地位が人をつくり、人を壊す?
地位が人をつくるとはよく聞くコトバだ。実体験上もそうかなと思う。では地位を失ったら?人は壊れるんだろうか。そんな事考えもしなかったが、自民党を見ていると、人は壊れるんだなあと実感してしまった。
選挙で大敗した当初は、まあ茫然自失でパニクっていたんだろうと思っていた。だから訳のわからんドタバタや、民主党攻撃も、悔し紛れもあってのこと、いづれは落ち着きを取り戻し、政策論争を展開してくるだろうと思っていた。
民主党は真面目だが、ちょっとアマチュアで、政策に関しては自民党の方がプロ、ただし根性が腐っているのだと思っていた。
で、大島幹事長といった守旧派っぽいオッサン達が相変わらず牛耳ってるようじゃなあ、と思いながらも、まあ彼らの選択だから仕方あるまい、ほっとけだ。そして一連の鳩山・小沢問題にもアホ丸出しに騒いでいるのも、あのオッサン達じゃ、そんなとこが精いっぱいだろうと思っていた。
でも中には、党利党略だけじゃなく、冷静な自民党議員もいるはずで、彼らは一体どういう考えをもっているんだろうかとも思っていた。まあ人それぞれ好き嫌いがあるので何とも断じきれないが、石場氏、与謝野氏、舛添氏辺りは政策のプロ、知性派・良識派だと思っていた。
ところが、先ず石橋が怪しくなった。論理で相手をたたみかける知性派だと思っていたが、今般の騒動では内容や、推定無罪も何も全く意に介さない、ただひたすら違法だから違法なんだと言うような批判の仕方に、あれ、こんな人だったの?と首をかしげてしまった。
へえ、野党になるとこうも人格が変わるもんかねえと思っていると、昨日のTVニュースで与謝野氏の国会質問が放送されていた。映像があれば一番良いが、見つからないのでこちらの記事をどうぞ。
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2010/02/13/01.html
<引用開始>
鳩山由紀夫首相に対する実母からの資金提供問題に関し、12日の衆院予算委員会の集中審議で自民党の与謝野馨元財務相が、首相の実弟である鳩山邦夫元総務相の証言を紹介し、首相が実母に金を無心していたと追及した。首相は顔を紅潮させて全面否定。与謝野氏からは「ヤクザ」「平成の脱税王」などの言葉も飛び出し、大紛糾した。
与謝野氏は「政治とカネ」の問題を徹底追及する野党のトップバッターとして午前10時すぎ、質問に立った。首相の偽装献金問題に関し、政治資金規正法違反の罪で在宅起訴された元公設第1秘書の名前を挙げ、こう指摘した。
与謝野氏「あなたをかばうためにやった。これはあなたの犯罪だ。最近、ヤクザ映画を見るが、映画のシーンによく出てくる。親分は助かり、子分は警察に出頭する」
首相「ヤクザと同じように扱われるのはいささかと思いますが」
次に追及したのは、首相が野党時代の昨年3月、西松建設の巨額献金事件をめぐり「国策捜査」と批判したことについて。
与謝野氏「検察が不正なことをしているような発言をしたが、自分のことになると検察は正しいと言う。ご都合主義だ」
首相「感情的な高ぶりの中で発言したが、反省した」
与謝野氏「感情の高ぶりで言っちゃったなんて言い訳を政治家がしてはダメだ。政治家失格だ」
追及の手は緩めず、ついに最大の「隠し玉」が登場。首相に対する実母からの資金提供問題に関し、1年半ほど前に邦夫氏から聞いた話を紹介。
与謝野氏「“兄貴はしょっちゅうおっかさんのところに行って、子分に配る金が必要と言ってお金をもらっていた”と話していた。お母様と政治資金の話はしたことがないという答弁をずっとしているが、実際は(話を)しているんですよね」
首相「全くの作り話だ。兄弟といっても信じられない話。母に尋ねていただいてもけっこう…」
首相は怒りで声が震え、顔も紅潮。与党議員席から何度も「総理、冷静に!」の声が掛かると、何とか怒りを抑え、「母に対して金の無心をしたり“子分に配る金をくれ”などと言ったりするわけがない」と反論。それでも与謝野氏は「まさに平成の脱税王だ。そんな人が首相の座に座っていることがおかしい」と畳み掛けた。
邦夫氏は予算委員会でのやりとりを受けて午前11時半ごろ、記者団に「1年半か2年ほど前、母から“お兄さんは子分を養うためにお金が大変いるということだけど、あなたは子分がいないからいらないわけ”との電話を受けた」と述べ、「兄の答弁は間違っている」と批判。ただ「(資金提供依頼は)兄が言ったのか、秘書が言ったのかは知らない」と強調した。
<引用終わり>
国会議員には憲法によって免責特権があるので、何を発言しても議会の中であれば責任を問われない。とは言え、これは無いだろう。そもそも知性が感じられない。国会の質問と言うより、オッサン達の飲み屋のケンカだ。
これが、町村氏とか菅氏が言ってる分には、もともとまあ、そういう人なんだろうと思うが、あの理論派の与謝野氏が?と、目が点になってしまった。与謝野よオマエもかってなもんでガックリ来た。与謝野氏は元々こう言うキャラだったのだろうか。
別に拙ブログは与謝野氏だけを責めているのではない、今の自民党の体たらくぶりに呆れているのだけれど、与謝野氏は理論派・知性派だと思っていたので、他の自民党諸氏よりもギャップが大きすぎてたまげたのだ。与謝野氏といえども今の自民党はこんなもんですよと言われれば、そうですかと納得せざるを得ない。
これが彼ら自民党の真の姿だとするとだとすると、自民党と民主党による2大政党政治を望むなんて、私はエライ勘違いをしていた。拙ブログへ珍県民様がコメントいただいたように、早晩自民党は消滅し、絶対多数の民主党が分裂して二大政党となると見た方が現実的な気がする。
もっとも、こう言う予測は拙ブログでも以前からしてはいたが、それは以前の自民党に心底失望していたからだ。チョイ逆説的だが説明しよう。政権交代後は少しまともになるだろうと思っていた。だから個人個人が持っている能力は民主党各人よりも高く、心を入れ替えれば、アマチュア民主党よりもすぐれた政党になるだろうと思っていたのだ。
それがこの体たらく、まあ、自民党は野党慣れしてないと言うのもあるのだろうが・・・にしても、ダメだこりゃ。地位が人をつくると言うが、与党と言う地位はこうも人を造り、壊すものかと、たまげているベンダソンの独り言でありました、と。本日これにて、ふう・・・。
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コメント
bontono様、コメントありがとうございます。
ご心配いただき、申し訳ありません。
単なる、サボリです。
とにかく、超多忙を極め、どうにか山を越しましたので、少しだけ更新しました。
ご笑読いただければ幸いです。
投稿: ベンダソン | 2010/03/02 00:06
ベンダソン様
ブログの更新がされていないことを心配しております。
大丈夫ですか?
ただお忙しいだけのことを祈っています。
投稿: bontono | 2010/03/01 12:44
○SS様、コメントありがとうございます。
とにかく自民党は古い。その一言でしょうね。
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○ぷにょ様、コメントありがとうございます。
>3の倍数ならぬ野党の時だけ馬鹿になるのは日本の政治家の宿命なのか。
⇒ならいいんですが、ホントにバカなんじゃないかと思います。
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○やきとり様、コメントありがとうございます。
>それにしても政策論議で勝負するのでなく、あくまでスキャンダルで政敵を叩き潰そうというさもしい根性が抜けない限り、二大政党制はおろか自民党はこのまま消滅するしかないでしょうね。
⇒その可能性大となってきました。そう思うこのごろです。
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○k_yan様、コメントありがとうございます。
>新聞社や通信社なのである。ネット自体が第一次情報の取材体制を持っているわけではない。』と力強く仰っています。・・・???
⇒ぷはは、ホントに???ですね。恣意的報道が問題視され、客観的事実がネットで流れているのに、論点を外れて一部の優劣を比較して何の意味があると言うのか。ま、こんなもんでしょ。
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投稿: ベンダソン | 2010/02/16 16:32
yosano no sirinugui wo yorokonde hikiukeru yatura wo mita. koukyou no denpa wo sibutuka siteirunzyanaino? sawayakana nitiyoubi ga mata konsyuumo minikui nitiyoubi to natta.aa fukenzen.
投稿: 匿名 | 2010/02/14 22:08
ペンダソン様こんにちは。
私も例の中継をちょっと観ました。だが、またしても目眩を覚えてしまったものですからたまらず電源を落とした次第です。
で、『政治と金』・・・怪しい金(スキャンダル)ネタで政敵の足を掬おうとするのは一向に構わないのだけれど、利権屋の権化みたいな自民党・・・アンタが言ってだいじょうぶかしら? 自分からせっせと墓穴を掘っているようにしか私には見えないのだけれど・・・?
これって、てんで勝ち目のない相手に「オマエのかあちゃんデーベーソ」と精一杯の負け惜しみを言っているまるで○◯みたいで、なんとも遣る瀬ない思いを禁じ得ない今日この頃です。
余談ながら、先達て小沢氏不起訴に関する検察の記者会見がひっそりと行われましたが、例のごとく密室でコソコソと、しかも御用記者達だけを侍らかせたその挙げ句に、「言えない」「言わない」「コメントしない」「お答えを控えたい」・・・と御用記者達の阿り諂う質問にさえほとんどまともに答えていないという呆れた無責任ぶり全開であったそうな。ただし、検察の威信を保つための精一杯の虚勢「心証は真っ黒」という決め台詞だけは最後にしっかりと言い放ったというイヤラシさ。
驕れるコイツ等(政治屋、検察、記者仲良し組)久しからずや・・・。
追伸:『記者クラブ制度』擁護派の守旧派とされる政治ジャーナリスト花岡信昭氏(元産経新聞論説副委員長、日本の新聞社で戦後生まれの政治部長第1号)は、ご自身のブログ、某コラムや対談で、『記者クラブ制度は国民の知る権利を担保している・・・以前は、記者クラブを「親睦組織」と規定していたのだが、それを「公的機関の情報公開、説明責任という責務」と、メディア側の「国民の知る権利を担保する責務」が重なりあう場に位置するといった表現に改めた。』『記者クラブに安住して、公的機関が垂れ流す情報をそのまま報道している「横並び体質」を批判する向きもある。これも実態とは違う。記者クラブで発表ものの記事ばかり書いていて仕事している気になっているような記者は、いまや淘汰されつつある。経営状況が厳しいメディアがそういう記者に高給を与えていてすむわけがない。』『ネットの時代になってもメディアの重要性は変わらない・・・「ニュースはネットで見るから、新聞はいらない」という声も少なくないが、これも重大な事実誤認だ。ネットにニュースを提供しているのは、新聞社や通信社なのである。ネット自体が第一次情報の取材体制を持っているわけではない。』と力強く仰っています。・・・???
投稿: k_yan | 2010/02/14 17:33
こんにちは。与謝野さんの下卑た質問(質問ですら無いけど)には私も呆れました。改めて全体を眺めてみて、振付師がいるにしても、冷静な与謝野さんがよくもまああんな下品な芝居に易々と乗ったもんだと感心してしまいました。ベンダソンさんが仰る通り、慣れない野党暮らしは人格まで変えるのかもしれません。
それにしても政策論議で勝負するのでなく、あくまでスキャンダルで政敵を叩き潰そうというさもしい根性が抜けない限り、二大政党制はおろか自民党はこのまま消滅するしかないでしょうね。いやはや困ったもんです。
投稿: やきとり | 2010/02/14 14:50
>野党になるとこうも人格が変わるもんかねえ
つくづくおっしゃるとおりですねえ。
与謝野氏が割り当てられた時間の中でどの位政治スキャンダルが占めているのかわかりませんが大半をそれに削っていたなら人格が変わったと解釈して問題ないレベルでしょう。
しかし、これは選挙前の民主党の野党時代の政治手法を学んだのかもしれません。反対していれば政権がとれる。先日某氏がおっしゃっていた「まとものことを言っていたのでは政権は取れない。」発言。3の倍数ならぬ野党の時だけ馬鹿になるのは日本の政治家の宿命なのか。
リーマンショックの折に与党に協力を惜しまないといったイギリスの野党と与党の責任だと協力を拒んだ日本の野党。この政治姿勢に目をそむけていた日本国民自身の姿が与謝野氏に現れたと感じざるを得ません。
投稿: ぷにょ | 2010/02/14 09:01
はじめまして。こんばんは。年末か年始に観たNHK番組(忘れましたすんません)で細川内閣が誕生した際、自民党はなんでもよいからスキャンダルネタを探し出して政権を揺さぶれということをしたそうで(確か野中発言)、その走狗として動いた一人が谷垣でした。まあ同じ戦法なんですね。小沢のインタビューもあり、彼の構想は当時から一貫して「55年体制の解消。2大政党による切磋琢磨。」でした。対抗する政党がなければ自分が作ることも触れていたと思います。この番組探さなきゃ。。
投稿: SS | 2010/02/14 00:55