がんばれ阿久根市長
市議会と対立し、全会一致で不信任案を出された鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が議会解散後、今度は全氏職員の給与を市のHP上に公開した。これをTBSの杉尾キャスターが、職員と対立するのはどうかと思うと非難していたが、全然根拠が不明なので、なんじゃ?と思った。
まあ、先ずはこちらをご紹介しよう。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20090224-OYS1T00218.htm
<引用開始>
阿久根市職員268人分の給与、市長がHPに公開
鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(49)が、市のホームページ(HP)に2007年度当時の市長、教育長ら幹部を含む職員計268人の年収、給料、14項目の手当の明細を1円単位で公開していることが23日、わかった。
多くの自治体が職員給与の水準をHPで公表しているが、平均額などの公表が一般的だ。名前などは伏せられているが、懐具合を公表された職員からは「そこまでやるか」との声も出ている。
市HPの市政情報の欄に消防を除く全職員の給与を表組みで掲載。年間の給料に加え、扶養、地域、住居、児童、期末、勤勉など14項目の手当が記載され、正確な年収が明らかになっている。いずれも1円単位で給与総額が多い順に番号を振って公開。名前はないが、医師、市長、副市長、教育長は役職を記載している。
このうち職員で最も高いのは医師、市長に次いで3番目で、給料543万8400円、扶養手当37万2000円、住居手当32万4000円、時間外手当55万6284円などとなっており、年収は総額909万1695円。
公開について、竹原市長は自身のブログ(日記形式のHP)で「19年度職員給与、手当明細も公開しました」と紹介し、市HPの該当サイトにつながるようリンクを張っている。そのうえで、「年収700万円以上の職員が54パーセント、大企業の部長以上の給料を受け取る人間が過半数にもなる組織が阿久根市民の上に君臨している」「職責や能力と給料の関係もデタラメとしか言いようがない」などと職員批判を展開している。
竹原市長は読売新聞の取材に「市民から職員給与や退職金のことを知りたいと要望があったため掲載した。税金の使い道の話だから公開して当然。市は年間20億円の税収しかないのに多額の人件費を使っていることに市民がどう感じるかということだ」と話した。
これに対し、ある職員は「自分の年収も載せられている。正直気分が悪い。出直し市議選に向けた選挙戦略としか思えず、『そこまでやるか』と開いた口がふさがらない」と憤りをあらわにした。別の職員は「阿久根市が他の自治体に比べて高いわけではないのに……」と話していた。(2009年2月24日 読売新聞)
<引用おわり>
TBSの杉尾キャスターは、真面目そうな顔をして時々ハア?と思う事を口にする。個人の思いがどうであろうと、個人の勝手である。けれど、公器のキャスターであるならば、まして、他人を非難するならば、主観ではなく客観的根拠を示して批判すべきだろう。
杉尾キャスターの竹原市長批判の論拠は「職員の反発」である。でも、これは全然根拠になってない。これが批判の根拠になるのは、「職員の反発を受けてはいけない」事が正しいと証明された場合若しくは社会通念上常識とされる場合だ。
で、こんな証明されてもいないし常識でもない。和を乱すものは良くないと杉尾キャスターが勝手に思っているだけだろう。ヤクザの中に善人が混じれば和を乱す。では善人は悪なのか。よく聞いていると、何の根拠も無いこういう体制寄りというか、力を持たない人や少数派を否定するような断定をよくしているように思う。
まあ、全会一致で不信任可決された市長が、今度は全職員と対立と聞けば、良い印象は持てないのも事実だけれど。検証しない限りどっちが正しいかなんて分からない。ルールとしての多数決ならばそれは認めなければならないが、単に限られた範囲の中で多数を占める主張が正しいとするのなら「いじめ」は正当な行為になってしまうし、ヤクザの中で改心を説得する人は悪人となってしまう。
さて、キャスター批判はこれくらいに本題に入ろう。
先ず、市長の言い分を聞いてみよう。
http://www5.diary.ne.jp/user/521727/
<引用開始>
2009/02/23 (月) 職員給料明細
19年度職員給与、手当明細も公開しました。
http://www.city.akune.kagoshima.jp/sisei/syokuin.pdf
給与と手当を足した年収の合計が
900万円以上が2パーセント
700万円以上が54パーセント
500万円以上が80パーセント
300万円以上が92パーセントになる。
年収700万円以上の職員が54パーセント、大企業の部長以上の給料を受取る人間が過半数にもなる組織が阿久根市民の上に君臨しているのだ。
給与と手当だけで17億3千万円、市の人件費として更に退職手当や共済年金などのための支出が加わる。 阿久根市の税収はわずか20億円。今後は景気の悪化で税収は更に減るだろう。市民は収入の減少で生活維持に必死だ。
経営という観点から市役所人件費の状態を見れば滅茶苦茶だ。
職責や能力と給料の関係もデタラメとしか言いようがない。良心の破綻した経営に無能な人間が選挙で選ばれてきた結果だろう。
阿久根市の将来は先ず市役所の人件費を適正化できるかどうかにかっている。
今度の議員選挙で「職員を増やせ、職員の待遇をもっと良くしろ」とか「(職員駐車場が遠くなれば)職員が雨にぬれる」などと発言するような職員出身議員たちが再選されるようならば阿久根市民は本当に救いようがない。
<引用オワリ>
阿久根市の税収は20億円だそうだ。職員の給与は17.3億円だが、TVのインタビューでは退職手当等入れると24億円だそうだ。破綻しているし、給与だけ見ても成り立たない。 経営という観点から市役所人件費の状態を見れば滅茶苦茶だ。というのもうなずける。
TVでは、職員が給与明細まで講評されるのはたまらんと嘆いていたが、分からんでもない。
と思っていたが、念の為に実際に公表された内容を見たら、どうも報道とは違う。自分の目で確かめると、一体全体これで個人が特定できるだろうかと疑問を感じる。
http://www.city.akune.kagoshima.jp/sisei/syokuin.pdf
この辺がネット時代の恐ろしさというか有り難さだ。マスメディアの報道が本当かどうか直ぐに確認出来てしまうのだ。ついでに言うと、市のHPに公表したと報道されているが、確かに市のサーバーだが、見たところHPからはこのページへのリンクが見当たらず、たどり着けない。
職員が勝手に消したのだろうか。でも消すならリンクじゃなくページもそっくり消すはずだな。ま、ドーデモ良い事ではある。
でだ、一応日本は民主主義の法治国家だから、法に基づき民主主義が守られているなら、どういう自治体運営をしようと、それはその地域住民の判断である限り、他所の住民がとやかく言う筋合いではないから、大きなお世話だし、国や県も関与すまい。
ただ、岡目八目じゃないが、この市長の言ってる事は、一見部分だけ取り出せば型破りに見えるが、一貫して筋が通っている。ところが、批判する側の意見は、どれも人格攻撃や個人の見解に過ぎず、客観的な事実が乏しい。
例えば、
・ 辞めさせたい議員のブログ投票に対しては、「常識を疑う」と批判するが、それは勝手な見解に過ぎないから、そんな事言う方が常識を疑うと言われりゃオシマイだ。
・ 給与の公表に対しても、職員が他の市町村と比べてそんなに変わらないのに、何故公表するのかと批判していたが、他の市町村と同じでなければならない、或いは同じなら問題ないとする根拠は何か、だったら夕張の職員の給与も上げなければなるまい。
対して、竹原市長は、税金の使い道だから公表する事に何の問題有るかと言う。個人名を挙げているわけでもないから、極めて正論だ。税収に対する人件費比率が高すぎると言う主張も、この資料を見ると分かる。
問題にするなら、領収書を偽造している議員や、パック旅行を政務調査費としている事だろう。私が、この街の住民なら、怒るな。おまけに市職員は絶対倒産しない上に、身分保障があって、その上稼ぎ(=税収)に関係なく給料が貰えるのだ。足し算と引き算が出来れば、いつかは破綻する事が目に見えている。
しかし、こういう財政状況は、この阿久根市だけではあるまい。阿久根市のように、人件費の細かいところまで公表すれば、誰とは判らなくとも仕事内容に対する報酬が具体的にイメージしやすくリアルに実感できる。
私が市民なら拍手喝采だ。竹原市長はそんな街放っといて、我が街に来てくれないかと思う。
だから、勝手にこの竹原市長を応援しよう。と言っても他所の街ゆえ投票は出来ないが、声援を送るくらいは出来る。
勿論竹原市長なる人物には会った事も無いし、当然話をした事も無いから、実際どういう人物なのかはわからないが、ブログで本人が主張している事は自治に関しては同感だ。非常に健全でまともな考えだと思う。
印象としては、利権でズブズブ・ドロドロの市役所と議員に一人立ち向かってるという感じだ。相手の言い分も知らなければと思い、「阿久根市」「阿久根市議会」「阿久根市議会議員」等々ネットで検索するも、いっこうにそれらしいのにヒットしない。
その代わりこんなのがヒットした。1年前の映像みたいだが、あきれた。
この街は悪党だらけなんだろうか。いやはや。
本日これにて。
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コメント
色々と言いたい事は沢山ありますが戦後のアメリカ生まれの経済至上主義、弱肉強食人権主義、極悪政治家の中で創られた間違った民主主義や法律では何も始まりません。
一番早い解決はギリシャみたいに破綻国家に陥ること、私達に出来るのはそんな少しでもアホな議員を選ぶことじゃないでしょうか。
賢い議員を選ぶことは延命につながります。
投稿: 戸田敏寿郎 | 2011/07/10 05:56
人それぞれに実現したいことがありそれらは千差万別。
唯一の決め事は「法の遵守」。法の遵守なくして正義はありえない。「正義のために人を殺しました」と大差なし。専決をはじめとして、竹原氏のしていることは、市長になれさえすれば子供でも出来ることをしているだけ。小学生並みのお手並みですな。法や規範を守りながら立ち向かい、解決するのが長としての本分であり役目である。「悪法も法なり!」もっとも悪法じゃないけどね。
そんなこともわからんか~~~~~未熟者め~~~
投稿: ただの人 | 2010/12/06 23:54
竹原市長の行動に全面、賛同です。まず、公務員とか、議員に、なれた人は、恵まれた環境です。公務員も、世の中の経済状況ににより、給与は変動させるべきであり、リスクない分、安くするのが当然(これで、優秀な人材が集まらないと言うのは、自己保身、どこの会社にも、同じこと、全員高額給与にする必要なし、優秀な人材には、金やればいい。)本当に、3割カット、半分にしてもいいんじゃないの。民間で、だれが、そんなにもらってますか。議員については、私は、公に奉仕する人に、給与必要ないとおもいます。地域の、自治会長、区長さん、民政委員さん、児童福祉委員さんとか、消防団の皆さんとか、ほぼ無報酬で、活動されています。活動に必要な額を、請求してもらえばいいです。
投稿: えてちゃん | 2010/09/07 21:40
竹原市長の行動に全面、賛同です。まず、公務員とか、議員に、なれた人は、恵まれた環境です。公務員も、世の中の経済状況ににより、給与は変動させるべきであり、リスクない分、安くするのが当然(これで、優秀な人材が集まらないと言うのは、自己保身、どこの会社にも、同じこと、全員高額給与にする必要なし、優秀な人材には、金やればいい。)本当に、3割カット、半分にしてもいいんじゃないの。民間で、だれが、そんなにもらってますか。議員については、私は、公に奉仕する人に、給与必要ないとおもいます。地域の、自治会長、区長さん、民政委員さん、児童福祉委員さんとか、消防団の皆さんとか、ほぼ無報酬で、活動されています。活動に必要な額を、請求してもらえばいいです。
投稿: えてちゃん | 2010/09/07 21:40
私は阿久根市長を支持します。
張り紙を剥がした45歳の元係長のボケを非難します。
この反日クソ野郎の名前を教えて下さい。
投稿: 333 | 2010/03/30 19:21
このブログの管理者、お前こそ客観性もなけりゃ、揚げ足取りなだけじゃん。
お前の国にもおかしな人間もいるだろうが。
それを棚に上げて、他国に物言いを付けるなんて、そりゃないだろ。
自国じゃ相手にされんかったんだろうな・・・
ドンマイ。
投稿: 通りがかり | 2010/01/15 23:44
アメリカ保険大手AIGの経営陣が、経営の危機に際して尚、巨額のボーナスを受領した。いくら貰ったから悪い、という論点ではないと思う。財政的に厳しい自治体であってみれば、給与の圧縮は止むを得ない。そういう意識が全く欠如しているのが問題であると思う。
投稿: takuya | 2009/08/01 21:30
竹原支持様、コメントありがとうございます。
>バブルの時に働いていましたか?
って、そうかあ、バブルって、遠い過去だったんですねえ。なんとなく世代の差を感じます。
それはさておき、給与がいくらかと言う事より、皆が心に思っているのは先のコメントにも書いたように、自分たちが払った税金で公務員を養っていると言う意識でしょう。
私たちが、公務員の給料を払っているのに、払う相手を選べない。相手が遊んでいようと何していようと、給料の元の税金を払わなければならない。そこに国民の怒りがあるのだと思います。
ですから、先の方の「文句言う市民は職業の自由があるから公務員になればいいのに。」と言うコメントも、そこだけ見れば間違ってませんが、論点が「税の使い道」と分かれば、間違った例えである事に気が付きます。何しろ、我々は、税を払って給与を与える相手を選べませんから。
もし、言うならば「文句言うなら、ほかを雇え」と言うべきでしょうでしょう。公僕意識があればこんなこと直ぐ気が付くわけで、多くの公務員は分かっていますが、自治体にはこれが分かってない職員が結構いて、「文句あるなら公務員になれ」という考えを持つのでしょう。
投稿: ベンダソン | 2009/02/26 16:25
バブルの時は、公務員って民間の人より少ない賃金で働いてた。 と仰ってる方はバブルの時に働いていましたか?
民間とはどこを指しているんでしょうか。確かに好景気に沸く人も沢山いましたが、そうでない所も沢山ありました。
というかバブル関係ない人の方が多かったですよ。
ちなみにバブル期の平均給与額は、402万円です。
投稿: 竹原支持 | 2009/02/26 12:10
u-ko様、コメントありがとうございます。
簡潔で的を得た主張と、感心いたしました。アナタの言う事、一理有ります。ただし、釈然としない方も大勢いるでしょう。
それは前提としての論点が職業選択の問題ではなくて、市民が払う税の使い方であるからです。その一例として公務員の給料が問題視されているのではないでしょうか。
皆が、納得する働きをしていれば、バブルだろうと不況だろうと、少なくとも心有る人は文句言わないと思います。ただ、それでも単純に文句言う人はいるでしょう、そういう場合はアナタの言うとおりです。
投稿: ベンダソン | 2009/02/26 11:12
バブルの時は、公務員って民間の人より少ない賃金で働いてた。民間が湯水のように金を使ってるときに、公務員は好況の恩恵なんで殆んどなかった。
それが不況になったとたん公務員叩きですよね。
ただ給料が安定した職業ってだけなのに。
文句言う市民は職業の自由があるから公務員になればいいのに。
投稿: u-ko | 2009/02/25 22:56
竹原市長ばんざーい様、コメントありがとうございます。
地元の方でしょうか?
>正に正義のヒーローでしょう。
悪党の中にあっては、正義のヒーローは潰されます。故に失職は時間の問題でしょう。ただし再び立候補すれば良い。それでも、竹原市長が再選しなければ、阿久根市は悪が正義の街=悪根市ということでしょう。
市職員が給与公表はけしからんと憤慨してますが、地方公務員法58条の2(←3段論法になっていて分かりにくいが)には、給与公表が義務付けられています。つまりこの街の市職員は、市長が法を守るのはケシカランとTVで公言しています。ゆえに職員は、「悪党か勉強不足のどちらか」、若しくは「勉強不足の悪党」と言う事になります。
>他の市町村もこんなに、或いは、これ以上に高い給料ということでしょうね。
いやー、そんな事はないでしょう。絶対額はそれほど地域格差無いものの、税収を超える人件費というのは、そうは無いと思いますよ。
投稿: ベンダソン | 2009/02/25 14:58
すばらしい!の一言につきます。
住民至上主義のカウンターがみるみる上がっていくのには、この問題に対する国民の怒り具合を実感できます。正に正義のヒーローでしょう。
しかし、
「給与の公表に対しても、職員が他の市町村と比べてそんなに変わらないのに、何故公表するのかと批判していたが、」
ということは、他の市町村もこんなに、或いは、これ以上に高い給料ということでしょうね。
一刻も早く何とかしなくてはいけない問題なのではないでしょうか?
投稿: 竹原市長ばんざーい | 2009/02/25 00:21