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2011/08/19

うっぷん晴らしの官僚批判に辟易

昨日、少し遅めの夏休みをとって温泉宿でのんびりしてたら、朝のTV番組で、福島の子供4人と官僚10人の話しあいをやってた。何気に見てたらそのやり取りのとんちんかんぶりと、番組出演者達がこれを批判するとんちんかんぶりにたまげた。

たぶんこの番組だろうと思う。先ずはこちらをご覧いただきたい。

http://www.j-cast.com/tv/2011/08/18104737.html

<引用開始>

福島第1原発事故の対応について、福島県の子どもたちの意見に原子力関連の霞が関の役人が応対する会が17日(20118月)都内であった。

ところが、4人の子どもたちの率直な質問に、文科省や内閣府の原子力災害対策本部の官僚10人はタジタジ。マイクを持つのを躊躇し、たらい回しした揚句、しぶしぶ答弁に立っても質問の趣旨にはずれた答えに失笑を買うなどお粗末さをさらけ出した。終了後、質問した子どもの一人は「子どものころちゃんと勉強してこなかったのかな」とボソリ。

「きれいにするって、なんで早くやらなかったんですか」

橋本伽耶さん(13)と原子力災害対策本部の金城慎司のやり取りはこんな具合だ。

――きれいにするという考えがあったら、なんで早くやらなかったんですか。

「物理的な条件も示させていただいて、最後は皆さんの安心を確保しないと帰れませんので、そこのところは住民の皆さん、市町村の皆さんとよく相談してこれから避難区域の解除などを検討していくというのが政府の方針です」

――どうして早くやらなかったかって聞いたんだけど。

「今のは、除染の取り組みということですか。ではなくて避難区域の解除?」

――除染の話です。

「除染の件につきましては、地方自治体のほうの動きも承知しております。国としても学校のほうとできる限り取り組んできたかと…」

川俣町、飯館村の子ども45%に甲状腺被曝

司会の羽鳥慎一「子どもたちの率直な意見が心に刺さりますね」

作家の立花胡桃「子どもがわざわざ福島から来たのに、大人は何をやってんだと言いたい。子どもが質問する時、メモとっているばかりで目を見て聞いていない。誠意が感じられない」

さらに、テレビ朝日の玉川徹ディレクターは「官僚なんて昔からこんなもんですよ。原発がこういう状態のなかで、人間個人としてこの問題に向き合うことが重要。あのなかで個人として語る官僚は一人もいなかったのはダメだなと思う」と切り捨てた。

官僚のはぐらかし、ズレた答え方は毎度のことだが、今やそんな呑気な対応をしている場合ではなくなっている。いわき市や川俣町、飯館村の子どもたち1149人の内部被ばくを検査したところ、45%に甲状腺被ばくが確認されたことが明らかにされた。子どもの保護者には「問題ないレベル」と説明されたという。

これにも玉川は、「癌のメカニズムについて何も分かっていないのに、新聞も軽々に『問題ない』などと書いてほしくない」と、新聞がよく使う間接的な引用で事足れりとする書き方を批判した。

<引用終わり>

と言う訳だ。この記事にも有るように、10人の若手官僚たちが戸惑い、型にはまった対応は悲しくなるほどにお粗末極まりないものだった。しかし、ちょいと考えてみればすぐに分かるが、誰であってもあれ以上の対応は無理だろう。

それが証拠に、その場の官僚の対応を批判はするが、具体的にどうすべきだったかは誰も言わない。要するに、憎っくき超エリート官僚を、この際とばかりにやっつけて溜飲を下げているのだろう。

私には、お粗末な対応しかできなかった官僚を批判するよりも、実に完璧に官僚たちを叩きのめした、あの子供たちがタダ者では無い事の方が驚きであり、将来が楽しみだ。

何故(除染が)早く出来ないのかを質問する子供に対して、とんちんかんな解答をする官僚たちのアホさ加減は対照的で、質問に応えて無いではないかと言う子供の何と聡明そうなこと。

だが、もっと驚いたのは、その子供が終了後のインタビューに対して「決定権を持たない人たちだから仕方ない、もっと上の人が出てくるべき」と言うような意味の事を言ったのには、正直たまげた。な、なんと冷静な、そして世の中の仕組みを理解してる。キミは一体何者?と思ってしまった。聞けば11歳という。

画面から直接に分かる事は、このように子供の素朴な質問にまともに答えられない超エリート官僚の間抜けぶりと、質問する子供聡明さの好対象ぶりだが、その子供自身が指摘したように、当の官僚たちは判断する権限を持ってないから、批判したところで意味が有るとは思えない。

にも関わらず、鬼の首を取ったかの様に、この10人の官僚を批判するマスコミや出演者のレベルの低さに疑問を禁じ得ない。まさに棒に怒る日本人だ。(拙ブログのタイトル[棒に怒る日本人]とは、猿を棒で叩くと、叩いた人間ではなく棒に怒りをぶつけるという諺から来ている。)

怒るならば、裏にいる彼らの上司や政治家にだろう。菅総理にも出席を求めたが断られたという。その事をもって、一概に批判は出来ないが、状況から見て、対応の遅れを弁明する良い機会を外から創ってくれたのに勿体ないと、私なら思うところだ。

さて、この件の小生の感想は、

     権限の無い官僚に対して、その立場が分かっていながら、組織の命令で動いている官僚を、ここぞとばかり批判する大人たちのお粗末さ。

     そうした周辺事情を理解して物を言う子供の聡明さ、冷静さ。

に驚くと同時に、この事から見えてくるのは、はたして大人たちは渦中の子供たちの事を本当に心配しているのだろうかということ。

あの聡明そうな子供たちが、せせら笑ったのは、しつらえた壇上に上げられた官僚たちだけではなく、その後ろでホッカムリしていたり、周りでワイワイ騒ぐ大人たちでは無いのだろうか。官僚の的外れな解答に「どうして早くやらなかったかって聞いたんだけど。」と突き放した子供の表情は白けきっていた。

本日これにて、

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コメント

管原様、 高橋様、小山様、コメントありがとうございます。

投稿: ベンダソン | 2011/08/24 16:43

私もこのニュースを見ましたが、私の印象は「子どもの質問にシドロモドロの原発官僚」というタイトルが示すように、マスコミが跳びついて面白可笑しく報道しそうなネタだなと、あっさりしたものでした。福島の子供が質問し原発担当の役人がそれに答える会だったようですが、会の趣旨や報道以外のやりとりがわからないので何とも言えません。ベンダソンさんの文章から思いついたことを書きます。
 ・話し合いに参加した子は選ばれたであろうこと、参加するに当たってはそれ相応の準備をしたであろうこと、従って、アドバイスを受けたであろうと想像できる。子どもの質問が素朴で、発言態度もおとな顔負けで、将来が楽しみである、とはマスコミの決まり文句。褒めすぎではないかと私は思う。
・「除染を早くできないか」の質問に、官僚はどう答えればよかったのか。子ども相手なのだから「子ども電話相談室」の無着先生のように分かり易く答えればよかったのに。でもこの質問は大人相手でも納得させられないのではと思う。なぜなら、口が裂けても本当のことが言えないからです。 

・コメンテーターたちはこのニュースを見てどうコメントするか。子どもを褒め、官僚をけなすでしょうね。それしか言いようがない。
・日本国は官僚が強い権限を持ち官僚主導の官僚国家だと思う。


投稿: 小山祐三 | 2011/08/23 10:49

おもいっきりウケました。こどもたちにお疲れ様と心から労いたいです。

答えられないなら出なきゃいいのに。使いっぱにされた挙げ句一族末代までの汚名を着せられる羽目になった官僚諸氏にも、同情の念を隠せません。
こどもたちに、ああ国家公務員、官僚ってこの程度の人なんだぁ、と大きな失望を与えたのか、それとも、こんな連中に任せちゃおけない!と政権奪還を心に決めさせたか。

小学生に国会議員やらせた方が良いというのは私の持論ですが、これからの世、老い先短い大人たちに任せるより、やがて主導権を握るこどもたちにさっさと座を明け渡していただきたい。
老いては子に従えと言いますから。

しかしまあ、毎日ギャグですか?というくらい珍事ばかりで。

投稿: 高橋元子 | 2011/08/22 14:42

官僚云々で思い出したのですが、子ども手当ってどうやら官僚を手懐けるための政策のようですね。
http://www.nikaidou.com/archives/16015

国籍条項がないから不法滞在者に対する餌、もしくは極左らしく外国人も平等にと思っていましたが。

投稿: 管原 | 2011/08/21 12:55

確かに、官僚は政治家などの意思決定に対し、緻密に助言し、プランを提示するのが仕事ですからね。
権限などは官僚にはなく、指示を下す政治家に意見を求めるのが先決だろうと、その子供たちが思ったのでしょう。
それを承知で、当時の政治家の言動を記憶の片隅にあるだろうと思って念のため聞いたのかな。

社会の木鐸なんてのは表向きで、所詮は営利企業ですから。視聴者受けすれば何でもいい、スポンサーの意向に従えば良い・・・戦前と変わっていません。


投稿: 管原 | 2011/08/21 12:27

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