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2009/05/02

危機管理がなってないのはどっち?

080515kan2pp2 ドジを踏んだとき、その原因が自分のズッコケにあることに気付かず、迷惑をかけた相手を責めてしまうのは最悪だ。ここには2つの危機管理が含まれている。ひとつはドジを踏まないこと。もうひとつは踏んじまった時どう対処するかだ。

舛添厚労相は、この2つの危機管理でドジってる。さらに悪いことに後始末をしない。これ最悪だ。こんな人物が国家の中枢を担ってるとは・・・寒い。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090502-OHT1T00054.htm?from=related

<引用開始>

舛添厚労相と中田横浜市長が新型インフルで場外バトル

 横浜市の男子高校生が一時、新型インフルエンザ感染の疑いがあると診断された問題で、とんだ“場外乱闘”が勃発(ぼっぱつ)した。舛添要一厚労相(60)は、感染の疑いが判明した4月30日深夜に横浜市との連絡が取れなくなったことに「組織として危機管理の体をなしていない」とぶった切った。対する中田宏横浜市長(44)も「厚労相に振り回された」と応戦した。

 1日未明の会見を「解析不能」という検査結果を聞いただけのほぼ“丸腰”で臨んだ舛添厚労相。記者から詳細を問われると「横浜市に聞いて下さい」「市と連絡がつかない」などと激怒した。

 一夜明けても、舛添氏の怒りは収まらず、朝から大噴火した。閣議後の会見で「(市から厚労省に)遺伝子を調べるPCR検査は解析不能との答えがあった後、(こちらからの)問い合わせの電話が通じないというのは問題だ」と横浜市の対応をあらためて批判。「全国の首長の携帯電話を知ってるわけではない」と怒りは収まらない様子で、横浜市へ問題の改善を求めた。

200905025456931n  ケンカを売られた形の中田氏は「国民に落ち着くように呼びかけているのだから、大臣自身が落ち着いた方がいい。カリカリしすぎ」と皮肉交じりに反論。電話がつながらなかったのは、厚労省の発表が先行し、問い合わせが殺到したためと主張した。横浜市の担当者も「こちらも電話したがつながらなかった」「調整している最中に、唐突に会見を開いた」と憤る異例事態に発展した。

 厚労省からも「何時間も電話が不通だったわけではない」「必要な手続きは取られていた」と暗に厚労相の「言い過ぎ」を認める声が出た。

 「今、言ってもしようがない」と大人の対応を見せかけた中田氏だが、「大臣が“突っ走った”という話を聞いている」と憤慨モード。今後“遺恨試合”となる可能性も出てきた。(赤字は筆者による)

<引用終わり>

これ、舛添厚労相が中田市長に「オメェントコの危機管理がなってねえ」とイチャモンつけたわけだ。その前提には国民の健康安全を脅かす緊急事態勃発との認識がある。その責務を負う大臣として苦言を呈した、と舛添厚労相本人は思ってるのだろうか。

とすれば、相当オメデタイ。国民の健康安全を脅かす緊急事態が勃発したのに、その発生現地の自治体と電話が繋がらない?おいおい、ダイジョウーブか。厚労省は横浜市との緊急連絡回線を一般市民用の回線しか知らないと言うことではないか。そりゃ、あんたジョーダンきつ過ぎまっせ。

国民の健康安全を担ってるのなら、市長や側近の携帯電話番号くらい把握しておきなさいな。ガバナンスの位置関係は「厚労省>横浜市」でしょ。それを「厚労省⇒横浜市」方向に情報収集連絡ができなかったって事は、全くガバナンスが生きてない。

記事には【記者から詳細を問われると「横浜市に聞いて下さい」「市と連絡がつかない」などと激怒した。】とあるが、これを読んで目が点になった。ほえっ、どっちが国民の健康安全を担ってるの。いつから横浜市が国民を統治したのかいな?

統治するならきちんと配下組織を管理しなくてはなるまい。緊急事態における部下との情報伝達収集が、部下任せなんて危機管理はあり得ない。それを、図らずも舛添厚労相は、「オレの方がエライ」というレベルでしか見てない事を露呈してしまった。

「(こちらからの)問い合わせの電話が通じないというのは問題だ」「全国の首長の携帯電話を知ってるわけではない」と言い切ってしまうのも、その表れだ。「電話が通じないというのは問題だ」と言う事のほうが問題なんだが、たぶん本人は分かってない。おまけに「携帯を知らない」・・・とは、ふう頼むよ、舛添サン。

普通の会社でも緊急連絡網は社員役員の自宅と親戚或いは携帯電話など複数ルートを確保しているハズ。それをだ、国家の緊急事態だと騒ぎながら、現地に電話したら繋がらなかった、中田市長の携帯電話番号も知らなかった、だなんて、チョー恥ずかしい。というか、厚労相としては懲罰もんではないか?

国民の健康安全を担う責任者が、そういうチョー恥ずかしい危機管理体制の脆弱さとズッコケを堂々と晒し、あまつさえそれを現地自治体のせいにするとは言語道断だろう。そこには国民の健康安全を担う危機管理意識が全く無く、もっぱら「オレの方がエライ」という権利意識のみが露呈している。

しかも、連絡が取れない状況を招いたのは、厚労省の発表が先行し、問い合わせが殺到したためというではないか。緊急事態に国が、火に油を注ぐような事して、自治体の足を引っ張ってどうする。

事ほどさように、厚労省と舛添厚労相の危機管理はなってない。だが、失敗は誰にもある、幸い今回の騒動では被害が出てないから、これを契機に、同じ失敗をしないように、改めればよい。それが経験と言うもの、学習と言うものだ。

ガバナンスにおける危機管理では、組織である以上失敗は必ずあるから、その時どう対処するかが次なる危機管理だろう。ところが、舛添厚労相はこれが全くなってない。なってないどころか気付いてもないようだ。

国民の健康安全部門に関する危機管理の最高責任者でありながら、管理能力と意識の欠落を晒し、反省も改善の弁もなくしらばっくれている。「ごめんなさい昨日は言い過ぎました」と草なぎ批判を修正した鳩山大臣の方がまだ良い。

しばっくれたままというのは、要するに自らは責任を取らないということであるから、こういう人間には組織を任せられない。まして国家なんてとんでもない。個人として行動が完結する学者に戻るべきだろう。

ではまた。

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コメント

鈴木様、」コメントありがとうございます。

>結局他国に食い物にされる、人の良い日本人像が出来上がっていくと言う構図なのでしょう。

食い物にされても、目先にエサを投げられると、まるで特権を手に入れたと勘違いし、尻尾を振ってしまう。情けない限りす。

さりとて、尻尾を振らなければ、仲間から叩き潰されてしまう・・・難しい状況になってきました。

投稿: ベンダソン | 2009/05/10 23:38

今日始めてブログを発見し面白く読ませて頂きました。私は渡米し40年弱、留学・カルフォ二アで医療関係オフィス開設、最近リタイアーしたものですが、今まで自分の言行・行動決定に於いて論理の統一性をもってアメリカで一匹狼的に生き抜いて来たと思っています。其れが私の危機管理でした。多分ペンダサンの生きてきたイスラエル国その物が同質の論理性を保持して行かないと崩壊していってしまう国体であるが故にペンダサン自身の今の物の考え方が形成された物なのでしょう。
其れに較べてあまりにぬるま湯的な日本の非論理性に唖然とします。ーーーそれが又日本の良さを形成する面もあるのでしょうがーーー。それにしても論理性が身上である筈の学者でもある枡添氏が学校に戻ったとして育てられる学生が可哀相、というか、空恐ろしいーーーー(其れもまたニッポン風土の産物で、結局他国に食い物にされる、人の良い日本人像が出来上がっていくと言う構図なのでしょう)。

投稿: 鈴木 | 2009/05/10 15:14

らむちゃのパパ 様、コメントありがとうございます。

パーホーマンスが目的で、中身がない。正にその通りです。

そして、ものすごい自爆発言なんですが、マスコミはそこを取り上げない。ま、毎度のことですが・・・。

とりいそぎ

投稿: ベンダソン | 2009/05/03 14:50

本来なら担当係官を横浜市に急行させて、情報収集、現場でしかるべき処置をとった上で、その情報を得て桝添大臣が緊急会見をすべきであったでしょう。だけど、桝添氏は、深夜に会見を開く、深夜まで自分は仕事をしているんだというパーホーマンスに目的があったようで、実に空虚な会見でした。外面ばかりで中身がない、その人となりがよくでていました。

投稿: らむちゃのパパ | 2009/05/03 03:29

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