« 選挙日記(3) | トップページ | 地震と選挙 »

2011/02/28

選挙と信念

物事、あまりキレイ事ばかりでは、前には進まない。ま、言ってみれば大人の事情と言うのだろうか、あるいはそうした事を指して政治力というのだろう。だがそれも程度問題だろう。行動を律する「智」が無ければ、無法地帯と化す。

さて、昨年から地域政党を立ち上げ、今月、県議選立候補を表明した事は先に御報告した通りだ。で、駅頭でいわゆる朝立ちをやっているのだが、だいたい1日目2日目で、配布資料を受け取る人は受け取ってしまい、後は全く無反応になる事が分かった。

最初はテレもあって、「おはようございます」「いってらっしゃいませ」と言うのも気恥しく消極的だった。これじゃバカみたいじゃんと思ってしまうからだ。なんか自分の主張をしなければ・・・。

そこで、公職選挙法を見ると例によって、ちんぷんかんぷん、自動車の拡声器なら良いが、ハンドメガホンを使ってはいけないかのように書いてあるのでサッパリ分からないから、ここは選管に聞くのが一番。

すると選管は首を傾げる、政治活動にそんな規制はありませんが、と。そーだった、こちらの早とちりで、読んだ条文全体に係る前提条件が選挙期間中の事である事を見落としていたのだ。駅頭での政治活動には何らそんな規制は無く、ハンドメガホンでもなんでもどーぞやってください、とのこと。

んじゃあ、と言うわけで、「こちらは地域政党です・・・」と演説をぶっ放すと、実に気分が良い。受けようと受けまいと、これがオレの主張だ~っと言うわけである。やはり言いたい事は言わなければ。ただ「よろしく」では何をよろしくなのか分からんではないか。

もっとも、ただ「よろしく」なら良いが「県議選よろしく」と言うと、事前運動と見なされ選挙違反なんだそうだ。だが私の場合は最初から事前運動ではなく、地域政党の設立主旨を訴える政治活動なので何の問題も無いし、事前に配布資料も警察に届けてある。

そんなの、県議選のけの字も言わないからムダじゃないかと言われそうだが、すくなくとも自分自身は、理解されようがされまいが、思った事を言えるので気分が良い。で、タブン自己満足で何の効果もあるまいと思って、思うまましゃべっていたら、あれれ、どーも、今までと反応が違う。

それまで、見向きもしなかった2030代の若者がチラシを自分から取りに来出した。どーやら「地域政党」と言う言葉に反応したらしい。この「地域政党」は立候補を考えた最初からの方針で、昨年、正式に届け出て、以来一貫してこれで通して来た。だから私の選挙区では1人区で、自民党現職と民主党新人と地域政党新人の私との三つ巴だ。この対立2候補がいづれも政党名を隠している事は先に書いたとおりだが、特に酷いのが民主党候補だ。

元々が誰もが知る自民党系なのに、民主が政権を取るや民主党にすり寄って、無理やり推薦を受けるという無節操ぶり。ところが民主党の人気がガタ落ちになると、パンフには無所属新人・○○市代表、県議会議員候補予定者と明記。これは完全な選挙違反の物証だが、そうした事もさることながら、民主党の推薦を受けながら一行もその事に触れず、無所属と書くその無節操ぶりには、キモを潰した。

しかし、市中には民主党国会議員とのツーショット・ポスターを張りまくっているのだから、頭隠してシッポ隠、さず。これでは、市民はバカだから気が付かないだろうと言わんばかりだ。

立法府に市民代表として名乗りをあげるのだから、最低限度の節操なり信念が無くて何の候補者かと思うが、たまげたのは、これで終わりではなかった。小生の「地域政党」活動の受けが良いと分かると、今度は、【無所属】の文字も外して、小生と同じような「○○会」としてしまったのだ。

これには、呆れを通り越して、悲しくなってしまった。世の中いろんな人がいるから、目的のためには手段を選ばない人もいるだろう。だがそういう人は多くの人々からは支持されないものだ。

ところが、PTAのお母さんたちが、この無節操極まりない活動を支援し、せっせと民主党国会議員とのツーショット・ポスターを張り、同時に無所属を謳ったパンフを配布し、今度は「○○会」なるパンフをポスティングする。この現実が悲しいのである。全く筋が通ってない!

一人二人の支援者なら分かるが、善意のボランティア衆が、政党だけど無所属、無所属だけど地域政党っぽいですと言う事に、何も感じないのだろうかと、そちらの方が驚異だ。こんな調子では、その内本当に「地域政党」を名乗り出すではないかと危惧している。

モウそうなると、本当に何でもアリだ。政治理念も信念も何もありゃしない。とにかく当選する事だけが目的になってしまう。何人もの人が、「市民はバカだからそれでよい、アンタもバカになれ、じゃないと勝てないよ」と忠告する。

こうした現実を目の当たりにすると、そのとーりかなとも思うが、それでは選挙に勝つ事が目的になってしまう。確かに勝って活動できる場を確保しなければ、いくら理想を力説しても無意味である事は分かる。しかし、それも程度問題だ、根本となる政治信条なり信念を曲げてしまうならば、病気は治っても患者は死んでしまいかねない。

つまり、手段を選ばず当選しても、その時点で正義から遠ざかってしまっているから、その後の政治活動は推して知るべし。世の中(=患者)を救うどころではない、次の選挙に向けてまた同じことの繰り返しだろう。

或る方が、今度の選挙は、[土着]と「良識」の戦いだと言った。「土着」の対立2候補対「良識」の私との戦いなんだそうだ。自分を「良識」言うのはいくらなんでも気恥しいが、構図としては私もそう思う。

私には、地盤・看板・鞄全て無いが、故に何のしがらみも無い。会う人ほとんどが、アナタの様な人を待っていたともとも言ってくれるが、表立っては応援出来ないと言うので、どこまで本気かは分からないが、少なくとも振興住宅地の方々は協力的でポスティングも手伝ってくれる方が増えてきた。

目下の悩みは、連鎖反応的に人を紹介していただくのだが、それらの方々に会う時間に追われてしまうことだ。無意味にどぶ板訪問するよりはターゲットが絞られてはいるが、いかんせん家と家が離れていて効率が悪い上に、本気で支援してくれる方は、まあ上がって行けとなるから益々時間が無くなる。

何にしても、勝つ事が目的ではないと言うと支援者には怒られてしまうが、勝つ事よりも、キチンとした政策を提案し、市民の判断を仰ぐ事を目的としたい。その結果、何も具体的政策提案してない候補者が勝ち、私が落選するならば、それが民意であり、その逆の結果も民意だ。だから自分の信念を曲げて妥協するつもりは全くない。

妥協してしまったら、市民は何をもって判断すれば良いのか、詐欺になるだろう。だから、既存政党から出馬するのに無所属を装ったり、地域政党有利となると、それらしい会を装ったりを僅か1~2カ月の間にコロコロ変える候補者に支持者がいる事自体、市民が市民を騙しているようで大いなる疑問を感じてしまうのだ。

こういう現実がまかり通ると、自分が立候補予定者である事を忘れ、現職県議を応援したくなってくる。知る限りにおいては、少なくとも違法行為は目にしてない、せいぜいが自民党を小さく表示するくらいだからだ。故に、勝ち負け以前に、私と現職の争いであってほしいと思う。違法行為やりまくりーの無節操ありーので、三つ巴なんて、そんな目で同じには見られたくないっすよ。

本日これにて、

↓ ↓ ↓

人気blogランキングへ

|

« 選挙日記(3) | トップページ | 地震と選挙 »

コメント

○ K.T様、コメントありがとうございます。
また、貴重なサジェスチョン、ありがとうございます。

>結果はともあれ今回の支援者との間に深い信頼関係が出来ることでしょう。
そして、得がたい体験と共に一生の宝となるでしょう。

⇒本日、まさしく貴重な体験をしました。或る既存政党党員の方が、体を張って私を支援してくれている事が分かり、思わず目から汗がこぼれました。
 選挙は、嫌な事も多々ありますが、メチャクチャ感動する事も少なからずあり、意外と楽しいものと知りました。

投稿: ベンダソン | 2011/03/01 23:26

>いかんせん家と家が離れていて効率が悪い・・・

当方の勝手な想像ですが、選挙区は人口5~10万人程度の比較的密集した地域ではないでしょうか?

であれば、やはり紹介者を介して手堅く廻るほうがお勧めです。但し、時間は限られますから、近所を効率的に廻れるように、情報を整理してスケジュールを組み立てること。ネットワークが広がりそうな人に行き会ったときは時間を割くことも大事。そうで無い支持者には、時間が無い旨正直に話して詫びる。
商店や会社、事務所等をを訪問したら、従業員一人一人に声を掛ける、可能なら資料を手渡す。入口で挨拶しただけでは駄目。一人一人の人格を尊重する態度を見せることが基本。
ゼンリンなどの住宅地図はすでにお手元にありますか。
これが、七つ道具の第一です。コアの紹介者、支持者、全くの対立派などを色分けしてマーキングしていくと、活動の穴も判るし、意外なことも見えてきます。

>勝つ事が目的ではないと言うと支援者には怒られてしまうが・・・

あったりまえです。本気で勝つつもりでやらねば、支持者に失礼です。本気で戦ってこそ、結果はともあれ今回の支援者との間に深い信頼関係が出来ることでしょう。
そして、得がたい体験と共に一生の宝となるでしょう。

投稿: K.T. | 2011/02/28 18:25

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 選挙と信念:

« 選挙日記(3) | トップページ | 地震と選挙 »