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2012/06/29

奇妙な社説

いったいいつ小沢氏は増税反対と言ったのだろうか、増税の前にやるべきことがあるから、「今は」反対と言ってることは、小学生でも知ってることなのに、小沢嫌いに洗脳されたオトナ達は単語に反応し、小沢は出来ない事を言っていると、さらに洗脳されるようだ。これじゃあ、つける薬が無い。

まずは、こちらの今日の朝日の社説から。

http://www.asahi.com/news/intro/TKY201206270742.html?id1=2&id2=cabcagci

<引用開始>

民主党の混乱―問題は「果たせぬ約束」

 マニフェストについて民主党が非難されるべきなのは「約束を果たさなかったから」ではない。「果たせない約束をしたから」である。

 分裂状態に陥った民主党で、小沢一郎元代表ら造反議員は野田政権の「公約違反」を批判する。政権交代につながった09年総選挙の公約に消費税増税はなかった。たしかに「国民に対する背信行為」のそしりは免れない。いずれ総選挙で国民の審判を仰がねばなるまい。

 だが、野田首相に「約束を果たせ」と言いつのる小沢氏らは財源の裏付けのない「果たせない約束」をつくった責任をどう考えるのか。

 もう一度、民主党の公約を見てみよう。

 月2万6千円の子ども手当を支給する。月7万円を最低保障する新年金制度を導入する。提供するサービスははっきり書いてある。一方、財源については「むだの削減」といった、あいまいな記述にとどまる。

 最低保障年金を実現するには、「10%」をはるかに上回る増税が必要になることも、それにもかかわらず多くの人の年金が減ることも書かれていない。

 「負担増なしに福祉国家を実現できる」と言わんばかりの公約だった。

 その公約づくりを党代表として主導したのは、ほかならぬ小沢氏だった。子ども手当の額を上積みさせ、「財源はなんぼでも出てくる」と言い続けた。

 現実には、子育て支援の充実も年金財政の安定も、増税なしには困難だ。だからこそ、3代の民主党政権が苦しみ続けたのではなかったか。

 小沢氏は何をしていたのか。「むだを省けば、増税なしに財源をつくれる」というなら、具体的にこのむだを省けと政権に迫ればいいではないか。増税を試みた菅政権にも野田政権にも、そんな説得の努力をしたとはついぞ聞かない。

 小沢氏自身、増税なしには社会保障の維持さえできないことはわかっているはずだ。だから、細川政権時代に7%の国民福祉税を導入しようとしたのではなかったのか。

 いまさら「反消費増税」の旗を振るのは、ご都合主義が過ぎる。にもかかわらず造反議員らは「反消費増税」を旗印にした新党づくりを公言している。執行部は厳しい処分で臨み、きっぱりとたもとを分かつべきだ。

 「果たせない約束」を掲げて政治を空転させることを繰り返してはならない。次の総選挙に向けて、政治が国民の信頼を回復する道はそれしかない。

<引用終わり>

この朝日の社説、何とも奇妙なロジックを掲げているではないか。まず、冒頭から【マニフェストについて民主党が非難されるべきなのは「約束を果たさなかったから」ではない。「果たせない約束をしたから」である。】とかましている。

■インパクトのある言葉

インパクトがあり、人をぐっと引き付けるコトバだ。さすが社説だ。だが待てよ、「約束を果たさなかった」のは事実だが、「果たせない約束」と、どうして言える?コトバは恰好いいが、根拠は最後まで出てこない。この社説の論理構造は、全てここを前提にしているから、ここが崩れたら、この社説ただの小沢の悪口に過ぎないにもかかわらず、だ。

■ソフィストの詭弁

自分の思い込みを感情に訴える恰好の良いコトバで断定し、あたかもそれが普遍的真理のごとく論を進めるやり方は、ソフィストがよくやる初歩的詭弁だ。論理的思考が苦手な日本人は、簡単に騙される。

「○○先生はみなさんご存じのように偉大な方である、その先生もが言っておられるのだから、間違いあるはずがない、皆さんいかがでしょうか」というパターンだ。「だから」の前に示された根拠は、真実かどうかわからないからその後の「アジ」とは実は全く結びついてない。

■増税しないなんて、いつ言った?

と、ここまで書いてふと気になった、そもそも小沢は、増税しないなんて、いつ言った?落ち着いて読むと分かるが、このイントロ時点では、増税は論点にはなっていない、論点はマニュフェストである。それが次のセンテンスから増税になり、いつの間にか小沢は反増税だとなっている。まあ、聞いてくださいな。

■責任と評価

さて、このイントロを経て、記事は本題に入っていく、曰く「できない約束をマニュフェストに書いた責任は小沢だ」となる。読んだ人は「小沢はできない約束をした」と錯覚をする。だが正確には、「書いた責任」が小沢にあるのであって、「できない約束」は朝日が言ってるに過ぎないから、【「朝日ができないと言ってる事を」書いた責任は小沢だ】ということだ。ま、そのとーりだろう、書いた時の責任者の一人なんだから。

■シンプルな論理構造

で、この社説を最後まで読むと、一貫して、小沢が「反消費増税」の旗を振るのはインチキであると、表現を変えながら繰り返している。この論理構造はシンプルで、「小沢は増税無しでマニュフェストが実現できると言った」⇒「増税なしに出来ない」⇒「だからウソつき」というものだ。

■隠されたトリック

だが、ここには以下のトリックが隠されている。

 すでに述べたように、できるか否かは真実かどうかわからない。

 仮に出来ないとしても、政権を取る前の情報・事実で、増税が必要であったのか。ウソつきと断じるならば、現時点の情報ではなくマニュフェスト作成時点の情報と事実で論じなければならない。

 その現時点において、小沢は増税反対とは言ってない。その前にやることがあるから今は適切ではないと言っているだけ。

なのに、記事はあたかも小沢は反増税であるかのように書いている。「今は反対」から「今」を省略している。たった一文字の差であるが意味合いは180度違うので、文筆を生業とする者が書いた文章としては、間抜けか悪意かのどちらかだろう。

■努力をしなかった?

で、揚句に「増税を試みた菅政権にも野田政権にも、そんな説得の努力をしたとはついぞ聞かない。」と書いてあるが、はてな?だ。一年前、小沢は、増税の前にマニュフェストを実行しろと騒いでいたはずだけど?

■根本から違う事実認識

野田政権にいたっては、増税なんておくびにも出さずに代表選をやり、増税を言い出したころには、ノーサイドと言いながら、小沢の党員資格を停止していたんじゃなかったのか。だから、どーも、この辺の朝日の理屈がよくわからない、事実認識が根本から違うようだが、そんな解釈の仕方で変わるような事実なんだろうか。

■悪口レベルの社説

言えることは、この社説、「客観的根拠が無い」、「事実認識が違う」、「小沢インチキ」の前提で書かれているので、論理が破たんしているということ。単語に反応する小沢嫌いの人には受けるだろう。だが、インパクトのある単語に反応せず、文章を冷静に読めば、ただの人の悪口レベルでしかない事に気付くはず。

本日これにて

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追記:いかん、一番最初に書こうと思っていたことを、途中で長電話が入ってしまい忘れてた。朝日の最大の論理破綻は、消費税を上げなければならないと言っておきながら、新聞への軽減税率を求めている事だ。論理破綻というより、破廉恥極まりない!

 

ただし、これは朝日に限らない。大新聞社は今、消費増税に反対する小沢批判をしながら、軽減税率を求めてるのだから、恥知らずもいいところだろう。これについて書き始めると、さらに長くなるので、こちらのブログが参考になると思う。

http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/1fc5848217a0ae0ddbc8fbc5de887884#trackback-list

 

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コメント

○小山祐三様、コメントありがとうございます。
>この朝日社説のようにひとりよがりの前提で誤りに気がつかず論を進めてしまうことを私も時々犯してしまうので、・・・

⇒との小山様のコメントで、最初にこの記事を書こうと思った動機を、書き忘れていたことに気付いたので、本文中に追記しました。あたかも「消費増税が必要なのに反対する小沢」といわんばかりなのに、自分たちは税の減免を求める破廉恥さは、正にご指摘の通りです。

投稿: ベンダソン | 2012/06/29 23:19

〇私も陥り易いひとりよがりの論理展開。
 
 ベンダソンさんが喝破されているとおり、私もこの社説の事実認識には根本から違うところがあって論理が破綻していると思います。執筆者はそのことに気がつかずに筆を進め、あらかじめ予定していた結論に導いています。文章から受ける感じは、どうだと言わんばかりの得々としたもので、反論を受け入れる余地などなさそうです。それに、どこでどうなっているのかわかりませんが、朝日、毎日、読売などマスコミの論調が右ならえで、どれも同じということに気がつきます。日本マスコミ界の不思議の一つですね。不思議ではなく、ダメなところと言った方がいいかもしれません。。
 この朝日社説のようにひとりよがりの前提で誤りに気がつかず論を進めてしまうことを私も時々犯してしまうので、気をつけなければいけないなあと、実は、思っております。 それにもめげず、気がついていることを次に書いてみます。
 民主党の原口一博氏が消費増税衆議院採決のあと、棄権したことについて次のようなことを言っていました。「郵政民営の時には我々仲間が軒並み落選の憂き目にあったが、一糸乱れず次の選挙を待った。そして今日を迎えている。逆境にあってもじっと耐えて、困難を乗り切っていく団結力が大切であることを知った。今は民主党を壊さないことが最優先だ。」
 それを聴いていて、郵政民営化反対と消費税増税の話とは、前提が違うと思いました。前者は同じ考え同士だし後者は意見を異にする者がいます。そこに団結を持ちこむのには無理がある、と思ったのです。そう思ったときから原口氏のさわやかな弁舌は色褪せて見えてしまいました。
 ベンダソンさんが朝日新聞社説に異を唱える姿勢は、とても大切で、私も見習っていきたいと思いました。

 

 

投稿: 小山祐三 | 2012/06/29 20:34

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