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2008/12/05

狼少年

エズラ・F・ヴォーゲル氏の「ジャパン・アズ・ナンバーワン」が出版されたのが1979年。かれこれ30年前だ。その後、バブル景気に日本は沸いたが、日本が好景気とうたわれたのはこの時くらいではなかったか。

記憶にある限りでは、70年安保の頃から、今日まで、マスコミはバカの一つ覚えのように不況だ!不況だ!と騒ぎ続けてきたように思う。例外は、このバブルで、流石に不景気とは言われなかったが、それでも「これはバブル、本当は不景気なんだ!」と叫んでいたように記憶している。

危機煽り業とでも言うのだろうか、兎にも角にも、不況!不況!と騒ぎ、また市民も「こういうご時世だからね~」なんて、いったい何が「こういうご時世」なのか分からないまま、「そうだね~」と相槌打ってきたようにも思う。

ついこの間までは、いざなぎ景気を抜く好景気なんて報道されても、それはウソかホントか分からない好景気の最後の方で、つまり後から報じられ、その好景気とされた最中には、やはり不況だ!不況だ!と騒いでいた。

細かいところをあげていけば、いつも不況と騒いでいたわけではないと主張する方もいようが、それは、後になって過去を振り返り、データを見ての話ではあるまいか。実感としては、常に不況と言われ続けてきたように思う。

だから何だ!と思われようが、実はそこに問題があるのだ。狼少年よろしく本当に狼が襲って来た時つまり、本当に未曽有の不況が訪れた時に、感覚が麻痺してしまって、本気で考えることができなくなるからだ。

どっかのおバカ宰相が、みぞうゆうの危機といい間違えようと、間違えなかろうと、現実に過去の世界恐慌と同じ状態に世界がなりつつあっては、主観やコトバ遊びではなく、現実に「未曽有」の危機が訪れているのだ。

そして、それは経済学者やマスコミの話など聞かなくたって、現象として既に、身の周りに現れているのだ。今も昔も変わらず狼少年のレベルでしか見ないし考えないから、見えているのに見ていない。

相次ぐ倒産報道は今に始まったことではないから感覚が麻痺してしまったが、トヨタやIBMなど相次ぐ、巨大優良企業のリストラはただ事ではない。危機煽り業とも言うべきマスコミ報道に、長年接し続けてくると無意識のうち「狼少年」のバイアスが掛かり、「ほうほう」とばかりにコトバだけで、実感としてはなかなかピンと来ないかも知れないが、写真を御覧いただきたい。

Imag0012 つい昨日のある首都圏JR通勤電車の車内だ。最初は気が付かなかったが、愚妻が、なんか変と気付いて、言われて見れば、広告がまばらなのだ。こんなことって、そうそうあっただろうか。未曽有の不況なんて、報道されなくたって、見えているのだ。

なのに、相変わらず、この国の首相は、そのことを全然、理解してないのじゃなかろか。理解してないと言うことは無いだろうが、コトバでわかっていても実感としては分かってないように思う。

麻生首相のアタマの中では、相変わらず狼少年レベルの認識ではあるまいか。だから当然に優先順位は下がり、自分の任期と人気の方が重要で、もっと言うとその人気すら既に首相になってしまったからにはさして重要ではなく、実は任期にしか関心が無いのでは?とさえ思う。

そうじゃなければ、コトバのアヤ取りみたいな屁理屈を並べて、公約をコロコロ変えたりできないだろう。

何も、経済学者でなくとも、誰もが分かる日常の出来事から、いよいよ本当に狼が襲ってきたことが分かるから、ココはなによりも景気対策が最優先課題なんじゃないの?と言いたい。

既に、国家崩壊の芽がチラチラ見え初めているのに、ナニやってんだと思う。先の党首討論を生放送で見ていて、言っちゃあ悪いが、この阿呆にこれ以上この国を任せられん、国が滅ぶぞと本気で思った。

このやり取りは、生放送で見ていると良く分かるが、後のマスコミ報道ではどうも分かり難い。

小沢代表は「一次補正で十分でないから二次補正なのに。今国会に提出しないのは筋が通らない。」と提出を重ねて要求し、「一次補正で十分というのなら、十二月中に解散・総選挙を」と求めたが、麻生首相は政治空白はつくれないとして拒否した。

これに対し、小沢代表は、今国会に二次補正を提出しないんだから、それこそ空白ではないか。その空白期間の今解散すれば空白は無くなるではないかと畳み掛けたが、全く筋が通っていて、その通りだ。これに対してヘラヘラ・ニヤニヤしているばかりの麻生首相をみると、おいダイジョーブか?と情けなくなった。

不況、不況という狼少年とともに、同じく言われ続けてきた言葉に「平成維新」と言うコトバがあるが、このまま無策が続き、不況・倒産・リストラの嵐が吹き荒れると、いくら茹で蛙状態と言えども、死活問題だから、さすがにデモや暴動が起きるかもしれない。

そういう事態は、不幸なことで決して好ましいことではないけれど、この国をガラガラ・ポンするには好機かも知れない。変毒医薬と言うコトバがあるが、案外、バカ宰相のおかげで国が潰れても、総取替えのチャンスと考えれば救われる?なんて泣き笑いみたいなことを考えてしまった。

では、また。

     

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コメント

Ken様、コメントありがとうございます。

>ちょっと車で走れば、「あれ?ここ何だったっけ?」といった感じで。空きテナントだらけになっています。

ですね、ちょっと気を付けて見ると、確実に破綻は見えていますよね。見えているのに見ない。これが今の日本です。

>で、景気対策って・・・自民党も民主党も本気で考えているのかなって感じはしますね。

いや、別に民主党の片を持つつもりはありませんが、先の党首討論にしても、或いは枝野氏ら議員諸氏にしても、民主党は考えていると思います。だからこそ、2次補正を出せと言っているのだと思います。

>タンス預金ってまだまだ、あるわけで、

って、本当にあるんでしょうか?個人金融資産1500兆円というのも、本当にあるのでしょうか。ひょっとしたら単に書類上の話なんじゃなかろか、と思います。

例えば、株。ドンドン目減りして実際は、買ったときの半額とか、倒産してただの紙くずになってるかも知れません。或いは、郵貯に預けた貯金も、確かに本人は1千万円預けたかも知れませんが、郵貯の金庫にはたしてあるかどうか、誰も確かめたことないと思います。

今は、一人一人がばらばらに貯金を引き出しているので、郵貯はキチンと引き出せますが、誰もが、返に一斉に貯金を下ろしたらはたしてどーでしょうか。

>自民党がのらりくらりとやってる間に実態経済は、どんどん悪化しちゃうわけですから

まさにそのトーリだと思います。

取り急ぎ
よろしくお願いします。

投稿: ベンダソン | 2008/12/10 09:27

私は田舎の街に住んでいるのですが、ちょっと車で走れば、「あれ?ここ何だったっけ?」といった感じで。空きテナントだらけになっています。
田舎都市の実態経済なんて名古屋や東京と違って、かれこれバブル以降、もうずっとよくなかったはずなのですが、今年になって倒産というか、特に廃業が増えているようにつくづく感じます。

「こんなところで、こんな商売やってて、よく食べていけるな?」って思っていたところが、次々と廃業しているわけです。元々儲かってなくても商売やっていた人が廃業するってことは、かなり経済状況が悪化しているんだと感じちゃいます。

だいたい、儲かってなくて商売が出来るのは、まあ、不動産収入が別にあって暇なんで、商売するか・・・って人商売しているわけです。いままでトントンなのに、こんなに損するだったら、やめちゃおう!って感じで廃業しちゃうんですよね。
当然、こういった商売でも人は雇っていたりするわけで・・・・ドーンと大きな倒産なんかより、こういった「辞めちゃおう」って空気の方が、実体経済にジャブのように効いてくるんじゃないかな?って思う年末です。

で、景気対策って・・・自民党も民主党も本気で考えているのかなって感じはしますね。

まあ、日本なんて、タンス預金ってまだまだ、あるわけで、これだけ世界恐慌的な国際状況であれば、お金あるところに使ってもらうのが、一番手っ取り早いわけで、大型減税をやっちゃうしかないと思うんですけど、どうでしょう?
トヨタなんて、広告費を3割カット、ホンダはF1撤退なんて、株主の喜ぶことばっかり言っているわけで、これじゃ実態経済なんて、どんどん悪くなっちゃいますよね?
マスコミも天下のトヨタが広告費カットなんて、言ってるわけですから死活問題なんですけど、麻生さんの失言や支持率低下・・・なんて騒いでるわけですよね???

自民党がのらりくらりとやってる間に実態経済は、どんどん悪化しちゃうわけですから、1年限定で住宅の消費税と不動取得税を減税するとか、自動車の消費税をカットしちゃうとか?
どうせ売れなきゃ入ってこない税金をカットしちゃうのが、一番手っ取り早いはずなんですけどね???どこの国でも考えつくようなことが考え付かないわけないと思うのですが???

投稿: ken | 2008/12/09 17:45

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