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2009/01/29

地球のホメオスタシス

前エントリーには、珍しくたくさんのコメントをいただいた。皆さんの真摯なご意見に感謝する次第。ところが、コメントいただいた事は分かっていたけれど、多忙にかまけてお応えする時間がなかった。

落ち着いて読むと、たぶん書き間違いも含めて勘違いがあるように思うので、ここでまとめてコメントさせていただこうと思う。

先ず、拙ブログの論点は、温暖化原因の究明ではない。私は素人なのだから「とりあえず温暖化現象の原因をXとする。このXは地球の気候変動サイクルでも、水蒸気でも、ナンでも良い・・・」と示したように、どのような見解も、それはそれで立派だと思う。けれど、そういう議論は学会でやるべきだろう。ここではあまり意味は無いと思う。

念の為言うと拙ブログの論点は、次の通り。

     論点の前提

     人類にとっての環境が前提。即ち現在の人類の祖先(新人位か)誕生から今日までの地球環境が主たる対象。従ってそれ以前の人類生息困難な環境は対象外である。そもそも、気候変動を人類生存の危機とするところから出発しているこの問題では、人類のための環境でないなら、はなから議論の対象外だ。

     論点

     その上で、地球のホメオスタシス(恒常性維持)と、その中の一つであるCO2濃度の恒常性に着目した。理由は事の真偽はともかく温暖化要因と騒がれているから。

     よって、「人為的原因でCO2濃度が増加しているので、地球のホメオスタシスの観点から、人為的作用を取り除くべき」が論点。

従って、これに対する反論は、「人為的CO2増加」又は「ホメオスタシス」の否定か、「人為的CO2増加」の必要性(CO2増加が人類に有用)の検証だろう。

繰り返しになるが、論点以外の見解は、ここでは何の意味も無い。しかるべきところで自説を展開されてはいかがだろうか。この点をご理解いただければと思う次第。

次に拙ブログ記述への疑問やご意見だが、充分思い当たる点がある。この点、ご指摘感謝する。まず、「何億何万年のも間、ほぼ280ppmでCO2濃度は安定していたのだ。」の「何億」との記述は、BT様のご指摘によれば、私の間違いかもしれない。うすうす思ってはいたが、正確には「何億何万年」ではなく単に「何万年」とすべきかもしれないからだ。

20年前、Jラブロックが書いた「ガイアの時代(工作舎)」では、約20億年前からほぼ現在の大気組成になっているグラフが提示されており(P207)、それが長年私の記憶にとどまっていたからだが、今再確認するとかなり大雑把な図だ。

より正確には、コチラが良いだろう。

http://www.jccca.org/content/view/1035/776/

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第4次報告書

人類誕生をいつに取るかは、旧石器時代から新石器時代に移行する前の1万年前としよう。要するに、今の我々人類と同じ身体機能を有する人類ということ。ゴリラみたいな人類が生きてた環境を指標にされてはたまらんからだ。そういう議論をするならハナから、気候変動を気にしてもしかた無い。

さて、このIPCC第4次報告書のグラフを見ても分かるように、この1万年の間、ほぼCO2濃度は280ppmだ、それが近世になって急上層している。これを放っといて良いのか?だ。

気候変動対策のプライオリティは、人それぞれに見解はあると思う。もっと森林消失を防止するとか、他にやることがあるだろうとの考えもごもっともだ。だが、現実に森林伐採をどうやって食い止めるのだろうか。

森林伐採の結果である材木や農産物を買わない?日本から合板を締め出したとしても世界中から合板を締め出すことは現実性が無いだろう。或いは森林保護を訴え、伐採を禁止する?自国なら不可能ではないかもしれない、しかし他国には強制できない。

まして、それを言うのが耕作面積や可住地面積を増やせるだけ増やした先進国が言うのは、いかにも身勝手だ。そもそも、ここまでならば森林消失を可とするような基準が見出せない。パイを切って分けたら、切った人間が最後に取らなければ公平性が疑われるからだ。

先にパイを切った、つまり耕作・可住地を広げた先進国が、後進国に、それでよいのか問うならば、パイを切る権利と切らない利益を与え、切るか切らないかを選択させなければ不公平と言うもの。

パイを切らない或いは取らない利益とは、フツーお金だろう。みんながパイを食べたがっていて、パイを散々食った側が、パイを食う側に止めろと言うなら、パイを盗む(=占領・奴隷化)か、平和に解決するなら、新たにパイを用意するか買うしかないからだ。

だから、CO2排出権取引は分かり易い森林保護策ではないだろうか。これ以外に何か妙案があれば、是非とも世界に提案されたら良いと思う。たぶんノーベル賞ものだろう。誤解されると困るので念の為言うと、これは皮肉ではない、スバラシイ事ゆえ、マジにそう思うのだ。

いづれにしても、人類に未知の領域は沢山あり、大気組成の謎もその一つだ。今はたまたまCO2の話に特化したが、メタンやアンモニアなどの微細な気体の役割、自然界でCO2濃度が安定している原因など、謎だらけだ。

専門家でさえなかなか解明できていないのに、私ごとき素人が何事かを断定するなんてトンデモナイ事だと思う。ならば、考えるスタンスとしては、分からないことは素直にブラックボックスとして捉え、それに対して人為的行為が何らかの影響を与え、環境に変化が起こったならば、取り得る対策としてはブラックボックスを元の状態にすることだろう。

まして、その現象が人類存亡の危機ならば、とりあえず原因究明より先にブラックボックスへの人為的介入を止め元に戻すことが先決。原因究明はそれから議論すればよいと思うのだ。

少しくどいが、もう少し言おう。ナンだか知らないモノを食ったらたちまち体調がおかしくなった。フツー、そういう場合、あれが原因かこれが原因か、食ったものの推定や分析より先に、食ったものを吐き出すだろう。

ナンだか知らないものが何であって、害が有るのか無いのかは、後の話。そして吐き出すこと即ち体調がおかしくなる前の状態に戻す事は、原因が分からないならばなおさら優先順位が高い。ナンだか分からない食ったものが体に良いもので、吐き出すと余計体調が崩れることが証明されない限り、体内に留める理由も無いのだ。

この他、メタンやアンモニア、CO2とプランクトンの関係の不思議さについては、また改めて問題提起というか、あ・こんな考えがあったのねというのを、いづれご紹介しよう。というわけで、本日、これにて。

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コメント

BT様、度重なるコメントありがとうございます。

さて、私はどう反応したら良いのでしょうか。私はアナタの論に賛意を表しているのですが、悩んでしまいます。かみ合わないと言われても、念の為論点を明確にしているのですが・・・。

蛇足ですが、私は「現代人」の定義を本文中で・・・、
「人類誕生をいつに取るかは、旧石器時代から新石器時代に移行する前の1万年前としよう。要するに、今の我々人類と同じ身体機能を有する人類ということ。ゴリラみたいな人類が生きてた環境を指標にされてはたまらんからだ。」
と明確に定義し・・・、

さらには下のコメントでも、「1万年」と再度、明確にしております。念の為言うと「今の我々人類と同じ身体機能を有する人類が生息してきた期間」の意味です。それを一般的な「現代人」置き換え、違うだろうと言われても・・・・これ以上は応えようがありません。悪しからず。今一度、論点と前提をご確認ください。

尚、文面から察するに、何か苛立ちの様子を感じますが、もし失礼な言い回しがあったならばご容赦ください。

投稿: ベンダソン | 2009/01/30 11:29

いや、だから・・わざと外しているのでしょうか?
まあいいですけど、かみ合わないので最後にしましょう。

自説を言いたいから書いているわけではないと明確に書いているのですが、何故そちらに話を持っていきたいのでしょう。私は、単に展開されているロジックがおかしくないですか?と問うているだけです。そのためおかしな実例として色々と挙げているのです。

ロジックがおかしい例として、例えば今回整理されています議論の前提と論点ですが、

前提が「現代人にとっての環境のみが対象」

なのに、

論点が、「人為的原因でCO2濃度が増加しているので、地球のホメオスタシスの観点から、人為的作用を取り除くべき」

という、まるで神のような視点。矛盾してませんか?どこに現代人にとっての環境が入っているのでしょう?現代人の環境を神のような俯瞰した視点で見るというのが全くありえないとは言いませんが、不自然ですよね。神ならばやはり全地球史(宇宙史)を俯瞰するものでは?
人間中心の視点の場合、先に書きましたが人為的であろうとなかろうと関係ないですよね?それに「すべき」なんて言葉が入ってくる余地はありませんよ。大体「すべき」なんて誰が決めるのでしょう。「人間が・・するなんて許されない」というのもよく聞く台詞ですが、これも、一体誰に許されないのか意味不明です。神でしょうか?

私は神の視点では書いていませんよ。最初から最後まで実利的な立場です。太古の気候変動の事を書いた理由は、ベンダソン様の記事でCO2の削減が必要な理由を「何億年も変わっていないものを人間が変えていいのか」というのが主な論拠だったようなので、なるほどこの方は神の視点なのだなと思い、でもその立場だとしても本当のデータは違っていて変動ありまくりだし、神の視点だとしたらより優先順位が高いものがあるのでは?という意味でコメントしたのです。
つまりベンダンソン様のロジックに立った場合の矛盾点を書いていたのであって、それを私が神の視点で書いているというのは誤認です。

投稿: BT | 2009/01/30 02:04

BT様、コメントありがとうございます。
貴兄の言われること、客観的根拠有ってのことであれば、何ら異論ありません。激しく同意しますし、誰もがその通りと思うでしょう。ですから、是非ともブログなり何らかの手段でご自身の説を広められてはいかがでしょうか。

瑣末なことですが、1点だけ気になる点を申し上げると、私はここ1万年くらいの人間にとっての環境を重視していることは本文にも書いた通りです。残念ながら神の視点は、それはそれで考えたいとは思いますし、正しいとは思いますが、今人間が何かを犠牲にして解決すべき環境を考える時、優先順位は「現代人にとっての環境」が最優先です。

だからと言って、他を犠牲にしてよいとは言いません。ですから、有るべき姿に戻すわけです。その具体策においてCO2削減を最優先にするよりもっと大事なものがあるだろうとのご指摘は、もっと大事なものが明らかであれば、その通りであり、全面的に賛同します。

ですから是非とも啓蒙してください。応援します。

投稿: ベンダソン | 2009/01/29 23:09

うーん、やはり誤解されているようですね。

私は別に温暖化の原因を議論しようとしているのではないのですよ。ただ、このブログは論理的に考えましょうよというのがテーマなわけですから、この件だけは論理的ではないよなぁと思ったのでコメントしたわけです。

ネット上で議論するのは時間がかかるので通常はしないのですが、基本的なデータが違うのを訂正せずにそのままに見過ごすのはまずいので、まずそれを訂正したいというのがありました。CO2が何億年もずっと変動しておらず人間だけ変動させたことなのかどうか、つまり本来の地球は定常的なのか、ダイナミックなのかというのは温暖化やCO2増加の議論には大きな影響を与えますので。そこをくどくど説明したがために、まるでそれの議論をしたいように見えたかもしれません。これについては訂正してもらえたようなのでこれで終わりとします。

次に、視点が人間中心の視点なのか地球全体の視点(神の視点と言い換えてもいいでしょう)なのかというのも定めておく必要があります。そうでないと議論が発散してしまうからです。人間社会に悪影響があるかどうかという事のみを問題にするというスタンスであるならば大昔のことは無視してごく最近の事だけ見ればいいと思いますが、それならば何故、「これまで変化がなかったものが人為的原因で変動するのはけしからん!」いうことになるのでしょうか。神の視点が混じっていませんか?人間視点で見れば人為的であろうとなかろうと結果が全てでどうでもよいことではないではないですか?だからこそ、人間視点では本当に温暖化しているのか?また温暖化は害悪なのかというのが重要な問題になるのです。でも、そうではなく人為的なのがまずいといわれる。一体どちらなのでしょうか?

それに、とにかく理屈抜きに人為的変化がダメだというならば、地球史上の変化や影響の度合いから言えばCO2の現在の人為的変化は熱帯雨林の(人為的)消滅に比べればごくごく軽微なものなのですから、優先順位は当然後者になるべきだと思います。何故大気組成の変動のみが優先されるのか理解できません。これも熱帯雨林をどうこうしろといっているのではないですよ。(神視点でみると)程度としては後者の方が大きいのに軽微な方が重要だというのは論理としておかしくないですか?と言っているのです。

他にもCO2や温暖化については色々と言いたいことがあって分かりにくくなってしまうので、とりあえず要点だけ書いておきます。

投稿: BT | 2009/01/29 18:10

だから様、コメントありがとうございます。

論点と、その前提を明示しておりますので、再度ご確認ください。

取り急ぎ

投稿: ベンダソン | 2009/01/29 16:18

IPCCが眉唾、というお話しなのですよ。
既得権者は、なにをしてでもそれを守ろうとするからね。科学的のような組織なんてみんなそう。誰がバックなの、IPCCってさ。先進国でしょ。先進国って誰よ?

それともCO2の増加が問題で、それは化石燃料を消費続けることが問題であり使用を減らしたい、森林が減るのが問題で森林を保護したい、これらは温暖化云々とは別の話、ということなのかな?それはそれで理解できるが。CO2が温暖化の原因、というのはどうもね。。。CO2が今のレベル程度で増える状況で、何か問題があるんだろうか。「ある」といろんな現象を持ち出して結びつけようとする連中はいるが。でもそういうのってまるで自分の無能が原因なのに、「百年に一度の不況」を理由にしちゃってる政治家や経営者となんとなく似てるよね。問題Aも問題Bも「温暖化が原因!CO2増加が原因!」ってね。
だいたい1970年代頃は「氷河期になる」なんていわれてたから、笑っちゃうよ。

とにかく危機を煽るのが好きな連中がいるのさ。「危機」は金になるからね。知らず知らずのうちに片棒を担がないように。

投稿: だから | 2009/01/29 15:57

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