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2009/03/25

目くそ鼻くそ

新聞各社の社説を比較するサイトがある。

http://massacre.s59.xrea.com/othercgi/shasetsu/index.xcg?event=987

これを読むと、新聞各社は、おしなべて小沢続投に批判的だ。だが、どれもその理由が今一ピンとこない。

批判が先にあって、それに意味不明の道義的責任云々という伝家の宝刀を振りかざしているが、誰か分かり易く解説してくれまいか。といっても、おそらく社説を書いている論説委員自身が、自分たちが何を主張しているのか、何を主張したいのか分かってないのではないか。

公器を自称しておきながら、説明責任を小沢側だけに求めたり、道義的に辞めるべきと断定したり、虚偽記載かどうかも分からんのに決め付けたり、まあ大本営発表をそのまま垂れ流しだ。少しは自分のアタマで考え、取材したらどうなんだろうかと思う。戦前とちっとも変わらん。

ジャーナリズムとは程遠い。だが、考えてみたら、もともとこの国にはジャーナリズムなんて存在していないのかもしれない。そもそものスタートが、西洋のサル真似だから、新聞なんてものも、言論があってのものではなく、商売としての「輸入」だったのである。

いきなり文明開化とやらで、出来上がった新聞システムを、形をまねて輸入した日本の新聞と、「言論」を交わす風土を作り上げ、その結果を知らしめるツールとして自然発生的に生まれたニュースペーパーとは、似て非なるものだろう。

18世紀のロンドンでは、23千軒ものコーヒーハウスが営業し、人々は自由闊達な議論を展開した。こうしたコーヒーハウスやサロン、クラブから「平等性」「自立性」「公開性」を基準とした文芸的公共圏が生まれ、やがて政治的機能を持った市民的公共圏へ発展した。この過程で19世紀初頭の英仏独においてジャーナリズムが生まれ、メディアによって私人は公衆に変性し、公権力に批判的な政治的公共圏が成立した。

こういう過程を、日本の自称ジャーナリズムは経ていない。先ずは商売から入ったと言えば言い過ぎかも知れないが、少なくとも形から入ったことは間違いない。そこには本物とは微妙な心根のズレが生じていたようだ。

新聞各社は、小沢側の企業献金をけしからんかのようなニュアンスで書き、あたかも不透明であるかのように書き立てるが、小沢氏の政治資金収支報告書以上に透明な収支報告書があるならば、先ずそれを示し、ここがいけないと指摘してはいかがかと思う。

だが、そんなことはできっこない。それどころか、小沢氏が企業献金を禁止しろと言った途端に批判の嵐だ。小沢側の形式的なミスを、形式ではない中身の問題つまり企業献金がいけないとする各社の論調が本気であるならば、企業献金禁止論をもろ手を挙げて賛成・評価すべきだろう。或いは談合を本気で取り上げるはずだ。

だがそういった論調にはならない。何故か。それは日本の新聞人達は自分では心に封印して気付かないフリをしているが、自らの体質が、談合と企業献金で成り立っているからだ。

新聞各社の談合とは、記者クラブだ。特定の租界を創り上げ、官や権力側と完全に癒着し、取材はおろか思考すら放棄し、大本営発表を未だに垂れ流すだけだ。当然、官僚政治打破を掲げる小沢氏とは相容れない。

官僚主導のこの国のシステムが打破されたら、自分たちが創り上げた記者クラブと言う名の談合組織の既得権益も危い。小沢の敵は官僚なのだ。自民党を政権の座から追い落とすのは目的ではなく、官僚政治を打破するための手段。そこが政権にしがみ付くことが目的の自民党とは似て非なるところではないだろうか。

企業献金にしても、新聞はスポンサーと言う名目で企業献金を受けている。読者の払う購読料は個人献金に該当する。購読料だけで成り立っていれば公正な記事も書けようが、スポンサー収入に頼れば、当然にスポンサーの悪口は書けまい。新聞の小沢批判は目くそ鼻くそなのである。

ただし、スポンサーの悪口は書けずとも、お追従と言ったり手先になっては犯罪だろう。小沢氏はスポンサーの手先にはならなかったから、結局、政治資金規正法の虚偽記載容疑しかなかった。しかもそれすら怪しい。対して新聞は?明らかに守秘義務違反を犯した検察のリーク情報を確認もせず垂れ流すばかり。恥を知れと言いたい。

こんなだから官僚や企業の手先は、小沢バッシングに躍起になる。躍起になるが手先として踊らされての事だからバッシングする理由は、自分達でもよく分かってない。それが、新聞各社の社説によく現れている。論理的には小沢続投は筋が通っており論破できないから、道義的とか通例といった説明不可能な根拠を持ち出してくるのである。

企業献金を受けた小沢側を批判する新聞は、自分達だって談合と企業献金で成り立っているのであるから、お互い目くそ鼻くその類では有るが、小沢氏はその目くそを拭いている或いは拭こうとしているのである。

小沢氏は企業献金を廃止しろと言っているから少なくとも、目くそがいけないならば、拭こうとしている。全くもってごもっとも、何ら反対する理由はあるまい。言論人としての良心が少しでもあるならば、小沢批判は批判でよいから、せめてこの点を大いに評価してはどうか。それを揶揄するようでは新聞も利権の中にいる事を白状するようなものだ。

そして、拙ブログで以前から指摘しているように、新聞各社は自分達が談合しているから、談合問題に正面から向き合うことは決して無い。建設談合の仕組みを知っていながら、トンチンカンな報道ばかり繰り返す。

一連の西松建設の談合の取り上げ方も、受注者側のことしか取り上げない。本来、談合や、斡旋利得を問うなら発注者側を調べなければ意味が無いはず。その肝心なところがすっぽ抜けているから、検察も新聞もハナからこんなこと本気ではない。単なる小沢バッシングが目的であることをよく表している。

かつて、新聞は大本営発表を垂れ流しにして、この国と国民を窮地に追い込むお先棒を担いだ。敗戦によって外から民主化と改革がもたらされたように見えたが、根っこは変わってない。2大政党政治による、真の議会制民主主義の実現が目前となった今、またもや同じ事をやって国民を欺き、あらぬ方向へと導こうとしている。

そして、そのお先棒担ぎは、新聞だけではない、民主党の中にもウジャウジャ居る。発想の原点が議会制民主主義実現ではなく、権力欲である民主党議員は少なくない。だから理屈も何も無く、風見鶏のように、ただただその場の問題に対する場当たり的な対応だけで右往左往してしまう。

だから、拙ブログは、以前から一度政権をとってから、再編が必要であると主張してきたし、民主党議員の中にも同じく考える方が少なからず居る。つまり民主党議員自身が民主党議員を一番信用していない。

その悪い面が、政権交代の前に出てきてしまうことを一番恐れる。今政権交代しなければ、もうモチベーションが下がってしまい、民主党も支持者も気力が続くまい。

だからこのまま、内部から小沢降しが起こってしまったなら、かなりヤバイ。タローちゃんのヌケ政策から相対的に国民の目が離れ、もう何でもアリだろう。真面目に国家の行く末を考えても、ちょっとした足の引っ張りで簡単に下ろされてしまうとなれば、正直者が馬鹿を見てしまうから、誰も本気で天下国家なんて考えないし、考えるだけ損だろう。

今回の事件は、毎度の事ながら人々の「やっかみ」を煽ることで、ターゲットへの悪人イメージを植えつけているが、今までのこの種の事件と決定的に異なるのは、疑わしき人物が小沢氏一人ではなく22人である点だ。

検察が小沢氏1人に的を絞り、それに国民が雷同するのはどう考えても異常だ、説明責任や辞任を求めるならば22人全員のはず。そしてこのことは、そんなに分かりにくい事ではなくハッキリ報道もされているのだ。

それでも、印象操作によって22分の1の小沢氏が社会的に抹殺されてしまうなら、ほとんど国民は思考停止で雷同すると言うことだ。ファッショ化は時間の問題である。

戦前の大本営発表では情報統制されていたが、今日のネット社会では、洪水のような屑情報と言えども客観的事実だけをピックアップして推論すれば、或る程度真実が浮かび上がってくる。ただしそれには思考力が必要だから、思考を放棄した人には分からない。

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コメント

ペンダソンさん、こんばんは。お返事ありがとうございました。

小沢さんの身の安全は心配です。しかし今回は、卑劣極まる相手方に付け込まれないためにも、またマスコミの全てを何となく信じている多数派の人々を説得するためにも、私は小沢さんは合戦の旗印として、党代表を辞任すべきでないと思っています。

セキュリティと言えばあのオバマ大統領は、何より黒人であること、さらに政治主張が一貫してブッシュ政権の全否定だったことから、暗殺のリスクが非常に高かったため、選挙運動中、セキュリティ対策には人もお金も出し惜しみなく力を注いだと聞きます。有名なシカゴの勝利演説でも、巨大な防弾ガラスの壁に囲まれて演説する彼の姿がテレビに映し出されました。

小沢さんも、警察の護衛のみを頼りにするのでなく、個人専属のボディーガードや防弾ガラス付き専用車を雇えばいいのに、などと日本人離れしたことを思ってしまいます。もちろんこれには大変な経費がかかるわけで、これ一つとっても、やはり政治にはお金がかかって当然だと思うのです。オバマさんが選挙期間中、安心してアメリカ各地を飛び回ることができたのも、彼が集めた巨額な政治献金があったからこそ、とも思えるのです。

あと警察が怖いのは、自ら手を下すことは無くとも、ターゲットに関するスケジュール等の機密情報を自称“単独犯”に手渡し、詳細に手引きしたのではないかと疑われるケースが過去多い点です。まるで「関係者によると」リークでマスコミを扇動しながら、自らは背後に隠れ続けている今の検察の姿によく似ています。

そう言えば今晩「朝まで生テレビ!」で、小沢さんの代表辞任を促した民主党員が集合するようですよ。田原さんも“仕掛け”が好きですね~。「政治とカネ」を合言葉に、小沢バッシングの嵐が吹き荒れそうな気配です。

それではまた。

投稿: 特命希望 | 2009/03/27 20:58

一郎様、コメントありがとうございます。

いいトコついてくれました。
こりゃ、マスメディアを敵に回しますな。

上杉氏が言うように、どこも報道しないわけだ。

既得権益をぶち壊す小沢の面目躍如といったところでしょうか。

投稿: ベンダソン | 2009/03/27 11:45

特命希望様、コメントありがとうございます。

貴兄のご意見全てに激しく同意します。

>ところで今の段階となっては、私には小沢さんの身の安全が何よりも心配です。官僚制を追い詰める中で刺殺された原敬や石井紘基の話を読むに、やはり警察を遠ざけることが先決に思えてきます。

これまた同感ですが。警察検察の嫌疑は遠ざけても、セキュリティーは守ってもらわなければなりません。その意味で、今回の小沢さんの言動で、検察をハッキリ敵に回したのは、気持ちは分かるけれど痛し痒しの微妙な選択でしょう。

いづれにしても、おっしゃるとおり、小沢さんの身の安全が何よりも心配です。事が起こった後では、取り返しがつきませんのでね。そして官憲がこれほどなりふり構わずとなると、次は何が起こるか分かりません。

そうなると、死んだフリするのが一番安全ですから、表向き辞任してしまうのも手ではあります。ただ、そのまま辞任しっ放しでは、死んだフリになりませんから、フィクサーとしての求心力を保てるよう我々民衆の支持をアピールする必要があります。

そこで、特命様に特命!

先ずは、小沢氏のHPに激励を書き込みましょう。
https://www.ozawa-ichiro.jp/keijiban/s8.php3

次に、小沢降しを発言する民主党各議員に足を引っ張るなとメールしましょう。
仙谷由人議員 office@y-sengoku.com
小宮山洋子議員 komiyama@t3.rim.or.jp
枝野幸男議員 http://www.edano.gr.jp/inquiry/inquiry.html
蓮舫議員 info@renho.jp
前原誠司議員 http://www.maehara21.com/action/index5.php

上記のうち、前原議員だけが、HP上いくら探しても「ご意見」コーナーが無くメルマガ申し込みしかなかった。意見は不要と言うわけだろうか。こんなところにも政治姿勢が現れていると思った次第。

投稿: ベンダソン | 2009/03/27 11:39

新聞各社が、おしなべて小沢続投に批判的にならざるを得ない理由の一つは以下かもしれませんね。

http://diamond.jp/series/uesugi/10071/?page=3

「「私は政治も行政も経済社会も日本はもっとオープンな社会にならなくてはいけない。・・・自民党の幹事長をしていたとき以来、どなたとでもお話をしますということを言ってきた思いもございます。そしてまた、それ以降も特に制限は全くしておりません。どなたでも会見にはおいでくださいということを申し上げております。この考えは変わりません」(小沢代表の09.3.24日の発言)


「どなたでも会見にはおいでください」がほんとうなら、ペンダソンさんが、小沢首相の記者会見に出席して、直接、首相と質疑応答し、その結果をblogに書くことも可能なはずです。

まさに、さようなら、記者クラブです(笑)

投稿: 一郎 | 2009/03/27 10:28

ペンダソンさん、こんばんは。特命希望こと、匿名希望です。最近はとくに小沢さん関連の記事、毎回楽しみにしています。今回のコメントは、せっかくなので前回いただいた(?)名前でよろしくお願いします。

今回はマスコミの話ですね。新聞社数社が新聞・ラジオ・テレビとその情報源を牛耳っているのは、民主主義の国では確かに異常なことだと思います。

そう言えば電通・博報堂といった広告代理店も含めて、日本のマスコミは戦時中の体制を戦後そのまま引き継いだと聞いたことがあります。記者クラブなどもその過程で、官僚主導で作られたものだったと記憶しています。マスコミは、比喩などではなく、現代の大本営発表そのものかもしれませんね。

ただおっしゃるように、今の時代、少数とはいえ実態を描いた本もあるし、何よりインターネットで精度の高い現場の情報を手に入れることだって、時間をかければできますよね。ロッキード事件のころに比べるとはるかに恵まれているはずですが、もし今回の西松事件でも人々の反応がほとんど変わっていないとしたら、これは日本人の頭の中の構造、つまり教育や価値観・現実認識、に根本的な問題があるのかもしれません。

そうは言いながらも、実は私は今回の西松事件の世間の反響に、内心たいへん驚いています。テレビ・新聞による世論調査結果とは裏腹に(と言っても、そう矛盾はしていませんが)、自分の周囲の人々やインターネットのブログ・掲示板等の様子から、おそらく5人に1人ぐらいの割合で、今回の捜査が間違いなくおかしいと確信する人々が現れ、自ら声をあげて周囲を説得しようと大なり小なり動いているという現実が、確かにあるからです。

小沢さん続投賛成派は、世論調査の誘導による誤差を割り引いて考えても、今はまだ間違いなく少数派です。しかし先の郵政選挙の時を思い起こせば、土石流のように毎日毎晩大量に垂れ流されるマスコミ情報の洗脳に耐え、「まずは自分の目で事実を確かめよう!」と呼びかける人々がまだこれだけの数残っているというだけでも、日本人にしては上出来に思えます。厳しい経済格差の時代を経て、自ら考えることを学んだ人が増えてきたのでしょうか。

楽観的に聞こえるかもしれませんが、事実に裏打ちされた確信を持つ人々が本気で周囲の説得に乗り出せば、初めは少数派でも時間と共にこれを多数派へと変えることはできると思います。古くはヨーロッパの宗教革命や市民革命・アメリカ独立戦争、最近では東欧共産圏の市民革命も、間違いなく同じ道のりをたどってきたのだと思います。

おそらく1割程度は既得権益にしがみつく確信犯ですから今後も変わりようが無いですが、その他大勢の人々は、結局のところ、ただただ真実を知らないだけなのですから・・・・最後の最後まで説得の余地はあると思います。マスコミが集団で結託して作り上げた妄想の鉄の檻を破壊し、どれだけ多くの日本人の心を解放することができるか、この一点が今後の勝負のような気がします。

日本の腐敗しきった官僚制を根本から断ち切り、莫大な税金の浪費をただちに止めること。そして、働く普通の人々ひとりひとりに与えられた潜在能力を引出し開花させるための社会の枠組みを早急に確立すること。低迷する経済を立ち直らせるためには、これが一見遠回りなようで一番近道なのでは、と思う今日この頃です。

それにしても、ふたことめには真実の追求を口にする司法官僚(警察・検察・裁判所)とマスコミこそが、わが国の官僚制を死守し続けてきた守護神そのものだったとは・・・・いくら形だけ情報公開なんぞしたところで、嘘と暴力の力づくで守られているわけですから、天下りや腐敗がいっこうに無くならないわけです。

ところで今の段階となっては、私には小沢さんの身の安全が何よりも心配です。官僚制を追い詰める中で刺殺された原敬や石井紘基の話を読むに、やはり警察を遠ざけることが先決に思えてきます。

とりとめのない感想で長文失礼しました。それではまた。

投稿: 特命希望 | 2009/03/27 02:08

ペンダソンさん、こんばんは。
その通りです。「悪賢い官僚が跋扈する時代」を早く終わらせましょう。

投稿: ペンタクロス | 2009/03/26 23:00

ペンタクロス様、コメントありがとうございます。

おっしゃる側面は確かにありますね。でも今は戦前と違いインターネットがありますから、民衆のネットワークを広げたいものです。

投稿: ベンダソン | 2009/03/26 13:27

ペンダソンさん、こんばんは。
日本の民衆意識の基層は「わかっちゃいるけど権力には逆らえない」奴隷根性なんでしょうね。なにしろ島国日本には逃げ場がありません。悪賢い官僚はこれにつけ込んで政府やマスコミを操っているようです。

投稿: ペンタクロス | 2009/03/26 00:46

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