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2009/04/27

草なぎ逮捕考

草なぎ君逮捕問題をもう少し考えてみたい。どうもこの事件の捉え方には、人によって根本的に違う思いがあるようだからだ。「逮捕された側」「逮捕した側」どちらに焦点を当てるかで、事件の捉え方が異なる。もっというと個人を見るか構図を見るかだ。

拙ブログは勿論後者だ。この事件捉え方に草なぎ君であるか否かは関係ない「逮捕した側」の逮捕の仕方を問題としている。だから、それが何時わが身に起こってもおかしくない恐怖を覚えるのだ。

そこを第一に考える。そして次に「逮捕された側」の受けたダメージつまり実質的制裁を判断する材料として、「逮捕された側」の社会的地位を考える。今回の場合、それがたまたま草なぎ君というゲーノー人だった。

別に彼でなくとも大学教授、サラリーマン、政治家、誰でも良い。夫々において、ダメージが考えられる。有名人であれば人気に影響を受けるだろうし、サラリーマンであれば解雇されるだろう。論点は、2つあって、①そもそも誰の行為であっても逮捕が妥当であったのか、②そこまでの制裁を考えたとき、逮捕が妥当か、である。

対して、「逮捕された側」に焦点を当てる人もいるようだ。この場合、人気タレントの草なぎ君であることから様々な考察や評価が始まる。思考システムは「草なぎ君逮捕⇒人に多大な影響を与える立場なのにケシカラン」、「草なぎ君逮捕⇒そこまでやるか?」といった所だろうか。

結果として、「逮捕された側」「逮捕した側」どちらに焦点を当てても、「草なぎ君逮捕⇒そこまでやるか?」は共通していて、ゲーノー人であろうと無かろうと、この逮捕には違和感があるということだろう。勿論そう考えない人もいて、それはその人の勝手だ。

だが、ゲーノー人であることに焦点をあて、「草なぎ君逮捕⇒人に多大な影響を与える立場なのにケシカラン」といった思考をするならば、「逮捕した側」の事情や考え方は関心外であるから、「逮捕=容疑者≒犯罪人」という図式が出来上がり、いづれは復帰するなんてケシカランと怒りが収まらないのかも知れない。外形的にハトッポはその典型だ(本心は分からんが)。

とはいえ、こういう考え方をする人は、事件当初の街頭インタビューでは少なからず見られたが、その後、余り見られないように思うので、焦点の当て方の主たる違いは、逮捕の是非の判断かもしれない。

逮捕の是非の判断においては結果的に両者は同じ結論に達するとしても、草なぎ君に焦点を当ててしまうと、それはゲーノー人に起こった特殊な出来事となってしまい、草なぎ君がかわいそう、あるいはゲーノー人だから当然で終わってしまう。

では、この事件、どう捉えるのが良いだろうか。答えは両方考えればよい。草なぎ君が人気タレントだからで関心を持ち、逮捕の是非について考え、それを我が事として考えれば良い。そこまで考えたくない人は考えないだろうが、ゲーノー人は数で言えば「ゲーノー人⊆一般人」だが、有名人ゆえに代表性で言えば「一般人⊆ゲーノー人」であるから、特殊解たりえないのである。

何、わかりにくい?では言い直そう、有名人は目立つから、その行為が犯罪として逮捕された事も目立ち、それが手本となって万民に適用されるということだ。つまりどう考えても明日の我が身ということなのだ。さらに言えば、常に「逮捕される側」には説明責任が求められるが、「逮捕する側」には求めても無視される。

立小便で逮捕されてから、気づくのはバカだ。小沢氏と同じ事をやっている政治家はゴマンといて、小沢氏よりはるかに巨額の企業献金や迂回献金を堂々とやっている政治家が野放しだったり、同じゲーノー人が居酒屋ですっぽんぽんになって騒いだ事を武勇伝として放送しているのに、深夜の公園で同じ事をやったら逮捕だ。

逮捕の基準は、事の善悪ではないではないか。そんな法治国家がどこにある。たまたま占領軍にもたらされた民主主義と過去の遺産の豊かさとで、先進国の体面を取り繕っているが、中身はショーグン様を奉る国とたいした違いは無い。

こういう司法・検察・警察の恣意性を問題にしないで「小沢代表」「草なぎ君」個人にばかり目をむけているのは、正に「棒に怒る日本人」なのだよ、といいたい。こういう人は、やがて立ちションで監獄に入ったとき、看守に怒りをぶつけるのだろうか。

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コメント

ベンダソン さんこんにちは
>おおー怖っ!電話があったてことは、ご自宅の電話番号や氏素性を晒しての質問ですよね。ビー ケアホー!

わわわ!!それって恐ろしいことなの?正直が馬鹿を見るのですね。以後注意します。

--------------------------------
もう一言だけ。
こんなに、マスコミが自民党寄りにすり寄ったのはどうしてかな~と考えていたら、思い出した。
トヨタの会長(?)が「マスコミは麻生氏の揚足ばかり取るので トヨタのCMを引上げる・・・」と発言したことが有りましたね。マスコミから「報道の自由」と反撃があるかと思ったらマスコミは無言でした。

どうやらこの発言がきっかけだったのでしょう。
マスコミもCM減少で困っていたようだし、麻生さんもトヨタにエールを送られたから エコカー補助金/高速道路1000円 と連続技でトヨタに利権を渡す。
マスコミも トヨタのポチになってお祭騒ぎしているし。

もう、こんな日本、、どうでも良いや!
ノドンで終ってしまえ!(ちょっと言過ぎ)
あああ!! どうして日本国民は・・・?

投稿: setu55 | 2009/05/08 08:52

皆様、コメントありがとうございます。こして亀レスご容赦!

⇒setu55様、

>とメールで聞いたのでした。竹の塚少年課から電話があり「少年事件なので、調査の詳細は外部に説明できない」との話でした。当然の回答でした。。。


おおー怖っ!電話があったてことは、ご自宅の電話番号や氏素性を晒しての質問ですよね。ビー ケアホー!

投稿: ベンダソン | 2009/05/06 15:35

今日はsetu55です。
草彅君の件で警視庁に質問メールしました。返信は無かったのですが、同時に質問していた別件で東京の竹の塚警察署から返事がありました。

草彅君逮捕のあとに 竹の塚警察署管轄内で少年が公然猥褻で逮捕された事件が報道されました。そこで、「その少年の家に家宅捜索したのか?物証は出たのか?」とメールで聞いたのでした。竹の塚少年課から電話があり「少年事件なので、調査の詳細は外部に説明できない」との話でした。当然の回答でした。。。
田舎に住んでいる一国民が聞いても、仕方ないのは解っているのですが、「草彅君に家宅捜査」した事実には抗議(赤坂署でないので矛盾しているが)しないといけないと思い、メールで質問したのでした。

昨日夜TVで「犯人逮捕の決定的瞬間」を見ました。大がかりな事件ではありませんでした。事件に大小の区別は無いのは理解できますが、少しがっかり。個人の事件よりは、もっと巨大な事件をじっくり調査して報道してほしいな~~~。

まるで、警察の宣伝番組だな~と思いました。

この報道姿勢の中に、草彅君を逮捕した要因があるな~と思ったsetu55でした。

投稿: setu55 | 2009/05/06 13:14

草薙も小沢も問題の根は同じだから。権力の暴走が危険だと言うことが分かった人も多いでしょう。

投稿: にくとり | 2009/04/29 19:27

法律の専門家じゃなくてもその方面に詳しい方達はたくさんいる訳ですから、各メディアはそういった人達からいくらでもアドバイス受けられるんじゃないですかね。

takaさんが仰っているように、警察を追求することは力関係および数々の制約があることから確かに難しいことも分からないではありません。

しかし、追求とまではいかなくても検証することならできるのではないでしょうか。
検証さえもできずにこのまま歯止めがかからない状態が続くようであれば、恣意性を持った権力はいずれ私達に指向性を持った権力として襲いかかってくるに違いありません。
というか、こちらのブログで取り上げられているいくつかの事件には既にその片鱗が見えてますけどね。

投稿: せず | 2009/04/28 04:57

はからずも私のコメントへの反響がありましたので、少し付言いたします。

捜査機関(行政)とマスコミの癒着と、権限の恣意性の2点についてです。

まず、前者の捜査機関とマスコミの癒着については、正直よく判りません。
ブログ上の議論では、リーク源としての捜査機関と記者クラブの横並び体制が問題とされますが、それが決定的ではないのではないかという気がします。

以前、学生の時分に某新聞社を3日ほど見学させてもらったことがあるのですが、そこでの2つの出来事が気になりました。

最初は、警視庁記者クラブで、その新聞社のチーフに対しての質問でした。
その場で、実名報道の基準が話題に上がりましたので、犯罪の軽重や事案の内容に応じたガイドラインを作成する気はないのかと問いました。
すると、(あくまで私の感覚ですが)そのチーフは一瞬ムッとした後に、「個別具体的に判断していて、そういったものを作成しようとは考えていない」と答えました。
「個別具体的に」というのは、もっともらしい説明ですが、数年ごとに配置の変わる記者が、ガイドラインもなしに判断できるものでしょうか。
その時、私が直感的に感じたのは、捜査機関サイドの発表にしたがって報道しているのだろうということでした。
そこには大企業として報道内容に責任を負わねばならないから、リスクを軽減したいという制約があるのかもしれません。

次に、記者の方との懇親会の席での話です。
私が行った3日間のスケジュールを統括してらっしゃった記者と、最終日に軽く飲む機会がありまして、番記者時代の話を伺いました。
その方は政治関係の番記者をやってらっしゃったのですが、その際に取材相手から意見や情報を求められることが度々あったそうです。
そして、その時その記者の方は、「僕らが一緒に国を変えてる気になってたよね」と仰ったのです。
記者の方も少し酔っていたので、真偽は定かではないですが、私には明らかに後悔の色が見えました。

最初によく判らないと書いておいてこの2例を挙げましたのは、私にある推測があるからです。
確かに、情報源の喪失や記者クラブといった負の動機はマスコミを拘束するでしょうが、それだからこその反発もあるはずです。
しかし、実際にそれが起こらないのは、大企業ゆえに求められるリスク回避意識や記者の善意が報道を支えているからではないでしょうか。
それが全てではないでしょうが、マスコミが偏向した報道をする積極的動機を持っていることの一端は示せるかと思います。

第2に、権限の恣意性についてです。
あまり知らされることがないので、刑事裁判手続きについて、ちょっと根本にさかのぼります。

普通、人が誰かに法益を侵害された場合、それをやり返したりします。
しかし、市民社会としては単なる暴力の連鎖では困るので、暴力を正当化できるのは国に限定されます。
その暴力が刑罰です。

ざっくり言えば、国が被害者に代理して犯罪者(被疑者)を裁判手続きに訴え、被疑者は防御し、裁判所が(一応独立に)裁定を下すのが刑事裁判手続きです。
国が仕返しをするので、被疑者を訴える権限は国に独占されます。
これを国家訴追主義といいます。

この時、国の側に立つ法曹は検察官(裁判所は行政から一応独立)で、ここが起訴・不起訴の判断を行います。
この判断を行って事件を振り分けることを起訴便宜主義といいますが、これが曲者です。
詳しい各国の状況は忘れましたが、この方式を採用していない国も多いです。
例えば、検察は送検された事案を全て起訴して、判断は裁判所に仰ぐという方式を採用している国もあり、起訴された事案の70%程度しか有罪とならない国もあります。

ちょっと話は逸れますが、逮捕と起訴の関係についてもおもしろいことがあります。
日本では、犯罪の嫌疑について有罪>起訴>逮捕という序列がありますが、身体の自由を制限する逮捕を自由権の重大な侵害と捕らえて有罪>逮捕>起訴としている国は多くあります。
すなわち、犯罪の嫌疑があるから起訴はするが、(無罪が推定されるべき)被疑者の自由を制限するほど明らかになってはいないとして逮捕に踏み切らない事例は、他国では当たり前だったりします。
例えばライブドア事件などは、そういった国では証拠を保全した段階で一旦釈放となるでしょう。

さて、話を起訴の点に戻しますと、起訴便宜主義とは、検察官の判断で起訴・不起訴を判断できるというものです。
これは、予算的な制約があることや、改心したり社会的制裁を受けた被疑者の軽微な犯罪について短い刑を科すとかえって刑務所の中で余計な悪知恵を得る可能性があることから、起訴を猶予することができるという制度です。
その趣旨が全うされていれば良い制度なのかもしれませんが、主犯を挙げたい検察が、従犯に対し、起訴猶予をエサに(主犯にとって時に不利な)自白を促していれば、実質的に司法取引です。
また、訴追権限を国家が独占しておきながら、公判を維持できないとして起訴しない場合には、被害者やその遺族にとって、国からの助力は得られないし、真実を追及するきっかけすら得られないことになります。

ところで、起訴された事案の有罪率について、先ほどは全事案を起訴した場合で約70%の国があると書きました。
私が資料を見た欧米の国では、それぞれ制度が違うものの大体90%前後の有罪率が多かったと記憶していますが、日本の場合は99%の有罪率です。
いくら検察が優秀であっても、これはおかしいのではないでしょうか。

ちょっと長くなってしまったので、権限の恣意性が発生する構造があるということにだけ触れておきます。
具体的なことは、周防正行監督の映画やホリエモンブログを見てもらえばある程度判るかと思います。
それから、法律家は、法の適用について判断することが仕事なので、せずさんのおっしゃる法律の専門家でも、法律の前提が正しいのか、現在の秩序立てそのものが妥当かという議論は避ける傾向があります。
そもそも、日本の法律家は、司法研修所で司法修習を受け、実務の有り様を叩き込まれますから、全員が官製といえなくもないのです。

そして、警職法で保護することも公然わいせつで逮捕することも警察の判断に任されている根本的な原因は、法律の規定そのものにあるのではないかという気がします。
日本の法律は、各法律との整合性に重点が置かれすぎていて改正が遅く、時代の要請や適切な捜査の担保が十分ではありません。
その点では、裁判で整合性が問題となった際に、新しい法律の趣旨にそぐわない規定を裁判所が上書きできる、EUのようなやり方も参考にされるべきだと思います。

深夜になってしまいまして集中力が欠けてしまっているものですから、ちょっと議論が散乱してしまいまして失礼いたしました。

投稿: ns | 2009/04/28 02:43

皆さんこんばんは。
そして初めまして。

警察の問題点をマスコミが追求する事は,
力関係からまず出来ないと感じています。
記者クラブの問題もありますし,
数々の許認可権を握られているので,
どうしても跪く格好になってしまう様です。
またマスコミ自体が権力化しているのも
原因と思います。

こんな構図は昔からあったように思いますが,
少しだけですが牽制もあったように思います。
どうも最近の傾向は・・・,言葉にできません。

投稿: taka_19682002 | 2009/04/28 00:33

棒に怒るという意味がよくわかりました。棒に怒るようにしむけ、そのように国民を教育しているのは、マスコミですね。
秘密結社やカルト宗教が、メンバーや信者の子息を教育して、検察、マスコミ、政府官僚、政治家に育て上げ、それぞれの幹部クラスでコミュニティーを形成するまでになると、集団の意に反したことが、あらゆる角度から犯罪として検証され摘発され、それに疑問をはさむことすら犯罪になっていくように思います。今回の事件も、案外、ある団体の仕事を袖にしたことくらいが事の発端なのかもしれないと思ったりします。意味不明のコメントで申し訳ありません。

投稿: らむちゃのパパ | 2009/04/28 00:24

>>こんばんは、nsさん

私は法律とかにはまったく詳しくないので、とても参考になるコメントありがとうございます。
今回の事件に関しては私も納得できている訳ではありません。明らかに行き過ぎではないかという疑念を持ちつつも、確かな知識がないため「逮捕もやむなし」と判断しました。
でも貴兄のコメントで疑念は取り払われたような気がします。

しかしそうなると何故メディアはそのことについて追求しないのでしょう?
今回の逮捕が警察官職務執行法および憲法上、明らかに行き過ぎということであれば当然そのことを問題視し報道されるべきではないでしょうか。
無知な私ならいざ知らず、メディアなら法律の専門家に意見を仰ぐなりすれば、いくらでも追求の手段はあるはずです。

私の下記コメントの最後でも書いていますが、メディアは何故そのことについてアンタッチャブルでいるのか疑念が晴れた今となっては余計不思議でなりません。

私達が本当に恐れるべきは、恣意性を持った権力の横行よりも、そういったことが追求されず報道されていないという事実ではないでしょうか。

「棒に怒る日本人」、これがメディアによる大衆操作の現れであるならば事は深刻なような気がします。

投稿: せず | 2009/04/27 23:48

ns様、コメント、ありがとうございます。

はじめまして、
高度な知識に裏打ちされた論理構成、お見事というしかありません。てっきり、一郎さんかと思いましたが違うようで。
一郎さんといい、ns様といい、私が言いたくても知識不足で言い足りない点を的確に表現いただき、敬服いたします。

今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: ベンダソン | 2009/04/27 22:04

>>せずさん

横槍のような形ですが失礼いたします。

1.草彅氏が及んだ行為の逮捕妥当性について
警察官には、行政上、警察官職務執行法3条に基づく保護が認められます。
(公務員である警察官の)行政上の作用として、犯罪を摘発するだけでなく、泥酔者を保護しなければならないのです。
したがって、逮捕せずとも彼の身柄を押さえて、近隣の方への法益侵害をやめさせることは十分可能だったのです。
また、明らかに泥酔状態であったようですから、最初から心神喪失による無罪を疑うことができたはずです。
したがって、まず、逮捕したこと自体の妥当性(逮捕の必要性及び緊急性)が問われます。

また、酒に酔つて公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律、又は軽犯罪法によっても逮捕できたはずです。
ここでは、行為と逮捕した罪との間の相当性が問題になります。
おそらく、警察は、薬物事犯での摘発を考えていたため、被疑者を勾留できない上記2法での逮捕を意識的に避けたのでしょう。

2.家宅捜索の妥当性について
ご存知かもしれませんが、家宅捜索は、憲法上の保障である財産権等を国家が強制的に侵害するため、その実施には制限があります。
具体的には次の2点です。

第1点は、強制処分としての家宅捜索には、令状が必要であるということ。
これは、捜査機関が一方的に捜索することによって個人の自由権が侵害されないように、裁判官が審査することによって家宅捜索をする妥当性を担保するためです。

第2点は、家宅捜索する対象は、令状に記載された被疑事実に関することに限られるということです。
今回の事件でいえば、公然わいせつの証拠を探すということです。
仮に薬物事犯での摘発を狙ったとしても、そのために公然わいせつで逮捕された者の自宅を捜索することは許されないのです。

この前提の上に立って考えれば、見れば判る公然わいせつの証拠を集めるために、家宅捜索の必要があったのでしょうか?
仮に窃盗のように、累犯窃盗の訴因で起訴するのであればともかく、常習公然わいせつ罪など法律の規定になく、尿検査の結果で薬物事犯としての捜査の端緒も得られていないのに、家宅捜索をする必要はなかったはずです。

家宅捜索するよりは、逮捕時の状況をビデオカメラで撮影するなどして記録しておく方がよっぽど効果的なはずです。
パトカー3台で檜町公園に駆けつけたということですから、そのくらいのことは可能だったでしょう。
しかも、逮捕の妥当性という点でも、記録があれば判断が容易だったでしょう。

今回の事件でいえば、草彅氏が裸になったことによって一般人の羞恥心を害するという「わいせつ概念」への該当性も怪しいです。
記録の重要性でいえば、そもそも、草彅氏が全裸だったという証言は、捜査機関側の発表でしかありませんから、そもそも全裸になっていたのかも疑う余地があります。
捜査員が供述したことは、刑訴法上、信頼性が高いかのように扱われますが、捜査員が口裏合わせをしてしまえば、一方的な証拠が偽造されてしまうのです。
最近の捜査が謙抑的でなくなっている先にはこのような問題点が隠れているのです。

投稿: ns | 2009/04/27 20:48

せず様、コメントありがとうございます。

>たとえば今回の事件、草なぎではなく名も知られていないごく一般人が逮捕されたら、ここまで「逮捕が行きすぎだ」とか言って問題視されるでしょうか?

⇒その懸念は分かります。その意味で草なぎ君でよかったかもしれませんね。

>取調官のみ知る事です。

⇒その通りですね。何ら説明されてませんから。説明することはそんなに難しいことなんでしょうか。

>皮肉なことですが、そのような捜査のおかげで国民の安全が保たれているとも言えます。とは言え、そこに権力の恣意性が潜んでいる可能性があるならそれは大きな問題です。

⇒この件に限らず、様々な冤罪疑惑など権力の恣意性が潜んでいる可能性があると思います。それゆえ確かに安全ですが、安心できない状態といえましょう。


投稿: ベンダソン | 2009/04/27 20:25

こんにちは。
前回のコメントで私は草なぎに目を向けていた訳ではなく、彼の起こした行為そのものについて逮捕やむなしと判断しました。(多少行き過ぎという感は拭えませんが)

たとえば今回の事件、草なぎではなく名も知られていないごく一般人が逮捕されたら、ここまで「逮捕が行きすぎだ」とか言って問題視されるでしょうか?
たぶん多くの人が、逮捕されてもしょうがないんじゃないかと言うと思います。
それは誰がやったかということを問題にしている訳ではなく、どんなことをしたかということに注目して判断を下しているからだと思います。
居酒屋を例にあげていますが、この事件とは全く別だと思います。
居酒屋の場合、まわりの人は状況を理解しその行為を楽しんでいます。
でもこの事件ではその行為を迷惑に思い通報している訳ですから、根本的にTPOが違います。

そこで問題となるのは、貴兄も言われてますが「妥当かどうか」ということです。
でもこの判断はとても難しいと思います。
難しいと言うよりも、現場にいる人間でなければ下せない判断ですね。
報道によれば彼が事の重大性に気づいたのは檻の中に入ってからだと言います。
ということはそれ以前の質疑に対して彼がどのように応答したかは取調官のみ知る事です。
酩酊状態であったことを思えばどんな疑いをもたれてもしょうがない状態だったのではないでしょうか。
裁判ともなれば疑わしきは罰せずですが、捜査段階では疑わしきは捜査するですからね。
それ故に、家宅捜査にまで及んだのだと思います。
皮肉なことですが、そのような捜査のおかげで国民の安全が保たれているとも言えます。

とは言え、そこに権力の恣意性が潜んでいる可能性があるならそれは大きな問題です。
しかしこのことについてメディアはまったく追求しませんね。
権力の恣意性よりもメディアがアンタッチャブルでいる理由の方が問題が大きいような気もしますけど。

投稿: せず | 2009/04/27 19:14

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