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2009/03/14

ウインドサーファーのものすごい冒険

すっかりメタボおやじになった私だが、実は何を隠そう、その昔ウインドサーフィンの全日本入賞者なのだ(ただし、物凄くマイナーなクラス)。入賞者と言うのは1~3位だから、マイナーとはいえ結構、上手かった。

と言っても、誰も信用しない。そりゃそーだ、かつてデータ的にはブルースリーと同じ身長体重だった逆三角形の体も、今や15キロ増えての正三角形だから、説得力無い。(涙)

愚妻は、間違っても人に言うなと忠告というか命令をするが、一旦海に出れば、大体どこの浜でも自分以上のウィンドサーファーにはめったに出会わなかったので、結構、過去の栄冠を吹聴してた。

それが、23年前だったろうか、ハワイのカイルア湾で、トンでもない強風になってきたので、喜び勇んで沖に出たら、全然立てない。まあ、レンタルだったのでセイルエリアが合わずオーバーセイル(=風速に対して帆が大き過ぎる)になってしまったので仕方なかったのだけれど、超カッコ悪い。

愚息と鬼ヨメは、見っとも無いから止めろ言い放ち。私はいたく傷ついてしまった。言い訳ではないが、ウインドサーフィンは道具の影響が物凄く大きい。私の場合、板は強風用のファンボードが270センチ、微風用が360センチ、外洋用コースレーシングが375センチあって、これをいつも車に積載してた。

セイルは、超強風用の2.8㎡から超微優用の9㎡まで11枚。ブーム(横の棒)とマストが各4本。これらをワンボックスカーに積むと、人は二人がヤットだった。なんでそんなに道具を用意するかと言えば、自然が相手だから。

皆さんは、風なんてほとんど気にしないだろうが、ウインドサーファーは気になって仕方ない。私の場合、体感だけでほとんど0.5メートルの誤差で風速を言い当てられる。何故かと言うと、ウインドサーフィン(以下WS)は風速と道具次第だからだ。勿論大前提としてセイリングテクニックがあるが、どんなに上級者でも、風速に対して道具大きすぎると、ほとんど乗る事は出来ない。

風速20メートルの時に6㎡のセイルでは、世界チャンピオンでも乗れないのだ。勿論乗るだけなら不可能ではないが、かろうじて沈しない程度だ。体力の消耗は半端ではない。自分の体感では風速15メートルを超えると、ほんの僅かの風のブレや風速の変化でオーバーセイルになったりアンダーセイルになって、むちゃくちゃ疲れる。

疲れるだけならまだいいが、これくらいの風速になると、ちょっと風上に上がりすぎると、裏風が入って、べちゃっと海面に叩きつけられる。通称ハエたたきというヤツで、こういう情況は、基本的に風速に対してセイルがデカ過ぎるから、ウォータースタート(水中から風の力で体を上げて発進する事)しても、そのまま体が飛ばされてしまう。

これをボクラは背負い投げという。ハエ叩きにあったり、背負い投げくらったり、自然が相手のスポーツはとにかくタイヘンなのだ。なにしろ、風は読めない。雨でさえ、集中豪雨になったりするのに、風の場合は局所的に変化するからなおさらだ。

陸地の近くでは、ガスティと言って、風がめちゃくちゃ振れたり、強弱が激しい。家の近所のお台場では、開発が進んでからやらなくなったが、平成8年頃までは、仕事帰りにも夜中までWSで遊んでた。

ところが、何も建物が無くても遠くのビルや橋の影響で、北東の風の時は風がぐるぐる廻り、突風が吹いたり止ったりと、むちゃくちゃ風が変化する。ひどい時は、平行して走る2艇が全く向き合わせ、つまり正反対にセイルに風を受けて同じ方向に走っていた事もあった。

だから風が安定していれば、すごく楽に走れる。お台場のガスティな風に慣れた体で、ハワイ辺りに行くと、風も波も物凄く安定しているから、1.5倍くらい楽に乗れて上手くなる。だから、その昔カイルアで、WSした時はロコに一目置かれたもんだ。

どういうわけか、日本はかなり沖合いに出ても、ハワイほどには風が安定しない。お台場みたいな内陸ほどの変化は無いものの、1日中吹きっぱなしなんてめったに無い(吹かない事はしょっちゅうだが)。

なわけで、今頃の季節は三浦半島の津久井浜に、東風の強風が吹くと、風も安定してサイコーだ。反対側の千葉県まで行ってやろうかといつも思うが、そうとう沖合いに出て廻りに誰もいなくなってもいっこうに対岸が近づかないので、帰りの事を考えると怖くなって、引き返す。

風が、このまま同じと言う保証は無いからだ。もし遥かな沖合いで、風が強まってオーバーセイルになったら遭難してしまうし、風が落ちてしまえば、ハーネス(=体をフック引っ掛け、楽をするロープ)が効かず腕でセイルをささえるので疲れるし、スピードが出ないので日が暮れてしまう。

と言うわけで対岸が目に見える狭い東京湾の中でさえ、WSで長距離セイリングは不可能なのだ。これがヨットなら、途中でセイルを張り換えられるし、休憩もできるから全然条件が違ってくる。それでも遠洋航海にはそれなりの技術と装備が必要なのだ。

と言うわけで、WSで外洋に出るという事はほとんど正気の沙汰ではない。ものスゴイ技術と体力と精神力と判断力全てがあって尚、とんでもない度胸がいると思う。特にセイルエリアの選択と休憩をどうするのかが大問題だ。

だから、かなり昔、大西洋をWS横断した猛者がいたが、板はWSと言うには、キャビンを備えたかなりごっつい船体で、スリムな超小型クルーザーにWSのセイルをくっ付けたような代物だった。そしてその冒険家はまさしく冒険家であって、ウインドサーファーとしては名前を聞いた事の無い人だった。

と言うわけで、外洋を普通の道具でWSして、何日もクルーズするなんて事はありえないと思っていたら、何と鹿児島から沖縄本島まで650キロをWSで横断するサーファーがいると言うのでぶったまげた。

で、誰が?と思ったら中里尚雄プロだと言うので2度たまげた。某新聞社主催のお台場のレースで私が優勝した時、エキジビションで参加していたのが中里尚雄プロだった。ご本人は勿論覚えてないだろうが、その時会話した内容で、やっぱり外人には体力で勝てないから、今肉ばっかり食ってます、と言っていたのを思い出す。

ま、それはさておいて、その記事が、こちら↓

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090314-00000631-yom-soci

いくら中里プロとはいえ、そりゃ、例によって特殊な船みたいな板なんだろうと先ず思ったが、このユーチューブの映像を見て、たまげた。フツーのコースレースボード(外洋レース用の板)に見える。

これハンパな冒険じゃありません。万一に備えて伴走艇があるとは思うが、それでも自力で成し遂げるとしたらスゲー!(逆に伴走艇無しだとしたら無謀だが)

トンデモナイ大冒険なんだが、ほとんど話題にも上らないところが、いかにマイナーなスポーツなのか良く分かる。最近はWSの専門誌も普通の本屋には無いし、第一、ショップが無い!今は、どこに行ってもWSのショップが無いのだ。

三浦とか湘南辺りに行かないと無い!内陸では渡良瀬にあるくらいだろうか。ショップが無いという事は、売れないという事で、つまり競技人口が少ないということだ。まあ、人それぞれだから、とやかく言う筋合いではないけれど、サーフィンよりは絶対面白いと思う。

なのに、この人気の差はな~にと思ってしまう。不思議です。たぶん、セッティングの面倒くささなんだろう。手馴れていても、セットするのに最低15分はかかるし、ちんたらやってると30分くらいかかってしまうからだ。

ところが、風に恵まれると、脳天がシビレル快感を味わえる。残念ながら、その快感を上手く言葉で伝えられないのが、もどかしい。例えて言うと、ナイスバディの美女と今、正にホテルに入ろうとしている時、スゴイ風が吹いて来て、板が用意されていたなら、迷わず美女をうっちゃって、沖に出てしまうだろう。もう彼女がどうなろうと知った事ではないのである。

それくらい楽しいスポーツであるけれど、自然が相手ゆえ、その気まぐれさに翻弄されて、10回のうち1回楽しめればよい方、ほとんどは風待ちでぼけーっとしてる場合がほとんどだ。私の場合、風が吹いてるので、喜び勇んで海に着くと、途端にパッタリ風が止むという経験を10回ほど連続して経験した事で、完全に打ちのめされ、WSに行かなくなってしまった。

そんなわけで、もう随分前からWSから遠ざかっていたのだけれど、「中里尚雄」の名前をネット記事で目にして、心が躍った次第。しかも彼は42歳で、交通事故で重症を負ったと言う。これが、も少しメジャーなスポーツなら、英雄扱いなんだろうけど、インタビュー受ける感じからは、そんな気負いは全く感じられない。

淡々と、自分の好きな事をやってるだけという感じだ。カッコイイ。

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