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2009/02/22

日本版サブプライム対策(その2)=金使わず知恵使おう

(つづき)

債務者が破綻したから不良債権なのではない。担保価値がないから貸し金を回収できず不良債権となるのだ。債務者が破綻したって、ちゃんと担保を取っていて、その担保に価値があれば、銀行は痛くも痒くもない。だから貸し剥がしで債務者を破綻させ、不動産を投売りすれば、銀行は自分の首を絞めるのだ。

未曽有の不況にこれが重なると、どんなに投売りと分かっていても、買い手が付かず、不動産の値崩れが日本全国で起きる。その結果益々担保価値が下がり、加えて不況下では銀行も事業性の評価が出来ず、無担保融資はできないから、貸し渋りは益々酷くなり経済は停滞する。

それどころか、担保価値の下落によって再び構造的に不良債権の増大を招き、銀行の破綻となるだろう。そうなった時、再び公的資金を注入するのだろうか。であれば、わざわざ不良債権化を招いてから対処療法的に公的資金を注入するのではなく、その原因の解消つまり不良債権化を抑える事に公的資金を注入するべきだろう。

その方が、効率的であるし、何より被害が少ないから、より多くの国民が救われる。と言っても実は金を使うわけでは無い。具体的には、5~10年ないしは2年でもよいから、住宅ローンの返済を猶予するよう政府が金融機関に働きかけるのだ。減税とか資本注入などする必要は無く、オバマ政策のように多額の予算を用意する必要もない。

景気が回復するまでの間、ローンを払えない人には5~10年の間(最低でも2年)、毎月のローン返済を猶予するのだ。この間延滞金を発生させず、払えるようになれば返済を再開し、停滞した期間をそっくり返済期間を延長し支払額も変えない。

こう言うと、借金した者だけが得するのでは不公平と言われそうだが、ローンを抱える人だけ特別扱いして、公金を投入したり、借金をチャラにするわけではない。公権力が介入して不必要な破綻に追い込まないだけだ。

この効果を整理すると・・・、

     債務者には実質的にローン支払いが猶予された分が収入増(しかも無税)となり、余裕が生まれ消費が刺激される。

     債務者の実質的収入(可処分所得)が増えても、借金は増えない。(返済期間が伸びるだけ)

     同じく実質的収入増は公金の注入でもないので国の支出が無い

     同じく減税でもないから税収減にもならない。むしろ景気が刺激され税収増となる。

     債権者にとっても不良債権化が防止できる。

     返済を免除したり減額するのではなく、延滞金なしで返済猶予するだけ、期間がのびるだけなので、債務者は不必要に猶予期間を延ばす事は無いだろう。(返済能力ある人は、返済期間を伸ばしたりはしない)

マイナス要素は・・・・、

金融機関の延滞金収入が減る。しかし、延滞金を取って債務者を潰してしまえば、不良債権と化し、得た延滞金の何10倍もの損害が出る。鶏が2・3日卵を産まないからと潰してしまえば、そのあと生むはずの卵を全て失うのだ。

かつて金融機関は我々の税金である公的資金の注入を受けた。さらには税の免除もだ。今こそ国民に返すべきではないか。かといって金返せとは言わない。貸し剥がしして、まだ残っている国民の活力を根こそぎ摘み取って、得るべき銀行自身の将来の利益を潰し、その結果利益が無くなって公的資金注入と言うのでは、国民も今度は黙っていないだろう。仮に、銀行だけが助かっても、原資を生む国民の活力が失われては、一時的な救済に終わってしまう。

少し話が飛ぶが、銀行はお金を印刷したり貸し出したりは出来るが、付加価値は造れない。借りた人が、借りたお金で、付加価値を創造し、お金を増やす。そのお金がさらに人の手に渡って付加価値を創造し、世の中を豊かにする。銀行は増えた付加価値の一部を利子として回収するのだ。だから付加価値を生み出す借り手がいなければ、銀行は何の利益も得られない。

さて、もし金融機関がこのローン返済猶予に対して、厚顔にも利子補給を要求するなら、その予算は、定額給付金予算を充てたり、天下り企業の談合を取り締まるだけで充分の原資が確保できるはず。少なくとも、債務者が破綻し不良債権化してから銀行に公的資金を注入するよりは安いはずだ。

だから、一刻も早く超党派で、このような国民救済策を望む。

救済と表したが念のため言えば、先に述べたように、これは一時的猶予の後、返済はさせるのだから、決して返済不能者の救済ではない。国民を不必要に追い込むのではなく、潜在的活力を引き出せるように、不況の影響を時系列的に分散し、時間的余裕を創造する手段なのだ。

借金が減れば理想だが、そうならなくとも、一定期間の猶予があり、そう簡単には追い込まれないと分かれば、国民には希望も沸き、頑張れるだろう、しかもその間ローンの支払いが猶予されれば、その分収入が上がったと同じ効果があるから、益々余裕が生まれ、その景気刺激効果は減税や定額給付金の比ではない。

金融機関が、単に無利子で返済期間を猶予するだけなのだ。例えば、ローン返済が10万円/月の人は、年間120万円の給付を無税で受けたと同じ効果だ。25万円/月なら手取りで年間300万円増える。一定期間はローン支払いが停止されるだけなのだから、債務者の借金が増えるわけでもない(返済期間が延びるだけ)。この間定額給付や減税よりはるかに大きな余裕が生まれ、景気刺激策としても効果が大きいはず。私なら、即車を買い換える。

くどいようだが、ローンの支払いに苦しんでいる人に減税したり、1万や2万の一時的な給付金を与えても消費に回る余裕はないが、ドーンと5年とか10年間支払わなくて良いと分かれば、その分が非課税で実質的な所得増になるのだから毎月温泉旅行に行ける余裕がうまれる。

財布の紐も緩むし、資産の下落も防止でき、銀行が取った担保も目減りしない上、返済してもらえる可能性も高くなる。極端な場合、仮に目いっぱい10年延長し途中で債務者が亡くなっても、保険で全額決済される。

だからオプションとしては、支払い猶予を20年30年と伸ばし、むしろ途中で死亡して保険金でまかなう手もある。これなら、誰も損をせず、借金もせず市場に可処分所得が増加しつづける。一見保険会社が損をするように見えるが、世界中で繋がっていて一社が損をする事は無い。

それでも金融機関が、明日の100万円より今日の1万円を欲しがって貸し剥がしするなら、一切公的資金注入は受けないと約束すべきだろう。

実は公には言えないが、ココのところが本音。つまりサブプライムローンの毒を世界中に撒き散らしたアメリカに一泡吹かせてやるのだ。だって、日本は2008年10月~12月の実質GDP(国内総生産)が年率で12.7%の減だったが、アメリカは-3.8%なのだ。日本は余りにもお人よし過ぎる。

だいぶ長くなったが、あとちょっとだけお付き合いいただきたい。

ある著名な大学教授が、日本は貿易立国ではない、既に内需立国になっているし、対外債権や特許収入が凄いから、世界恐慌が起きても最初に立ち直る国だと言っていた。ホンマかいなと思って「通商白書2006版」を調べたら、日本は2005年所得収支が貿易収支を上回って、1,033億ドル(2005年)と世界一の規模になった(英国=499億ドル[2005年速報値]、米国=16億ドル[2005年速報値])」というような事が書かれていた。

要するに日本は、貿易よりも投資で稼いでいる債権大国というわけだ。世間で言ってる輸出立国とはどうも違う。日本は別に輸出だけに頼っているわけでもないのだ。そして米国の所得収支がたったの16億ドルなのだ。このこと、案外知られてない。

所得収支とは、国境を越えた雇用者報酬(外国への出稼ぎによる報酬の受取等)および投資収益(海外投資による利子・配当金収入等)の支払いのことだ。

簡単に言えば、日本は外国に貸した金の利子や投機収入が、自動車や電気製品をせっせ売る貿易黒字よりデカイのだ。知らなかった。(この不況で昨年はどうなったかわからんが、益々貿易黒字は減るだろう)

ついでに言うと、実は日本ははアメリカ、イギリスの歴史をなぞっている。かつて両国ともに、貿易大国だったが、やがて貿易黒字は縮小。代わって、対外投資が生む黒字が拡大していった。そして今や巨額の貿易赤字を持つ一方で、その赤字を海外への積極的な投資で埋めていく経済構造になっているのだ。

ただチョイとかの国と違うのは、日本は過去20年で約245兆円も対外投資をしたのに、今や時価換算で約190兆円に目減りした事。ただしある識者から聞いた話でウラを取ってないが、もし本当なら、この「投資下手」は危うい、と言うか怪しい。

71年ニクソン・ショック以降、お金が「預金者の債権証書」から「銀行の債権証書」へ変わり、その結果投機マネーが今や世界を席巻、デリバティブ取引をあわせると3兆1000億ドルと、今や実体経済はマネー経済のわずか2.7%しかないという(これも資料によってまちまち、最新の通商白書では確か3.5倍だったと思う。)

この中にアメリカのサブプライムローンが紛れて、日本がその尻拭いをされそうになっている。そしてわずか2.7%の実態経済を圧迫しているのだ。日本はものづくり大国とばかりに、せっせと働いているが、マネーゲームに圧迫され、貸し渋りで、それも思うに任せない。やられっぱなしではなく、少しは知恵を出したらどうだろうか。

最後に述べたオプションはその1例だ。アメリカは世界中に負の遺産をばら撒いたが、もともと経済の97%を占めるマネーゲームだ。そして世界の保険業はワールドワイドに繋がっていて、保険料支払いで1社が負担する事はない(※)から、日本の住宅ローンの返済期限を債務者の寿命まで延ばして保険金でチャラにし、仕返ししてやろうぐらいのことを考えてもよいではないか。

(※注:これも事有る毎に複数の識者達から聞いた話。確認しようにも確認できないのが実情だが、半ば常識化している話だと思う。)

ま、これは半分冗談であるけれど、ばら撒かれた負の資産を、実体経済に生きる人々がせっせと返す様はおかしい。せめて、これくらいのことを考えたいものだ。実体の無いペーパー上の施策で、日本人は誰も損をせず借金がチャラになるのだから。

これで損をするのは、マネーゲームで働かず富を手にしてるアングロサクソンの連中だ。元々虚構の富なんだから損をしても、かまわんだろう。ザマミロとは言わんが、虚には虚、知恵だけでやり返してもバチは当たるまい。と言うわけで本日これにて。

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