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2009/02/28

ブラフじゃすまない領土問題

Senkakuuotsuri 中曽根弘文外相が尖閣諸島(中国名・釣魚島)は日米安保条約の対象と指摘したことについて、中国が、怒っているようだ。相変わらず極東領土問題は、一見ブラフ合戦を装う子供のケンカみたいだが、事は深刻、マジメに考え、もっと注目すべきだ。

http://sankei.jp.msn.com/world/china/090228/chn0902280011000-n1.htm

<引用開始>

「絶対に受け入れられぬ」中国、尖閣発言を強く非難2009.2.28 00:09

 中国外務省の馬朝旭報道局長は27日、中曽根弘文外相が尖閣諸島(中国名・釣魚島)は日米安保条約の対象と指摘したことについて「釣魚島を条約の適用範囲とするようないかなる言行も、中国国民は絶対に受け入れられない」と、強く非難する談話を発表した。

 馬氏は「日米双方がこの問題は非常に敏感であることを認識し、言行を慎み、地域の安定や中日、中米関係の大局を損なうことをしないよう希望する」と指摘。

 さらに「釣魚島は中国固有の領土で、中国は争いのない主権を有している」として、日本側に厳正な交渉を申し入れたことも明らかにした。(共同)

<引用おわり>

中国は、古文書に尖閣諸島を目印として航海に役立てていたという記述があるから、中国人はその存在を知っていたとし、これを領有の根拠の一つに挙げているが、そんな理屈が通るなら、世界中が中国の領土だろう。(※1)

しかも、そういった主張を、日本が領有を宣言し実効支配をしてから100年近くたって言い出したのだ。

日本が正式に尖閣を領有したのは、日清戦争中の1895年1月14日からだ。日本政府は尖閣諸島がいづれの国にも属していない事を確認したうえで、沖縄県に編入。国際的にも日本の領土と認められ、日本人による、鰹節の製造などが行われたが、やがて経営難から鰹節工場は閉鎖され1940年に無人島となった。その後、アメリカの統治期間も含めて現在に至るまで、入植者子孫が所有し、日本政府が賃借している。

敗戦後は一時アメリカ軍(正確には連合国)が統治し、1969年(昭和44年)の日米首脳会談でニクソンが安保延長と引き換えに尖閣諸島を含む沖縄返還を約束したが、このころ国連の調査で、イラクに匹敵する大量の石油埋蔵量(推定1095億バレル)の可能性が指摘された。

すると、突然71年以降、中国・台湾が尖閣諸島領有を主張し始めた。その根拠は、尖閣諸島が中国側の大陸棚に接続しているとか、先に述べたように、古文書の記述では尖閣諸島を目印として航海に役立てていたという、要するに最も古くから同諸島の存在を認識していたという解釈によるものだ。

ちなみに尖閣諸島への日本の主張は沖縄県石垣市。対して中国、台湾側では台湾省宜蘭県に属すと主張している。ところが、1970年以前に用いていた地図や公文書などによれば両国とも日本領であると認識していたようであるし(※2)、また米国統治へ抗議した事実もないのだ。

さて、この問題、日本は単独で解決できるだろうか。恐らく出来まい。出来るくらいなら、ハナから、中国台湾はこんな訳のわからない理屈で領有を主張したりしないし、アメリカの統治下にあれば、今も主張しないだろう。

それまで見向きもしなかった島がゼニになると分かった途端、オレっちのシマだと言い出すわけだ。要するに、日本は武力行使しないと分かっているから吹っかけるヤクザの因縁だ。理屈も恥も外聞も無いから、話し合いで解決なんか、絶対しない。

彼らが見ているのは、日本ではなくアメリカだ。ニポンジン へデモナイアルヨ。だから中曽根弘文外相が尖閣諸島(中国名・釣魚島)は日米安保条約の対象と指摘したことは、当然に望まれる事だ。望ましいけれども、それには現状追認というか、国家としてのアイデンティティも自決権も感じられない。

これに関しては、別に今の自民党に責任があるわけではなく、日本国民の選択だから仕方ない。では、仕方ないままで、この先もずっと、この状態を続けるのだろうか。仕方ないと言うのは、日本が武力行使を出来ないという事であって、尖閣諸島への対応の事ではない。

根本的な解決は、憲法を改正して、堂々と自衛隊を軍隊にしてしまう事、防衛権を明確にする事だ。ところが、日本では天皇制と軍備と原発は語る事さえタブーで、たちまち狂信的な右翼左翼あるいはプロ市民のターゲットになるので、議論すらできないから、まず不可能だろう。

では、現状のままいくのであれば、口だけではなく、せめて主張にたるだけの独立国としての行動を取って欲しいもの。海上保安庁は、かつて魚釣島に仮設ヘリポートを設置していたが、中国政府の抗議により、撤去している。なんで?自分の国じゃないの。

日本政府は民間人の立ち入りを禁止しているようだが、魚釣島は飲料水が確保できるので、ここをリゾート開発してはとも思う。良識派を自認する方々からは、中国にケンカ売ってどうするとバカにされる事は承知の上だ。でも韓国はこうやって竹島を支配した。

そのうち、中国・台湾の民間人が大挙して乗り込んできたとき、日本は一体どうするのだろうか。船を途中で沈める?乗り込んだ市民を逮捕する?・・・同じ事は中国・台湾側にも言える。日本が魚釣島を開発したとき、或いは観光客が乗り込んだとき、銃をぶっ放せるかだ。

今のところ、表向きは日本も中国も話し合いを望んではいるが、軍艦をうろちょろさせていては信憑性は無い。

ところで、突然話は変わるが、2008年5月の地方分権推進委員会第1次勧告で、「基礎自治体への権限委譲、上位団体との協議における同意不要」が出された。続く12月の第2次勧告で「国の出先機関の大幅廃止」も出された。

この同意不要と言うのは画期的なことで、協議は単なる協議に過ぎず、不調でも計画決定出来るという事なのだ。そしてこの勧告は事前に国土交通省などとも確認したうえでの事だったから出来レースではないかと批判を受けたようだが、実は逆、出来レースと言う事は既に勧告に対する省庁の同意が得られたのであるから、実現すると言う事なのだ。

今後、順次法整備が進み制度改革がなされるだろう、その中で確実に権限委譲が行われる。例えば、既に10年前から地方分権一括法以来、機関委任事務が廃止されている。これに伴って、都市計画法も改正され平成12年改正以後、開発許可権限の大幅な自治体への権限委譲が進んでいる。

現状では、森林法や農地法などとは、整合が取れていないが、順次整合し権限委譲が確立されるだろう。これが何を意味するかだ。現状では魚釣島は国が借り上げているが、どういう契約になっているか分からない。

もし、地権者が国との契約を解除し、デベロッパーに売って開発許可申請を出したなら、恐らくこれを拒む事は出来ないだろうし、逆に地方自治体が後押しするかも知れない。国が文句言ってもどうにもならない。

開発するのが、日本とは限らない、石油メジャーが島を買い取り開発するかも知れない。何となく米軍の後ろ盾がありそうな企業が開発したとき、果たして中国はどう出るだろうか。まあ、ココまで話を飛躍させると荒唐無稽になるが、法的にはできそうだ。

国家の危機管理に対して、想定の範囲外などと言うのは、言い訳にならないから、ま、いろいろなケースを考えて欲しいと言う意味くらいに受け取っていただければ幸い。本日これにて。

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(※1):国際法上、発見は未成熟権原とされ、領域権原取得のための優先的権利の取得にすぎないとされている(パルマス島の判例)。また、東グリーンランドの裁判において「定住に向かない、無人の地では、他国が優越する主張をしない限り微かな実効支配でも有効」と判示され、近年の無人島の判例(ライタン・シパダン島等)でも支持されている。また、マンキエ・エクレオの判例において、中世の諸事情に基づく間接的推定は実効支配と認定されず、当該地の課税や裁判の記録等の司法、行政、立法の権限を行使した直接的証拠が必要とされた。(以上ウィキペディアより引用)

(※2):同じくウィキペディアによれば、尖閣諸島防衛協会発行の尖閣諸島写真集には中華人民共和国発行の社会科地図で、地下資源が確認される以前の1970年の南西諸島の部には、はっきりと"尖閣諸島"と記載され、国境線も尖閣諸島と中国との間に引いてある。しかし、地下資源が確認された以後の1971年の南西諸島の部では、尖閣諸島は"釣魚台"と記載され、国境線も日本側に曲げられている。」という。ただしベンダソンは未確認。

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コメント

日本人は犬,全部!
We killed ALL Japanese Guys and Fxxk all japese girls and childs later, Hahaha! うぜろ日本廢物!

投稿: 日本人は犬 | 2010/09/22 00:31

ペンダソンさん、こんにちは。
「さもしい」のはなにも貧乏人とは限りませんね。

投稿: ペンタクロス | 2009/03/03 16:49

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