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2010/03/18

クライメート・ゲート事件と温暖化真偽説の不思議(3)

さて続き、ともかくも温暖化している現象とCO2が温室効果ガスである事は、いづれも否定しえない事実である。なのに温暖化懐疑派の論理は、近年地球が温暖化している現実を論点とはぜず、大昔にも気候変動があったとか、原因は人為的ではないといったことばかりである。

■温暖化が問題なのに

現に温暖化している事実に対しても、やれ自然現象だの太陽の黒点運動の関係だから問題ない、といった主張をしているが、自然のサイクルだろうがなんだろうが温暖化が問題なのである。そんな訳で今起こっている温暖化を論点とするものは、私の知る限り見た事が無い。

■リベラルな懐疑派?

それと、もうひとつ注意したいのは、温暖化懐疑派は概してリベラルな雰囲気であると言う点だ。温暖化の論議にはそんな事はどうでもよいことだけれども、リベラル(に見える事)へのこだわりがあるように思う。

■状況証拠

これはあくまでも私の主観であるが、ネットをくぐると温暖化懐疑派は概して、反権威・反権力的な方が多く、それゆえなんだろうか、温暖化懐疑の論拠は、誰がCO2削減で儲かるとか、どこそこの陰謀であるとか、温暖化の真偽判断の根拠にはならない状況証拠的な事ばかりを挙げている。

クライメートゲート事件も、その典型であり、温暖化現象を否定する論拠としているが、温暖化現象そのものの真偽を論じるものにはとんとお目にかかれない。多くの温暖化懐疑派のブログは、カリスマ的な人の言説をそのまま鵜呑みにして、あたかもそれが自分の見解であるかのように述べているものがほとんどに見える。

■体制否定する事が目的化

拙ブログを開設した当初、耐震偽装事件を扱った事がある。世を挙げてヒューザー初め関係者バッシングが始まった時、その論理のおかしさを指摘し、やがて被害者バッシングに変わる事を予測したらその通りになったが、その時幾つかの有名ブログに拙ブログが絶賛された。

ところがその後、温暖化問題や原発問題を取り上げると、リンクも外されトラバも拒否された事は一つ二つではない。そこから感じ取れるのは、真実の追求ではなく、定説とか権威あるいは体制に対する否定であり、否定する事が目的化しているように思えてならない。要は全然中立ではなく、答えが先にありそれに凝り固まっていて、議論が出来ないのだ。

■個人ブログはしがらみ無いハズ

個人ブログは、商売ではないから何のしがらみもないハズだ。だから何が大事か、何が真理かを求めるならば、その論点に対してストレートに検証すればよいと思う。右も左もなけれな、保守も改革もない。ある論点では反体制が正しければそれを支持し、別の論点では権力側に理があれば支持すればよいと思う。

■理解不能な価値観

中立を装っていながら、常に反体制的な意見を言うのは、左巻きと言われても仕方ないだろう。特に地球温暖化問題のように人類全体に関わる問題を考えるときに、誰が儲かるとか、どこそこの陰謀であるとか、権威を信じるな、といったような本質に関わらない価値観を持ち出す人々がいるが、一体彼らのプライオリティはどこにあるのかまったくもって理解不能だ。

■しかるべき学会に発表したら

人類全体に関わる問題に、そんな価値指標を持ち出して一体何になると言うのか、一体何を言いたいのか、どうして欲しいのかサッパリ分からない。自分の理論がこんなに優れているとでも言いたいのだろうか。ならばキチンと査読論文にしたため、しかるべき学会に発表し、専門家同士のディスカッションをすれば良いではないか。

■市井ブロガーの場合

そういった専門家でもない我々市井のブロガーが、こうした温暖化問題を扱う場合は知りえた範囲の情報で自身の知力で判断し見解を述べる事になる。学会に発表するわけでも、有料でもないから、特にそこに文責云々はあまり問題とはならないだろう。

■自分の判断

とは言え自分の意見を世界に発信するのであるから少なくとも自分の判断を表明すべきだろう。その判断は先に述べたように全て100%自分の見解である必要はなく、信用できる専門家の見解を、評価する根拠を示してならば、提示するのもアリである。

■他人の見解が自分の見解

問題は、さしたる根拠もなく、有名ブロガーの記事だからと信用したり、リベラルだからと信用してしまい、それをあたかも自分の見解のように錯覚してしまうことである。勿論拙ブログとて例外ではない。ベンダソンのファンだからと言って、拙ブログの主張を鵜呑みにする必要は無い。

■絶対ではない

一連の温暖化問題に対する拙ブログの主張は、ベンダソンが知り得る範囲の知っている知識に基づいて、自己の問題意識で論点を整理し、評価した結果である。当然に知らない事で新たな真実が分かれば、考えも変わる可能性はある。絶対ではないのである。

だが、それは「現在温暖化していない」と言う新たな事実が分かった場合や、CO2が温室効果ガスではないあるいは、温暖化は人類に害が無いとなった場合だ。例えば、先に述べた水蒸気を例にとろう。

■水蒸気

水蒸気はおそらく最大の温室効果ガスであるかもしれない。しかしこの濃度は気温に大きく左右される事は中学校レベルの知識でも分かる。つまり飽和水蒸気量は温度とともに増加する。そしてここ20年間の衛星観測データでは、地球の水蒸気濃度は、気温上昇にも関わらずほぼ5割で安定しているという

たった20年間の観測データでは断定できないし、水蒸気量が人為的に変化する程度の量ではない事はいちいち観測データを見なくとも常識で分かる事だろう。要するに科学的には水蒸気に温室効果がある事は分かっているが、人為的ではないし、気温とともに飽和水蒸気量が変わるので地球温暖化現象の原因とは断定できないのではないかと素人ながらに思う。

■バカ丸出し

つまりよく分からない。良く分からないモノはしかるべき専門家の間で定説となるまで待つしかあるまい。素人が自分でも分からない事を論拠にあれこれ議論したところでバカ丸出しだろう。

以前、原発は水蒸気を出すから温暖化を推進すると反論してきたた有名ブロガーがいたが、これなどその典型だ。原発も火力発電も蒸気タービンであり、何故原発だけが水蒸気を出すと言うのか。排出される水蒸気量が大気中に占める割合が、いかほどなのかも分からずする主張には唖然としてしまった。

■否定しえないCO2の効果

分かるのは水蒸気濃度が人為的ではない事は明らかだから、もし水蒸気が地球温暖化の原因だとしたらたぶんなすすべが無いだろうと言うのは分かる。そしてもう一つ。そうであってもCO2がかなりの温室効果を持っているのも事実。もし違うならば、根拠を示して反論をいただきたいものだ。理にかなったものならば拙ブログは明日から考えを改める。

だがおそらく出てくる反論は、やれメタンが温室効果があるとか水蒸気云々といった論点がずれた反論だろう。

■学術理論ならば学会に発表したら?

CO2が温室効果ガスとして大きく機能しているならば、CO2削減に努めるは自明の理だろう。勿論CO2が温室効果をもたらしてはいないと証明されれば別だ。ある人はネットでCO2の吸収する波長帯が飽和しているからCO2濃度を下げても温暖化防止にはならないと主張されていたが、そう思うならば人類はトンデモ無い間違いをしている事になるから、是非とも査読付き論文にして発表し、専門家を論破していただきたいものだ。

人類に関わる重大な事実を知っていて、それをブログで発信するだけと言うのは逆に未必の故意で人類の危機を造っているようなものだ。それをせずに、いかにも学術的な雰囲気を出して地球温暖化を否定し続けるならば、社会に害をまき散らすただのイカレポンチと認定せざるを得ない。

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コメント

このブログを拝見しまして、まず思ったことは、「現在の体制に反対するものに反対する」ことを目的としているのかなということです。
この温暖化真偽説の不思議という記事に関しまして、あなたがたいした知識をお持ちで無いように思われてならないのです。
斯く言う私も大した知識を持っているわけではないのでございますが、あなたの主張のひとつでございます、「論点は今現在の気候変動」という点につきまして、特に納得できません。
長い目で見た気候変動、及び、仮に現在地球温暖化が進んでいるとしても、それが人為的なものなのか、或いは自然現象であるのかは大いに論点になり得ます。
人為的な地球温暖化であれば、この先人類の活動がなくなるまで地球温暖化が収まらない可能性がありますが、自然現象であれば、当然寒冷化する可能性も大いにあるわけです。
さらに歴史上で気候変動が繰り返されているのであれば、その原因を温室効果ガスに結びつけることが不可能であるとは思いませんか?
例えば中世の温暖期が挙げられる訳ですが、中世に温室効果ガスがどれほど排出されていたでしょうか?
このように考えると、温暖化が人為的なものだというのには少し証拠不足であるように思います。
よって、太陽の活動や地軸の傾きの変化によって気候変動が起こるなどとする、地球温暖化が自然現象によるものであるという説の方が説得力があります。
さて、あなたが主張している「今現在起きている地球温暖化にどのように対処するか」という問いに関する答えですが、それは人間がどうにかできるものではない、と考えるのが自然でしょう。
CO2温暖化説が証拠不足であるとすると、我々が必死になってCO2を減らす意味はありませんよね?
では何故世論はCO2削減に必死になっているのでしょうか。
勿論、原発やオール電化を推進できるからでしょう。
もし原発などが本当に安全なら問題ありませんが、原発の危険性は歴史が証明済みです。
さらに作家の広瀬隆氏は、原発を冷却するために海水を使うことに起因する、海水の温度の上昇を指摘されています。
CO2削減が我々の生活を脅かすのであれば、我々はCO2削減を目指すべきではありません。
あなたはCO2がかなりの温室効果をもつと仰いますが、その根拠が知りたいものです。
さらに貴方はクライメートゲート事件と地球温暖化の事実は関係が無いといいますが、クライメートゲート事件に関して、最も重要な事実はデータの捏造です。
ニュージーランドの平均気温が、人為的に調整されていたことをご存知ですか?そのほかにも、アメリカで測定された気温の90%は正確ではないデータ(地面からの距離、日陰などの決まりが守られていないデータ、中にジェット機の噴出口に取り付けられたものもあるといわれている)であると知っていましたか?
クライメートゲート事件以後、これらのことが証明されているのです。
にもかかわらず未だにこのような無知蒙昧な記事があるとは、にわかに信じられません。

投稿: IyyTR | 2011/05/15 11:28

○皆様、コメントありがとうございます。
多忙故、まとめてのレス御容赦ください。

先ず、単に思いつくまま書きなぐったものなので、大作なんて言われてしまうと、穴を掘って隠れたくなります。

それはさておき、拙ブログの主張は再三述べていますように、温暖化の原因は論点ではありません。現に温暖化現象が起きていて、温室効果ガスのうちかなりの影響を持つのがCO2であり、コントロールできそうであるから、これを減らすべきと言うのが主張。

従って他の原因説を否定しませんし、原因が何か分かっている方は是非ともその根拠を示して広く啓蒙してほしいと思っています。

取り急ぎ、よろしくお願いいたします。

投稿: ベンダソン | 2010/03/24 18:06

そうですね、ぷにょさまの言われるとおり、並大抵ではないですよね。でもなぜそんなにしてまで「不思議」を主張されるのか。他にお仕事もされているでしょうに。単に「懐疑派」を説得したいがためなのか、それとも懐疑派狙いのように見せて、実はどちらでもない人を「真実派」にしたいのか。まぁ、後者かな。
私なんかは疑ってはいます(懐疑派?)が、別に「真実派」を説得しようなんて思いません。機会があって議論を交わすことはこの場のようにあるかも知れませんが、所詮言葉ゲームの類にしかならないこともわかってます。でもこの3回続けたこれはもう「大作」ですよね。普通の仕事をされながら、これだけの資料を集め披露されている。それはそれで感服です。
私は以前ヤメ検の弁護士のブログで、植草さんのことについて今回のようにエントリとコメント、という形で議論を交わしたことがありました。でもその人はこちらが何を言おうと一向に耳を傾けない。「検察が正しく、氏は罪を償うべし」一辺倒で、氏を悪者にしたくて仕方がない感じを受け、あげくこっちまでおかしい人間扱いされそうになったこともあり、ばかばかしくなり議論をやめた。今回はその時感じた感覚に似たものを感じてます。率直な感想です。

「CO2による温暖化」は、これは事実かどうかはともかく、世界を事実上統治する人々(今まで統治してきた人々、といってもいいかも。今後変わる可能性が出てきたから)が、「これを問題化して経済を浮揚させる」と決めたことです。つまり「CO2による温暖化」ありき。ただそれだけ。だから真剣に議論するなんてばかばかしく、所詮「言葉ゲームの類」程度なことだとおもう所以です。
ちょうど今朝、世界を統治する側の民衆洗脳役マスコミから出たじゃないですか、「原発14基を新増設…エネルギー基本計画原案」ってニュース。懐疑派が何を主張しようとも、決めたことに向かって進むだけ。

ただね、この「CO2による温暖化防止」は、どこでも起きる「新興勢力」VS「旧主派」という争いが地球レベルでもあり、その地球レベルの主導権争いの中、「旧主派のカード」としてだされている、とも言われていて、私はそれを「なるほど」と思っています。いつの世も、「旧主派」の無理な既得権保護は、世の中に歪みを生むものです。それでもこの既得権者の悪あがきでペンダソンさんの言われるとおり温暖化が収まればまだいいですがね。「地獄への道は善意で舗装されている」、すべては金ですよ、カネ。

投稿: たなか | 2010/03/20 08:36

ペンダソンさん、こんばんは。
CO2による温暖化(異常気象)予測が「予言化」したことが問題ですね。予言者はいつの世も人々の心を支配し、巨大な利益を得ます(排出量取引など)。原発推進に至っては本末転倒・言語道断、人類の危機を増大させるだけです。
できることは不確定の異常気象研究を深耕させながら、現況の燃焼系エネルギーの節約と自然系エネルギーの開発を最優先で推進することです。
東芝が白熱電球からLED電球に切り替えるようで、多分莫大な電力節約が可能かと思います。

投稿: ペンタクロス | 2010/03/19 18:33

大作お疲れ様です。

ほかのブログを見る限り、数週間の下準備を経て公開しているようですがたった数日でここまで書きあげるのは並大抵ではできません。感服いたしました。今でも手に職を持ちながら卒論を書きあげるパワーでも持ち合わせてるのでしょうか。私に真似できるものではないですね。

それで本題ですが温暖化の原因はまだわかってないのが本当です。なぜなら氷河期がおこるメカニズムが確定されていないのです。間氷期にCO2が増大しているにも係わらず気温が急激に下がり、何万年もの氷河期に突入するのですがその理由は誰も説明できていません。その逆もしかりで、なぜ現在間氷期なのかも確定されていないのです。つまりCO2犯人説は現在仮説であり、実証されたケースがないのです。科学とは仮説をもとに実証されて初めてそれが理論となり、初めて社会的効力を発揮するのです。一般相対性理論も同じ手順を踏んでいますが今回は実証されていない仮説のみで社会的を及ぼす形になっており、過去の気温変化では今の仮説で説明できず、破綻しています。
CO2濃度を変えた大きなバルーンをいくつか雲上に上げ、内部の気温変化をモニターするなどさまざまな方法で検証する必要があります。なにせ、推進派の中でも気温上昇のメカニズムは諸説あり、固まっていないようです。
いずれにせよ、早急に実証を行って推進派懐疑派ともどもの諸説を排除し、本当の理論が社会的効力を発揮できるようにすることが地球規模の対策を組める唯一の方法です。

1900年頃物理学会の一人は物理の解明は最終段階に来ていると言っていたそうです。万有引力ができ原子の構造が解明され、物理学者は次の職を探すような気運があったみたいです。ところがちょっとすると相対性理論、量子力学が生まれ、不可解な現象が次々発見され、物理学はあっという間にわからないものだらけの分野になってしまいました。これは一例ですが、学会や権威が常に正しいと考えるのは間違いで、定説は常に覆うるものと心しておくものかと思います。

本当に恐ろしいことは氷河期がなぜ、いつ起こるのかわからないことです。ご指摘のように寒冷化は人類には防ぎようのないやるだけ無駄な問題で、行えるのは対処療法のみ。寒冷化の中、どうやって食料を確保するか、エネルギーを確保するかです。ここで疑問に思うのは、寒冷化の場合は対処療法で温暖化の場合は根本治療になるのかということです。しかもその根本治療は成果が実証されていない臨床試験です。しかも国によってばらつきがある壮大な実験です。はたしてこのような臨床実験を自分の体なら受け入れられるでしょうか。早く解明してほしいものです。

投稿: ぷにょ | 2010/03/19 13:07

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