意味不明な判決に?
今日、小沢氏の秘書3人の判決が出た。検察側の証拠調書を退けていたので、てっきり無罪かと思いきや有罪判決が出た。ホエッ!?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110926-00000056-jij-soci
<引用開始>
石川議員らに有罪=「裏献金」受領を認定―元秘書3人の共謀成立・陸山会事件判決
時事通信 9月26日(月)16時18分配信
小沢一郎民主党元代表の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で、虚偽記載罪に問われた元秘書3人の判決が26日、東京地裁であり、登石郁朗裁判長は衆院議員石川知裕被告(38)に禁錮2年、執行猶予3年(求刑禁錮2年)、元公設第1秘書大久保隆規被告(50)に禁錮3年、執行猶予5年(求刑禁錮3年6月)、元私設秘書池田光智被告(34)に禁錮1年、執行猶予3年(求刑禁錮1年)をそれぞれ言い渡した。元秘書側はいずれも全面無罪を主張していた。
判決は、中堅ゼネコン水谷建設からの1億円の裏献金の授受を認め、虚偽記載の動機になったと認定した。小沢元代表の政治責任が改めて問われそうだ。
土地取引をめぐる事件で登石裁判長は、小沢元代表から借り入れた土地購入代金の4億円を、石川被告が複数の口座に分散入金し、その後集約して組んだ定期預金を担保に銀行から融資を受けたことを「隠蔽(いんぺい)工作」と指摘。「4億円を隠すため、故意に虚偽記載したのは明らかだ」とした。
水谷建設からの裏献金については、「石川被告と大久保被告に5000万円ずつ渡した」とした同社元社長の証言は信用できると判断。動機を「4億円の原資を追及され、水谷建設からの資金が明るみに出ることを恐れたため」と、検察側の主張通りに認めた。
公判で地裁は、検察側が請求した供述調書の大半を不採用としていた。判決は、起訴内容の一部を除いて、3人の共謀が成立すると判断した。(赤字は拙ブログが強調)
<引用終わり>
■例によって分からない罪の対象
例によって、この事件、未だに何がいけなくて、どういう犯罪がさばかれているのかが分かりにくい、と言うかサッパリ分からん。例えば殺人事件ならば「東電OL殺人事件」といったように具体的内容が想起されるが、この事件は「政治資金規正法違反事件で、虚偽記載罪に問われた」と言うだけでどういう具体的な行為が裁かれているのか、あいも変わらずピンとこない。
■どんなに想像力を働かせてもヤッパリ分からない
<水谷建設からの1億円の裏献金の授受を認め、虚偽記載の動機になったと認定した。>とか、<銀行から融資を受けたことを「隠蔽(いんぺい)工作」と指摘。「4億円を隠すため、故意に虚偽記載したのは明らかだ」とした。>とか書いてあるが、何のこと?事実に対する評価ばかりで、肝心の事実が良く分からない。どんなに想像力を働かせてもヤッパリ分からない。
■罪の具体的内容を書けないのは何故?
虚偽記載で有罪というのだから、おそらく判決文には、有罪の対象となった具体的犯罪行為は書かれているはずだ。だから、本来記載すべき内容と虚偽の内容を書けば済む話なのに、肝心の「虚偽」の具体的内容がサッパリ分からない、と言うか書いてない。これ、そんなに難しい事なんだろうか?
■噴飯もの
「水谷建設からの裏献金については、「石川被告と大久保被告に5000万円ずつ渡した」とした同社元社長の証言は信用できると判断。動機を「4億円の原資を追及され、水谷建設からの資金が明るみに出ることを恐れたため」と、検察側の主張通りに認めた。」に至っては、噴飯もの。
■これ、ギャグ?
あたかも5000万円づつ計1億円を記載すべきところを、記載しないでネコババしたかのように印象づける。もしそうなら、虚偽記載なんてどーだって良いだろう。収賄そのものだ
裏献金は事実だけど咎めないで、それを隠ぺいした虚偽記載が有罪って、これ、ギャグ?と思ってしまう。でもって、具体的虚偽内容は報道されない。イヤハヤ、どういう報道なんだろうか。他社の報道を見てないがおそらくこんな調子なんだろう。開いた口が塞がらない。
■収賄なのに虚偽記載?
もし報道されている事が事実ならば、「石川被告と大久保被告に5000万円ずつ渡した」金は、どこへ消えたと言うのか、それを隠ぺいしたと言うのなら、そりゃ収賄そのものだし、秘書の「横領」か、さもなくば小沢氏の「脱税」だろう。何故そっちで裁かない?
収賄は事実だから、虚偽記載は有罪って?アホか。じゃあ収賄で有罪にしろよだ。
■最初から最後まで、論点不明
陸山会事件と銘打ったこの事件は、最初から最後まで、論点が不明で、判決が出た今も不明だ。だれか、何が問題で、この3人の被告のどういう行動がどうして罪なのか分かる人がいたら教えて欲しい。
■何故検察は小沢氏を、逮捕起訴しないのか
別に拙ブログは、小沢信者になるつもりは無いから、小沢氏が絶対無罪だとは思わない。だから、水谷建設からの裏献金が有ったというのなら、何故検察は小沢氏を、逮捕起訴しないのか、全く意味が分からないのだ。
■小沢憎し
小沢憎しをすりこまれた人々は、こうした事に何の疑問も抱かないかもしれないが、明らかに法治国家としては変だし、ものすごくレベルの低い印象を持つ。
■本当は●●
レベルが低いと言えば、話は少し飛ぶが、私が住んでいる街も相当にレベルが低い。数年前、こんな事があった。当時、改革派の市長が居て、守旧派とぶつかっていて市長不信任案が出されたが、3名の議員が採決に欠席しギリギリで否決された。するとほどなくして、その3名を含む過半数の議員の連名で市中にビラが配られ、採決を欠席した議員が、私達は本当は不信任賛成なので、事実上は市長の不信任は成立していると書いてあった。
■愚劣さに辟易
いかにも痴呆議員の言い分にあきれてしまい。だったら次の議会で採決すれば良いだろうと、心ある市民から指摘されたが、カエルの面にションベンだった。この愚劣さに辟易したが、陸山会事件を取り巻く報道や司法の在り方には、同じ愚劣な匂いを感じてしまう。
誤解無きように繰り返すが、小沢サイドを無罪にしろと言ってるのではない。裏献金が事実だと言うのなら、堂々と収賄、横領、脱税で罰すべきであり、何が罪の対象かも分からないションベン刑を言い渡し、あたかも本当は極悪人であるかの様な裁判はイカレテルと言いたいのだ。
本日これにて、
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【追記】
ブログに記事をアップした後、改めて読み直してみると、この時事通信の記事はやっぱり、ものすごく不自然で変だ。フツーどんな事件でも、その犯罪の内容くらいは書いてあるものだ。「容疑者Aは強盗で有罪判決となった」なんて記事は絶対書かない、どこで何をしたは最低書いてあるもんだ。だから容疑者Aはどこそこのコンビニで強盗を働き有罪となったくらいは書く。
ところが、この時事通信の記事では、肝心の3人の秘書が何をしたかがすっぽり抜け落ちていて、やった事が不明なままの評価や印象だけが述べられている。上の例で言えば、容疑者Aの強盗は凶悪で、目撃者もいる、とだけ述べて、どこで何をしたのか分からせない書き方だ。
こんなのが報道と言えるだろうか。犯人は何をやったか分かりませんがスゲー悪い奴だと言ってるようなもん。そんなの報道じゃないだろ、てーへんだてーへんだあと叫ぶクマ公・八っつあんのヨタ話しレベルではないか。
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コメント
小山祐三様、コメントありがとうございます。
今回の判決、さすがにマスコミもオカシイと感じたのでしょうか。思ったほど騒ぎにならず、各紙各局、なんとなく適当にスル―しているように思うのは甘いでしょうか。
とは言え、こんな裁判がまかり通るようでは、法治国家とは言えないでしょう。本当に罪が有るならば、別に無罪にする必要は有りませんが、上級審では筋の通った判決を望むばかりです。
投稿: ベンダソン | 2011/09/28 19:15
ベンダソンさんのおっしゃるとおりだと思います。56歳になる登石裁判長は水谷建設からの裏献金を認めているのですから、それを認めるなら虚偽記載などではなく収賄罪として裁かなければおかしいことに自分で気がつかなければいけません。検察が収賄罪ではなく虚偽記載で起訴しているには訳があると誰しもが考えるでしょう。訳は簡単でいくら調べても罪に問えなかったからです。無理に起訴しているから意味不明、判決も意味不明なのです。こんな裁判が通ったらこれから先が思いやられて仕方がありません。「確かに私がやりました」と認めさせるだけの証拠がなければ「推定無罪」でしょう。それが原則だと思います。
投稿: 小山祐三 | 2011/09/28 19:05