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2009/05/31

付ける薬が無い首相発言だが、そこにはとてつもない恐怖が

麻生首相のトンデモ発言にはたまげたが、結局TV・新聞はあまり麻生・鳩山党首討論を報道することなく終わったようだ。うがった見方をすれば、あの発言が麻生・鳩山で入れ替わっていたなら、鬼の首を取ったように鳩山批判が起こっていただろうと思う。

この党首討論を五分五分あるいは、麻生の勝ちと言う人がいるが、いくら主観による判断とはいえ理解に苦しむ。ただ、そういう私の判断も主観だから、各位ご自身の目と耳で確かめられたい。

http://www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib3.php?deli_id=39846&media_type=wb

TVの御用コメンテーターは、鳩山氏は抽象論を唱えていて具体性が無いと批判していたが、そもそも党首討論とはビジョンを語るものではないか。そして、その国家のビジョンについて鳩山氏は具体的に語り質問していたように思う。

コメンテーターが望むような個別具体な質疑ならば、普通の国会質疑だ。そんなことを党首討論でやられたらタマラン。バカじゃなかろかと思う。押しなべて鳩山批判は、この手の根拠不明な主観的批判つまりイチャモンの類が多く、客観的理由を付してナルホドと思わせるものにはトンとお目にかかれない。

さて、前置きはこれくらいにして、この党首討論の中で、麻生首相はトンデモ発言をやらかしている。開始4200あたりをご自身の耳で確認されたい。二人のやり取りはこうだ。

【麻生】ここだけ再確認させていただきたいのですが、正しいことをやったのに秘書が逮捕されたといわれたんですか

【鳩山】本人としては、政治資金規正法にのっとってすべて行ったにもかかわらずと。これは本人が昨日、保釈をされました。そのときの弁であります。

【麻生】基本的にご本人の話であって、正しいと思ってやったけれども、法を違反していたという話はよくある話ですから。少なくとも、それをもって国策捜査のごとき話にすり替えられるのは、本人が正しいと思ったというお話ですけれども、4250)本人が正しいと思ったことであっても、少なくとも間違った場合は逮捕されるということは、十分にある。それは国策捜査ということには当たらないのではないかと私どもは基本的にそう思っております。

このやり取りは、鳩山代表が、企業団体献金の廃止を提案した事(←筆者注:十分に具体的だと思うが)に対して、麻生首相が、小沢前代表秘書事件に対する説明責任の問題を持ち出し、これに鳩山代表が、「小沢氏は第三者委員会で説明責任を果たした」、「正しいことをやっていた、全部オープンにしていた。でもそのことによっても逮捕されてしまった。ならばその元を絶たなければいけない」と企業団体献金を廃止すべきだと、述べたことに対しての発言だ。 

マスゴミ報道では、あたかも麻生首相の発言に鳩山代表が気色ばんだように報道し、対立の構図として話を矮小化しているが、法治国家の首相発言としてよく考えると恐ろしい発言だ。問題は赤字で示した4250あたりからの発言である。

本人が正しいと思ったことであっても、少なくとも間違った場合は逮捕されるということは、十分にある。」とは、一体全体どう言う事だろうか?さらっと聞き流せばそうかなとも思うかもしれないが、これ、トンデモ発言だ。一般論ではない、小沢氏秘書逮捕の事を言っている事を考えればなおさらだ。

ピンとこない方のために、刑法第38条と「たぬき・むじな事件」をご紹介しよう。

(故意)刑法第38

罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。

2.重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。 

3.法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。 

ここでいう「特別の規定」によって罰せられる過失としては、業務上過失致死罪、過失致死傷罪などが挙げられる。また、実務上は「法律の不知」や「常識・知識の欠如」など、いかなる理由であれ減軽されることなどはほとんどない。だが、罪を犯す意思がない行為を、罰しないのは刑事処罰の大原則であり、刑法の基本である。その有名な判例が、次にご紹介する「たぬき・むじな事件」だ。

●「たぬき・むじな事件」

1924年に栃木県で、被告が狩猟禁止された狸を狸とは別種の狢と思い込み狩猟した狩猟法違反事件。刑事裁判が行われ、大審院において最終的に無罪となった。日本の刑法第38条での「事実の錯誤」に関する判例として現在でもよく引用される。

大審院判決では、タヌキとムジナの動物学的な同一性は認めながらも、その事実は広く(当時の)国民一般に定着した認識ではなく、逆にタヌキとムジナを別種の生物とする認識は「事実の錯誤」として故意責任阻却が妥当であるとして被告人を無罪とした。

もうお分かりいただけたと思うが、法治国家の首相が、法に違反してなくとも逮捕されることは十分にあると、国会の党首討論で言ったのだ。繰り返す、この国では・・・・、

法に違反してなくとも逮捕されることは十分にある

と首相が国会の討論で言ったのだ。す、スゲー!?

もっと言っちゃおう。国家の代表が、法に違反してなくとも逮捕されると言うのだ。しかもだ、もっと言うと、ここで問題とされているのは企業献金と分かってて受け取ったのではないかと言う点だ。

ところがその一方では森田健作は自身が責任者である2つの資金管理団体の片方で企業献金を受け、そこから自分個人に献金しているから、こちらは疑惑でもなんでもない事実として迂回献金を行っている。それが何のお咎めも無いのだ。

もう事実として法が法として機能してない上、国の最高権力者が法に違反してなくとも逮捕されることは十分にあると公言しちゃうのだ、スゴイ、凄すぎる。

もっとスゴイのは、この麻生首相の発言にマスコミは?と気が付かない事だ。いや、実際は皆気付いているはず、気付いているのに気が付かないフリして、話を矮小化してしまっているのだ。マスコミ人とて全部が全部、御用マスゴミ人ではないだろう。中には悶々と悩みながら、行間にせいいっぱいの真実を現そうとしているのかも知れない。

だが、ハッキリ言ってそんなの分からない。やはり真実を伝えてナンボのジャーナリズムだろう。まして戦場に行って命を取られるわけでもない。自分の国の中の出来事を、しかも衆人が見た事実を、そのまま伝えることがそんなに難しいのだろうか。

職業に貴賎は無いと言うが、今や私や私の知人達の間には、所謂大手メディアに属するジャーナリストなる職業は、権力の犬であり、唾棄すべき卑しい職業との認識が広がっている。ニューヨークタイムスが、日本のマスコミは権力の言いなりであことを厳しく批判しているが、さもありなん。

報道が報道を批判するなんて、フツーあり得ないんじゃないか。てことは、諸外国、少なくともニューヨークタイムスは、日本のマスコミを仲間すなわちジャーナリズムとは見ていないということだろう。日本のマスコミがジャーナリズム?フン冗談じゃない、一緒にされてたまるか、といったところだろう。

悔しいけれど、ニューヨークタイムスの日本メディア批判は正しい。

それはさておき、とにかく、バカだ阿呆だと揶揄したところで、麻生太郎氏は日本の首相だ。その首相が法に違反してなくとも逮捕されると言うのだ。日本のマスゴミはこんな状態だから、国民はもう自己防衛を考えなければならない。

ならばどうするか、個人で権力に立ち向かってもたちまちひねり潰されるだけだ。今ならかろうじて民主主義が制度として機能しているから、次の選挙で国民の意思を反映させ政権交代を果たさなければ、今度こそこの国は終わってしまうだろう。

以前は、暗黒社会の萌芽が見え隠れしていたが、今やハッキリと権力がなりふり構わず牙をむき出した。これは決して大げさなことではない。実際、草なぎ君逮捕と同じように、ただ酔っ払って宇都宮線の終電を乗り過ごし、警官の手を振り払い帽子を飛ばしただけで逮捕された人がいると言う。今ウラを取っているが、事実とすれば、いよいよ始まったと言わざるを得ない。

恐怖政治は静かに、我々を締め上げ、気が付いたときにはゆで蛙が昇天するように国民はもうなすすべが無いときなのだ。

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コメント

せず様、コメントありがとうございます。

>こんな人がいるとは信じられませんね。

私もビックリしたのですが、いるんですよねえ。拙ブログへのトラバの中の紹介記事にあったのですが、どちらが正しいとは言い切れないのでトラバを受け付けました。ご紹介しようと探したのですが見つかりませんでした(というかメンドクサイ)。

投稿: ベンダソン | 2009/06/05 10:10

おはようございます。

> ところが、あるサイトでは、私と全く同じように、自分の目と耳で確かめてもらえば、
> 麻生氏がいかに優れていて、鳩山氏の言うことに具体性が無いか分かるだろうと
> 動画を紹介していました。

こんな人がいるとは信じられませんね。
主観、価値観がどうであれ、あの党首討論をみていたら
どう贔屓目にみても麻生首相は三文芝居を演じているようにしか見えないですよね。
税金使って一生懸命三文芝居の台詞覚えたのかしら。
馬鹿馬鹿しいにもほどがある。

投稿: せず | 2009/06/05 07:34

皆様、コメントありがとうございます。

>タイガー様、
「投票率を上げる何らかの戦略を立てるべき」正にその通りです、但し政権交代つまり民主党に投票する人の投票率ですね。民主党批判はその後からでも出来ますから、先ずは民主党に政権を取らせるために、我々が、どこぞの団体がやるように、足腰立たないジイサン・バアサンを担いで行きましょう。

>世界の白バイ組み様、
情報ありがとうございます。かなり興味深いブログですね、早速お気に入りの上位に入れました。

>らむちゃのパパ様、
私も鳩山氏の演説は具体性にとみ、素晴らしいものだと感じました。それゆえ、私の主観を交えず、各位ご自身の目と耳でご確認いただくようブログ記事にその動画サイトを紹介しました。
自分の目と耳で確かめてもらえば、鳩山氏に対する100の賛辞より分かってもらえるだろうと思ったからです。

ところが、あるサイトでは、私と全く同じように、自分の目と耳で確かめてもらえば、麻生氏がいかに優れていて、鳩山氏の言うことに具体性が無いか分かるだろうと動画を紹介していました。自分の目と耳で確かめた上で、本気でそう思う人が居るとすれば、その神経が理解できないのですが、その方も同じように私のような考え方に対して思うのでしょう。

主観ですのでどちらもが正しいとは断的できませんが、正直なところ、人種が違うと言うか、恐らく価値観の根本が全く違っていて、そういう人々と民主党支持者特に小沢支持者とは永久に理解しあうことは不可能なんだなあと思い至りました。

投稿: ベンダソン | 2009/06/01 18:23

党首討論、私は鳩山氏の演説は具体性にとみ、素晴らしいものだと感じましたが、マスコミは良くてスルー、場合によっては一部分をとって本来の意味とはかけ離れた麻生擁護鳩山批判の道具に使ってますね。宗教の自由は憲法で保証されれていますが、マスコミ、検察の要職にある特定の宗教を信じる方が着かれ、その宗教が政党までも支配したとしたら、必然的にこういうことになるのではと思います。
外国メディアの一部が日本のマスコミの堕落ぶりを報じているようですが、海の向こうのメディアも、自分の国のことでは同じような陥穽に陥っていると思います。

投稿: らむちゃのパパ | 2009/06/01 01:33

こんばんわ。

ご存知かもしれませんが、現役の新聞社の方が、リークとマスコミについて解説していますので、ご紹介します。

「リーク」の現場は、こんな感じである
http://newsnews.exblog.jp/11639601/

米紙、日本メディアのヘタレぶりを大批判
http://newsnews.exblog.jp/11652594/

投稿: 世界の白バイ組み | 2009/05/31 22:48

いつも興味深く読ませていただいております。
日本の政治、外交どれをとっても方向性が見えません。

なんなんでしょうか。

何かに脅えているというか、全てにおいて、人の目を気にしてる感じがします。

政権交代に向けて、やっぱり投票率を上げる何らかの戦略を立てるべきと考えているのですが。。。

投稿: タイガー | 2009/05/31 21:25

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