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2011/07/13

九電やらせメール事件に見る感覚のマヒ

九電のやらせメールは、メディア王ルパート・マードックのイギリス最大タブロイド新聞「NewsOfTheWorld」が9日携帯電話録音メッセージ盗聴していたことから廃刊に追いやられた事件との好対照だ。

イギリスでは全市民が拒絶反応を示し、協力して、新聞販売店は販売停止・広告会社は広告料を停止というように、すぐに廃業に追いやられるのに、日本では永遠に同じ操作工作腐敗が繰り返される不思議。

なぜ、許しているのか?佐賀県知事も町長も世界水準からすれば、かなり穏やかな批判。拒絶など程遠い、そして永続する腐敗。日本には不正に対する拒絶反応がない。

以上は、或る友人からのメールだ。もっともだと思う。念の為、かの国の事件をご紹介しておこう。

http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-22096620110708

<引用開始>

盗聴疑惑のニューズ系英大衆紙が廃刊、168年の歴史に幕

2011 07 8 09:49 JST

[ロンドン 7日 ロイター] メディア王ルパート・マードック氏は7日、英大衆紙「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」の廃刊を決めた。同紙をめぐっては、犯罪被害者らへの盗聴疑惑が取りざたされており、読者や広告主の反発を招いていた。ただ、廃刊決定は予想外だった。

 ルパート・マードック氏の子息で、米ニューズ・コープの英紙部門を率いるジェームズ・マードック氏は、声明で「ニューズ・インターナショナル社はきょう、2011年7月10日日曜日がニューズ・オブ・ザ・ワールドの最後の号になることを発表する」と表明した。

 同紙は約200人のスタッフを抱え、168年の歴史を持つ老舗紙。

 ニューズは英衛星放送BスカイBの買収を目指している。英国政府は、盗聴問題のために買収を認可するかどうかの決定を遅らせることはないとしているが、決定は向こう数カ月は下りないとみられている。

<引用終わり>

ところで、私自身はどう思うかと言うと、正直なところ、さして怒りも涌かずふ~ん、バカだねえと思っていた程度。友人から指摘され、改めて、だよな~、全くケシカランと思った次第、反省します。

話は変わるが、友人と飲んだ時、たまたまこの九電やらせメール事件を言うので、私は「そんなの、アセスなんかの住民説明会ではあたりまえに、サクラの住民を入れてやってるよ」というと、そこにいた官僚OB氏も「そうだよ、パブコメなんか全部そうだよ」と。

いや、さすがにパブコメでそれは無いだろうと言うと、結構真顔で、改めて、いやーやってるさと言うので、正直たまげた。

それはさておき、私が知る限りの実体験で言うならば、一般に環境アセスメントの住民説明会ではサクラを動員するのは当たり前だ。本当の住民も本気で「反対」するわけでもなく、もっぱら全然関係ない地域から来たプロ市民が住民のフリをして騒ぐのがほとんどだ。

そんな訳で、地元説明会なんてのは、地元はそっちのけでサクラ住民が騒いでいる場合が多い。本当の住民とサクラの区別は簡単だ。概して本当の住民は言いっぱなしである。何か意見屋質問を言うが、言いっぱなしで、説明者の解答にまともに反応する事はほとんど皆無に近い。

ウソだと思うならば、アナタの地域の、工場建設、公共事業、スーパー建設、都市計画決定、何でも良いから、そうした事に関する住民説明会に行ってみれば良い。おそらくアナタが近所で目にする住民の方々は、質問なり意見を言う事で満足してしまい、説明者側の解答に対して論理的な反応が皆無なことに気が付くはずだ。

結果、こうした住民説明会なるものは単なる通過儀礼に過ぎない。「反対」する住民は反対だ~と言いっぱなしで、特段の行動を示す訳でもなく、また説明者側もそれを心得ていて、どんな質問が来ようが、あらかじめ用意した解答を、質問とは全く無関係に言うだけなのだ。

要するに最初から、説明をしたり聞いたり、協議しようなんてお互いに全く思ってない。これが多くの住民説明なり協働の現状だ。

だからだろうか、九電やらせメール事件でも、さほど世論が盛り上がらない。人々はケシカランとは言うものの、それだけだ。本気で糾弾する動きは市民にもマスコミにも見られない。九電の社長が「何が問題なのか」みたいな発言をして物議をかもしたが、あれは経験上の本音が出ちゃったのだと思う。

似たような構図の事件でありながら、方や廃業に追い込まれ、方やバカヤローと言われてオシマイ、英国と日本のこの差はホンネとタテマエの文化の差かもしれない。

常にホンネとタテマエが異なるこの国の文化にあっては表面化した事象をそのまま受け取らない習慣が有って、例えば住民説明などにしても、誰一人として額面通り真面目には臨んでいないのではないだろうか。

その結果全てにおいて真実や争点が見えなくなってしまい、実態のないモノに反対したり、賛同したりしているむなしさをDNAレベルで感じ、深層心理に組み込まれてはいまいか。

たとえばこんな例が有る。ある抜群の就職率を誇る国立大学の就活の常識の話だ。面接にはクールビズで来なさいと言われ、その通りクールビズで行った学生は、常識が無いと全員門前払いされたので、絶対にリクルートファッションで行くようになったとか。

日本人の穏やかな性格からすれば、何でもかんでもホンネをぶつけてギスギスしてしまうのは好まれないだろうから、或る程度個人同士の生活においてはホンネとタテマエは潤滑油みたいなもので仕方ないと思うが、公式の場では勘弁してほしいと思う。

じゃないと何が問題で何が意見なのか分からなくなってしまうからだ。ウンコとカレーライスの区別がつかなくなってしまう。巨悪や国家レベルの不正と万引きや横領との区別がつかなくなってしまう。それどころか感覚がマヒしてしまい、巨悪や国家レベルの不正を認識する事すらできなくなってしまうのではないか。

NewsOfTheWorld」盗聴事件と九電やらせメール事件において、英国では廃刊、日本では一時批判されてオシマイ。この差に、根本的な事実認識の差とそれは生み出す善悪の意識・認識の差を考えてしまうのだ。そんなんで、この国の将来は有るのだろうか。

本日これにて、

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コメント

きき様、コメントありがとうございます。

>今回の比較はどうなんでしょう?情報を扱う商売と電力屋さんでは基本の立ち位置が違うのでは?
まあ九電がアホだなーとは思うが。

⇒実は、ご指摘のとーりだと思います。書いてる当初からこの比較は、ちと立ち位置が違うなーと思いつつ書いてました。すんません。

投稿: ベンダソン | 2011/07/28 14:14

今回の比較はどうなんでしょう?情報を扱う商売と電力屋さんでは基本の立ち位置が違うのでは?
まあ九電がアホだなーとは思うが。

今回、経産省主催でやったわけだから別に九電の人間が組織的に書き込んでも別に問題ないのでは?九電の人間だと書けばなお良かったとは思うが。
まあどうせ無記名のコメントなんだし、この評決で政策が決まるわけではないのでよいのでは?反対のコメントを書いた人たちも組織的に書いているかもしれないですしね。
市民団体などと言っても右や左に偏った人たちだけだったりするように、今回書きこんだ市民の人たちもどのような人なのか解らないですね。
誰が書いたかが重要であれば、書き込みをした全ての人の素性を調べるべきでしょう。
もともとこの様な無記名のコメントを見るときには誰が書いたかではなく、どのような内容なのかという事ではないでしょうか。

投稿: きき | 2011/07/28 13:43

小山祐三様、コメントありがとうございます。
>何とも思わず仕方がないとあきらめていては、何も始まらないでしょう。

そのとーりです。たとえごまめの歯ぎしりであっても、騒ぎましょう。

投稿: ベンダソン | 2011/07/17 19:43

 イギリス大手新聞が廃刊になったニュースは知っていましたが、「全市民が拒絶反応を示し」「販売店が販売停止、広告会社が広告料停止」とまでは知りませんでした。私なんかには想像できないことですね。
 九電のやらせメールに対しては怒りを感じても、社会の大きな動きにはなりません。この手の問題は、ずうっとこうだったし、これからもそうでしょう。

ただ、ネットが出来てからは違って来たのではないかと思えてきました。マスコミ以外からの情報は、正しいと思えることが多いからです。マヒしている日本人の感覚を呼び覚ますためには、テレビや新聞だけからの情報だけでなく、広く求めることが大事だなと思いました。原発事故に対する反応も、外国から見たら「本気で糾弾しているの」と思えるでしょうね。そのことを、そうだと自覚することが第一歩。何とも思わず仕方がないとあきらめていては、何も始まらないでしょう。
 そして、「新聞販売店」や「広告会社」のような社会とのかかわりの深い機関の姿勢も問わなければなりません。日本は、まったくだめですね。カネ!ですから。                                                                                                                                                                            

投稿: 小山祐三 | 2011/07/17 14:44

○高橋元子様、コメントありがとうございます。

この世の壊疽みたいです。か、ナルホド。

投稿: ベンダソン | 2011/07/16 22:41

カレーと排泄物混同の例は、生肉食中毒でも実証された感じがします。
この麻痺具合は、この世の壊疽みたいです。懸命に保存的治療を施しても、どうにもならない時には切断を余儀なくされます。

おバカな連中(別名:人でなし)と関わり続けると足を引っ張られて、健全なはずの自分までおバカになりそうです。
実際の壊疽もそうですが、本人が意識的に生活を改めていけば防げるものですし、それ以上の悪化もしないで済むものです。うまくいけば跡形も無くきれいに治ります。

私はこの世の医者ではありませんが、できることなら自覚してもらうことで最悪の事態は回避したいですし、その前段階の治療(他力)への依存からも脱却してほしいです。

ところでこうした現象は、この日本だけなのでしょうか。

投稿: 高橋元子 | 2011/07/15 17:56

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