救われない冤罪犠牲者
超多忙で、ブログ更新をさぼっている間に、すごく気なる事件の公判があった。郵便不正事件に絡み、偽の障害者団体証明書を発行したとして虚偽有印公文書作成罪などに問われた厚生労働省元局長・村木厚子被告の事件がそれだ。
またもや検察の暴走による冤罪事件の匂いがプンプンだ。民主党議員をやっつけるための生贄の様相が最初から臭おう事件だと思ったら、案の定と言う感じだ。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100303-OYT1T01021.htm
<引用開始>
元局長の部下、調書「やむを得ず署名」…郵便不正
郵便不正事件に絡み、偽の障害者団体証明書を発行したとして虚偽有印公文書作成罪などに問われた厚生労働省元局長・村木厚子被告(54)の公判が3日、大阪地裁であり、当時部下だった北村定義・元企画課長補佐(61)(退職)が証人出廷した。
北村元課長補佐は、村木被告の指示を認めた供述調書について、「記憶にないことが書かれていたが、検事に『特捜をなめるな』『1泊か2泊していくか』という趣旨のことを言われ、やむを得ず署名した」と証言した。
検察側の主張では、北村元課長補佐は2004年2月頃、企画課長だった村木被告の指示で、自称障害者団体「凜の会」元会長・倉沢邦夫被告(74)に、証明書発行の担当者を紹介したなどとされる。
北村元課長補佐は公判で、「記憶にはなかったが、検事から『倉沢被告があなたの名刺を持っていた』などと言われ、そういうこともあり得るかなと思った」と調書に署名した経緯を説明。最近になって、別の検事から倉沢被告が名刺を持っていなかったと知らされたことも明らかにした。
(2010年3月3日22時34分 読売新聞)
<引用終わり>
『特捜をなめるな』『1泊か2泊していくか』か・・・、可視化を嫌がるわけだ。検察が可視化を嫌がると言う事は真実を嫌がると言う事に他ならならず、冤罪をでっち上げられにくくなるからと思われても仕方あるまい。
真実が守られ、正義が通り、正直者がバカを見ない社会はいつになったら来るのだろうか。検察諸氏の良心に呵責は無いのだろうか。TVでは毎度のように検察OBが国破れて正義アリなんて言ってるが、良くも恥ずかしくもなくと思う。いったいどういう神経なんだろうか。
昨年、起訴した小沢幹事長の大久保秘書の裁判でも、同様に検察側の証人が、起訴の要となる政治団体の実態について活動実態があると証言してしまった。このところの検察の民主党に関連する暴走振りは目に余るように思う。
村木元局長の起訴にしても、当初取りざたされていた民主党議員の名はいつの間にか報道から姿を消し、今や単なる〒不正として報道されているが、もとは盛んに民主党議員が仕組んだと言うような報道だったはず。
いづれも異常なまでの民主党の狙い撃ちだが、どれもこれもハッキリ言って検察の大失態を演じている。分からないのは、何故こうも検察は民主党、特に小沢氏の近辺を狙い撃ちにするのだろうか。ここまでいい加減な冤罪まがいの起訴が続くと、いくらそうじゃないと否定しても、こうした事実の前では強弁に過ぎない。
それにしても、この村木被告、局長と言う超エリートの地位と次官になるやもしれない未来を潰されてしまったが、無罪となった場合に、復活できるのだろうか。仮に復職できたとしても、もう次官の可能性はないだろう。
そうした場合、一体だれが責任を取るのだろうか。検察は何があっても責任は取らない、それどころか、一旦起訴すると、何が何でも有罪にするため、重箱の隅をつついて、何もなければ、むりやり塗料が剥げるほどほじくり出し、微罪で有罪にもっていくと言うのが、ここ数年目にするパターンだ。
ハッキリ言って冤罪は検察の犯罪だ。そして法治国家と称して罰せられない犯罪だ。歯止めが利かない。制するものは検察諸氏の良心しかない。もしも冤罪が多発するならば、検察諸氏に良心が無い事を意味する。
人の罪を問う強大な権力を持つ者が、良心を失い権力に胡坐をかいているならば、この国には救いが無い。
村木氏、大久保氏の判決は一体どうなるのか、興味が尽きない。そしてこれらの事件を今後、マスコミがどう報道するのか、これまた興味が尽きない。
本日これにて。
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コメント
○鉄馬様、コメントありがとうございます。
昨日の公判でも石井議員が証人出廷し、会っていたとされる日時のアリバイが明らかになり、検察のずさんなストーリーがバレたようです。ご指摘の結果が正常な予想かと思われますが、狂った司法にそれが通るか、これは見ものです。
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○BB様、コメントありがとうございます。
>マスメディアによる権力監視の欠如に尽きると思います。
⇒おっしゃる通りです。ジャーナリストの上杉氏がなげいているように、マスメディア自信が記者クラブと言うカルテルを結成し、言論封殺をおこなっているのですから、話になりません。ツイッター初めネットがこれを変えるしかなさそうです。
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○ペンタクロス様、コメントありがとうございます。
>「シナリオ遂行能力の高さ」のようですね。
⇒その通りなんですが、そのシナリオ事態がこうもズサンでは話になりません。
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○しま様、コメントありがとうございます。
おっしゃるとおりで、言い方を変えれば、全く論理に無頓着と言う事かと思います。ご都合主義というのか、根本的なところにホント無頓着で、枝葉の議論が多すぎです。
投稿: ベンダソン | 2010/03/05 12:05
こんにちは、はじめまして、
この問題は、日本人に根付いていないとされる「法の精神」、「近代的法意識」なるものが、法曹界でさえ、いえ法曹界こそ欠如している。そういうことが根本にあるのではないでしょうか。
小生も冤罪というものは、基本的人権の観点から、絶対に許容することができないことであると考えます。
そして、法治国家というのならば、権力が、憲法【権力への命令≒制限規範性∴人権侵害は絶対に×】に対して忠実でありさえすれば、極力防げることである、と考えられます。
法律というものは、憲法に違反しない限りにおいて有効なのですから、冤罪という人権侵害の最たるものを許容している社会というのは、つまりは、憲法違反をしていることになり、それであるのならば、当然法治国家とは認められないでしょう。
↓憲法は国家権力への命令
http://botugo.no-blog.jp/asia/2007/02/307__a0f4.html
失礼いたしました。
投稿: しま | 2010/03/05 01:17
ペンダソンさん、こんばんは。
検察の〔有罪/起訴〕率99%というのは、どうやら「捜査能力の高さ」というよりは「シナリオ遂行能力の高さ」のようですね。
「検察に限って裏金はない」というのも笑っちゃいます。ひょっとしてマスコミ対策に使われているのかも?
投稿: ペンタクロス | 2010/03/04 19:52
「誰が責任を取るのか」
まさに問題の核心を突いた質問です。かつての関東軍と同じ構造が維持されている最大の原因は、マスメディアによる権力監視の欠如に尽きると思います。
今回の政権交代を「革命」と呼ぶ人たち方が識者にもいますが、「官僚組織が権力の実体」であることになんら変わりはないわけで、「似非革命」というしかありません。今回の政権交代が民衆不満のガス抜きに終わらなければいいのですがね。
投稿: BB | 2010/03/04 17:22
こんにちは。
わたしは裁判所がどうでるか見ています。
「一審無罪で、検察の控訴棄却」、で終わって欲しいです。
投稿: 鉄馬 | 2010/03/04 12:56