« イケイケで良いのか、ソマリア沖海賊対策 | トップページ | CO2削減反対論者の不思議 »

2009/01/17

何が問題なの?

20090116k0000e040019000p_size5 昨日、昼休みにワイドスクランブルなるテレ朝のバラエティ(報道?)番組を見てたら、鹿児島県阿久根市の竹原信一市長がブログで、市議の名前を掲げ「最も辞めてもらいたい議員」の投票を呼びかけていると報道していた。

まず、思ったのは、はあ?この市長、バカか、だ。インタビューに応えるこの市長の印象も、何か軽い感じで、「別に何も深く考えずにやってみただけ~っ」みたいな受け応えだ。あまり、良い印象を受けない。だが何か違和感がある。でもそれが何か良く分からなかった。

反市長派と思しき市議が、「常識を疑う」とも。フムフム当然だ。だが、何となく引っかかる。そういえば、何が問題となって、議会と市長が対立しているのかが報道されてない。例によって何が問題なのか、その内容ではなく言い方の良し悪しを言ってるのだ。で、一体何が問題なの?

いったい何が原因で、対立してるんだろうかと思いながら、番組を見ていると、結局対立原因についてはほとんど報道されぬまま、最後に、コメンテーターの川村晃司氏が、故意に解散に持ち込むのは解散権の乱用と言ったので、非常な違和感を覚えた。冷静になれば、この発言はオカシイ。

不信任には解散が当然の手続きであるし、これを故意に導いて職権乱用と言うなら、不信任を出されたことが故意となる。実際川村氏は、不信任を出されるように故意に市長は仕向けていると言ったのだ。思わずハア?と唸ってしまった。

だって不信任を出すのは市議だ。それが市長の故意誘導だとするならば、不信任が市長に有利ということになる。つまり解散選挙になれば市長が有利と言うことだ。だとしたら市民は市長を支持することが分かっている事になる。これは民意を問うことがイケナイ事になるからトンでもない論理矛盾だ。

てゆーか、そんなメンドウな解釈しなくたって、「不信任が不信任される側の故意」と言う事自体マヌケな言いがかりだ。

どーゆー場合に、こういう発言をするだろうかと逆に考えてみると、選挙で負けそうな立場に立つと理解できる。「不信任決議」即「市長失職」なら思惑通りだが、「不信任→解散選挙」で民意を確認し、その結果「自分が落選」の恐れがあれば、自分で不信任を出しても、不本意に出させられたと、ハラも立つだろう。

早い話、市民の支持を得られる自信が無いということだ。そういえば、こういう例があった、埼玉県蓮田市では談合を排除しようとしたリベラルな前市長と議会が対立し、この阿久根市同様、ことごとく市長に議会が反対し不信任案を出した。ところが採決になると、数名が退席し成立させない。

本当に不信任可決されてしまうと解散選挙となり、言いがかりの不信任では、不信任の理由に注目されてしまい、自分たちが負けることを恐れたのだ。そして、後日、退席した議員も名を連ね、実際はこの人数が不信任案を支持しているのだから、市長不信任は成立しているのだと、ほぼ全世帯にビラを配り、市長のイメージダウンを図った。

本当に、不信任成立させるなら退席しなけりゃ良いし、ビラなど配らず次の議会で再度不信任決議すれば済む話なので、子供でも分かるおかしさだが、元々政治に無関心な市民は考えようともしないから、単に「議会と市長が揉めている」「市長は不信任?」→じゃ、ダメな市長?となることを狙ったようだ。

こんなこと市民レベルの高い市町村でやったら墓穴を掘るに違いない。要は、民度の問題で、この埼玉県蓮田市と同じ匂いが、鹿児島県阿久根市の騒動からも匂ってきたのだ。

事の顛末を全く知らないから、話を聞く限りでは、冒頭述べたように、この市長イカレテルと思ったが、どうも、報道の仕方が引っかかるし、そう思って見ると、前後を完全にカットしてほんの数秒の特定の市長発言だけを編集して放送しているのも気になった。

と言う訳で、先ずネットで関連する報道を探してみた。他にも記事はあるのでナンでもよいが、とりあえず、何の話しか概要をつかむためにコチラを御覧いただこうか。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090116k0000e040016000c.html

<引用開始>

<阿久根市長>ブログで「辞めてもらいたい市議」アンケート

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長がブログ(日記様式のホームページ)で、市議15人全員の名前を掲げ「最も辞めてもらいたい議員」の投票を呼びかけ、市長に批判的な市議12人が近く市長不信任案を提出する構えを見せている。市長は議会解散で対抗する方針で、昨夏の市長選以来続く市長と議会の対立緊張はヒートアップしている。

 投票呼びかけは12日付のブログ。「不人気アンケート」と題し、投票を呼びかけた。11日付では、「市長を支持するか」「議会は解散すべきか」などの質問も掲載した。

 これに対し、市長に批判的な複数の市議は「市長の言動は不謹慎」「市長に不適格」などと反発。「挑発に軽々に乗ってはいけない」など慎重意見もあるが、12人で不信任案提出で調整している。

 市長不信任案は地方自治法に基づき、議員の3分の2以上の出席の上、4分の3以上の賛成で可決する。その場合、市長は10日以内に失職か議会解散かを選択できる。だが、解散に伴う出直し市議選後、再び不信任が過半数の賛成で可決した場合、市長は自動失職する。阿久根市議会(定数16で欠員1)の場合、最初の不信任案は12人の賛成で成立する。【馬場茂、福岡静哉】

 【ことば】
竹原市長とブログ問題 竹原氏は4新人が争った08年8月31日の市長選で初当選。選挙期間中にブログを更新して他候補を批判したとして、鹿児島県警から公選法違反の疑いで警告を受けた。

 選挙戦での公約通り、9月市議会で市議定数を16から10削減する案を提案したが、賛成ゼロで否決され、副市長、教育委員の人事案も不同意に。その後も人事案が否決されるなど、議会との対立は深刻化している。一方、竹原氏はブログ上で「市議会は解散すべきか」(同11月4日)「市長を支持するか」(09年1月11日)などと記述し、ネット上での投票を呼びかけた。

<引用オワリ>

よく読むと、「市議15人全員の名前を掲げ・・・」となっているが、当初そうは思わず、この時点では、私は特定の反対派議員を誹謗中傷しているのだろうと思っていた。

で、念の為、阿久根市長のブログを見た。

http://www5.diary.ne.jp/user/521727/

このブログを見て分かったのは、そもそも、誰か議員を特定しているのではなく、会派と思しきグループ分けをして、全議員に対する市民の評価を聞こうとしているようだし、そもそも、そのアンケート以前に市長自身の人気投票を行っているのだ。あれれ、報道の印象とナンか違うぞ。

市議たちが言ってるのは、市長が市民に俺達の評価をさせるのはケシカランと言うわけだ。ま、確かに選挙を経て市民の代表として選ばれた市議なのに、私的なブログでそれを否定するかのようなやり方は、確かにいかがなものかとも思う。

思うけれども、それがケシカランと言う事は、人気投票が自分に不利益だと言ってるわけで、最初から自分に人気が無いことを知ってると言うこと?

というわけで、前後の説明無く、そこ(=人気投票)だけを取り出し問題視するのはどうも、怪しい匂いがするのだ。よくケンカ両成敗と言うが、ケンカには必ず原因がある。その原因に目を向けないで、タダ争いを収めるために両成敗してしまうのでは、紛争の原因が解決しないから火種が残ってしまう。

争いを収めるには、原因を見極め、悪いものは悪いとして決着をつけなければならない。そうしないと、悪いことをやった方が得をしてしまう。不正や不誠実なことをやる人間は、そこをたくみに利用して、泥試合に持ち込みウヤムヤにしてしまいがちだ。

100万円持ち逃げした盗人と盗まれた人が争っていたとき、まあまあ、お互いに折れなきゃ、はい折半ね、と50万円だけ返されても、盗んだ方は50万円丸儲けだ。極端な例はこうなるが、こういう例は、この日本には結構ある。

なんて、思いながら、さらにこの市長のブログを見ていくと、「議員の通信簿」なんてリンクが張ってあって、なんだろかと覗くと、各議員の質問回数や不正事実が淡々と列記されていた。

それを見て、たまげたのが、政務調査費の領収書偽造の多いこと。何故、それで議員辞職しないんだろうか、市長へのリコール以前に先ず、そっちが先だろう。同じ温泉に2年続けて政務調査旅行してたり、そのレポートの公表を拒んだり。どう見てもこの町の市議はオカシイ。

オカシイと指摘されたことに対して、キチンと釈明するか、出来なければ辞職するべきだ。また、この市長は市民の平均年収が170万円程度なのに、市長給与が千数百万円だからせめて半額にしたいとしたら議会が反対したという。同じく議員定数削減にも反対だ。

首長の報酬や、議員定数は削減すればよいと言うものではないが、少なくとも方や市長は自ら範を示そうとし、方や議員達は不正が発覚しても居座っている。これでは何をかいわんやだ。

ここにネット時代の恐ろしさと言うかスバラシさがあって、昔ならば、声高にわーわー騒げば、第三者には何のことか良くわからなくなっていたが、現代ではネットによって、各自が放送局と同じように情報発信し自己主張できるから、第三者はそれを見聞きして判断できるのだ。

少なくとも、市長が公約として掲げた事をことごとく議会が否決するならば、市長も議員も市民の付託を得た上なのだから、不信任可決して解散し、市民の審議を受けるのは至極当然のことだ。どちらが正しいかではなく、どちらを市民が支持するかが問題なのだ。

当然に市民の支持を得たことが正しいとは限らない。市民が悪党だらけなら悪党が勝つし、論理思考ができないアホ市民なら理屈より、好き嫌いで選ぶだろう。あるいは善悪の判断が付くなら善人を選ぶだろう。と言うわけで、選挙は民度のバロメーターでもある。

で、もし鹿児島県阿久根市の市民が、悪党でもなく、物事の善悪を判断できる人々ならば、

     市政が混乱したのは○○の指導力が無いからだ。とか、

     ブログに辞めてもらいたい議員を書くなんて人格を疑う。とか

     和を乱すのは困る。とか

こういった類の判断はしないだろう。というか恥ずかしい。

念の為言えば、上記は、何の判断材料にもならない。例えば指導力とか人望、聖人君主も悪党には人望が無い。ヤクザ集団に、不正を止めようよ呼びかけて支持なんか受けっこないからだ。

ブログでの「辞めてもらいたい議員云々」も同じ、ブログに書かれた事自体を問題にする前に、何故書かれたのか、そしてその内容の吟味が先だ。対象が議員と言う公人だから、内容が事実ならば、何を書いても良いのだ。

少なくともこの市長のブログを読む限り、他人への誹謗中傷は無く、議員の不正事実が記載されていて、そのことがイケナイと言うなら不正することが良いということになるではないか。「何を言ったか」よりも「誰が言ったか」や「言い方」ばかりを問題視するならば、残念ながら民度が低いと言わざるを得ない。

私のPCは、「ちほうぎいん」と打つと何故か、痴呆議員と変換する。タブン、それがこの国の実態なんだろう。痴呆議員を選ぶのも痴呆市民。議員の質を見れば、市民の質も分かるというもの。

ちなみに、話は逸れるが、ブログにこの市長の成人式の祝辞が載っているが、なかなか興味深い内容だった。

では、また。

↓ ↓ ↓

人気blogランキングへ

|

« イケイケで良いのか、ソマリア沖海賊対策 | トップページ | CO2削減反対論者の不思議 »

コメント

阿久根様、コメントありがとうございます。

文面からして、タブン阿久根市民の方なのでしょうね。
私は御市のことを存じ上げませんが、議会議事録を拝見する限り、市長は信念の方とお見受けましたが、但し1点疑問点があり、それは自身が給与を得ている親族の会社が入札登録業者である点です。

ここはやはり李下に冠を正さずを実践してほしいもの。せっかくの他の言動がスバラシイだけに非常に残念です。あとは、議会質疑の内容等を見る限り、議員さん達の言っていることはレベルが低いなあとの印象は否めませんね。

ま、他所の市民になんと思われようと関係ないのでしょうが、ネットで市のHPを見れば、分かってしまうだけに、恥ずかしいことを恥ずかしいと思わないとすれば、これほど恥ずかしいことはないでしょう。

それに比べれば、竹原市長の主張は理にかなっており、それ故に、批判された側は力で圧するしか手立てが無いでしょう。

しかし、その批判された側に国家権力が入っている点が致命的で、恐らく国家権力に潰されるのは時間の問題だろうと、老婆心ながら危惧いたします。問題は、その時、阿久根市民の皆様がどこまで支援できるか見殺しにするかで、民度が問われるでしょう。

投稿: ベンダソン | 2009/01/25 21:59

竹原市長は議員時代も短い間に市民の為に結果を出しています。感謝の気持ちで一杯です。他の議員さんが何をしていたか、さっぱりわかりません。なのに、選挙期間のたった1週間だけ、ペコペコして当選してからの4年は、俺を誰だと思ってるるんだぁ…と頭を下げさせようとしてる姿に疑問を感じてましたが、その思いをはきだしてくれたのが竹原市長です。頭の回転も良いと思いますが、行動力も素晴らしいです。そんな真実を知ってるからこそ、世間で問題になっていることが、なぜ問題なのかが、分からないです。

投稿: 阿久根 | 2009/01/25 02:02

YUKO様、コメントありがとうございます。
また、サイトご紹介ありがとうございます。

たしかにユニークな市長さんです。ただし自らを危険にさらしてまで自己主張し(=筋を通し)行動することが、いかに大変なことであるかは、やった者にしか分かりません。

賛否両論あろうかと思いますが、議員達と比べれば、相対的にこの市長さんには信念があり、ぶれてないのが良いと思い、拙ブログに取り上げました。良し悪しはともかく、注目してみたいですね。

「反発議員達は、市政改革の妨害をやりながら議員報酬を目いっぱい受取った後の改選直前にしか不信任を出せるわけがない。ゴマカシで、恥ずかしながらの「問責決議」程度はやるかもしれないが。」

とは市長の弁ですが、ここまで言われて議員さんたちが、不信任決議しないなら、茶番もいいところ、そんな茶番がまかり通るとなれば市民も巻き込んで全国に赤っ恥を晒すでしょう。

投稿: ベンダソン | 2009/01/20 11:27

はじめまして。
私も全く同感で、何かオカシイなあ・・
と思って調べてみたら、
この市長や議会のこれまでの経緯が
ダイジェスト的にわかるサイトがありました。
http://ossanndream.blog101.fc2.com/

賛否両論見受けられますが、
ユニークな市長さんですね。

投稿: YUKO | 2009/01/20 09:51

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/101905/43765216

この記事へのトラックバック一覧です: 何が問題なの?:

» 竹原信一市長の不人気市議アンケートの問題点 [Muse on Music.]
鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が、自身のブログ「阿久根時事報:住民至上主義」で、「市議会不人気アンケート」として市議15人全員の実名を挙げて「阿久根市議会で辞めてもらいたい議員は誰か」という質問へのネット投票を呼び掛けている。 ↓ 竹原信一市長「市議会不人..... [続きを読む]

受信: 2009/01/19 11:20

« イケイケで良いのか、ソマリア沖海賊対策 | トップページ | CO2削減反対論者の不思議 »