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2010/09/21

天に唾した小沢外しロジック

菅氏らは、「政治と金」で小沢氏に勝ったが、これがそっくり自分達に返ってくると考えなかったのか。本当に小沢氏に「政治と金」に関する犯罪があったのならともかく、検察の尻馬に乗って身内の足をひっぱってしまったからには、同じ事が自分の身にも起こると考えなかったとすれば不思議なメンタリティだ。

勝つ事を優先したい気持ちは分からんでもないが、これじゃあ、単にソーリや閣僚の椅子が欲しかっただけじゃないか。もし三日天下に終わってしまったら、名誉もクソも無い、ただの笑い者である。

確たる疑惑もハッキリしないのに、検察が動いたと言うだけで身内の責任を追及しておいて、それが明日の我が身とは考えなかったとすれば、これではお前のかーちゃんデーベーソと、罵り合う兄弟喧嘩じゃないの?今更手遅れだけど、もう少し先を読めないもんかねえ。

民主党内の小沢批判は、「政治と金」だ。なぜならば、批判勢力がそう言っているからだ。検察が起訴出来なかった事で疑惑の検証がされクリーンさが証明されたと言うと、これに反論できない人々は「政治と金」から話を逸らすが、過去も現在も「政治と金」で小沢批判がなされているのは動かし難い。

最大の問題は、このロジックを外部ではなく民主党内部で言っている事にある。当然に小沢氏の容疑をキチンと知っていて、その上その容疑で小沢氏が取り調べを受け、それでも起訴されなかった事も承知の上で、現に代表選において「政治と金」を持ち出して来たからだ。この事実は消せない。

では、この事がどういう意味を持つのか考えていただきたい。外部ではなく民主党内部から持ちあがった「政治と金」の批判であるから、今後、民主党の議員に同様の嫌疑がかけられた時、同じように対処しなければならなくなったと言うことだ。

小沢氏の場合は推定無罪を無視して、意味不明な政治的責任だとか道義的責任とかを求めていて、他の議員の場合は推定無罪などと言ったならば、党の信用はガタ落ちだろうし、分裂しなければおかしくなってしまう。

秘書が逮捕された事の内容を吟味することも、言い分を聞くことも無く、幹事長を辞任せよと詰め寄ったのが、他ならぬ民主党内部なのだから、同じ事が他の閣僚に起きれば辞任せざるを得ない事は明らかだろう。

では、菅内閣の各閣僚は、その様な事になった場合に完全に言い返せるほど潔白を証明できるのだろうか。これは何も民主党議員に限った事ではない、全国会議員のうちはたして何人が、何らかの嫌疑をかけられ、家宅捜査や事情聴取された上、次々疑惑をリークされても、小沢氏のように説明し、起訴を免れ得るのかだ。

言っておくが、小沢氏の容疑は贈収賄とか使途不明とかではないのだ、単なる収支報告書への土地取引の記載時期のズレなのである。言わば書類の記載ミスの話なのだ。こうしたレベルのイチャモンはいくらでも付けられる。

そしてこうしたレベルを罪として、人をとっちめる気になれば、いくらでも起訴出来るはずだ。現に先月末頃、仙石氏は政治資金を、長男側へ支出し320万円ビル家賃に当てた疑いがもたれたが、あれはいったいどうなったのだろうか。とりあえず、概要を知るため少し古いがゲンダイネットから引用しよう。

http://gendai.net/articles/view/syakai/126135

<引用開始>

陰の総理 仙谷官房長官 事務所費スキャンダル

【政治・経済】

2010830日 掲載

「長男の会社に320万円」は序の口

 民主党代表選の最中に、とんでもない爆弾が破裂した。朝日新聞が1面で大きく報じた仙谷由人官房長官(64)のスキャンダルだ。他紙も一斉に追い始めた。菅陣営は、小沢前幹事長の「政治とカネ」問題を攻めたて、世論を味方に引き込む作戦だったが、自分の尻に火がついた格好だ。

民主党代表選を左右すると永田町大騒ぎ
 官邸の主である仙谷官房長官は、いまや事実上の首相である。党内融和を望んだ菅首相の尻をたたいて「小沢排除」を進め、今回の代表選でも菅陣営を引っ張っている。「小沢なんて民主党から追放すればいい。マスコミも世論もこっちの味方。離党しても、ついていくのは数人だ」と豪語しているとも伝えられる。
 そんな絶頂期の「陰の首相」にスキャンダルだから面白い。
 朝日新聞が報じたのは、仙谷が長男(36)の経営する不動産会社に、3つの政治団体から320万円を支払っていたというもの。この長男は東京・新橋のビルで司法書士事務所をやっているが、その事務所(約100平方メートル)の中に、くだんの不動産会社に加え、仙谷の弁護士事務所、仙谷の3つの政治団体も同居している。しかし、政治団体の専用スペースも電話もない。それなのに「人件費」や「事務所費」名目で320万円を支出したのは、「長男側の経費を政治資金で補填した疑いがある」というわけだ。
 朝日の記事は触れていないが、この長男の新橋の事務所には、前原グループ(凌雲会)の事務所も置かれている。代表者が仙谷、会計責任者が枝野幹事長だ。
「この前原グループの事務所費をめぐっても奇怪な話があるのです。主たる事務所にしているのに、年間5610円しか支払っていない、おかしいと週刊誌などで騒がれたものです」(政界関係者)
 ま、たかが320万円。オヤジが息子の事務所経費をちょっと援助しただけといえば、騒ぐことでもなさそうだが、実は、疑惑は320万円のレベルではない。
 ある関係者は「新橋の事務所は、仙谷氏の献金集めのトンネル会社になっているんじゃないかという疑惑がずっとある」と指摘した。この問題を追う政治ジャーナリストの藤本順一氏もこう言う。
「仙谷官房長官は、人権派弁護士として、カネ集めに無縁のようなイメージがありますが、そうでしょうか。政治家の顔を使って、長男の司法書士事務所に何か利益を与えたことがあるのかないのか。一体どんな企業が長男の事務所に紹介されたことがあるか。それを洗っていくと、闇は深い。マスコミの動き次第では今度の代表選を左右する決定打になると思いますよ」
 朝日の報道でアワ食ったのか、仙谷は急にバタバタと党内融和で動き始めた。焦っている証拠だ。仙谷の指令の下、枝野執行部は「小沢が代表や幹事長をやっていた時代の政党助成金や組織対策費の使い道を洗い直せ」なんて必死でやっているが、仙谷爆弾を不発弾にすることが先決になってきた。

<引用終わり>

「政治と金」を口にし、起訴されずとも疑惑を持たれた事自体に政治的責任があるかのように主張して来た人々は、一体どうするのだろうか。少なくとも小沢氏は、疑惑に対して全て論理的に辻褄の合った説明をしてきた。

それ故に「説明責任」を本人を前にして言える人は今や皆無だ。事実、先の代表選の最中でも、何度かTV番組や記者クラブの質疑の中で小沢氏に「説明責任」を求めたキャスターや各紙代表達は、小沢氏から辻褄の合った説明をされてしまうと、ことごとく質問を続ける事が出来なくなった事が衆目にさらされた。だから未だに「説明責任」を口にする評論家は怪しい事この上ない。

連芳氏は、仙石氏らを追求しないのだろうか。疑惑が仙石氏だけで済まず、前原氏や枝野氏にまで広がってきたが、小沢氏じゃないから無視かい?と揶揄されも仕方ないだろう。

民主党内部では、それでほっかむりしても、他党は許すまい。小沢氏は証人喚問でもなんでも受けると言っているのだから、当然に仙石氏、前原氏、枝野氏も証人喚問するわけね、と念を押したくなる。

そして小沢氏は、記者から質問が出なくなるまで説明をし、起訴もされなかったにもかかわらず、これら仙石氏、前原氏、枝野氏らから辞任に追い込まれた。では仙石氏らは一体どうやってこの内閣の一員たりえるのだろうか、そのロジックを聞きたいものだ。

別に、小沢氏の推定無罪を否定しても何をしても、それが民主党の倫理規定だと言うのならば、それはそれで構わないと思う。と言うか、そこまで綱紀を厳しくするならばむしろ拍手しても良い。どーぞおやりなさい。

となると、この3氏の疑惑がある中、菅氏は何故閣僚に起用した?

もうこうなると、論理も倫理も無茶苦茶でっせ。

どう考えても、この内閣というか民主党執行部は、直ぐに空中分解だろう。後は単に、いつ墓穴を掘り、小沢氏が離党するのが当然と皆が思う事態になるかだ。それは、こうも先が読めない、菅内閣の戦略と布陣をみる限り、年内に自滅するように思えてならない。

身内の民主党代表選において、「政治と金」を話題にすべきではないと、拙ブログでも言ったし、私個人も民主党の集まりでアジテートしたのは、何も小沢支持の為に主張したのではない。他党の指摘ならともかく、身内がこのような事を言えば、天に唾し自分に返ってくるからなのだ。

勿論、そこに理があれば、たとえ自分に返ってくる天唾といえども進めなければならないが、単に自分の政敵を追い陥れるための策ならば、天に唾する愚行以外の何物でもない。

そして、恐ろしい事に、村木元厚生労働省局長の冤罪事件では、大阪地検特捜部の主任検事が証拠フロッピーを改竄した疑いが浮上している。この様な事実が明らかになって来た今、検察無謬を根拠にして、疑われたら責任を取れという論理は既に破たんしているのだ。

目先の内輪の政局争いに目を奪われ、後先考えずに政敵の足を引っ張るためにやってしまった「政治と金」はもう取り消せない、たとえ勝ったとしても、同じ理屈で自分達が苦しめられ、結局はもたない事に、何故気が付かなかったのか。

仮にいくら今になって、小沢が負けたのは「政治と金」の問題ではない、その政治姿勢に問題があったのだと言ったところで、現に「政治と金」のネガティブキャンペーンを第一に挙げた事実は打ち消せないのだ。もし勝てば官軍とばかりにうち消せると思うならば、バカに付ける薬は無い。

そんなことで誤魔化されるのはハッキリ言って頭が悪い人だ。少なくとも、あれだけのネガティブキャンペーンの中、検察はおかしいぞと気が付いた人々にはちゃんと思考力があるから、こうした人々を騙す事は出来ない。

だから、小沢氏に対する時とは異なる倫理観を現執行部が持ち出して、仙石氏らを擁護し出した時点で、民主党支持者のうち、意識ある支持者は一斉に離れてしまうだろう。だからどっちに転んでも現政権は短命だろうと思うのだ。

もっと言うと、反小沢色を出したことで内閣支持率がV字回復したと言うが、そんなものいつまで続くか、直ぐに答えが出るだろう。

本日これにて、

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コメント

Different people all over the world take the home loans from various creditors, just because it is easy and fast.

投稿: Nadine33Valencia | 2011/08/11 18:16

大量の中国人が、小数のウイグル人労働者を撲殺している動画がニコニコ動画にアップされています。皆さん、是非一度見てください。また、中国人の危険性や何か感じるものがありましたら、拡散をお願いします。


(遠景)6月26日中国広東省で起きたウイグル人労働者襲撃事件映像
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7560115

投稿: にゃほ | 2010/09/22 21:50

ペンダソンさん、おはようございます。
今や「政治家とカネと検察」ニラメッコ問題に変貌しつつありますね。この逮捕は三井環さんと同じように「口封じ逮捕」となる可能性が充分にありますので*、法務大臣や法曹界・マスコミの動向に注目です。小沢さんに関わる事件もこの男が関与していますので、彼の「検察手法」がどう働いたかにも注目です(裁判所からは随分とクレームをつけられているようです)。
*よく時代劇で、悪奉行の下で悪事を働いていた同心が悪事がばれそうになるとその奉行に切られてしまう構図、よく見ますね。

投稿: ペンタクロス | 2010/09/22 09:28

ペンタクロス様、コメントありがとうございます。

小沢批判の実態が党内では「政治手法」であるかどうかといった解釈は論点ではなく、現に「政治と金」を菅氏側が争点にした事が問題で、これは動かし難い事実ですから、今後菅氏側はこのロジックに呪縛される。これが拙ブログの主張です。

前田主任検事の逮捕は衝撃的ですね。何故このような事が許され罰せられないのか国民は怒りを持つべきだ、と書こうと思っていた矢先でしたので、この点は検察を評価できます。しかし、もし前田主任検事が逮捕されずに、放置されていれば、マスコミもこの事件を無視し、さほど大騒ぎにならなかったと思います。そこが最大の問題点ですね。

投稿: ベンダソン | 2010/09/22 08:47

ペンダソンさん、こんばんは。
検察犯罪者、前田恒彦主任検事が逮捕されました。問題は彼に指示を出した黒幕ですね。彼は小沢事件にも関わっているある意味で大事な生き証人、「蜥蜴のシッポ切り」にならないように。

投稿: ペンタクロス | 2010/09/21 21:07

ペンダソンさん、こんばんは。
小沢さん批判は党外世論では「政治とカネ」ですが、党内では「政治手法」です。彼の「政治とカネ」イメージを払拭するのは、先ず「郵便不正事件」で明らかになった検察犯罪の徹底糾弾でしょう。「東京は小沢、大阪は石井一」として強引にハメようとした形跡がミエミエで、今度ばかりは「小沢さんはその犠牲者」と言えます。それを身内を叩くようなことばかりに血道をあげるようなら、検察権力を隠然と支配する「反民主主義者」を喜ばせるだけでしょう。

投稿: ペンタクロス | 2010/09/21 17:47

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