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2011/10/27

ところ変われば・・・

ところ変われば品変わるというが、物事の基準も変わるらしい。私の業界では残業100  時間なんて、ごく当たり前、かつては毎月160時間なんてこともざらにあった。もちろん、ちゃんとした上場企業での話だ。ところが・・・、

まずは、こちらの記事をご覧いただきたい。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111027-00000968-yom-soci

<引用開始>

井上ひさしさん死後対応の過労自殺、労災に認定

読売新聞 1027()2016分配信

 劇作家・小説家の井上ひさしさんの親族が経営する会社に勤務する男性が昨年6月に自殺し、上野労働基準監督署から労災認定されていたことが27日、分かった。

 男性の遺族の代理人弁護士が記者会見して明らかにした。

 弁護士によると、男性は渡辺昭夫さん(当時59歳)。井上さんが旗揚げした劇団「こまつ座」(東京都台東区)や井上さんの個人事務所に務めていたが、昨年6月1日、事務所の入るビルの5階から飛び降り自殺した。

 渡辺さんは編集や秘書の業務を担当。昨年4月に井上さんが亡くなった後は取材対応やお別れの会の準備などに追われていたという。同労基署は、自殺直前の昨年4、5月は残業時間が平均100時間を超え、5月頃には精神障害も患っていたと判断。過労による自殺として労災認定したという。認定は今年の9月26日付け。

.最終更新:1027()2016

<引用終わり>

井上ひさしさん云々は、まったくもってどうでもよい。論点は、残業100時間が自殺の原因と認定された点だ。

ところ変われば・・・というが、建設コンサルや設計事務所では、残業100時間なんて、ごく当たり前なんじゃないかと思う。違ってたらゴメンナサイ。なにしろ、10年前にサラリーマンをやめて独立してからは、結構楽な仕事が続いていたので、最近の業界の実態については断定できないのだ。

わからないけれど、独立以来、すべての業務が特命受注だったのが、3年ほど前からそうでもなくなり、大手の手伝いをするようになったら、彼らはトンデモナイ時間に「今やっと資料ができたので意見をください」とメールしてくるし、徹夜が当たり前のように働いている。だから今も状況はそう変わってないのだと思ったから、今この記事を書いている。

だから、たかが残業100時間で労災?と思ってしまった。念のため言っておくが単語に反応しないでいただきたい。100時間の残業が適切だと言ってるのではない。業界によって、受け取り方が随分と違うなあ、と思っただけ。

さすがに残業代を出さないなんて会社は、少なくとも上場企業には有り得ないが、それでも、管理職のサービス残業はあるだろうし、全体に労働基準法を額面通り守ってる会社が一体、どれほどあるのだろうかと思う。

法律なんて、あってないようなもんだろう。

で、思うのは、残業100時間でノイローゼになって自殺したら、みんな労災認定されるのだろうか。たぶん認定されるに違いない。とすれば、100時間の残業をさせる会社はトンデモナイ過酷な労働を従業員に強いていることになるのでは?と思った次第。

結論をいうと、この労災の判断を支持しているのだ。どの業界も、100時間を超える労働なんてありえないくらいにビックリして、まともな労働環境を創ってくれればと思うばかり。

そうすれば、ワークシェアも進んで、失業率も改善されるかもしれない。少なくとも、モノづくりではない知的労働は、基本的に外国とあまり競争がないのだから、国内で過当競争し労働単価を下げる必然性がないと思う。ところがどういうわけか、形の無いものには金を払わない国民性からか、過当競争がひどすぎるように思うのだ。

設計はともかくも、特に計画系の業務では、別に人材が余っているわけではないから過当競争してるはずもないのに、異常な低価格がもう10年以上続いているように思う。その結果、いわゆる「計画」なる業務の成果は惨憺たるもので、ただページだけ増やした全く中身のないレポートばかりになってしまった。

たとえば、はっきり言って、自治体の都市計画にはまともなモノはほとんどない。もっともそれがわかる人も少ないから、問題が表面化するのは、計画立案から相当後の事業実施段階であり、結局うやむやだろう。

今般の大震災で、建設コンサルタントは大忙しだが、都市開発ないしは面的整備がわかる技術者が今やほとんどいなくなったためか、思わず目を疑うような作業を目にする。全くの素人同然の知識で、CAD技術に頼ってパッと見にはきれいな絵になっているが、内容は全くでたらめだ。

こんなんで、復興計画を立てたら、何億もの金をどぶに捨てるようなもの、しかも永久に実現しないか、実現しても無駄だらけの街になると思うものばかりだ。

最近様々なコンサル会社から、こうした計画のチェックと指導を頼まれるが、地域の特性を知らなくとも、見た瞬間にミスだらけ、でたらめぶりがわかるので指摘すると、ははーっと感心されたりするが、分からないなら仕事にしてはいけないと思う。

今日はたまたま、自分に見える領域の話をしたが、今後の震災復興では、除染やがれき撤去などはじめ、さまざまな分野で、いい加減な仕事のツケが表に出てくるような気がする。

労災の話から、震災復興にたどり着いたところで、本日これにて。

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コメント

ペンダソン様、こんにちは。

>設計はともかくも、特に計画系の業務では、別に人材
>が余っているわけではないから過当競争してるはずも
>ないのに、異常な低価格がもう10年以上続いているよ
>うに思う。

この点については同感ですね。その昔、エンジニアの端くれとして知的業務に携わってきた私としては。
個人的には正当な対価を払ってくれるのならば、100時間残業させられようが文句を言いませんが、今の日本はエンジニアに支払うお金が安すぎる…
20年不況なんて言われている昨今ですから、正当な対価を払いたくても払えない現状があるのでしょうが、それにしても安すぎると思います。
日本で食い詰めたエンジニアが、中国で月4000元足らずの給料で働いているなんて話も聞きますし、エンジニアをあんまり粗末に扱うと、どんどん日本の技術が海外に流出してしまうような気が…
エンジニアは設計屋と違って、設計を主な業務にはしていないけど、同じ仕事を何十年もやってきた人なら簡単な設計業務ならこなせる人が多いので、こう言う人が日本から逃げていく今の現状と言うのは問題だと思います。
だけどエンジニアや設計屋は会社さえしっかりしていれば、まだ残業代が出るからいいですか、研究畑の人には残業代が支払われません。国の法律でもそうなっています。
簿給で100時間残業…
日本の理科離れも仕方が無い様な気がします。


>見た瞬間にミスだらけ、でたらめぶりがわかるので指
>摘すると、ははーっと感心されたりするが、分からな
>いなら仕事にしてはいけないと思う。

今、こう言う人が増えてますよね(失笑)。
ひと昔の人なら自分の仕事に誇りを持っていたし、「見た瞬間にミスだらけ」なんて仕事をしなかった。そんな事をしたら、お客様に対しても失礼だし。
私にも理由はよく判らないのだけど、「虚勢」と「見栄」だけで仕事をする人が増えたように思う。
「虚勢」と「見栄」だけで仕事をする人は、ロクな知識も無いのに体裁だけは整えて外面だけは立派にする。だけど、その事について誰も指摘しない。
同じ会社の人間の中に「こいつは外面だけだ」と判っていている人はいるのだけど、それを指摘すると気まずい雰囲気になるので、敢えてその点を指摘しない。
で、客先に資料を提出した時に初めてお客さんから「なんじゃコリャ!?」と指摘されて失笑を買う。だけど、それってお客さんに対して失礼じゃないの?
社内の人間関係よりもお客さんの方が大事でしょうに…
ひと昔まえだったら、変な仕事をしようものなら、頑固爺さん(※先輩諸氏の事)に頭ごなしに叱り飛ばされたし、それが普通だった。
最近の人は怒りませんね。本当におとなしくなった。
怒る事が物凄い「悪」だと思っている。
だけど、そのせいでお客さんの失笑を買い信用を失っていたのでは、意味がないと思うのですが…

投稿: ほーほけきょ | 2011/11/08 07:57

たなか様、コメントありがとうございます。

更新をさぼっていたら、ブログランキングが圏外に落ちてしまったので、誰もコメントしてくれないだろうと思ってました。かくも即レスいただき感謝です。

で、おっしゃること、そのとーりだと思います。

少しづつ労働環境は改善されてきたと思いますが、西欧諸国と比べれば、いまだに大きな開きがあると思います。

日本人はいまだに、悲しいほどに働き蜂です。なんてったって、自殺者が年間3万人なんて異常です。もちろん生活苦がすべてではないでしょうが、かなりの比重を占めているのは明らか。

なんだかんだ言っても、日本はアジアでは豊とは思いますが、先進国の中では貧しいと思います。

投稿: ベンダソン | 2011/10/28 09:28

ペンダソンさんも交友関係が広いから同じようなこと言われたことあるかと思いますが、ヨーロッパの友人から「日本は労働者に休みをろくに与えず、オーバーワークにきちっと賃金も払わないらしいが、それで(この前まで)世界第2位の経済規模と言っても、そんなのアンフェアだろう」といわれたことがあります。
日本に帰ると夜11時でも煌々と明かりがつくビル群、こちらでは夕方には帰路のフェリーでビール飲んでる人々、そんで下手するとこの人たちの方が給料が高いんじゃないか、って気がしてなりません。少なくとも幸福度は高い気がします。翻って日本はエコノミックスレイブという表現が一番かと。
残業は拒否できて当たり前、有休は取って当たり前、早くそんな国になって欲しいものです。ただ定時にチンタラやって残業する連中がいるのも困りもんですが。でもこれも残業が許される環境だからこそそうなるんでしょう。

投稿: たなか | 2011/10/28 09:11

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