたら、日本人はサル並みのオツムと言うことになる。どーも、このヘンの理由が分からないのだ。タダ単に話をややこしくして、不正を起こしやすくしているだけじゃないかと思ってしまう。

そして、この構図は、会社とサラリーマンだけではない。年金保険料の徴収構造全体にも言えるのだ。そもそも国民年金(厚生年金含む)は、国民全員加入が原則なんだから、税で徴収すべきなのだ。

それを、NHKの料金徴収みたいに、あたかも受益者負担みたいに別途に徴収するから、未納とか改ざんが起こる。税として一元化しておれば、そんな年金だけが未納なんて問題は起こりえないのだ。コンナ話は、ことさら言うまでも無く、誰もが思うことで、そんな時必ず言われるのが、今更手続き上不可能だと言う理屈。

な、こたー無いでショ。幾らまことしやかに言われても、私は信用しないし、納得しませんね。世界を一つにすれば戦争が無くなるみたいな学生がよく言う理屈とは違うのだ。

年金は、我が国で完結するシステムなんだから、難しいとかメンドクサイという事はあっても、不可能なはずが無い。事実、税金も年金も国が所掌していて、部署が違うだけではないか。記録と組織を統合すれば出来ないはずが無いのだ。

もし、それが出来ないとするならば、統合すべき記録に不備があるか、統合すると何かが明るみに出る若しくは不正ができなくなるということだろう。今までの所、明らかな事実としては、度重なる記録改ざんや消失から、記録の不備が明らかだが、人為的理由では、不正ができなくなるからと思わざるを得ない。

そして年金の受給資格は25年の加入期間が条件だが、これに満たないで掛け捨てになっている年金が相当あるのではないだろうか。言ってみれば、やらずぼったくりである。これが、税に統合化されてしまうと、できなくなるからだ。

わざわざ、年金を税とは別にしてややこしくしているのは、お上のどこかで金をくすねている人々のシンジケートだと思うが、そこに乗っかっていいように操られているのが国民だ。年金と税が一元化すれば、当然に見た目の税率が上がる。

だから、2足す1は3なんだけれども、3の税金を徴収するより、2の税金にして、税じゃない名目で1を徴収するというわけだ。

某国には、朝三暮四の日本版があるという。

日本臣民は、中国のサルより少し頭が良いので、朝三暮四では騙されないぞと思っている。だから餌の見返りに要求される4つの「税」は重すぎると不満をもらした。そこで王様は、「税」は3つにしよう。その代わり君たちの将来のために「年金」を積み立てるから私に預けなさい。それは1で良いよと言うと、日本臣民はたいそう喜んだという。

王様は、臣民から巻き上げた「年金」を好きに使ってしまったが、税ではないからと、臣民達は誰も関心を持たなかった。

ふう、では、また。

  

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