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2009/08/29

超マニアックな公選法の落とし穴

歌手の松山千春氏が選挙演説途中で自身のヒット曲を熱唱したことが、公職選挙法で規定する利益供与の疑いが生じているとか。何でも、プロ歌手が歌う事は利益供与ということらしいが、じゃ、普段講演で食ってる人の応援はどうなんだ?

全体に日本の選挙制度はどーも良くわからん。とにかくマニアックだ。以前知り合いが地方議会選挙の応援をした事があった。その時、知人が管理人をしているネット掲示板に、ある議決の賛成と反対議員の名前が書き込まれた。書き込まれたのはただそれだけ、賛成が良いとも悪いとも一切なかった。

その議決とは、市民参加で策定した行政計画の否決だった。策定中の審議会やパブリックコメントにも一切意見を言わなかった議員たちは、いきなりそれを議会で否決したのだ。漏れ聞こえる理由は市長の手柄になるので反対したと言うもの。目が点になる理由だから表だって言えない。だから反対討論一切無しでのいきなり否決というわけだ。

普通の常識で考えれば、反対した事は民意の否定に当たる。だから反対した事を公にされた議員は落選してしまうので、選管にクレームを付けたのだろう。どこでどう調べたのか選管から知人の携帯電話に、件の書き込みを削除しろとの連絡があった。

だが、その書き込みには一切の評価・意見が無く、ただ誰が賛成し誰が否決したのか一切の主観を排除した「事実」だけが書かれていたので、いったい何故これがいけないのかと選管に聞くと、評価が書かれて無くとも名前が書かれれば不利になると思う人がいて、その方たちからのクレームだと言う。

さらに言うには、選挙期間中に候補者の名を掲示する事は選挙違反になるとの説明。はあ?街角のポスターならいざ知らずネット掲示板に書き込んだ内容に候補者の名が有ったことが、候補者名の掲示というなら、新聞雑誌皆、候補者の名を載せたら選挙違反ではないか。

その場は取り繕っても直ぐに破綻する論理だ。ところが、こんなのは序の口、日本の選挙は公選法の超マニアックな、アナザーワールドだったのだ。

例えばその1:よろしくは○ 投票してねは×

これ何のことか分るだろうか。告示前に、立候補するから投票してくれと頼むと選挙違反になるんだそうだ。なので「よろしく」ならセーフなんだとか。選挙前にマニュフェスと配ってよろしくと言われれば、投票してくれ以外に何があると言うのだろうか。超マニアックな符丁だ。

例えばその2:門の外なら○、内なら×ト

選挙を控え、候補者がよろしくと各戸を訪問するが、門の中つまり敷地内に足を踏み入れると選挙違反だが、門の外ならOKなんだとか。そんなのしらねーよ!だ。実際、ウチの庭に入ってきてみんなよろしくとやってたが、いったいどうなってるんだろうか。

例えばその3:茶菓子なら○、食事は×

選挙事務所で、手伝ってくれるスタッフに弁当や食事をふるまうのは良いが、陣中見舞いに来る人に食事をふるまうのは違反だそうだ。だが古株の議員たちは食事をふるまうどころか、レストランの食事券を配っていた。いったいど-なってるんだろう。

例えばその4:連呼は○、政策は×

これが一番びっくりしたが、あの宣伝カーで、候補者名をガナリ立てる連呼は、実はあれしかやってはいけなくて、マニュフェストなど政策の中身を訴えてはいけないんだそうな。つまり連呼以外を放送するのは選挙違反。演説は車を止めてやらなければ選挙違反なんだそうだ。そんなの超マニアック過ぎて誰がわかるか。

例えばその5:当選のお礼で駅頭にたすき掛けで立つのは選挙違反!

えっ!?と思うが、これホント。候補者名の入った襷掛けで「おかげさまで当選する事が出来ました、ありがとうございます」なんて、フツーに聞く風景に思うが、実はコレ、次の選挙の事前運動になるから×。知るかそんな事!

他にもポスターの貼り方とか諸々とにかく超マニアックで、いったい何故?のオンパレードだ。困るのはちょっとやそっとでは何故なのか分からないから、一つ一つ覚えるしかない。ほとんど原理原則と言った法則性がないから、知ってるか、知らないかの世界だ。

知らなきゃアウト。何時選挙違反でパクられるか分からないのだ。小茶漬け食べるのにハシの先っぽ4センチまで使って良いがそれ以上使うと逮捕なんて言うのと同じだ。訳が分らん。先に述べた、候補者名がネット掲示板に出ることが候補者名の掲示に当たるなんてのも、じゃあニュース報道は何故OKかとなると、途端に論理破綻してしまう。

今回の選挙では、公に○○候補者を応援すると言うのは良いが、投票してくれと呼び掛けるのいけないとか。もうね、カンベンしてよと言いたい。やってる方もタマランだろう。

恐らくそれなりに理屈はあるのだろうが、今度はその理屈も別の局面では矛盾し、さらに屁理屈を重ね、繰り返してきて、今や公選法はほとんど迷信の類になってしまったのではないだろうか。

なんで、もっと単純にできないのかねえ。なんか、新人議員が知らずに地雷を踏むように仕組んでるとしか思えないヘンテコリンな制度だ。もう少し分り易くして、人を罠にかけるような事はいい加減やめたらどうだろう。特に今回の選挙では民主党の大躍進が伝えられているが、それゆえか多くの民主党選挙運動員は素人が多いように思う。

おそらく、皆さんのまわりの民主党候補者の選挙事務所で活動している運動員は案外民主党員でもサポーターでもない、普段政治とはあまり関わりのない人々が多いのではないだろうか。候補者を昔から知っているとか、先輩後輩の間柄とか、或いはリタイヤした方々が政権交代を実現したいといった思いで手伝っているようだ。

いわば、本当にボランティアで、旧来の選挙のような見返りを期待している様子は見られない。アメリカ流の草の根支援が芽生えたように思う。ただこれがこのまま続くかどうかは何とも言えない。今は政権交代という歴史的大転換を実現しようとの思いで人々は活動しているようだが、中には利にさとい利権派がすり寄ってきている様子が見受けられるからだ。

政権交代したならば、民主党議員は今までの野党から衆参両院を牛耳る与党となって、これまでとは比較にならない権力を手にする。加えておそらく企業からの献金も10倍以上に膨らむだろう。そうなったとき、これまで自民党を支えてきた利権派層は一斉に民主党にすり寄ってくる。結果今の自民党支持者層が平行移動して同じになるだろう。

こういった人々が民主党にすり寄ってくると、議員から見れば誰がボランティアで誰が利権派かは、いちいち分りにくいから、それまでの純粋にボランティアで民主党を支えてきた人々を駆逐しかねない。特に今回初当選となる若手民主党議員はとにかく勝つ事を優先し、そこまで考える余裕も資質もおそらくないだろう。

すると、知らず知らずに次の選挙では、純粋なボランティア支持者が駆逐され、利権派とは言わないまでも、何らかの見返りを期待したり、間接的に利権に関わるなど、何らかの利によって支持する層に支えられての選挙戦となる可能性は少なくないと思う。

これが、単なるベンダソンの考えすぎ杞憂に過ぎない事を祈るばかりだ。そして夫々の「利」ではなく、政策を支持するボランティアによる選挙が定着する事を祈る。そこから初めてこの国の民主主義が始まるからだ。

今の民主主義は自ら勝ち得たものではなく占領政策で与えられたものだから、てんで民主主義が身について無い。平成維新は政権交代で完了ではない、国民「自ら考え」意思表示し、政権選択を行って、そこからスタートだろう。

杞憂ついでに言うと、もうひとつ気になってる点がある。今回の民主党候補者を支援する人々にはボランティアが多いと言う事は選挙の素人だと言う事だ。ことほど左様に超マニアックなこの公選法は落とし穴だらけだから、素人が知らずに地雷を踏んでいる可能性は大だと思う。

今でさえ、なりふり構わぬ自民党は自分の事を棚に上げて平気で民主党の揚げ足取りに終始している。その彼らが、黙って敗北を受け入れるだろうか。自分の事は棚に上げ、重箱の隅を突っついて、地元警察署長を動かす構図が目に浮かぶ。

田舎と都会の間の地方都市で、このような泥試合が繰り広げられない事を祈るばかりだ。後になって証拠も何も分からないような言いがかりを躍起になって探すような気がするが・・・・。

いづれにしても、もうあと数時間で選挙戦は終わる。ここへ来て民主党の歴史的大勝利と自民党大敗は動きそうもないから、双方堂々と潔く終わってほしいものだ。

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コメント

taka様、 鉄馬様、コメントありがとうございます。

とりあえず、選挙の応援をする前に、マニアックなルールを勉強するしかなさそうですね。

中学のころ、プラスとマイナスの概念を教わったとき、理屈では考えるより覚えろと言われたことを思い出しますが、数学は規則性があるけれど、公選法は風習だからホント大変です。

投稿: ベンダソン | 2009/09/03 00:08

こんばんわ。

ここら辺が、官僚の頭の良いところであり、馬鹿なところでもある、と思います。

全てがそうではないかもしれませんが、その趣旨がなんであるか見失う。手段と目的がごっちゃになり、プライオリティがわからなくなる(または故意に)。

目的を見失わない能力はなんと言ったらいいのでしょう。

佐藤優とか鈴木宗男は「地頭がよい」と言ってますが。

投稿: 鉄馬 | 2009/09/01 23:18

こんにちは。

公選法は,日本の通信手段が狼煙や伝書鳩,飛脚の時代に出来た法律(嘘)なので,
大目に見てやって下さい。
電子投票の試行が行われている中,このガラパゴスのような法律は,
改正が必要と思いますが,さて・・・。

昔選挙のデータが入ったフロッピーを運ぶときは,
「エレベーターを使うな」というのもあった(ようだ)。
変な磁界が生じて,中のデータが改竄されるとの事らしい。
(そんなの売り物にならんよ)

松山千春が(新党大地に対して)歌うのがNGなら,
北島三郎が(政権与党に対して)歌うのはどうだろう。
多分OKのような気がする。
ならば松山千春が(新党大地に対して)北島三郎の歌を歌うのはどうか?
多分NGだろう。歌はプロの中でも相当上手いのだが・・・。

日本の法律の運用は,原理原則がなくて本当に申し訳なく思う。
敢えてあるとすれば,○○な人には適用し,××な人には不問とするところか。
でも適用範囲内で,人により運用の区別するとしたら,
もはやそれは法とは言えないと思う。


投稿: taka_19682002 | 2009/08/30 13:57

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